2009年07月一覧

「クラブサンデー」の作品を紹介するためのブログパーツ作成ツールを作りました

クラブサンデーを32インチ液晶TVに出力すると読みやすくなります

 週刊少年サンデー謹製オンラインコミックサイト「クラブサンデー」が最近リニューアルし、公式ブログが開設されたり閲覧ランキングが始まったり投票式の新人王決定戦が始まったりと、かなり賑やかになっています。

 個人的には、マンガを読んだ直後に作品に対するアンケートに回答できるようになったのが好感触。マンガを読んだ直後の脳が暖まってる状態で感想を書けるので、直感的(というか脊髄反射的)なコメントを勢いで投稿できます。
 昨日はM・S DOLLSの最新話読んだ直後に、「このタイミングで男の娘を登場させるなんて凄いです!」みたいなことを書いた気がします。でも、あれは冷静に考えると男の娘じゃなくて女装少年ですよね。男の娘と女装少年は似てる様で大きく違いますよね。ますよね(何)。

 ただ、クラブサンデーに掲載されている作品を、ブログなどで簡単にリンク張れるような仕掛け(いわゆるブログパーツの類)はまだ用意されていない様なので、個人的な必要性および趣味のプログラミングの題材として、クラブサンデーの作品詳細ページから作品情報を引っ張ってきてリンク用のパーツを生成するツール “EmbedSunday” を作成しました。

 → EmbedSunday

 使い方は書いてある通りですが、クラブサンデーのリンクを張りたい作品の詳細ページのURLを入力するか、あるいはブックマークレットを実行すると、詳細ページから情報を引っ張ってブログパーツっぽいものを生成します。

M・S DOLLS

M・S DOLLS

菅原健二
(C)Kenji Sugawara /Shogakukan 2009

足りない現実を補うものは何か。オタク高校生・君塚アオイが、現実の女子に迫害(?)され出した結論は……M・S! モーソー!! 妄想!!! そして、悟りの境地を開いたアオイの眼前には、理想の美少女「八乙女」が出現したのだった!! この素晴らしさを誰かに自慢したい…分かってほしい…そんな欲求が、アオイの野心を駆り立てる! 理想の美少女を巡る妄想バトルコメディー、今ここに始動―――!!

posted with EmbedSunday on 2009-07-31

 クラブサンデーに掲載されている作品にブログで言及したい時に使用して頂ければ幸いです。

※念のため書いておきますが、このツールはあくまで私個人が趣味で作ったものであり、「クラブサンデー」とは何の関係もありません。ご承知下さい。



「結界師」のカケル×ミチルは百合的にイケるのかどうか判断が難しいサンデー34号感想

7/29追記あり:

ハヤテのごとく!

 ハヤテにとっての「宿命の女」、より格好良く書くとファム=ファタールであるところの、天王洲アテネことあーたんがついに再登場。ハヤテとの偶然の再会で沸き上がった感情の昂ぶりをわざわざ小指を噛みながら表現するシーンはたいへんにエロティックであり、「ハヤテ」史上最も存在自体がエロいキャラの面目をさっそく躍如させてます。
 幼少期ですら退廃的なエロスをあれだけまき散らしていた彼女ですから、あれから10年経った今では更にそれに磨きがかかっているに違いありません。今後の彼女の一挙手一投足に注目です。性的な意味で(ひどい感想)。

 しかしアテネとハヤテの関係は、例え互いに愛し合っているとしても、同時に傷つけあわないと済まされないような、そんな激しい関係であるような気がします。ドラマチックではあるけど、結局最後には破綻することが宿命付けられているような。
 ハヤテが平和な人生を歩みたいのであれば過去を忘れて新しい恋を見つけるべきで、実際彼の周りにはそれができるだけの女性が沢山いて彼を待っていたりするんですけど、しかしこうしてまた再びアテネと出会ってしまったということは、結局そう簡単に過去からは逃れられないし、ハヤテには平穏な人生は歩むことはできないということなのでしょう。天然ジゴロも楽じゃないのね。

マギ

 アリババがアラジンの大切さに目覚めるの巻。しかしようやくアリババがアラジンのかけがえのなさに気付いたその時、アラジンを狙う新たなるライバル・ジャミルが姿を現して唐突に熱烈なアプローチを仕掛けてきたよ! 果たしてアリババの愛は報われるのかな! という展開であると解釈しました。大枠では多分それほど間違ってはいないと思います。

