絶対可憐チルドレン一覧

ウィザード編が面白いということを書きたかった「絶対可憐チルドレン」感想

絶対可憐チルドレン

 本当にお久しぶりです(´・ω・`)

 時間が空いている時に絶チルの「ウィザード編」(皆本がギリアムに洗脳され、幼女を連れてバベルから出奔してからの展開の自分内略称)について感想を書き留めていたのですが、諸般の事情で文章をまとめる余裕がなさそうなので、箇条書きの形式でここに書き留めておきます。

 結論としては、「ウィザード編」は自分にとってものすごく面白いです。

  • 「ウィザード編」は自分にとってものすごく面白い
  • 特に、皆本がやりたい放題したり、朧さんがやりたい放題しているところを見るのがとても爽快だった
  • これはつまり、「組織に抑圧されていた人間が、これまでの軛から解き放たれ、才能を遺憾なく発揮している姿を見るのが楽しい」のではないかと思った
  • これについては特に朧さんが顕著で、皆本の組織に入り込むために権謀術数を駆使したり、皆本のブレインとして様々な計画を立案したり、組織のインフラを盤石のものとするために巨大秘密基地を設計して自らの手腕で現場の指揮を摂るなど、「ウィザード編」前半における面白さは彼女が支えていたと思う
  • 思えば朧さんというキャラ、連載初期は「ミステリアスな美人秘書」という立ち位置で物語を牽引する力を持った素敵キャラだったはずなのに、特に中学生編以降は婚期の遅れをイジられるなどの不遇な扱いを受けていた印象が強い
  • いや違う! 朧さんの本当の才能はこんなもんじゃないはず! このままバベルのお局様と化す彼女を見るのは忍びない! と思っていただけに、これまでの鬱積を晴らす彼女の活躍を見るのは実に楽しかった
  • 自分、朧さん連載初期から好きなんですよ(告白)
  • 皆本についても、その目的の正当性はともかく、「能力は素晴らしいが社会性が皆無な少女」という彼の大好物な人材を育成しつつ、世界的なプレゼンスを確保した独立した第三勢力の立ち上げに成功するという点で、彼の持ちうる才能を改めて示したと言える
  • デキる皆本の姿を見るのがこんなに気持ち良いと感じるとは、自分でも意外だった
  • そういえばアニメ「アンリミテッド兵部京介」で、アンディと互角にマーシャルアーツで渡り合える実力を見せた皆本を、えらく格好良く感じたことを思い出した
  • 自分、皆本のこともこんなに好きだったんだなーと、自分の本当の気持ちに気付いた気分
  • 「所属していた組織の軛を解かれ、本人が持っていた才覚が解放される」という展開そのものは以前の真木編と一緒ではあるが、皆本編においては更に物語のスケールが大きくなり、より面白いものになっていると感じている
  • そんな感じでとても楽しい本編なのだが、唯一の問題は、真木にしろ皆本にしろ、それが本人の意思ではなく、ギリアムに吹き込まれたのが動機という点
  • 皆本がギリアムにそそのかされた決まり手は、まず間違いなくサンデー17号で「自分で育てた子供を女性として愛するなんて異常なことじゃないか」(要約:このロリコン!)と言われたところだろう
  • 皆本が、薫を撃ち殺して歪んだ独占欲に目覚めてしまう最悪の未来を回避するために、大人の薫を愛することは絶対にしない! と心に決めたのはコミックス30巻「桜の園」(自分内略称は「皆本セカンド童貞宣言」編)だが、ギリアムに「このロリコン!」と煽られて動揺しているところからして、結局皆本は今も大人の薫を愛していることは明白。ここを解決しないことには、皆本はどうにもならない
  • かつて皆本は薫たちに「君たちは何処にでも行けて、何にでもなれる」と諭したが、その言葉はそのまま自分自身にも当てはまることに、彼は気付いていないのではないか。大人の薫を愛しているのなら、彼は薫と共に何処にでも行けて、何にでもなれるはずなのだ
  • 皆本は大人の薫と「トニカクカワイイ」みたいなイチャイチャ生活をしたくはないのかい? 少なくとも薫はしたがってると思うよ? その時の彼女は多分すんごいエロいよ?(←そろそろ何の話をしているのか判らなくなってきた)
  • 世界的なプレゼンスを確立した第三勢力を構築できる力を持っていながら、自分が育てた一人の女を愛する覚悟が持てない男、皆本。彼はこのままセカンド童貞を抱えたまま世界を破滅させてしまうのか、それとも自分の本当の望みを認めて愛を手に入れ、セカンド童貞を卒業することができるのか。この辺が今後の見どころではないかと思われる
  • というか、皆本と薫はたかだか10歳差なんだし、あんまりロリコンとか囃し立てるのもよくないのでは。教師と教え子が結婚するとか、そんな珍しいことでもないですよね? 昔「マリア様がみてる」の短編でそういう話を読んだことあるよ?(例えがそれか)
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「桜の園」編からもう6年以上も経ってることに驚き


