2011年11月一覧

(今週号であったらしい!)の話題に完全に乗り遅れたサンデー52号感想

GAN☆KON

 第一話の表紙にも登場していた黒猫狼・マガミが登場。彼はやたらイサナに好意を抱いているようですが、今の少女形態ならともかく、元の姿である巨人形態の頃からイサナが好きだったんでしょうか。八百万の神々のセンスはいまだによく判らないところがあります。

 物語的には、そのマガミがドジを踏んで意図しないバトルに巻き込まれる──という至って正統派な展開を繰り広げており、そういった面でもこのマンガは設定は少々異常だけどやろうとしていることは極めて真っ当な能力系バトルであると言えると思います。イサナの入浴シーンがあったり、新太が「ちちしりふとももー!」とばかりにイサナに飛びかかったりするのも(イサナには乳も太腿もありませんが)ある種の懐かしさをも感じさせる程にオーソドックス。このマンガは、実は世間的な「サンデーのマンガ」の一般的なイメージに合致する、至って正統派な作品なのではないのでしょうか。

 まあ主人公の必殺技が亀甲縛りなのが正統派なのか? という問題はありますが、この技は何かかけられた方も気持ちよさそうなのでいいんじゃないんでしょうか。非致死性兵器を主力にするところも何だか現代的ですよね(詭弁)。

マギ

 「帰れグチババ!
 アラジンから無償の愛情を受けていないとものすごい勢いでダメになるアリババの姿を堪能するエピソードでした。アラジンいないとここまでダメな子に逆戻りするのかこの子。「故郷に帰る」ことを真剣に考え始めているモルジアナのことも少しは気にかけてあげたほうがいいんじゃないか? とも思うんですが、今のアリババはそこまで気が回らないくらいアラジンのことで頭が一杯な様子です。ほんとダメなー(嬉しそうに)。

 次回以降は、マグノシュタットへ向かうアラジン、暗黒大陸に向かうモルジアナ、そしてぐたぽよ~なアリババの三元中継で物語が進む多極的な展開になるんでしょうか。判っていたことですが、このマンガはどんどん壮大なスケールになって行きますね。

電波教師

 教師よりも生徒会長の方が権限が強いラノベのような設定の学園で、メイドカフェのメイドを題材にメイドの品格を語り出す主人公の鑑。何だか判らないけど、次回への引きとしては完璧な構図です。
 サンデー読んでるような人たちの約八割は、メイドカフェやメイドさんについて一家言ある面倒くさい連中ばかりであると推測されますが、その読者をも唸らせるメイド論を展開してくれることを期待します。

アナグルモール

 前回のエピソードでは、持ち前の素直さを発揮して見事にストーカーと意志を通じ合うことに(する必要ないのに)成功したルチルですが、今回はそのルチルがやって来た「地下世界」の紹介といった趣向でした。何かこう地下世界のイメージに違わぬ弱肉強食、かつ陰謀渦巻くおっかない世界であり、もし彼らがその気になれば地上制覇なんて容易い事が想像できますけど、「地上の人間はおっかねえ」という思い込みがあるが故に、どっか何かこうピントがズレてるというか、全編天然ボケなままでシリアス劇をしているかのような、妙な可笑しさがにじみ出てるのが面白かったです。

 今回登場した面々が地上に出て来てからが、本当の「アナグルモール」の開幕ということになるのかも知れません。楽しみです。

11/18に発売されたはじあく11巻は「とらのあな」で購入。おまけのカードは大神さんでした。
なお、「(今週号であったらしい!)」のネタを知らない方は検索してみて下さい(なげやり)


ガッカリフラレナオン祭り開催中!サンデー52号神のみ感想

神のみぞ知るセカイ

 「あんたって、サイテー!
 「ほんと…最低だ…

 前回のちひろに続き、今回は歩美のフラグをへし折った回。歩美とのフラグを一度折るのが桂馬の既定路線かどうかは定かではありませんが、歩美の姿を見た時に動揺していたところを見ると、彼にとってもこの場面での歩美との遭遇は予想外だったのかも知れません。
 ただ、歩美をあからさまに怒らせる台詞を言って彼女の蹴りを誘ったのは、多分彼の狙い通りだったような気がします。まあ、計算尽くの攻略の一環というよりは、単にあの時の彼の心情として「ここで一発歩美に蹴られたい」な状態だったから、あえて蹴られたのかも知れませんが。別に蹴られて嬉しいとかいう性的な意味ではなく(当然です)。