 あとは直接は関係ないですが、領主ジャミルの奴隷少女であるモルジアナがイイですね。何がイイって、あの全てを蔑んでいるかのような、サディスト的ながいいです。あの冷たい目で見つめられたら、サンデーの男性読者の八割を占めるであろうマゾヒスト達はそれだけで昇天しかねません。
 おそらくは奴隷という立場が彼女の瞳をそうさせているのでしょうが、彼女の主のジャミルはこの彼女の瞳を見たいからこそあえて奴隷にしているのかも知れません。ということはあのジャミルもマゾヒストなのか。夜な夜な「僕をその冷たい目で蔑んでおくれ」とか懇願してるのか。さすがアラビアンの世界は違いますね(違います)。

 オリジナルの「アリババと四十人の盗賊」では、モルジアナは迫る盗賊達を知略でブッ殺してアリババの窮地を救う聡明な女性として描かれているので、おそらくは今後も彼女が物語の大きな鍵を握る存在になると思われます。全マゾヒストはモルジアナに注目のこと。

ジオと黄金と禁じられた魔法

 先週提唱したこの作品の略称「ジオとと」でググってもこのサイトしか引っかからくて残念です(本気だったのか)。まだ「ジオ禁」の方が通りがよさそうな感じ?
 それで「ジオとと」ですが、自分の観測範囲でもそのあまりに異質な絵柄などに対してかなりの拒否反応を示している人がいるみたいで、久しぶりにサンデーに「問題児」が登場したなという実感が湧いて来てます。この反応をサンデー編集部が織り込んでいるのであればまさに「計画通り!(AA略)」なのでしょうけど、実際サンデー編集部がそこまで計算しているのかどうかは謎です。計算してないのかも知れない。

 今週はこの作品世界における「街」が初めて登場したのですが、出てきたキャラがパンクロッカーチックな金髪メガネだったりヘビ柄の服を着たスキンヘッドだったりと、何か妙に70年代のパンクロックテイストな雰囲気を醸していたのが気になります。
 第一話の段階では、「魔法」とそれが持つ「力」の描写に注力したハイ・ファンタジーな物語を展開するのかと思っていたのですが、今回は魔法使いには認可証が必要とか、魔法使えるから俺たちがこの町の法律だぜヒャハー的な俗っぽいザコが出てきたりとかしたところを見ると、もうちょっと緩めなファンタジーを狙っているのかも知れません。
 このままだと、ジオが魔法認可証を獲得するために格闘大会に出場するみたいな展開になっても不思議ではないなと思いました。このマンガの掲載誌がサンデーじゃなくてジャンプだったらそうなりかねない流れ。足払いキャンセル花咲かす魔法で攻撃とか(何それ)。

以下、7/29追記:

電脳遊戯クラブ

 おそらくこれ読んだ現役プログラマの方々は総出で突っ込んでいるとは思うのですが、「もしも0なら」を(コンピュータ言語で)「if (0) { ... }」と表現するのは間違っています。このif文は(「もしも0なら」ではなく)「0が真かどうか」を意味しており、コンピュータの世界では0は真ではなく常に偽であると決まっているので、このif文は結果的に何もしません
 コンピュータ言語の世界では、一般的に「もしも0なら」をチェックしたい場合は「何を0と比較するか」を明示的に指定する必要があり、その「何」にあたるのが変数と言われるものになります。例えばXという変数に入っている値が0かどうかをC言語で比較したい時は、「if (x == 0) { ... }」と書くのが普通です。以上解説おわり。

 あと何かニシン君はゲームの基礎部分を作ろうとして躓いているみたいですが、今回作ってるエッチゲーはコマンド選択式のよくあるアドベンチャーゲームなんだから、全て一から自分で作ろうとしないでNScripterなどの稼働実績があるフレームワークを使った方がよくなくない? その方がエッチゲーの核であるシナリオ部分の作り込みに集中できて制作のモチベーションも上がるし、開発工数も少なくて済むんじゃね? と思ってしまうのは、自分が職業プログラマだからなのでしょうか。

アラタカンガタリ

 コトハの「アラタ様にだったら、私何をされても…」という台詞を聞いた時のカンナギ様の喜びっぷりが、頭の中がエロ妄想でいっぱいな中二男子チックで面白かったです。
 あと仮にアラタがコトハと一緒に大人の階段登ろうとしても、あれだけ緊張してると多分失敗すると思いました(感想)。

