2007年12月一覧

一番湯のカナタ1~3巻発売中♥ サンデー4+5号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 本当に全部四コママンガだったよ! すげえ!
 と、判っていてもあえて驚いてあげるのがファンの勤め!(挨拶)

 なお今回の最期に出てきた亡霊について一応補足しておきますが、これは「一番湯のカナタ」という椎名先生のサンデーにおける前連載作品です。2002年21号から2003年2号まで掲載。全29話。最期は打ち切りを食らって終了しました。このサイトにおける感想ページはこちら(新規書き込みはできません)。

 そして「休載した直後にカラー」が何故不吉なのかというと、「一番湯のカナタ」の場合、コミックス3巻に掲載されている「変身」編第一話が休載明けに一度センターカラーになったのですが、そのわずか8話後に作品そのものが打ち切られてしまったという経歴があるからです。
 当時は「センターカラーになった週で読者アンケートの結果が奮わなかったから打ち切りが決定した」とも、「センターカラーが掲載された時には既に打ち切りが決まっていた」とも言われたものですけど、まあ結果として打ち切りになったのは事実なので、今となってはどっちでもいいです。

 この事実から得られる教訓は、「普段は下位に掲載されている漫画が突然センターカラーに来た場合、編集部は『この回の読者アンケートの結果でこの漫画の人気を推し量りたい』という意図を持っていると推測されるので、ファンの人はちゃんとアンケート出しておいた方が良い」という事です。
 ですので、次回のサンデーで「絶チル」が巻頭カラーになった場合も、「重大発表って、もしかしてアニメ化の発表とかがあるんじゃね?」とかゆめゆめ油断することなく、ちゃんとアンケートを出すなどの形で応援して頂きたいと思いました。
 例えあと8週で打ち切られたとしても、「カナタ」の時みたいに悔いが残らないようにしないとね!(ドクロ)

 以下雑感。

  • 青山先生と畑先生に対して、キッチリ義理を返してますね。律儀だなあ。
  • 80-56-83なら十分じゃね?(何)
  • 私は皆本と身長が一緒なのに、体重が20kgも違う件について。
  • 朧さんがどんどんフツーに…(「絶望先生」で日塔奈美を嘆くような口調で)
  • 「絶対チルチル」は間違いなくテレ東規制に引っかかるので、関東U局で放送されているに違いないと見ました。
     これがテレ東だったら、おそらくパンチラにモザイクかかります。エロい。逆効果だ。
  • 「ボクに108人の妹が!?」という時点で原稿を叩き付けない薫を尊敬していきたい。

 そして、おそらくこんな機会は二度とないので、「カナタ」のアフィリエイトを張っておきます。
 最期のセンターカラーから打ち切りに至るまでのハチャメチャさが楽しめる3巻がお奨め。いやマジで。


「兄ふん」の終わり方の美しさっぷりに驚いたサンデー4+5号感想

ハイド&クローザー

 「これぞ王道! 毎週がクライマックス!」という冒険百連発なキャッチコピーをひっさげて始まった新連載。実際、その名に恥じない、極めて判りやすい正統派な「少年マンガ」してる第一話だったと思います。どのくらい正統派かと言うと、ここだけ週刊少年ジャンプだよ! と言っても通用しそうなレベルです。
 個人的には、ハイドの武器が電動ノコギリで、かつ名前が「テキサスチェーンソー」(=悪魔のいけにえ。椎名先生も大好きだと公言している、どうしようもないホラー映画)であるところにグッと来たというか、そういう感性を持った漫画家がサンデーに登場してくれたこと自体が嬉しいです。このマンガも人気が出て欲しいですね。

 あとついでに言うと、前号のサンデーで予告を見た時に感じた「『リボーン』とソックリ同じだったらどうしよう」という心配が杞憂に終わって良かったです(余計)。

ハヤテのごとく!

 クロコダイン様はそんなことしない!