 個人的には、今回の話ではちひろとのフラグを完全にへし折り、泣きながら階段を降りていく彼女を見送った後で桂馬が見せた、普段の桂馬らしくもない唖然とした表情のコマに、この時の彼の本心が集約されているように思えてグッと来ました。
 ここでちひろをフらないといけないと覚悟を決めてフってはみたものの、ちひろが本当に駆け引きなしで自分のことを好きになったことを彼は知っていただけに、さすがの桂馬も動揺を隠し切れない様子が伺えます。桂馬もやっぱり完全な神ではなく、ちひろと同じ人間に過ぎないんですよね。当たり前ですが。

 そんな感じで本日の攻略は終了。次回はどうやら、ディアナによる精神ポイント回復イベントが始まりそうな予感です。(このマンガの中での)前夜では、女神アポロとかのんが桂馬の風邪を一晩で治してくれましたけど、ディアナは今の心身ともに疲れきった今の桂馬に何をしてあげることができるのでしょうか。
 というか、いきなり出て来て「好き好き抱いて(要約)」と言いつつ迫って服を脱いだら、何故かスクール水着を着てて本人もビックリ! という展開にはさすがの桂馬もドン引きしてるっぽいので、このままだとちんこ立つどころではないんじゃないかと思うのですが(ちんこ言うな)。

 ディアナが水着を着ているのは多分ディアナの宿主である天理の意志が絡んでいるからではないかとは思うので、前夜ではかのんが桂馬を癒したように、次回は天理が桂馬を何とかしてくれるんじゃないか? と期待しております。

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アニメ版のちひろ解決編が収録されているBlu-ray4巻。ハクアはマンガの方でもそろそろ再登場が待たれます


「お金なら初音たち稼いでるよ?」で俺の中の父ちゃんが号泣 サンデー52号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 皆本ハーマイオニーVer1.5編は、単なるコメディ4コマの枠を超え、人ならぬ存在であるメイドロボの滑稽な挙動を通じて「自由意志とは何か?」を追求する哲学的な領域に踏み込んで来つつある…と思わざるを得ません(買いかぶり挨拶)。

 あと、ナイはユーリが存在しなくなった今でも「悠理の側に近づくと催眠能力で猫に擬態する」超能力が解除されていないことを知りました。これじゃナイが全裸で悠理に「おじょうさま~」と擦り寄るマイドリームな展開が不可能になってしまい、ひいては悠理の中で眠るファントムが復活してしまいますよ。何とかならないんでしょうか(と言われても)。

 本編の方は、「古いものは面倒」と一方的に本家の土地の売却をしようとしている現代的な初音父と、「先祖代々の土地を金のために売ろうと言うのか?」と反対する伝統を重んじる明父が対立している構図が明確になっており、もしこれが横溝正史のミステリー小説が原作のドラマであれば間違いなく愛憎渦巻く群衆劇が繰り広げられた挙げ句に死人が出ること必至のシチュエーションなのですが、しかしこれは残念ながら椎名高志先生のマンガなので、そういう展開にはならないんじゃないかと思われます。多分。
 まあでも、金田一役があまり事件防止の役に立っていないところは一緒みたいですね。「しまったぁー!」って気付くのが遅いところとか。

 物語の構造的には初音父と明父は資産を巡って対立しているように見えますが、カップリング的な視点から見ると、初音父が「犬神家と宿木家の繋がり」を象徴する土地を売却することで、明父は「初音父が自分との関係を清算して関係を断ち切ろうとしているのではないか」と疑っており、それ故に初音父に対して怒りを感じているのでは? という妄想が浮かんで来ます。お前にとってオレとは、土地のように「古くさくて面倒」なもののひとつでしかなかったのか? これまで尽くしてきたオレを裏切ろうというのか? みたいなアレですよ。
 既に「様」を付ける必要がないのに、いまだに「様」を付けて呼んでるところからして、明父が初音父にどんな想いを抱いているのか、察して余りあります。いいですよね

 そういうアレなので、今回の話は「犯人は誰?」みたいな普通のミステリーではなく、基本的にもういい歳の子どもがいるオッサン同士の愛憎劇を妄想込みで楽しむエピソードだと思いました。今回は愛憎の憎の側だったので、次回はの側の話が見れると期待してます。時代はオヤジです。