はじめてのあく

 この前部屋を整理していたら、藤木先生が「こわしや我聞」の連載が終了した頃に作ってコミケで領布した同人誌『夏休みの友』が出てきました。もうこの本が出てから3年も経つんですよね。
 あの頃の藤木先生は、同人誌というアンオフィシャルな場所じゃないと自分のマンガの女性貧乳キャラを脱がすことができなかったシャイボーイだったものでしたが、あれから様々な紆余曲折を乗り越えて大きくなった今の藤木先生は、本編でヒロインの貧乳キャラを堂々と何度も脱がした上、「うら若き男女が二人きりで旅行」だなんてドッキドキなシチュエーションのエピソードまでこなせる余裕と貫禄を身につけた、立派な少年マンガ家に成長したのです。何か嬉しくなって来ちゃいます。
 そういう訳なので、ジローとキョーコがうっかり大人の階段を登っちゃいかねないようなドッキドキなエピソードを期待したいところです。いや絶対にそうならないことは判っているんだけど。

 そして、エーコ姉さんは実家に帰ったら大姉上に酷い目に遭わされる運命になることを、もうちょっと自覚した方がいいと思いました。


バレットの隠密行動スキルはイベントの徹夜行列時にも役に立つのかと思ったサンデー34号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 ダブルフェイスの二人は、そろそろ若さ以外のところに自分の女としての価値を見いだした方がいいのではないかと思われます(挨拶)。
 遅れましたが今週のサンデーの「絶チル」の感想です。

 前回の段階ではどうやって皆本達が「普通の人々」のチャラ男達を制圧して飛んでくるミサイルを回避するのかが懸案事項だった訳ですが、よく考えてみたらバベルチームには局長という人類最強の超人が存在していた訳で、局長であれば相手の放った銃弾で自分の手錠を壊して逆襲するくらいのことは簡単ですよね。ECMが入ったアタッシュケースをミサイルにぶつけてボートへの直撃を防ぐという無茶なアクションも、「局長がやるなら仕方がない」という理由で納得できます。
 局長の行動力は明らかに並の人間のそれを超えていますが、局長の能力はサイキック的な意味での超能力ではない為、ECMでは防げません。エスパー封じをもっぱらECMに頼っている「普通の人々」にとってノーマルの超人である局長は明らかに脅威だと思われるので、次回の対バベル攻撃の際には局長対策が必須であると思われます。
 でも、局長を封じる手段なんてこの世にあるのだろうか。

 あとは、朧さんも拳銃を持ったチャラ男をものともせずに海中に引きずり落として局長による反撃のチャンスを作るなど、地味にいい仕事を行っており、当エピソードにおいてただの横乳要員じゃないことを読者に再認識させていました。
 朧さんはこんなに有能な上に薫も認めるナイスバディの持ち主なのに、持ち込まれるお見合い話の一つも片付けられないのが不思議です(関係ないです)。

 不二子ちゃんは相変わらずなのでいいです。

 その辺は余談として、今回のメインテーマは薫の精神的な成長の描写。前回の引きでは読者が我慢萌え要素に目覚めてしまいそうになるほど爆発するのを我慢していた薫でしたが、今回は最後まで冷静さを失わず、海中に落ちた仲間を助けるばかりか敵のチャラ男まで「エスパーはみんなを幸せにするために力を使わなければならない」という理念の元に助けてしまうという成長っぷりを見せていました。ここまでデキる子になっていたのは正直意外。爆発するに違いないと思い込んでてすまんかった(何となく謝る)。
 ただ、チャラ男を助けた時の表情からは、まだちょっと納得できずに我慢している感じも読み取れます。こういうのが鬱積して行くと将来爆発しかねないような気がする。

 皆本との最後の絡みの部分は、基本的に二人のイチャイチャっぷりをニヤニヤしながら眺めればいいと思いますが、特に薫が精神的に成長したことを知った皆本が「大きくなったな」とイケメンモードで薫に語りかけたこと、そして薫は皆本を「貧弱な坊や」とバカにしたことはちょっとからかっただけだったと赤面しながら弁明したことが、ここでは重要です。ここだけ読むと、なんだこいつらもうデキてんじゃん? みたいな感じになりますよね。
 葵や紫穂は、その辺を判っているのかどうなのか。そろそろフナムシ焼いてる場合じゃないような気がしないでもないです。