コミックマーケット96 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

8/10(土)
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コミックマーケット95 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

12/29(土)
コミックマーケット 95 カタログ
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コミックマーケット94 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

8/11(土)
コミックマーケット 94 DVD-ROM カタログ
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「絶対可憐チルドレン 椎名高志展 in 池袋マルイ」に行った日記

 お久しぶりです(´・ω・`)。

 諸般の事情でクロノマギア攻略サイト状態のままサイトを放置していましたが、リハビリを兼ねて去る6/5まで池袋マルイで行われていた「絶対可憐チルドレン 椎名高志展 in 池袋マルイ」(以下、原画展)に行った時の感想メモを。

 椎名先生の原画展は2016年の中野ブロードウェイで行われたイベント以来。中野の時は「GS美神25周年記念」という名目だったのでメインの展示は「GS美神」でしたが、今回は「絶チル」原稿の展示がメインでした。

 そして原画展に行く度に言っているような気がしますが、原画を観る最大の魅力は「漫画家が直接原稿に手を入れているが故に生じる『生』の迫力」を感じられることに尽きます。
 原画には、実際の雑誌に印刷には載らない様々な情報──筆で描いた跡、ホワイトで修正した跡、作画や写植を指示した手書き文字の跡など──が残されており、その痕跡を見て思いを巡らせることで、この原稿に手を入れていた時の作者の努力を我々読者も垣間見ることが可能になります。
 作者の実際の努力の痕跡を間近で見て、作者の息吹を感じられること。それが原画展の最大の魅力であることは間違いありません。

 そして更に今回のイベントでは、椎名先生が実際に使っていた丸ペンが展示されていました(撮影禁止だったので写真はなし)。そのペンは墨が染み込んたガーゼが幾重にも巻かれた、文字通り「椎名先生が実際に使い込んでいるこた」が見ただけで判るもので、それを見た時にはンもう自分の興奮度が最高潮に達しましたね。達したんですよ!(連呼)

 「原画」からは作者が作品に命を込めている時の息吹を感じることができる痕跡が沢山残されていて興奮できますが、実際に作者が握っていた「ペン」は、まさに先生の息吹そのもの。というかこのペンは椎名先生そのものです。椎名先生の魂が染み込んだペンが展示されているよ! もうこれって聖遺物レベルの貴重品じゃないですか! 椎名先生が握った生丸ペン最高! という気分になることができました。
 自分が椎名先生の生原稿だけでなく、丸ペンでも興奮できる人間だったことを自覚できただけでも、原画展に行った価値がありました。ありがとうございます(感想)。

 なお今回の原画展ではグッズを買えば買うほど椎名先生のサイン会に参加できる権利が得られる抽選ができるイベントも開催されていましたが、ちょっとお小遣いが心もとなくて当選できる自信がなかったこと、そして既に椎名先生のサインは持っているので(自慢)まだサインを持っていない方にチャンスを譲るべきだと思ったことなどの理由により、自分は今回の参加は断念しました。参加された方々、本当にご苦労様でした。