 あと、このエピソードでは、紫穂がいい動きをしてるなと思いました。推理モノなのでサイコメトリーが活躍できるというのも勿論なんですけど、個人的には前回「明のミスで皆本と薫が同じ部屋に寝ることになってしまった」シーンで、「何か一回でも僕が妙なマネをしたことがあるか!?」と強情になった皆本に対し、薫の腕関節をとって布団に倒すことで皆本を性的に動揺させると同時に、「あたしはへーきだけど!」と言った薫に対しても自分の言葉が何を意味しているのかを悟らせ、二人に一緒に寝る作戦を断念させたクレバーさは流石です。
 紫穂は何となく、皆本の薫に対する複雑な心理を判っているのかも知れませんね。

 そして葵は、白い帽子と服のお嬢様スタイルが可愛いのでイイです(結論)。

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個人的に「金田一耕助」と聞くと最初に浮かぶのはこれです。怖そうなので読んでないけど(ダメ)


かわいい女の子だと思った?残念!彩香ちゃんでした!(おすもじっ!の)サンデー51号感想

銀の匙

 自分も割と農村と言って良い地方の出身で、親戚も当時は農業をやってる人が多かったので、「美味いものを人に食べてもらう時のこの人達のわくわく顔」の感覚は何となく判ります。
 今思えば、やたら野菜とか送ってくるのは「あんたんとこの野菜美味かった」って言葉を聞きたいってのもあるんかなあ。こういう付き合いを煩わしいと思うかどうかで、農村暮らしが合うかどうかが分かれるんかなあ。自分はどっちかというとダメでしたが(ダメ)。
 勇吾君は今回、絞った牛乳をお釈迦にしてしまったことをやたらと気に病んでますけど、こういう性格も彼が農業を続けていくうちに次第に大らかになったりして行くんでしょうか。大らかな勇吾の姿はまだ全然想像できませんが。

 あと先週の話に出てきた勇吾兄ですが、典型的な「頭はいいけど社会不適合」タイプの困った人間だなあという感じ。多分ラーメン屋とかの飲食店経営には向かないと思うので、ずっと放浪してる方がいいんじゃないかと思いました。
 ああいう兄と厳格な父親に挟まれて育った勇吾の気苦労が伺えます。ちょっとしたミスでも凹んじゃう性格になるのは致し方ないのかも知れません。

マギ

 最近、職場にサンデーを持っていって机の上に置いておくと、マンガが好きそうな女性から「『マギ』見たいからサンデー読んでいい?」って話しかけられませんか?(挨拶)

 今回の「マギ」は、アラジンがきれいなおねえさんの色香につられてエッチないたずらをするのがメインの、本来「マギ」ってこういうマンガだったよねーと再認識させられる内容でした(本来?)。あと個人的には、ドゥニヤ姫とヤムライハの間に主従百合が成立しそうな余地があるところに、ちょっとグッと来ました。来ますかね?(こなさそう)
 なお、職場の同僚女子から話を伺ったところ、「やっぱジャーファルですよ」的なコメントを頂いたので、今後は彼の動向も気にかけていきたいと思いました。

ムシブギョー

 基本的に「ムシブギョー」という作品は、登場人物がみんな仁兵衛に萌え萌えになって行くようにできているので、今回登場した「寺社組」の白榊もやはり最後はちょっとだけ仁兵衛にデレて帰って行きました。
 超増刊版では白榊は最終的に仁兵衛にデレッデレになったりしてたんですけど、週刊版の方の彼はどこまでプライドを維持してツンツンできるのかが見ものです。まあでも彼もいずれは今回の長福丸のようになってしまうはずなので、その過程を楽しみに読みたいと思います。

 なお先週のエピソードでは、仁兵衛の孤独な頑張りを彼の頭を撫でながら褒めた小鳥が素敵でした。今の仁兵衛を赤面させることができるのは、お春のおっぱいと小鳥さんだけです。