 賢木も相変わらずなのでいいです(おわり)。


[crossreview]君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)

[☆8] 百合小説だが、主役の真名を描いたキャラ小説という印象の方が強い。”恵まれさん”なる彼女の立場や「どうして空は青いの?」という問への反応がミステリアスなだけに、最後で明らかになる彼女の「正体」が印象的 [4094511458]
2009-07-25 11:57 | Permalink | Other Review


遅くなりました(いつものことです)サンデー33号感想

結界師

 良守が修行の果てに生み出した「極限夢想」はスゲエぜの巻。「極限夢想」は、要するに「スタンド」みたいなものだと解釈してます。能力そのものが姿形を取って具現化したものっぽいので。
 ただその良守の「極限夢想」たる「しぐま」は、見てくれが海外のトランプのジョーカーに描かれているような萌え要素皆無のクラウンみたいなデザインで極めてキモいっつうか不気味なので、どう考えてもマスコットキャラになってクレーンゲームの商品になるようなタイプではないなあと思いました。いやまあ、ここで「神のみぞ知るセカイ」のよっきゅんみたいな萌えキャラに出てこられても困るんだけど(萌えキャラ?)。

 個人的な感想ですが、「しぐま」の喋り方はどことなく火黒に似ているような気がしました。火黒はピュアに人を斬る道を極めちゃった挙げ句エンディングの向こう側にまで突き抜けてしまった存在でしたが、良守にもそうなっちゃうだけの資質があるのかも知れません。今の良守も割と黒い感じしますし。
 「しぐま」に染まってだんだん黒くなっていく良守に対して「そんなの良守じゃない!」って言うヒロインキャラの座を射止めるのは時音になるのか、それとも閃ちゃんになるのか。その辺を今後の見所にして行きたいです。

最強!都立あおい坂高校野球部

 あお高は守備ができない神木に対してバント攻撃をしかけて攻略するんじゃないかと思ってはいましたが、まさか「あお高」界きってのマスターオブ凡人であるところの我らがキャプテンがやってくれるとは痛快です。凡人が超人を制したよ! 多分、今がキャプテンの人生最良の瞬間ですよ! もう次はないかもよ!(ひどいよ)
 これからあお高は下位打線に入るわけですが、ここでもバンドばっかりやって完全に神木をキレさせたら「砂漠の野球部」みたいで格好いいなあ。どうなるんだろう。

金剛番長

 「細胞がスジを通した。
 サンデー33号でもっとも面白かったのがこのコマでした。
 今回、細胞がスジを通すと何で環境への適応をも超越して進化の極みを超えられる存在になれるのかという理由は全く解説されていませんが、連載開始直後から今までの間、主人公の金剛番長が「スジを通す」というただ一点を行動原理として活躍してきた結果、この無茶な言葉にも読者を「スジを通しているなら仕方がない」と納得させるだけの説得力を帯びさせることに成功しています。
 エンターテイメントにおいて、物語に一本スジを通すことの大切さを、このマンガ自体が体現していると言えましょう。正直感動しました。さすが「金剛番長」は違う。馬鹿馬鹿しさが(褒めてます)。

電脳遊戯クラブ

 「編集部注)この作品での『エッチゲー』は、中高生でもできる健全なものです
 これって「この作品に登場する人物は全て18歳以上です」とか「作中の登場人物に血縁関係はありません」とかと同じくらい説得力がないと思いました。マンガの中で出てくる「家族にエッチゲーをしていることに気付かれない方法」って、完全にエロゲーとかアダルトビデオを家族に内緒で鑑賞する方法論と一緒だもんなあ。いや、私はオトナなのでその辺は大人の事情で華麗にスルーしますが。
 とりあえず、こういうのは本人が気付かれていないつもりでも「それでもママは何でもお見通しだ」というオチに終わることが多いので、みんな母親には親切にしておいた方がいいと思います。

アーティストアクロ

 連載序盤はあまりに生身の女性キャラが出てこなかったため、「アーティストアクロに女はいらない」がこの作品のモットーではないかと思われていた(というか自分が勝手に決めつけてた)ものでしたが、ついにアクロに好意を持ってる美少女キャラが登場するフェイズに突入。読者にとっては微笑ましいことですが、アクロのことが大好きなデコにとっては一大事になりそうな予感がします。負けるなデコ(何となく)。
 にしてもアクロは7歳にして年下にしか興味がない真性だったとは。幼女しか愛せない少年マンガの主人公って、冷静に考えると凄いですよね。時節柄。表現の自由って素晴らしいです。