 今回は、ハヤテの中では西沢さんルートは完全に終わっていることが明示的に提示された、ちょっともの悲しいお話になりました。
 逆に西沢さんの好感度を上げる結果になったのは皮肉なんですけどね。クロコダイン様も罪なことをしなさる。

金色のガッシュ

 これは! 登場人物達がいきなり学校に通い出す、この展開は! 「となりの801ちゃん」に出てきた、腐女子の七大罪の筆頭である「学園化」そのものじゃないですか!
 だ! だめよ! 禁じ手なの学園化は! そんなことしたらゼオンが図書委員で! 白ランで! キャー! じゃないですか!

 というところしか突っ込みようがない、完膚無きまでに美しい最終回でした。少年誌に掲載されるバトルまんががこんなに美しく終われるだなんて、現代においてはもはや奇跡としか呼びようがありません。今はただ、その奇跡を成し遂げた雷句先生に対して「お疲れさまでした」と申し上げるのみであります。
 「ヒーローババーン」の頃から己が信じるヒーローの真にあるべき姿を描き続けてきた雷句先生の努力が、「ガッシュ」の幸福な完結という形で実ったのではないかと思います。

 何はともあれ、雷句先生長い間お疲れさまでした。次の作品で、また新たなヒーローを生み出して下さい。

LOST+BRAIN

 「デスノそっくり」ということで瞬間沸騰的にネットで盛り上がったものの、その直後に「メガバカ」にその座を奪われてしまった「LOST+BRAIN」。ただ、マンガとしての吹っ切れ具合としては「デスノ」を(おそらく意図的に)意識させる構成だった前回よりも今回の方が遙かに吹っ飛んだ領域に達しており、今回に入っていきなり面白くなって来たなと思いました。
 第一話では催眠術の技法を説明して内気な子が陽気になるレベルだったものが、第二話になるといきなり「羅生門」を暗唱させたり腕立て伏せを100回やらせたりする、催眠術表現のインフレっぷりがたまりません。そしてラストの大沢君自爆テロ。まさか本気で『催眠術で革命起こしたる! 目指せ人類完殺!』みたいな話に持って行くとは思いませんでした。このマンガの「面白い」は、まあつまりはそういう意味においての面白さです。
 このペースなら、あと2回くらいで氷山君が日本を支配している姿を拝めそうです。催眠番長!(まちがい)

 なお「ブルーバード計画」や「MKウルトラ計画」というのは実際に存在した計画だそうで、これらをキーワードにして検索してみれば、そういうのが大好きな人達の世界を垣間見ることができると思います(ただし深入り注意)。「絶チル」のキャリー編の下敷きになっている「国防総省が極秘裏に超能力の開発を行っていた!」なんて話も、この手の冷戦下における大国の『極秘実験』がベースになっていたりします。
 こういう陰謀系の話をベースにした少年マンガは昔は結構作られていたものですが(「MMR」とか)、「LOST+BRAIN」はそんなセンスを現代に持ち込もうとしているのかも知れません。

金剛番長

 念仏番長の仏罰攻撃には種も仕掛けもあったんだ! という話。個人的には別に念仏番長の念仏がホンモノである方が面白かったのですが、念仏番長の「念仏による日本支配」を否定するためには彼の能力を否定する必要があるので致し方ないですね。残念です(バカ)。
 しかしそうすると、彼が座禅を組んで移動する技って、腹に溜めた空気を尻から発射してホバークラフトの要領で動いていたということになるのでしょうか。つまり屁で移動。屁の力で宙に飛び上がれる程の力があるのなら、例え宗教団体を作らなくても別の意味で信仰を集められるのではないのでしょうか。

魔王

 「LOST+BRAIN」は催眠術に頼って人間を支配しようとする物語ですが、「魔王」の犬養はよりプリミティブで判りやすい手法である「演説による大衆の扇動」によって人間を支配しています。「スズメバチ」による攻撃による仲間の被害までも自分の都合の良いように利用したり、自分にとって唯一の不確定要素である安藤君をあえて近くに置こうとする大物っぷりがステキ。
 これで顔が美形を超えてちょっとキモい領域にまで達していなければと思うと!(思うな)

