2009年04月一覧

サンデーにマンガの鬼が帰ってきた!サンデー21+22号境界のRINNE感想

境界のRINNE

 休載していたあだち充先生に続き、高橋留美子先生がサンデーに復帰。長い間「あだち充も高橋留美子も降り立たぬ荒野に我々はいる」状態だったサンデーでしたが、これで通常状態に復帰したことになります。
 次にこういう状態になるのは何年後なんでしょうね(不謹慎)。

 それで新連載「境界のRINNE」なのですが、何というかこう「高橋留美子先生のマンガとしか表現できない独自の雰囲気が漂っているマンガだよなと思いました。「犬夜叉」の日常パート的な感じを拡張したみたいというか、今の高橋留美子先生が「らんま1/2」タイプのマンガを作ったというか、そんな感じ。宣伝文句に「るーみっくわーるど」という単語を堂々と使っているところからして、そういう雰囲気を特徴とするマンガにしたい意向が伺えます。
 とりあえずこの作品世界の基本設定は理解できたので、ここからこんな世界が広がっていくのかに期待したいところです。

 あとこのサイト的には、六道という姓を持った人間が悪霊を退治するというシチュエーションからしてどうしても「GS美神・極楽大作戦!!」の六道冥子を連想せざるを得ない訳なのですが、「GS美神」の時代は除霊の際のコストがン百万円かかるのが当たり前だったのと比べると、このマンガでは「送り賃」が50円とか悪霊退散グッズが500円とかいったリーズナブルな価格に設定されており、「美神」と比べるとコストのデフレっぷりが凄いです。除霊稼業も不況対応型の低コスト産業になっているということなのか。現代的だ。
 しかしこう、バブルも遠くなったという感じがします。美神令子のコスプレみたいな格好をした姉ちゃん達がリアルにベイサイドでうようよしていた、ああいう感覚が狂ってた時代はもう来ないんだろうなあ。寂しいなあ(感想?)。


皆本裸祭り開催記念・サンデー21+22号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今回の絶チルですが(しばらく感想書けなかったことはスルー)、薫による皆本妄想ショーが素晴らしいのひと言でした。より具体的には、皆本の腹筋とエプロン姿と赤面。そのちょっと前のシーンでは、ファントムと悠理がパンツ見せたりパンツ見せたりして頑張ってはいるのですが、でも皆本の腹筋の方が明らかに表現がエロいのはどういうことなのだろうかとか思ってしまいました。いやまあそういう事なのは判るんだけど(どういうことだ)。
 とりあえず今回判ったことは、皆本は自分の鍛えられた肉体美にそれなりの自信というかプライドがあるっぽいということと、丸出しされたパンツよりも微妙にずれたズボンの方がエロスを感じさせるのはチラリズム理論の正当さの現れである、ということです。

 物語的には、前回「腐海の中でマスクを取る」という姫姉さま的な行動を取ることで、自分たちの為なら我が身を省みない皆本の姿に完全に薫がメロメロになってしまったというところでしょう。皆本とのイチャイチャを妄想してニヤニヤしている薫の姿はとても女の子らしくて微笑ましいので見てて楽しいんですけど、でもいずれこの二人は殺し愛の運命を(以下略)。
 そう考えると、皆本もいつまでも薫に対してボンクラを極めていられる状況じゃないということになるんでしょうか。皆本も童貞じゃないんだからそろそろ判ってあげるべき(こわだる)。

 あと今回は、何か地味に賢木が皆本からヒドい扱い受けてる気がしました。でも賢木は皆本のことが大好きだし、皆本も賢木を信頼しているからこそ平気で「あの裏切り者!」とか言えることを賢木も判っていると思うので、一時的なショックで「チルチル」に逃避しても結局賢木の皆本への信頼は揺るがないんだろうなあと思いました。健気な奴だ。

 今週の結論:赤面して惚けてる葵は萌え対象


[crossreview]どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人 (ガガガ文庫)