魔法使い(ネットスラング的な意味で)の皆さんこんにちは!サンデー33号「ジオと黄金と禁じられた魔法」感想

ジオと黄金と禁じられた魔法

 新連載。作者の桐幡歩先生は、かつて(椎名先生の読み切り「破壊僧ジョドー」が掲載されていた)サンデー超増刊に載っていた新人コミック大賞入選作「魔法の卵使い」を読んだ時から、「絵柄や作品世界は個性的で凄いものを持っているけど、少年誌でやるには向いていないんじゃないか」と思っていた人で、その後何度かサンデーに掲載される作品を読んでも、その認識は変わりませんでした。
 そして今回の「ジオと黄金と禁じられた魔法」も、また桐幡先生の特徴であるところの「独特の絵柄と世界観」を活かす為、安易に表現方法を少年マンガ向きにチューンしないまま誌面にぶつけて来た感が強いです。おそらく作者の側は、初連載作品にして早くも「オレはこういうマンガしか描けないんだ」と覚悟を完了させていると思われます。ジャイガンスティック!(専門用語)
 ちなみに、68ページもあるのに登場人物がわずか4人、それも主人公のショタっ子以外はじじいロン毛冷酷眼鏡という男性読者に全く媚びていないラインナップなのも凄いです。しかも唯一の希望のショタっ子も、最後の方ではもはやショタと呼ぶには微妙な年齢の少年に成長してしまってますしね。こんなところからも桐幡先生の本気っぷりが伝わってくるというもの。

 作品としては、「魔法使いになって弱くなる奴もいる」という台詞が強調されていることからも判る様に、テーマとしてはいわゆる “With great power comes great responsibility”(大いなる力は大いなる責任が伴う)路線になるものと思われます。この世界における最強の魔法「禁呪」を手にすることとなった少年ジオは、「禁呪」の力に溺れることなく、たった一人で「世界一の魔法使いになる」という極めて漠然とした目標に到達することができるのか否か。多分そんな感じ。
 真面目にやろうとするとかなり壮大なスケールな作品になりそうですが、とりあえず個人的にはこの読者に媚びない覚悟完了っぷりを貫いて頂き、桐幡先生ならではの作品世界を存分に描いて欲しいです。個人的に昔から注目していた作家さんなので、頑張って頂きたい所存。
 でも、できれば「鬼月」に出てきたようなミステリアスな美少女キャラも出して下さい(弱い)。

 あと「ジオと黄金と禁じられた魔法」はタイトルが長くて呼びにくいので、編集部側で適当な略称を付けるべきではないかと思われます。同系のネーミングのゲーム「剣と魔法と学園モノ。」の略称が「ととモノ」なので、このマンガは「とと禁」や「ジオとと」とかは如何でしょうか。もはや何のマンガか判りませんが。


原画展行って来た日記

秋葉原090717

コミックス17巻

 7/17の午前に、ゲーマーズ秋葉原店8Fで行われた椎名高志先生の原画展に行って来ました。

 展示されていた原稿は「GS美神・極楽大作戦!!」と「絶対可憐チルドレン」のみ。枚数はあわせて15~20枚くらい? の、比較的小規模なもの。カラー原稿と白黒原稿の比率は半々くらい。勿論平野綾さんアシスタント生原稿も展示されてます。サイン付き。
 あと、展示を見に来た人が椎名先生へのメッセージを書いて貼っておけるメッセージボードが用意されてます。行った人はみんな書いてくるといいです。

 個人的には、椎名先生がMacを導入する前の「美神」の連載初期~中期の生原稿が拝めたのが収穫でした。特にカラー原稿の美神の肌やボディコン部分の陰影の付け方がイイ感じで(性的な意味で)、なんかじっくりと鑑賞してしまいました。ごちそうさまでした。
 あとはコミックス31巻に出てくる美神と横島の師弟対決の見開きページの原稿が展示してあって、ただでさえ格好いいシーンなのに生原稿になると迫力出すためにホワイト吹いた後とかが生々しく残っていて更に格好良くなっていたのがやたら格好良かったです(頭悪い表現)。判りきっていることですが、プロの原稿ってすごい。
 あと、このコマの原稿の上の部分に先生の字で「ウルトラQ」って書いてあって、こういう指定の仕方でアシスタントに通じるんだと思いました。みんなオタクだなあ。