 感想:「スズメバチ」の縛られ方の本格派っぷりに吹いた


加筆修正によって皆本がキャリーとヤッてないことが公式設定となったと解釈したコミックス11巻感想

 発売日に買いました!
 感想書きます!(発売から1ヶ月以上経過していることをごまかしつつ)

 この巻のメインは、「空から降ってきた人間じゃない女の子と恋に落ちる」という、全人類男子憧れのシチュエーションに皆本が遭遇した「面影」編。通称キャリー編。
 いやもう、空から降ってきた、人間じゃない、身体は大人だけど中身は子供な、しかもオレだけを愛してくれる女の子って、やっぱ最高っスよね!(満面の笑みで)

 しかしこのエピソードは単にいきなり湧いて出てきた女の子とイチャイチャできてめでたしめでたしなだけの話ではなく、相思相愛状態にあった皆本とキャリーが「皆本はキャリーの、そしてキャリーは皆本にとって最も良い結果となる行動を取ったが故に、二人は結ばれず別々の道を歩くこととなる」という悲恋の物語でもあります。

 コミックス化されるにあたって追加された2ページ(P.103~P.104)でキャロラインが「半分別人になった私は今ここでこうしてたかしら」と独白しているシーンがありますが、キャリーが皆本への想いをキャロラインと融合させないようにしたからこそキャロラインは自分の意志で宇宙に飛び立つことができ、また皆本も日本へ戻ってキャリーが観た『翼』の持ち主である薫達チルドレンの育成任務に就くことができたのですから、結局「面影」編で取った皆本とキャリーの選択は正しかったのでしょう。正しいが故に結ばれない。だからこそこの物語は悲しく、かつ美しいのです。

 キャロラインが自分がキャリーと融合した仮定の話をしようとした時、皆本が「『もし』はないんだ」とキャロラインに言って言葉を遮ったのは、「あの時はそれ以外に選択のしようがなかった」という皆本の意志の表れと取ることができます。まあ、自分がキャリーと結ばれなかったことへの未練を断ち切りたいだけなのかも知れませんけどね。

 ただ、薫はそんな皆本に対して「好きだったら一緒になればいいじゃん」という、至極子供らしいストレートな疑問を持ちます。また皆本も、あの時は「君さえいればそれでいい」と言ってはいけないことが判ってはいても、「もう一度同じことがあったら、僕はどうするんだろう」と迷いを見せています。
 「もう一度同じことがあったら」とは予知されている薫と皆本の未来のことであることは明らかなのですが、こんな今の二人のままではやっぱり破滅の未来になってしまうんでしょうか?

 そんな感じで、「面影」編は今後のこのマンガの行く末を示唆する意味でも極めて重要なエピソードであったと、改めて思いました。
 以下雑感。

  • サンデー掲載時の感想にも書いた気がしますが、「キャリー」という名前にしろ超能力を持った少女が国から狙われる展開にしろ、そして「アルジャーノンに花束を」を想起させるラストにしろ、椎名先生のオールドタイムSF映画に対する好きっぷりが出てるよなあと思いました。
  • オマケマンガは、「皆本をからかうと面白い」ことに目覚めた賢木がえらい楽しそうでした。自分が彼の立場でも、絶対に皆本をああやってからかったと思う。いいなあ賢木。
  • 教授に「単位やるから」と言われただけで、拳銃を持った黒服連中に全くひるまずに襲いかかって KEEEL!! NAGOOOL! するアメフト部の連中がバカ過ぎて熱いです。体育会系キャラに対する扱いが相変わらずヒドイですね。それでこそ椎名先生です。

[Clip]サンデー6号で絶チルの重大発表があるとの噂

 絶チル感想掲示板に寄せられた情報より。
 サンデー08年6号で、絶対可憐チルドレンに関する「史上最高超度の発表」があるとのこと。ただしソースは2ch。

 いつも思うのですが、マンガ雑誌におけるこの手の「重大発表」がアニメ化、あるいは実写ドラマ化以外であった試しがほとんどないので、たまにはアニメ化と思わせておいて実は次週から作者取材のためしばらく休載するよ! いつ帰ってくるかも判らないよ! 重大だ!(作家生命的に) みたいな、本当の意味でのサプライズをやらかしてもいいのではないかと思います。
 「絶チル」ならきっとやってくれるよ!(何をだ)