「千葉王国女王に遣える護衛官」なる設定が物語の骨格として機能しており、筋の通った百合性愛物語として読める作品。どこか童話的だった前作と比べ、より生臭い感情が交錯している感。いい意味で変態的だなと思った [9]
2009-04-19 22:45 | Permalink | Other Review


「ジャンプ通った方々はフィジカルパワーすごいわ」(若木民喜先生談)サンデー20号トラウマイスタ感想

トラウマイスタ

 ある意味、今週のサンデー20号で一番面白かったマンガ。スジャータを失い、勇気の剣を砕かれ、何もかもをチャンドラによって奪われたピカソが復讐の鬼と化し、ゲルニカと共にチャンドラ本社ビルに後先考えずに殴り込みを掛けるという、何だか凄まじい展開になって来ました。
 今のピカソは怒りのままに行動していますが、いくら怒っているとは言え彼の本質的なパワーが向上した訳ではないと思われるので、対戦相手のアートマンを操れる能力を持ったチャンドラ社長に太刀打ちできる保証は全くありません。というか多分勝てません。全てを失った彼にはもはやそれしか道がないのも事実なのですが、彼の今の行動はあまりにも自暴自棄に過ぎます。彼はバッドエンド一直線のルートに突入してしまったと言えましょう。
 エンディングが見えた!(悪い方に)

 ダヴィンチが登場した以降の「トラウマイスタ」は色々な意味で面白いマンガになったと思ってますが、今週は更に突きつけちゃったというか、何か度肝を抜かれた感じがしました。前回のインド哲学談義、今回の爆破テロと、このマンガは次回に何をやらかすつもりなのか全く読めません。
 普通の少年マンガだったら、「仲間」のファーブルやチャップリンが友情パワーでピカソを正気に戻すとかいう展開になるのかも知れませんが、しかし「トラウマイスタ」は違うので違うと思います。

 次回が楽しみです。


スギ花粉の次はヒノキ花粉が来襲するやだもうこの国サンデー19号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 お久しぶりです。
 もうサンデー20号が発売されてますが、19号の「絶チル」感想を列挙します。

  • この限定版サインつきDVDを賭けてもいい!
     『バレットが胸のポケットに入れていた限定版サインつきチルチルDVDが銃弾の盾となって、彼を守ったのだ!』みたいな展開になりかねないと思いました。バレットならやる(やるんだ)。
  • 不二子ちゃんがピチピチ防護服着てるといちいちエロいですよね。ヘルメットを被って全身を覆った彼女の姿は、全身タイツフェチの人にも訴求力があると思います。少年マンガは読者の心にフェチを芽生えさせてこそ! が私の持論です。我々の世代はあだち充先生と高橋留美子先生のおかげでレオタードフェチが多いんです。
  • 増補版四コマのアドリブに弱いもじもじ葵もいいけど、ティムが操る強気葵もいいです。というか葵は何でもいい(表現ミス)。
  • ファントムの歪んだ「遊び」や「お友だち」観は、皆本の子どもを教育したい欲を刺激するに十分でしょう。彼女にはエスパーとノーマルがどうだかとかいう以前に社会で生きて行くための常識というものが不足していることはあきらかであり、彼女には何らかの社会的な教育が必要です。
     キャリー・チルドレン・澪と、出会った子どもを皆良い子(一応)に導いた、まさに女子を教育するために産まれた男・皆本の教育伝説に、新たにファントムが加わることになるのか否か。中学生編はファントムとチルドレンの対決がメインかと思っていましたが、最終的には皆本が解決の鍵を握ることになるかも知れませんね。
  • というか、最終的に兵部を教育できれば皆本の勝ちですよねこのマンガ。兵部は子どもみたいなものだし(頭が)。

バットを持ったままバイクに乗るのは危ないので止めようぜサンデー19号感想

DEFENSE DEVIL

 「新暗行御史」コンビこと梁慶一・尹仁完両氏が、週刊少年サンデーでついに本格連載を開始。以前掲載された「悪魔弁護士クカバラ」の連載化ですね。
 基本的な物語のフォーマットは読み切り版と同じで、クライマックスシーンでライバルキャラの悪魔のお姉さんが脱がされちゃうパターンも共通でした。これはつまり、今後もこれを基本パターンとしていく意向である、と解釈して良いのでしょうか。前も同じ事書いた気がしますが梁慶一先生の描く大人の女性は実にいいので、個人的には今後も悪魔のメイヤさんは事ある毎に脱がされていって欲しいです。パンツが黒いのはやっぱり悪魔だからですか?(バカ)