 そんなアレで楽しい一時を過ごさせて頂きました。
 次にもし原画展を開く時があったら、ぜひ「カナタ」とか「フォワード」とか新人コミック大賞入選作(「絶海絶命!」でしたっけタイトル)とかの原稿を展示できる広さの展示会になって欲しいです。絶チルアニメ第二期が放送された時にぜひ(それはないんだよおキヌちゃん的オチ)。

 なお、自分は「先着50名」のサイン会参加券競争には参加しませんでしたが、参加された方の話では午前5時過ぎの段階で既に120名を超える希望者が集まってしまったため、結局その段階で雨の降る中抽選を行ったそうです。本当におつかれさまでした。
 サイン会当日は、参加券を持っている人以外はサイン会会場に入れないとのことなので、三省堂の時の様な「サインしている椎名先生の姿を遠くから拝む」プレイはできない模様です。ご注意を。



[crossreview]放課後プレイ (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション)

放課後プレイ (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション)
黒咲 練導 (アスキー・メディアワークス) / ¥ 819
[☆8] 毎日オレの家に放課後に遊びに来てゲームが好きでツンデレで事ある毎に黒タイツ脚でオレのことを蹴っ飛ばしてくる彼女なんてさいこう! 超さいこう! 的なマンガ。あと望外にエロかったです。黒タイツは至高。 [4048675648]
2009-07-16 13:33 | Permalink | Other Review


朧さんの横乳見せ水着は誰に対するアピールなのだろうかと思ったサンデー32号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今更になりますが、椎名先生の原画展の詳細が発表になりました。17日からゲーマーズ秋葉原店で開催とのこと。とりあえず自分は諸般の事情で平日の方が行きやすいので、開催初日の午前中に行ってくる予定です。それまでに今の仕事が片付いていればの話ですが(伏線)。俺、今の仕事が終わったら、椎名先生の原画展へ行くんだ…
 今回の原画展の最大の目玉であるところの平野綾アシ生原稿は勿論のこと、『20年間人気街道大爆走中!』のアオリにおける「人気街道」に含まれるかどうか微妙な「一番湯のカナタ」の生原稿とか、体育会系大嫌いな椎名先生が描かれた幻の(今後日の目を見なさそうな的な意味で)バスケマンガ「フォワード」の生原稿とかの、レアな作品を見てみたいです。

 あとサイン会参加資格ゲット権の方は、事実上「先着50名」なので、始発電車に乗って秋葉原に行ってゲーマーズに並ぶ根性が必須条件というか、むしろ終電から秋葉原で徹夜カラオケやりながら夜が明けるのを全裸待機するくらいでないと確実性がないんじゃないかと思われるくらいの難易度なので、色々と顧みないと行けないものがある自分としては諦めざるを得ません。
 全てをかなぐり捨てても椎名先生の生原稿サインが欲しいと願う、コアなファンを自認する皆さんの健闘を期待します。

 以下、サンデー32号の感想。

・今回は「普通の人々」の思惑通りにハマって皆本大ピンチの巻。皆本は基本的にお姫さまなので毎回必ず敵の手に落ちるのがお約束なのですが、今回もまたきっちりお約束を果たしてくれました。おつかれさまです。
 今回の危機を皆本達だけで切り抜けるためには、ミサイルが飛んでくる前に「普通の人々」のチャラ男を説得してECMを切ってテレポートで脱出するくらいしかなさそう。あるいは、超能力を封じられた葵が空間をねじ曲げて軌道を反らすくらいの能力が出せるかどうか。
 どっちみちこのマンガは元非モテの椎名先生のマンガなので、最終的にチャラ男がひどい目に遭うことは確実です。

・「やな奴と同じ空気を吸うのはその辺が限界ね
 紫穂のこの台詞に対しては、『「お父さんくさーい」って言ってる娘みたいだ』という感想をネットで見かけて、なるほどなあと思いました。台詞は相変わらずきついですが、ひねくれキャラはひねくれキャラなりに賢木に甘えていらっしゃるのですね。微笑ましいです。
 お父さんも精神がひねくれた女の子は大好きです(お父さん誰?)。