コミックマーケット73 椎名高志作品関連サークル情報

■12/29 (1日目)
■12/30 (2日目)
  • 東-A40a 横濱レモネード (絶対可憐チルドレン 在庫あり?)
  • 東-ハ46a BLUE SIGNALS (絶対可憐チルドレン 三人と皆本中心)
  • 東-ハ46b トロイメライ (絶対可憐チルドレン オールキャラ、皆本×紫穂)
  • 東-ハ47a 雲の王国 (絶対可憐チルドレン GS美神とのコラボ本)
  • 東-ハ47b カーン! (絶対可憐チルドレン)
  • 東-ハ48a ふりーすたいる (絶対可憐チルドレン)
  • 東-ハ48b MOON Project (絶対可憐チルドレン)
  • 東-ハ49a POKEKARA (絶対可憐チルドレン バベルの人々とパンドラの人々も?)
  • 東-ハ49b 野望の箱庭 (絶対可憐チルドレン よろず本)
  • 東-ハ50a アップルクランブル (絶対可憐チルドレン よろず本)
  • 東-ハ50b コピー機が粉砕。 (絶対可憐チルドレン 皆本中心ギャグ)
  • 東-ハ51a 紫マヨネーズ (絶対可憐チルドレン 皆本中心ギャグ、兵部×皆本)
  • 東-ハ51b Eulenspieagel (絶対可憐チルドレン 賢木x皆本、兵部x皆本 女性向け)
  • 東-ハ52a しゅがー☆きゅーぶ (絶対可憐チルドレン 兵部x皆本、賢木x皆本 女性向け)
  • 東-ハ52b 風色通り (GS美神 雪之丞×ピート、絶対可憐チルドレン 健全)
  • 東-ハ53a フーテン族 (ミスタージパング 信長×日吉、五右衛門×秀吉)
  • 東-ハ53b 第三領域 (ミスタージパング)
■12/31 (3日目)

若木民喜先生、サンデーで新連載決定

『連載が決まりました。もちろん、サンデー本誌です。』

 「サンデーの若先生」こと若木民喜先生が、自分のサイトで新連載開始決定を告知。
 連載される作品は、おそらく以前サンデーに掲載された読み切り作品『恋して!?神様!!』だと思われます。まもなく終了するっぽい雰囲気を漂わせている「あいこら」と入れ替わりが妥当な線?

 来年のサンデーの低迷を救ってくれる救世主は、若木民喜先生で決まりですネ!(←低迷は織り込み済みなの?)


だんだんガッシュ終了後のサンデーが心配になってきたサンデー2+3号感想

クナイ伝

 個人的にはもう「クナイ伝」はクナイといずなの同棲イチャイチャラブコメディー路線で一向に構わないんですけど、吸血忍者痛快アクションコミックを標榜して行きたいクナイ伝的にはやはりそうも言っていられないらしく、「隠れ里に住む、一見穏やかだけど実は忍術の達人」という如何にもなキャラクターが登場。唐突気味に
 これまでのクナイの敵は明らかに雑魚だったので変身すればほぼ一撃で倒せたのですが、このじいさんはさすがに強そう。個人的に「戦うじじい」キャラが大好きなので、このじいさんに対してもかなりのじじい期待値補正がかかっているというのもありますが、その辺さっぴいてもかなりやりおりそうな感じ。「実はこのじいさんは隠れ里を守りたい秘密の理由が!」みたいな泣かせる展開になることは必至でしょうけど、とりあえずじじいファンとしてはクナイとの接戦を期待したいところです。

 あと、河原できれいな石を拾って嬉しそうないずなの目線に狂気を感じました。大丈夫ですか彼女(の頭)。

金剛番長

右足が沈まんうちに左足を前に出す! それを繰り返したまでだー!