 次の原画展は、2019年のデビュー30周年記念か、あるいは2020年の「絶チル」15周年記念のタイミングで開かれるに違いないと信じています

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ここだけの話、池袋マルイのグッズで一番欲しかったのはダンボール製の本棚


コミックマーケット93 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

12/30(土)
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コミックマーケット92 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

8/11(金)
  • 東ヘ59a ジパング貿易 (賢木と影チル、バレット×葵あり?)
8/12(土)
  • 東N14a メッサーK (葉×賢木あり?)
  • 東チ01a クレイジーガーデン (アンディ×兵部)
  • 東チ01b mimosa (アンディ×兵部)
  • 東チ02a LUNE (アンディ×兵部)
  • 東チ02b 勘違い平行棒 (アンディ×兵部 小説)
  • 東チ03a かいむどう (真木×兵部、アンディ×兵部)
  • 東チ03b .Sight901 (賢木×皆本、オールキャラ)
  • 東チ04a crazy 4 U (兵部×皆本 小説)
  • 東チ04b しゅがー☆きゅーぶ (真木×皆本)
  • 東チ05a 最果てで、きみと。 (賢木×紫穂 小説)
  • 東チ05b 風桜花 (皆本×明薫 小説)
  • 東チ06a 白竜堂白亜店 (オールキャラギャグ)
  • 東チ06b GLASS (兵部×真木、兵部+パンドラ 小説)
  • 東チ07a わらじ屋 (GS美神 西条×横島)
  • 東チ07b 前田屋 (GS美神 アンソロジー)
  • 東ト06a ドニカエル (アンディ×兵部、真木×兵部あり?)
  • 東ヒ52b 恋晴 (真木×兵部あり)
  • 東き17a メランコリックな羊飼い (アンディ×兵部あり?)
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最終章準備で休載記念 サンデー20号までの絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 もう先々週くらいの話になってしまいますが、サンデー20号において「絶対可憐チルドレン」が『最終章準備のため』という名目で一旦連載が中断する形になりました。
 「絶チル」はここのところ事実上隔週連載の状態が続くなど、コンディション的に優れていない状態になっているような感じがあったので、一旦話に区切りを付けた上で休載期間を挟むのは良い選択だったんじゃないかと思います。

 その「話の区切り」なんですが、サンデー20号までの間に色々あった結果、薫がパンドラの「女王」の座に就任し、人類に対して「人種間の憎悪と戦い、共に暮らせる世界を目指す存在である」ことを宣言するに至りました。

 このマンガを最初から読んでいる読者の方なら御存知の通り、元々このマンガには『特務エスパー「ザ・チルドレン」は天使か悪魔か?』という命題があり、薫がパンドラの『破壊の女王』となるルートは即ち彼女が人類にとっての悪魔となってノーマルとエスパーの最終戦争を引き起こすバッドエンドを意味していました。
 しかし、サンデー20号においてパンドラの女王となった彼女は、バッドエンドルート一直線となる人類にとっての「悪魔」でもなく、また逆に人類を最終戦争の脅威から救って導く「天使」でもない、自らの意志を以ってエスパーとノーマルの共存のために戦う第三の道を選びました。薫は、連載の初期に提示されていた二者択一的な命題を覆し、自分の意志で自分たちの未来を切り開くことができる力を持った存在となったのです。
 これも連載初期の皆本のキメ台詞である「君たちはなんにでもなれるし、何処へでも行ける」を、薫は身をもって体現したとも言えるでしょう。