電波教師

 前回いきなり主人公の鑑が学校教師を首になったかと思ったら、今回は「得体が知れない危険人物ばかり」を集めたおかしな学校に教師としてスカウトされ、かつその学校の理事長は「美少女」を自称する色々とおかしそうな(頭が)美少女だったという怒涛の展開に。ここからが本当の意味での「電波教師」が始まる模様です。
 今回は、主人公の「頭の良さ」を表現する方法が「魔法少女の変身が可能であることを素粒子物理学レベルで証明する」というのが、新しいというか今っぽいと思いました。理事長の暦が語った「経済とも産業とも違う価値観がこの国には必要」なる現代日本の問題点の指摘もそうなんですが、やはりこの作品は「今作られ、今読まれるべき必然性がある」タイプのマンガだなあ、という認識です。

 にしても、「美少女」理事長の暦といい、今回登場したCERNCERMの素粒子物理学者のリン博士といい、相変わらずこのマンガに登場する女性キャラはみんなおっかないです。これでこそ東先生のマンガです。

おすもじっ!

 「うちは、お兄さまだけのもんや…
 ヤンデレ! 彩香ちゃんはやっぱりヤンデレでしたよ! ヤンデレ美少女の誕生です!(うれしそうに)

 彩香の料理の腕が凄いことは今回のエピソードで十分判りましたが、彩香がそこまで心酔している『お兄さま』は、本当にあの寿なのか? という疑問が出てきます。彩香の兄が寿である可能性は(叙述トリックでなければ)高いものと思われますが、「大志万」時代の寿は、今のボンクラでアダルトビデオが大好きな寿とは全くの別人だったのでしょうか。
 次回はこの二人が邂逅すること必至な様相なので、「おすもじっ!」第二部における最大の謎である「寿の過去」が明らかになるのかも知れません。

 あと、彩香は今のところ司を男の子だと思っていますが、実は女の子だったことを知ったらどういう反応を示すのでしょうか。精神状態が不安定そうなヤンデレさんなだけに、司の体が心配です。包丁の扱いとか慣れてますし彼女(ひどい感想)。

ちいさいひと

 掲載される度に、我々読者に児童虐待の現状を再認識させられる社会派コミック「ちいさいひと」が帰って来ました。今回は、東日本大震災直後の宮城県石巻市における、孤立した避難所が舞台の模様です。
 当時は、今回のマンガのように沢山の子供たちを抱えたまま孤立した状態となった建物が沢山あり、ツィッターに救助を求める情報が飛び交っていたことを、このマンガを読んで思い出しました。個人的にはあの時からまだそれほど時間が経っていないように思えるんですが、実際はもうあれからもう半年以上が経過しているんですよね…。

白榊が登場する超増刊版「ムシブギョー」3巻。週刊連載とは比べものにならないドメスティックバイオレンスが炸裂してます


「あんな現実女、ボクが気にかけることは絶対ない!」 サンデー51号神のみ感想

神のみぞ知るセカイ

 「好きになるのに…理由なんてないよ!
  気がついたらもう、好きになってたのさ!

 桂馬が秩序だった論理が支配するゲームの世界に住む神であるならば、対するちひろは時として理屈が通じない、あいまいで非論理的な現実世界の人間である。それを象徴するような言葉だと思いました。

 「攻略もしてない…接点もない…それで、なんでボクが好きなんだよ!」の台詞から伺えるように、桂馬にとって「好き」という感情はあくまで攻略という手続きを踏んで初めて獲得される感情であると認識していますが、ちひろにとって桂馬を好きである理由は「気がついたらもう好きになってた」という言葉が全てであり、それ以上の理屈は必要ありません。現実はギャルゲーよりも遥かに複雑系であるが故に、斯様な非論理的な感情も(桂馬にとっては残念ながら)アリなのです。困ったことに。
 かつて桂馬はちひろのことを「現実女」と罵倒してましたけど、今でもやはりちひろは桂馬にとって(そして、この作品そのものにとっても)ままならない現実の象徴なんでしょう。

 女神探し編が始まってからというもの、このマンガに出てくる主要女性キャラクターは基本的に体の中に女神を養っているか、女神そのものであるか、あるいは悪魔であるといった、良くも悪くも超現実的な面々ばかりになって来た感があります。
 特にかのんは「桂馬に救われるのを待っている囚われのお姫様」的なポジションにいることもあってか、以前登場した時にはかのんちゃんマジ女神としか表現しようがない、神々しいまでのアイドルオーラを放っていたのが印象的です。