 まさかこのWeb2.0時代に、「右足が沈む前に左足を、 左足が沈む前に右足を出せば、水の上でも歩けるはずです。理論的には可能なんですよ!」という、3年前に流行した烈海王理論に再びお目にかかれるとは思いませんでした。ここまで馬鹿げた技がサンデーで出てくるのは、「殴った痛みが伝わる前に手を引っ込めれば痛くない」理論で無敵を誇った十七条拳法の「陸軍中野予備校」以来ではないかと思われます。
 勿論、こんな理屈では水の上を走ることは物理的にできないんですけど、でもまあ金剛番長が言うことだから仕方ないかという形で納得できるだけの迫力はありました。刀で岩を一撃で砕き、坊主が「喝!」と叫ぶとそれが飛び道具になる世界なんですから、水の上をダバダバ走れるくらいやらかしても大した問題ではない、と言ってしまえばそれまでなんですけどね。

ダレン・シャン

 普通の少年マンガだと、激しい戦闘シーンになっても「さすがに主人公はここでは死なないだろう」という安心感があるものですが、「ダレン・シャン」の場合はなんか下手すると本当にダレン死んじゃうんじゃないか、と思わせてしまうだけの迫力と怖さがあると思います。
 今回の「ダレン」を読んだ感覚は、クリティカルヒット一発で簡単にキャラが死んじゃうような、ゲームバランスが厳しいテーブルトークRPGの戦闘シーンを自分でプレイしているような感覚に近いです。部位欠損ルールまであるとは、なかなかハードコアなシステムですね(まちがい)。

お茶にごす。

 合宿行きたい編になってからのこのマンガは、何というかこう、表現するのが難しいタイプの面白さに満ちあふれていると思いました。
 古典的なネタなんだけど表現の仕方が現代風に洗煉されている、でも紛う事なき「青春」の表現の仕方がここにあるよ! みたいな(感想サイト失格の感想)。

クロスゲーム

 滝川あかねが出てきてからというもの、このマンガの雰囲気が徐々に張りつめて来ているのを感じます。読んでて恐ろしいです。
 「ヒロインの顔がみんなソックリ」というあだち作品の特徴を逆手に取ったこの展開! あだち充先生おそるべし!(失礼)

魔王

 車のガラスに手が沢山張り付いて乗ってる人を引きずり出すって演出は、もはやゾンビ映画の領域。さながら犬養はゾンビの王の様です。ゾンビ。
 犬養は、もはや悪役として完璧なまでの貫禄を兼ね備えたキャラに成長したと感じました。自信と威厳に満ちた彼の姿からは、サンデーにおけるサスペンスマンガ枠の座は「LOST+BRAIN」にはそう簡単に渡さないぜ! という気概が感じられます。多分。

最強! 都立あおい坂高校野球部

 ついに輝太郎とコーチンの間に決着が付きました。長かったような短かったような。
 今後このマンガは甲子園で戦うところまでやるのか、それともここで終わるのかが気になるところですが、「リベロ革命」も県大会でライバルを倒したところでキレイに終わったところを考えると、「あおい坂」もここで終了するのが区切りとしてはいいのかも知れません。ある意味、今週のサンデーの中で最も次回が気になったマンガです。


小鹿さんはもっと貧乳だと思ってましたサンデー1号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今更ですが、先週のサンデー1号の感想です。

 「入稿がまる一週間近く遅れているので仕事は休みではないです」ということは、要するに今の椎名先生は1週分の話を仕上げるのに1週間以上かかるスケジュールで動いているということになります。1週分を描くのに8日かかると豪語しているマガジンの赤松健先生みたいですね。
 サプリメントが評判良いので今後も続けていく予定であれば、今後も(赤松先生みたいに)定期的に休みを入れてあげた方がいいんじゃないんだろうかという気がします。