 そういう意味において、高校生編最終話はとても物語的に美しい締め方だったと思いました。

 連載再開は夏頃を予定しているとのことですけど、「最終章」で個人的に望んでいるというか、ぜひ見てみたいのは、薫と皆本の間の関係の決着ですね。

 薫と皆本といえば、これも連載初期に提示され、このマンガを象徴するシーンともなった「皆本が銃を持って薫と対峙する」未来の予言が思い起こされます。皆本達はこの未来を回避するためにこれまで戦って来て、そして現段階ではこの未来は回避されたということになってはいますが、再びノーマルとエスパーの間で緊張が高まり、形はどうあれ薫が「女王」となる未来が現実になった以上、再びこのシーンが再現される可能性がないとは言えなくなってきているのではないのでしょうか。
 というか、多分キますねこのシーン。物語の冒頭で提示されたテーマが物語の最後で再び形を変えて登場するだなんて、作劇的にはちょうカッコイイので、やらない訳がないと思います(決めつけ)。

 ただ、シーンそのものは一緒でも、そこで交わされる会話や状況は全く違ったものになっているとも思います。連載初期の二人はもはや交戦不可避の状況でしたけど、今では二人の意志は「人種間の憎悪と戦う」ことで共通していますし、仮にこの二人が対峙することがあったとしても、交戦ではなくもっと別のことをするはずです。チューとか。
 薫の皆本への想いはホンモノですし、皆本も薫と年の差が10歳あるとか歪んだ独占欲があるとかセカンド童貞の誓いとかそういうのは吹っ切ってチューくらいするよね? ね?

 連載初期に提示されたエスパーとノーマルが対立する未来を覆し、エスパーとノーマルが共に共存できる新しい未来を手に入れることができるのか否か。個人的には、そうなって欲しいと切に願っています。

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『特務エスパー「ザ・チルドレン」は天使か悪魔か?』が登場するのは2巻から。1巻の頃はまだ短期連載だったんですよ(豆知識)


時代が「絶チル」に追いついた!(嫌な形で) サンデー13号「絶対可憐チルドレン」感想

絶対可憐チルドレン

 アメリカ大統領にトランプ氏が就任してからというもの、世のすべての漫画家はトランプ氏の似顔絵を描く練習を始めたに違いないと思われますが、サンデー13号の「絶対可憐チルドレン」には早くもトランプっぽい人物が登場。大統領と銘打たれてはいませんが、首都の大統領府の前で大群衆の前で演説しているところからして、コメリカ合衆国の政治家であることは間違いなさそうです。

 何より素晴らしいと思ったのは、彼が演説しているエスパーを排除する排外的な演説の内容が、現実のトランプ大統領のキャラクターと完璧に一致しているところです。

 元々このマンガには自分がマジョリティーであることに価値を見出してマイノリティーを差別する系統の人々をカリカチュアした「普通の人々」という組織が設定面で用意されていたのですが、今や現実でも国籍や宗教に基づいたマイノリティー差別を行う言動は世界中で普遍的に見られる様になってしまっており、ついに時代が「絶チル」に追いついてしまった感が否めません。
 エスパーとノーマルの融和を訴える政治家が大統領候補として登場した「THE UNLIMITED 兵部京介」からたった4年で、全く逆の主張を行う人物が「絶チル」本編で合衆国大統領として登場することからしても、アニメをやってた頃とは時代の潮流が変わってしまったんだなと感じますね。

 そして本編の方ですが、色々あって兵部の体がダメになってしまった結果、ついに薫が「女王」としてパンドラの王座に座ることになる日が現実的に迫って来ていることが、個人的には「このマンガもついにここまで来たか」という感じでかなりグッと来てます。
 彼女がパンドラの女王となる目的が、連載初期の頃は「ノーマルとエスパーの最終戦争のため」だったのが、今では「ノーマルとエスパーの最終戦争を避けるため」と正反対になっているところも良いです。「薫がエスパー達の女王となる」という事実は一緒でも、そこに至るまでの経路が大きく変わった結果、その目的や結末も大きく異なることとなった──という、時間SFとしての「絶チル」の醍醐味が象徴されているように思えるからです。