・次回は薫が大爆発するっぽい引きでした。皆本のことを思春期の乙女っぽく意識し始めてからは初めての危機なので、薫がどう暴れるのか正直予想が付きません。「破壊の女王」の鱗片を見せることになるのか否か。
 にしても、最後のコマで暴走するのを一生懸命我慢してる薫の顔はとてもカワイイですね。いわゆる我慢萌え。新ジャンル。


現代っ子は「おっぱいミサイル」に反応できるのだろうか(性的な意味で)サンデー31号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 俺、寝て起きたら村枝先生の「オースダイン」が載ってるサンデー32号を買うんだ…(フラグ立て挨拶)

 毎度のことながら、ギリギリアウトのタイミングでサンデー31号の「絶チル」感想です。

・「自分で予知して自分で防いだと言っている
 これって、コンピュータワクチンの製造メーカーが自分でウィルスを捲いた上で自分でそれの対応プログラムを作って儲けてる、という噂が流布しているのと同じようなものでしょうか。こういうのは噂の対象(この場合はウィルスソフトメーカー、「絶チル」の場合はバベル)への感情的なやっかみがある場合に発生しがちなので、この辺の描写は妙にリアリティがあるなあと思いました。税金払ってるのに何やってんだとかそういうレベル。多分。

 あと「事故確率30%」がいまいち信用されていないのは、(マンガの中でも出てきたメタファーですが)天気予報と同レベルでしょう。日常的にそういう予報が出ている世界であれば、「事故確率30%」が実際どのレベルで当たっているものなのかを一般市民は経験で知っており、それ故に「まあ自分が事故に巻き込まれることはないだろう」というノリで海水浴にゴーみたいな。
 そして実際に事故が起こると世間は被害者に「自己責任」を押しつけ、事故の当事者は行政やバベルを批判する流れに。嫌な世界ですね。やはりこの社会は一度パンドラの手によって滅んだ方がいいのかも知れません。

 でも仮に世界が滅んでパンドラが世界を支配するようになったら、非難の矛先が単にバベルからパンドラに変わるだけなので、社会を滅亡させるコストの分だけ勿体ないのでやっぱり滅亡しないでいいです。

・「あれでおちない女っているのかな
 薫はああ見えてマッチョ系男子がお好きなのかと思いました。あるいは、椎名先生のマッチョ体型への憧憬と嫉妬がないまぜになった感情が発した発言? 昔女性から「貧弱な坊や」と言われてしまった経験がおありなのでしょうか?(捏造)

 このシーンでは、マッチョなライフセーバーと体型を比べられた皆本が体を隠してしまうところが面白かったです。それまでボディを晒していたってことは、やっぱり皆本は内心で自分の鍛えたスレンダーボディにそこそこ自信を持っていたことの現れであり、それ故に薫達に「貧弱な坊や」扱いされたのが悔しかったに違いありません。
 これはつまり、ちょっと自分の体に自信があったヒロインがライバル女子の巨乳キャラのナイスバディっぷりに気後れして水着姿になるのを躊躇するというよくある構図と同じ心理であり、図らずも先週提唱された皆本ヒロイン説を補強する展開であると言えましょう。

 実際問題としては、ガチガチに鍛えられた細マッチョよりは均整の取れたスレンダーボディの方がビーチサイドではモテるんじゃないかと思われるので、皆本はもっと自信をもってそのエロスなボディを晒すべきだと思います。ヒロインとして。

・あと、賢木の水着もなんか腰履きのローレグ気味なのが気になります。皆本に対抗しようとしているのか。それとも皆本へのアピールのつもりなのか。表紙で妙に皆本とベタベタしようとしているところも気になります。

・今回の結論としては、筋肉描くの面倒くさいと言いながら大量に男性キャラを脱がせて筋肉を描かざるを得ない状況に自ら陥った椎名先生は、実は筋肉が大好きに違いないということです。もう貧弱な坊やとは呼ばせない!(二次元では)という気概を感じさせてくれて頼もしい限りです。
 「GS美神」の頃は、せっかくの水着回で夏の海をエンジョイするリア充達に嫉妬した挙げ句に周囲を驚かせて嫌な気分にさせるだけの妖怪・コンプレックスを登場させて憂さを晴らすネガティブっぷりを発揮していたあの非モテな椎名先生が、今では仕事場に人気女性声優がやってくるくらいに立派になって…(涙)