 そして本編の方ですが、ジブリアニメの見過ぎで脳髄をもののけ姫に支配されている、存在そのものがダメだったはずの小鹿圭子が、何か知らないけどマンガみたいな超博愛主義を発揮。食用として捕獲することが今最も国際的にヤバい動物であるクジラの親子の窮地をナウシカロジック(効果:動物に向かって「ごめんね」と言うだけで全てを許してもらえる)で救い、クジラを逃がして荒ぶる初音をも「冷えた体を裸になって暖めあう」というこれまたマンガみたいな対処法でケアに成功して一件落着まで持って行くという展開に。
 「何かよく判らないけど、脳をジブリアニメで支配された人間ならこれくらいやりかねない」という奇妙な説得力を持って行動する小鹿圭子が妙に熱かったエピソードでした。

 彼女の「活躍」は作者も想定していなかったらしいのですが、それでもこんな形で動くキャラを土壇場で作れてしまうというのは、やはり作者の頭の中のどこかにナウシカとかそういう系統のジブリアニメに浸されてる部分があって、それが小鹿を生み出したのかも知れません。
 椎名先生に限らず漫画家はよく「キャラが勝手に動く」という表現を使いますけど、勝手に動くためにはそれだけの才能というか、これまで自分が読んで来た様々な物語を消化して自分のアイデアとして生み出す能力が必要な訳であり、そういうことが自然にできる漫画家とやっぱスゲエよなあとか思いました。

 あとは、初音が明に対して恩義というか肉親に対する愛情のようなものを抱えていることが描かれていたのが嬉しかったです。
 ただのバカの子じゃなかったんだ(ひどい)。

 結論:雪遊びではしゃぐカワイイ葵の姿をサービスカットで入れてくれてありがとうございます。


LOST+BRAINの件

LOST+BRAIN

 今更気味の話題ですが、サンデー新連載「LOST+BRAIN」が、あまりに「DEATH NOTEっぽいので2chを中心に大騒ぎになりました。
 そのおかげで、今週は職場で「いつもサンデー買ってるよね? 読ませて!」と何度も声をかけられ、モテモテになることができました。きっと今週は、サンデーの売れ行きもいつもより良かったのではないかと思われます。計画通りですね!(ドクロ)

 いやまあ、実際は絵柄と主人公の社会に対するひねくれ具合がちょっと似ているだけで、話そのものはあまり似ていないのですが、でもここまで叩かれてしまったのは、制作者側の「『DEATH NOTE』っぽいマンガをやりたい!」という欲望があまりにもダダ漏れになってしまっているため、結果的に「LOST+BRAIN」が『DEATH NOTE』の真似をすることだけを狙った志が低いマンガである、という印象を与えてしまったのが一因だったのかも知れません。
 パッと見の印象が似すぎていたのが運の尽きというか何というか。

 また、「LOST+BRAIN」は主人公が「世界を革命する力を!」と叫ぶ系のマンガに(一応は)分類されると思うのですが、でも今のサンデーの読者って、どっちかと言うと「ハヤテのごとく!」の名サブタイトル「現在が大事だ! 現在を守ろう! 世界を革命しない力! とりあえず現状維持からだ!」の方に共感する人が多いのではないのでしょうか。いや自分がそうだからなんですが(ダメ)。
 それに今連載されている社会派コミックである「魔王」も、ついでに言えば「絶対可憐チルドレン」も、「世界を革命する力を!」を叫んでいるのはあくまで敵役の側ですしね。あと「金剛番長」も、社会革命系というよりはむしろ主人公達が「敬人尊野蛮!」とか叫んで現在の社会秩序を破壊する系のマンガになっても一向におかしくない気がします。
 果たして「LOST+BRAIN」は、どこまで今のサンデー読者に受け入れられるのでしょうか?