 このマンガは「状況証拠が如何に不利であろうとも、弁護士は依頼人の言うことを信じて弁護しなければならない」という弁護士モノのテーゼを少年マンガのフォーマットに落とし込んだもので、実際かなり重いテーマを内包しているものと思われますが、例の裁判員制度の導入もあって嫌でも市民が司法に興味を持たないといけなくなった現代日本においては、今がこういうマンガが必要なタイミングなのかも知れません。意欲作を持って来たなという感想です。
 個人的には、週刊連載で綿密な描き込みを維持できるのかどうかという面でも注目です。メイヤさんのきめ細かい破れパンツ描写を毎週見てみたい(結局)。

ハヤテのごとく!

 アニメ第二期が始まったので第一話を見てみましたが、いつものハヤテだったので安心しました。
 ただ、自分の住んでいるところでは、恥ずかしい格好をした姉ちゃん達があられもなく暴れ回る姿があまりにエロ過ぎるために地上波では規制がかかりまくって大変なことになっている「クイーンズブレイド」と放送時間が被っており、どちらを録画すればいいのかは大変に悩ましい問題です。ダブル録画できるレコーダーを買えばいいんですけど、地デジ放送が開始されるまでまだ微妙に間がある現在のタイミングでレコーダー買うというのも何か悔しいというか(以下個人的な悩みなので略)。

 サンデーの方は、ハヤテに言い寄られた(微妙に間違い)ヒナギクが如何にこの窮地を切り抜け、このマンガにおける最強ツンデレキャラの面目を保つかに注目です。物語の流れ的にはヒナギクから告白するべきタイミングですが、でもそれを許さないひねくれたプライドを持っているのがヒナギクさんのはずです。ヒナギクさんならここで凄いボケをかましてくれるに違いありません。
 我ながら何か彼女にひどいこと書いてる気がする。

はじめてのあく

 初のセンターカラー。今週の読者アンケートの結果が今後の掲載位置を決めるものと思われるので、このマンガの連載が続いて欲しい人は今からでも遅くないのでアンケート出すべき(アドバイス)。

 エピソードとしてはキョーコの過去に触れる内容でちょっとしんみりしちゃいがちですが、ジローならきっと何とかしてくれる!(バカだから) と信じて次回を待ちたい所存です。
 あとキョーコの母親の映像を見て「アリだな…」と呟いてる踏まれフェチ男(名前失念)は、まだまだ薄い胸に対する愛が足りていないので猛烈に反省するべき。彼女は薄い胸だからいいんじゃん! 判ってないじゃん!(地団駄を踏みながら)

魔王

 サンデーで今最も変態が跋扈しているマンガと言えば「魔王」で決まりですが、今週のスズメバチさんの堂々としたパンツはいてないっぷりは、もはやその中でも群を抜いて見事としか言いようがない変態です。スズメバチさんだからパンツ履いてないのも納得というか、むしろ「まあ彼女ならパンツ履かないよねJK」と思わせるだけの貫禄があるのも流石。このパンツ履いてないっぷりが今後の展開に影響を及ぼすのか、気になるところです。
 あと変態と言えば、スプーンで眼球をくり抜きフェチ男の末路も気になります。こいつ明らかに死んじゃいそう。キャラ的に。

 そしてこのマンガにおけるマスターオブ変態の犬養さんもなんか次週で死んじゃいそうですが、この人は「正しいから死なない」を自で行く人であり、多分自分で死ぬと思わない限りは何が起こっても死にそうにないので、基本的には心配していません。