 ただ、現時点では皆本が敵の手の内に囚われているのが気がかりではあります。薫にとって皆本の存在はもはや極めて大きなものになっているので、もしギリアムがそれに気が付いたら、まかり間違いなくそこを突いてくることでしょう。
 下手をしたら、一度は回避できたはずの「薫と皆本が対峙して殺し合いをする」あの展開を、再び繰り返すハメになる可能性もあるんじゃないかなと予想しています。というか、もしこのマンガがもうすぐクライマックスを迎えると仮定した場合、「コミックス1巻で提示された衝撃的なシーンを、最終巻でもう一度リフレインする」ってのはンもう盛り上がること間違いない訳であり、自分がギリアムだったら絶対そういう演出を施すと思いました(ひどい)。

 今回の感想としては、粉でできたショタ兵部はいいと思います。

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真木が再登場する局面にも期待


ギリアム×兵部展開突入記念 サンデー5・6〜7号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 中学生編の最後で因縁をつけられた兵部に嫌がらせをするため、ギリアムが不二子を操って兵部の動揺を誘う展開。兵部を痛めつけるためなら文字通りどんな回りくどいことでも労力と時間を惜しまずに投入する、ギリアムの陰険っぷりが輝く話になっています。

 ギリアムは兵部に執着しているので、彼が出てくるとどうしても話の雰囲気がギリアム×兵部になってしまうのは致し方ないところではありますが、個人的には超常部隊編の頃から兵部×不二子のカップリングが大好きなので、ギリアムの性癖も判るけどもうちょっと兵部と不二子との絡みも楽しませて欲しかったなーというのが正直なところです。

 でも、不二子にわざわざ超常部隊時代の制服を着させて兵部の動揺を誘ったり、不二子が自害しようとして瀕死の重傷を負った時に兵部から「僕を置いて行く気かッ!」と不二子に対する本音の言葉を引き出させたのは、ギリアムちょっといい仕事したな! と評価して差し上げたい所存です(歪んだ感想)。

 そして、前回のサンデー7号では不二子が「今やっていることは全部自分の意志」と言いながら、「人間は異質なマイノリティを受け入れることができない愚かな存在だ! 人間はダメだ! なのでエスパーとノーマルの間に最終戦争を起こして世界を滅ぼし、エスパーが世界を征服する!」みたいなことを演説していましたけど、これって「ノーマルとエスパーの間の確執を解消する世界を実現する」ためにこれまで働いてきた不二子が、その影で日頃こぼしていた愚痴みたいなものなんじゃないのか? と思いました。
 我々一般人も、例えば仕事が上手く行かなくて気落ちしている時は「こんなクソ仕事もうやってられねえ! 会社爆発しろ!」とか「上司が無能で迷惑なので勝手に死んでくれないかな!」とか「もう働きたくない! 家の庭から石油が湧いて大金持ちになって仕事しないで済むようになりたい!」とか思いがちになりますが、つまりはそれと同じようなものです。多分。
 不二子の高説に対して、兵部や葉は勿論のこと賢木も「気持ちは判る」と言ってましたけど、この手の感情はマイノリティであるエスパーである彼らにとって、不二子の言葉は心の何処かに常に抱いていたものであることは間違いないでしょう。

 こういった負の感情も自分の中から生まれるものなので、これも「自分の意志」であると言えばそうなるのですが、勿論これらは心の疲労やストレスから生じた一時の気の迷いに過ぎないので、実際に会社を爆発させたり上司を殺しに行ったり庭を掘削したりは普通はしません。
 ギリアムの洗脳は、そういった負の感情を増幅し、愚痴に過ぎなかった気の迷いこそが「本当の自分の意志」だと思い込ませるものであると言えます。誰もが持っている心の弱みに付け込んで相手を支配し、意のままに操る。汚いさすがギリアム汚い。

 そんな感じで心が弱った時の対策としては、やっぱりよく食べてよく寝るのが一番と決まっていますので、「黒い幽霊」対策としては日頃から健康的な生活をして心と体の疲労を溜め込まないようにすることが大切ですよね! という結論に達しました。
 私も今日は早めに寝たいと思います。おやすみなさい(おわり)。

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47巻は真木と兵部の過去編がメイン