 イン殺さんが仰る様に、「LOST+BRAIN」の目指すところが『催眠術で宗教団体を興して革命起こしたる! 目指せ人類完殺!』みたいな話であるならばそれはそれで大変に面白いのですが、今のサンデーにそこまでこのマンガを持って行ける気骨があるのか疑問です(多分無理です)。

 結論:大丈夫かサンデー


今週のサンデー感想サイトにおけるNGワードは「コナン離婚」ですサンデー08年1号感想

最上の命医

 かつて痛快破天荒パン職人リアクションマンガ「焼きたて!ジャぱん」を連載してサンデーを混沌の渦に巻き込んだ橋口たかし先生の新連載、ということでどんな凄いマンガ(ネタ的な意味で)が始まるのかと思っていたのですが、実際読んでみたら極めて真っ当な医療マンガでした。「ワイルドライフ」と同系統の、ある意味手堅い内容だなという印象を受けます。
 現実社会における医療業界は色々とメロメロな状況に陥りつつあるようであり、マンガの世界でもそんな現実の問題点をメタ的な視点から捉えたテーマを掲げた作品が増えている感がありますが、この「最上の命医」の場合は作中に出て来た『無限の樹形図』に代表されるように、よりプリミティブな生命賛歌路線で行くみたいですね。少年誌として、とても正しい路線だと思います。
 子供達に医療の世界に対し夢やロマンを持たせることこそが、この作品の本当の使命なのかも知れません。

 もっとも「焼きたて!ジャぱん」も、本来はプリミティブかつ夢とロマン溢れる内容だったはずなのに、連載が続くに連れて(以下略)みたいな感じになっていった感があるので、この「最上の命医」もゆめゆめ油断ならないと思います。橋口先生の描く病弱スレンダー少女に読者がハァハァするタイプのマンガになる日も、案外近いのではないのでしょうか(ひどい)。

結界師

 前回、良守に緊縛プレイを仕掛けた時音のイキイキっぷりが忘れられない今日この頃ですが、良守的にはもうそういうハードプレイはこりごりだったらしく、今回は時音の機嫌を直すために心から反省する話――と見せかけておいて、本当の主眼は夜行烏森支部の世話係の箱田ママの、マンガみたいなにこやかさ加減に萌え萌えになることだった、という高度な二重構造を備えたエピソードでした。ウソですが。

 箱田君はかつて「絶望くん」と呼ばれていたものでしたが、今では「絶望くん」の元ネタだった「ボボボーボ・ボーボボ」も終了してしまったので、今や頭から紙袋を被る系キャラの代表格となったと言えましょう。紙袋無双。残るライバルは「ギルティギア」シリーズのファウストくらい?(何これ)

金剛番長

 金剛にすっかり惚れ込んでこれまでの行いを悔い改め、筋を通せる男になろうとして戦って傷ついた悪矢七を優しく抱き留める金剛が素敵な回でした。往田といい悪矢七といい、あんな抱かれ方をしたら、もう金剛に惚れるしかありませんよね。
 そして今回出てきた念仏番長の「舎弟」ですが、何かこんな戦い方をするキャラって「ブラックエンジェルス」にいなかったっけ?とか思いました(オッサン的発想)。あと墨田区在住の人は、「愚ちゃ愚ちゃのミンチにしてやる」という言い回しを流行させる義務があると思います。念仏番長が統べる区の信徒として。

クナイ伝

 今回のエピソードは、「毒の血を持つ相手に対し、毒を邪紅刀に吸わせて退治する」という戦闘シーンよりも、「いずなの作った料理はニンニクのスープでした!」というちゃんとしたオチが用意されていたところに感心しました。
 あといずなの持ってる武器の先端がニンニク型をしているところが、芸が細かいなあと思いました。くさそう。

金色のガッシュ

 ブラゴ退場。彼がここで負けるのはもはや必然の有様だったのですけど、最期にブラゴとシェリーのパートナーとしての結びつきの強さを改めて見せつけてくれたのはとても良い演出でした。
 ブラゴは怒り以外の感情を表現するのが不器用なキャラなので、背中越しに手を繋いで「お前がパートナーで、オレは幸せだった」と言った時、きっと彼は最大級に照れまくっていたのではないかと思われます。ブラゴもシェリーもお互い極度のツンデレ系キャラなので、こういった極限状態でないと素直になれないんですよねー。かわいいカップルだなあ。