 しかしそんな中でちひろは、あくまで「現実の人間」というポジションに位置し続けているキャラクターであることが明確になりました。桂馬のことが好きだとハッキリと意思表示をした彼女は、もしこのまま順当に学園祭が開かれ、かつそれまでにかのんが救われれば、学園祭のステージの上でかのんと(桂馬を賭けて)対峙する機会が起こりえるかも知れません。
 もし本当にそうなったら、理屈抜きの恋ができる普通の人間の女の子として、歌でも恋でもアイドルであるかのんと正面から張り合うことができる、そんな彼女の輝く姿を見てみたいなーと、今回必死になって桂馬に自分の想いを伝えたちひろを見て思いました。ホントに素敵な女の子になりましたよね彼女。

 しかし、桂馬が今やっていることはちひろとのデートではなくあくまで「女神探し」を賭けた攻略であり、女神を探してかのんを助けなければ、上記のような機会をちひろが得ることもあり得ません。という訳で、桂馬はちひろとのフラグをへし折る作業に入らざるを得ないのです。
 そんな桂馬にとっての誤算は、ちひろとのフラグを折る工程を、本来の目標である歩美に見られてしまったことでしょう。これは荒れますよ。女子二人からモテてモテて困る展開から一転、女子二人に嫌われまくる展開に突入ですよ。ここからが本当の地獄ですよ。

 果たして桂馬はこの状態から歩美の中にいる、女神だか何だかよく判らない存在を引き出すことができるのか否か。まだまだ先は長そうです。

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ちひろ攻略編のBlu-ray欲しいなー


姉さん、事件です!(間違い)サンデー50号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今回メカ皆本ハーマイオニーVer1.5が繰り広げた「自由意志」の名の元でのご奉仕の数々は、我々に「自由意志」とは何かを考えさせられますね。嘘ですが(挨拶)。

 本編の方は、「未来予知によって初音の父親らしい人物の死が検知された」という設定で始まるミステリー(というか、「犬神家の一族」の判りやすいパロディ)の体裁を取っています。
 予知された映像は、何というかこうあまりに犬神家の一族っぷりが甚だしいので、もし私がバベルの予知課の担当だったら間違いなく突っ返すレベルのおかしさなんですけど、絶チルの舞台は近未来ということもあってか、既に予知課のエスパー達は「犬神家の一族」ネタを知らなかったのかも知れません。近未来では原作の小説や映画はおろか、にしおかすみこの有名なネタも既に廃れて久しいんでしょうか。何か寂しいですね(関係ない)。

 そんなアレな事件ではありますが、前回破滅の未来を覆すために「破滅の女王」となる未来の薫への別離を心に決めた皆本にとっては、「どんな予知だろうと必ず覆す!」と金田一耕助のコスプレをするくらい気合が入る事例であることは間違いありません。自分の父が犯人ではないかと意気消沈している明のためにも頑張って欲しいところではあります。
 でも、今回の最終ページでは早速「薫と同じ布団で寝させられそうになる」というベッタベタなオチを付けられてあからさまに動揺しているところを見ると、まだ未来の薫に対するモヤモヤは吹っ切れていないのかもしれませんね。皆本が自ら歩むことを決めたセカンド童貞の道は、やはり険しそうです。

 「一番近しい関係だからこそ、こじれると泥沼になって殺したりしそうじゃないですか!
 将来薫と泥沼になって殺したりする未来が待ち受ける皆本の動揺を図らずも誘った明のこの台詞ですが、こんな言葉がすらすら出てくるなんて、これまで家族絡みで何かと苦労していることを伺わせます。やっぱり明くん大変なのね…(´・ω・`)。

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当時は「怖そうな映画は苦手だから」「流行りモノは苦手だから」と何となく敬遠していたのですが、やはり流行ってる時に素直に見ておくべきだったと今になって後悔してます


誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ サンデー50号神のみ感想

神のみぞ知るセカイ

 「アユミ…泣くなよアユミ…
 誰!?(感想)

 桂馬とちひろのデートイベントは今まさに佳境を迎えていますが(主に性的な意味で)、その一方で歩美の方も何か大変なことになっていることが明らかになりました。鏡の中から歩美に語りかけているこの黒人女性は、いったいなんでしょう。
 歩美がリューネの持つ「女神レーダー」に引っかからなかった描写があったからには、彼女が女神であるとは考えられませんし、これまでの女神は基本的に宿主の姿と瓜二つな姿を取っていることからしても、歩美とは(服は一緒だけど)全く容姿が異なるこの女性は、やはりこれまでの女神とは異なる存在であると考えざるを得ません。
 本当にこの人(人じゃないけど)はメリクリウスなんでしょうか。それとも、メリクリウスよりももっとおぞましい何かなのでしょうか。