オニデレ

 ここ最近のミサコさんのBL方向への傾倒っぷりというかキャラの崩れっぷりが酷いことになってて大変だなあと思いました。
 というか、そもそも女装男子と生徒会長や竹取坊ちゃんのカップリングはどっちもちょっとBLとは違うんじゃね? と思うのですがどうだろう。生徒会長と正少年のカップリングはBLだと思えるのですが(どうでもいい)。

トラウマイスタ

 このマンガにおける最高実力者であるチャンドラ会長のアートマン「ツァラトゥストラ」が登場、そしてそこから「神は死んだ」「神は甦る」「究極のアートマンブラフマン」「世界の破滅と新しい世界の創造」と繋がる、物語のスケールのインフレーションが壮観でした。この調子で行くと、最終回辺りにはインド哲学用語のオンパレードになってもおかしくありません。

 スジャータの身体を構成していた「粉」によってブラフマンが甦るということは、スジャータは普通のアートマンではなく、また彼女の主のシエナも普通のトラウマを抱えた人間ではないということになるのでしょうか。


パティなら賢木とバレットの掛け算も余裕に違いないと思ったサンデー18号絶チル感想

 ピチピチ防護服の上にスカートを履かせるよりも、靴下を履かせた方がよりフェティッシュだと思います!(挨拶)

 それでサンデー18号の「絶チル」ですが、今回は皆本がおいしいところを持って行った印象です。扉絵では「命を懸けて、薫は僕が守る!」とか格好いいアオリと共に薫を抱きかかえて守る気まんまんな皆本ですが、実際のマンガの中では最後で結局囚われの身になってしまうところなど、さすがは囚われ慣れてる皆本はやることが違います。
 更に、杉花粉が漂う森の中であえてヘルメットを外し、自己を犠牲にしてまで「僕は大丈夫だ!」と薫に告げるその姿は、猛毒の瘴気が漂う腐海でマスクを外して微笑んだナウシカにも通じる潔さであり、きっとこのシーンを見た大きなお友達の誰もが「姫さまー!」と叫んでしまったに違いありません。薫を守るにしても、守り方が自己犠牲方向にアグレッシヴ過ぎますよ皆本さん。
 囚われの身になるとかナウシカチックな行動を取るとか、あと薫が実際には怪我をしていないことが判って安心して抱きついちゃったりするとか、皆本は本当に骨の髄までやることがお姫様体質だなあと思いました。
 腐海でマスクを外した以上、次回は絶対「肺に入った」ネタをやるよね!(やるのか)

 あと先週は感想書けませんでしたが、目の前に人がいるにも関わらずあえてチャット経由で話をするバレットの姿が、心に染みました。同じ居室にいるのにあえて目を合わせないでチャットで会話するとか、私は普通にやってるので。みんなもそうだよね?
 あと普通と言えば、人生の大切なことをアニメから教わってるところも普通ですよね。オレ達はフツーだ。

 皆本が立案した作戦がどんなものなのかはまだ判りませんが、個人的にはバレットの活躍を期待しています。自分が今もし中二だったら、絶対バレットに感情移入してると思う。あいつはオレだとか言いながら(痛い)。
 あと四コマでパティが賢木達の後を尾行する描写がありましたが、もしかしてそのまま今回の事件現場までついて来ちゃったりするのでしょうか。彼女が現場に来る頃はおそらく薫とファントムのバトルの真っ最中になりそうですが、パティには百合カップリングの掛け算能力は備わっているのでしょうか。パティさん絡みの謎が深まります。


生存報告兼サンデー18号感想

神のみぞ知るセカイ

 ハクアがその中途半端なツンデレっぷりを存分に発揮した結果、桂馬に対するアプローチに予定調和的に失敗。桂馬の様なロジカル志向のボンクラ男子に対しては「何でもはダメだからね!」というツン言葉の裏に隠された「あなたになら何をされてもいいの♥」というメッセージを読み取ってもらうことは全く期待できないので、ハクアはもうちょっと直接的なアプローチを取るべきだと思います。それが無理なのがハクアというキャラなんだけど。