 にしても、これまで散々マンガの中で「歩美かちひろの中に女神がいる」と吹きこみ、時折この二人の中のどちらかに女神がいるかのような描写もあったので、「やっぱりこの二人のうちのどちらかに女神がいるのかー女神がいない方の子はこれからどうなっちゃうんだろうなー」と常日頃から悶々としてたんですが、まさか両方共に女神がいないらしいというオチが待ち受けているとは思っていませんでした。
 どうやらこれまでの描写は、読者を意図的に誤解させる壮大な叙述トリックだったみたいですね。騙されたよ!(嬉しそうに)

 そして性的な意味で盛り上がってる桂馬とちひろの方は、今まさにキス(というか、雰囲気的にはそれ以上)をしようとしたその瞬間、桂馬が「ちひろの中には女神はいない」と判断したことで、俄然暗雲が垂れ込めてきました。

 普通に考えれば、ちひろは女神とか関係なしで桂馬のことを男性としてちゃんと好きになることができたんだから、それはちひろや桂馬にとってとても素晴らしいことですし、それに前回から今回にかけての「デート」では、あの桂馬もちひろ相手だとあまり気負わず割と自然に付き合っているように見えたので、仮にこの二人がこのまま普通に付き合いだしても案外上手く行きそうなんじゃ? 君たちこのまま付き合っちゃいなYO! とか思ってしまうんですけど、でも桂馬が今やっているのはちひろとのデートではなく、あくまで女神を出すための再攻略に過ぎないことを忘れてはいけません。
 ちひろとキスしても女神が出てこないことが明らかであれば、彼はちひろとキスする必要がなくなります。それに「攻略の鬼」となっている今の桂馬なら、不必要と判断すればちひろとのフラグをへし折ることを躊躇しないでしょう。実際、ちひろからの告白を彼は一度無視することでフラグをへし折った前科がありますし。

 しかし桂馬も、ちひろが女神関係なしで純粋に自分のことを好きだと思っていることも把握しているはずなので、そんな彼女の気持ちをこの状況下で踏みにじることができるかどうかは、まだ判りません。あくまで女神探しを優先するのか、それともちひろの気持ちに応えるのか。今桂馬は、非常に重要なルート選択を迫られているのかも知れないなと思いました。

 しかし今回のちひろは、んもう読んでてどうにかなっちゃいそうなくらい可愛かったです。しかもエロい。「はじめてだからやさしくして」ですよ。どどどどうしよう? こんな経験したことないよ? ボクここからどうすればいいの?(錯乱)

はじめてのチュウ
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「はじめてのチュウ」は様々なシンガーにカバーされている名曲。このCD持ってます


椎名先生は兵部対ギリアム戦ですら4コマで済ませかねない漫画家…サンデー49号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「僕が未来の彼女への気持ちを断ち切ればすむ。
  そうすれば、もう…僕は彼女には合わずに終われる──

 未来の薫へのヤンデレ的な愛情を持っていることを自覚した皆本が選んだ道は、「ヤンデレてしまうくらいなら、最初から『彼女』を愛さなければいい」という、極めてストイックなものでした。
 でもまあ、これバッドエンドルートですよねー(感想)。

 「僕が未来の彼女への気持ちを断ち切ればすむ」とは言うものの、現段階で既に未来の薫に対して(さらに言えば、徐々に成長して来ている今の薫に対しても)惹かれてしまっているのは事実だと思うのですが、皆本は自分のそういう感情を知ってか知らずか、その点をあえて無視しているように思えます。
 この辺の感情を無視しつつ未来の薫への憧憬を抱き続けている限り、皆本は自分の心に対して嘘を付いていることになる訳で、やっぱり最終的には「僕はお前にはならない」にはなれないような気がしてなりません。まあ、そういうかたくなさが皆本の最も大事な個性でもあるので、これはこれで致し方ないんでしょうけど。
 それにしても、皆本は一応公式には童貞じゃないことになってるんだから、ここまで異性に対してかたくなにならなくてもいいような気もするのですが、これって専門用語で言うところのセカンド童貞をこじらせてる状態なんでしょうか?

 斯様な堅物を相手に恋しちゃた薫はこれから色々と大変なんじゃないかとは思いますし、実際大変だったから「破壊の女王」となって撃ち殺されなければ皆本と向きあうことが出来ないくらいにまで追い詰められてしまったんでしょうけど、何とか今度の時間線では少しは幸せになって欲しいところです。

 「だいじょうぶ。頭をスッキリさせるいい方法があるわ
 あと紫穂は、賢木の相手をしてる時が、一番本来の歪んだ彼女のままの姿で輝けているように思えます。
 これもっていうのかしら?(言わない気がする)

兵部フィギュア付きのコミックス28巻は12/16発売予定とのこと。兵部の過去編がメインになりそうです


やはり妹は凶暴に限るサンデー49号感想

電波教師

 「GAN☆KON」の菅原先生に続き、クラブサンデー時代の成長株である東毅先生がサンデー本誌に登場。
 超増刊で連載されていた前作「超弩級少女4946」は、最初のうちは彼女が欲しくて仕方がない少年・マコトと、ちょっと体が大きい少女・まなの巨大女フェチ願望充足型ドタバタラブコメディかと思わせておいて、最終的には物理的にもタイムスケール的にも全地球規模にまで話が膨らむという、壮大な巨大女フェチ願望充足型セカイ系ラブロマンスに発展するという展開をしたことで、個人的に印象深い作品でした。勿論面白かったです。

 そして今回の「電波教師」ですが、これは第一話としては理想的な内容だったと思います。
 「オタクがオタクの強みを発揮して問題を解決する」という内容そのものは「神のみぞ知るセカイ」などでも見られますが、「電波教師」の場合は登場するギミックが「美少女アニメのフィギュア」「声優」「携帯ソーシャルゲーム」「学校裏サイト」「ニコニコ動画」「2ちゃんねる」「まとめWiki」と極めて俺たち向きな点、「祭り状態の実況スレで個人情報を晒される」というネット時代におけるリアルな脅迫を巧みに使っていじめっ子を懲らしめるという展開もまた極めて俺たちのツボを突きまくっている点など、表現方法が現代的なのが素晴らしいと思いました。東毅先生は、俺らの気持ちを実に良くわきまえていらっしゃいます。

 「頭脳は優秀だけど好きな事しかやりたくないので引きこもっている」という主人公のキャラクターもそうですが、何というかこう今こういう時代だからこそ成立するマンガであるなのではないのでしょうか。こんな社会風刺な側面を持ったマンガが、少年サンデーの誌面を飾る時代になったんだなと思うと感慨深いです(大げさ)。

GAN☆KON

 前髪少年の佐野くんはやっぱり美少年でした(感想)。
 あと綾小路は地味なメガネで三つ編み姿の方がグッと来ます。よね

神のみぞ知るセカイ

 自分がイニチアチブを取るために人がいない方にちひろを誘導しようと焦る桂馬が、まるで彼女とキスしたいけどデートに慣れていないなばかりに上手に振る舞えない不器用な男子のように見えて微笑ましかったです。
 というか、既にちひろにイニシアチブ取られてないですか。すっかりその気になってそうなちひろに押し倒されでもしたらどうするんですか(と言われても)。

 あとは、メイド姿の歩美を桂馬に注視させまいとして注意を反らせたちひろと、そんな彼女の振る舞いに気付いた歩美の緊迫したやり取りも興味深かったです。歩美の怒りゲージは、今回も順調に溜まってるように見えます。

アラタカンタガリ

 コトハとミクサが半裸な格好でお互いを意識しあってキャッキャウフフな展開に!(ちょっと間違った解釈)
 やはり渡瀬悠宇先生のちょっとエロスな話を作り出すセンスは侮りがたいものがあるなと再認識させられました。

はじめてのあく

 アヤお嬢様と戦部殿は、多分酒飲むごとに毎回こんなことやってるんじゃないかと思いました。
 微笑ましいといえば微笑ましいのですが、お互いもういい歳なので、さっさと年貢を納めるなり何なりして自分の身を片付けた方がいいんじゃないんでしょうか。特に戦部殿。男が30代後半になってから結婚とか子育てとかやるのマジ大変よ?

そういえば「超弩級少女4946」に登場した妹キャラもおっかなかったです