 あとハクアの「協力者」である雪枝さん(敬語)が出てきましたが、かつて「絶対可憐チルドレン」3巻の折り返し四コママンガで皆本を窮地に陥れた「フツーのおばはん」を彷彿とさせるおばちゃんだなあと思いました。
 この手のマンガにおける「おばちゃん」はある意味リアルの権化として描かれることが多いのですが、多分この雪枝さんもそういうキャラなのではないかと想像します。ここで言う「リアル」とは、おばちゃんがテレビを寝っ転がって観ながら煎餅食べつつ屁をするとか、そういう容赦のないリアルです。桂馬は彼女が敵(あるいは攻略対象)として出会わなくて良かったと安堵するべき。

アラタカンガタリ

 部下を失ったばかりか自分の鞘まで奪われ、かつて自分が拾った少女にまで罵倒されるという、カンナギ様のヘタレっぷりを存分に堪能するべきエピソードでした。
 というかカンナギ様って、最初に出て来て秘女王を殺害した時がピークで、後はヘタレる一方ですよね。ライバルキャラがここまで早期にヘタレて来るマンガは、サンデーではちょっと例がないように思えます。渡瀬先生はやはり全く容赦がありません。

 今のところ「アラタカンガタリ カンナギ ヘタレ」で検索しても40件程度しかヒットしませんが、カンナギはカンナギであるが故に今後もヘタレてくれること間違いなしなので、今後この件数は急上昇すること間違いありません。カンナギ様の存在のおかげで「アラタカンガタリ」がますます楽しく読めますね!(ダメな方向に)

はじめてのあく

 藤木俊先生渾身の薄い胸少女・キョーコのオールヌードが白眉でした。あのシャイな藤木先生が、自分の胸の大きさを気にして自分で自分のおっぱいをぺたぺた触っているだなんていう大胆なカットを描けるようになれるとは…(ひどい褒め方)。
 そしてジローがサイエンス特集番組(推定:NHKスペシャル)を観ようとしているところに激しく共感。「NHKスペシャルが好きな人に悪い人はいない」という独自の価値観に基づき、彼とはいい友達になれそうな気がします。

魔王

 「〈令嬢〉なんてクズに犬養が殺られたら、あんたと命懸けで戦った兄貴の命まで安くなる

 少年向け格闘マンガとかだと、一度戦ったライバルキャラが主人公に対して「お前を倒すのはこのオレだ!」という理屈で主人公に襲いかかる他の敵と戦うようになり、最終的には仲間になったり主人公を守って死んじゃったりするパターンってのは割とよく見かけるものなのですが、このメソッドを主人公がライバルキャラに対して適応するのはちょっと珍しいのではないかと思いました。
 要するに、潤也は犬養のことが兄と同じくらい好きなのですね?(まちがい)

 あとそれとは関係なく、「お前は俺が始末する」と鼻血を流しながら言う潤也が、彼がこの言葉に込めた想いの強さと、それに相反する客観的にこのシーンを観た場合の珍妙さがミスマッチになってて面白かったです。

トラウマイスタ

 ピカソ君がダ・ヴィンチに完全敗北の巻。しかもタダの敗北ではなく、いわゆる「精神と時の部屋」的な空間で修行をし、ダ・ヴィンチに対抗しうる決定的な力「勇気の剣」を得た後での敗北という、ちょっと普通ではあり得ない展開を見せてるところが凄いです。
 もし「トラウマイスタ」が普通の少年マンガであれば、「努力・友情・勝利」というジャンプ三大原則に沿った展開でまかり間違いなくこの戦いは主人公が勝利したはずなのですが、残念ながらダ・ヴィンチが登場してからの「トラウマイスタ」は既に普通のマンガではなくなっているらしく、「勇気の剣」はへし折られ、スジャータを失うという、主人公の努力が全く報われることがない展開になってしまいました。

 この経験は間違いなくピカソにとってのトラウマになると思われますが、このトラウマは彼に新たなアートマンを与えることになるのかも知れませんね。もしかしたら、我々は「主人公の心の傷が能力となる」このマンガのコンセプトの真の恐ろしさを、これから思い知らされることになるのでしょうか。
 「トラウマイスタ」…なんて恐ろしいマンガ…(ゴゴゴ)