2009年06月一覧

バンダイの科学力で「はじあく」のネコ耳化メガネを商品化できませんか的サンデー30号感想

7/1追記:

神のみぞ知るセカイ

 久しぶりにダメな桂馬が見られたのでファンとしては満足です(ダメ)。

 今回登場した天理は桂馬の「幼なじみ」という設定ですが、桂馬が彼女のことをほとんど覚えていないということは、逆に言えば単に忘れてしまっていただけで当時は本当に仲が良かった可能性も考えられます。なので、最終的には彼女は桂馬が言うところの「TOYOTAが作る信頼の幼なじみ」っていうシチュエーションに全て当てはまってしまいそうな気がしないでもないです。
 少なくとも最後の「立場が全然変わって再会」には確実に当てはまると思う。明らかに天理ちゃんおかしいし。頭ではなく態度が。

電脳遊技クラブ

 ニシン君がゲームを逆アセンブルして動的に解析しているシーンは、かつて「絶チル」で紫穂がゲームを一瞬にして読み込んだシーンをものすごく派手にするとこうなるのかなと思いました。
 ただ、ニシン君はゲームのマシン語を逆アセンブル→それをC言語に変換→それを解析というステップを踏む必要がありますが、紫穂の場合はマシン語を逆アセンブルで翻訳することなく、ゲーム構造そのものを読み取ってそれを直接理解しているように見えます。英語を日本語に翻訳して解釈するか、英語を英語のまま解釈できるかの違いみたいなものですね。よってこの勝負は紫穂の勝ち(勝負してません)。

 そしてシューティングゲームの場合、二人プレイをするとソロプレイよりも多めにアイテムが出てくるものもあるので、そういう場合は一人にアイテムを集中させ、もう一人は影のようにその後を付いて行っておこぼれに授かる戦い方が割と有効です。「コバンザメ戦法」って言ったような気がする。ダライアスとかで有効だったような(例えが古い)。

 逆アセンブルで出てきたソースが、それなりにゲームの座標系の処理っぽい雰囲気だったのは良かったです(フォロー)。

アラタカンタガリ

 革とコトハが風呂場で半裸でどっきどきするというせっかくのけしからん展開だったのですが、革が「コトハのおっぱいを見て鼻血を垂らす」という持ち前の初心っぷりというか童貞っぷりを発揮して台無しに。女の子の裸を見て鼻血を出すだなんて20世紀的な演出だと思ってましたが、意外と現代でもイケるものだなあと思いました。
 何にしろコトハは現在のサンデーにおける横乳チラ見せ型ヒロインとして貴重な存在である上、「俺が俺であるという理由だけで俺のことを一方的に好きでいてくれる異世界の女の子」というボンクラ男子垂涎の属性も持ち合わせているたいへんにいい子なので、今後もこの調子で革に鼻血を吹かせてやって欲しいです。彼女の恋が報われるかどうかはともかく(ひどい)。

 あと今回は序盤でカンナギ様がヘタレずに活躍していたのですが、「オトナ」に捕まってヘタレていたところに限って革に見られてしまうとか、相変わらずヘタレ方がツボに嵌ってるなあと感心しました。さすがカンナギ様。

魔王

 ついに最終回。やはり最終的にこのマンガは第一部のメインテーマである「考えろ、考えろ、考えろ、マクガイバー」的なところに回帰して行くんだなと思いました。現実社会でもまもなく政治の季節が始まろうとしていますが、そういう意味でもこのマンガはこのタイミングで終わるのが相応しいのかも知れません。

 最終回でのサプライズは、「魔王」きっての最萌えキャラであるところの「バッカジャナイノー?」兄弟が実はこの作品内で最強の力を有しており、かつて犬養を狙撃から「救った」地震を起こしたのも彼らだった(そして潤也はそれを見越して彼らを雇っていた)ってところ。
 これによって犬養狙撃の時に残された伏線が回収されたと同時に、「犬養は潤也の画策した『兄の復讐』を果たすための筋書きに乗せられていたのでは?」という憶測が可能になります。今回潤也が行った行動は、まさに彼の兄が当時やるはずだった「犬養に扇動された人々の熱狂を解く」ことそのものでしたからね。

 何にしろ、連載おつかれさまでした。月刊サンデーでの「蝉」を主人公にしたスピンアウト作品にも期待させて頂きます。

お坊サンバ

 「ほとんどの視聴者はテレビに対して今以上の画質も情報も何も望んでおらず、デジタル化は余計なお世話である」という真実を堂々とオチにした今回の「お坊サンバ」は、ギャグマンガを社会風刺として機能させるという久米田先生放逐後のサンデーに欠けていたユーモアのセンスを久々に思い起こさせるものでした(大げさ)。

 うちも最近アナログTVが壊れたので仕方なく地デジ対応の液晶テレビを購入しましたが、映像がすげえ綺麗なのでもうアナログには戻れません(弱い)。


「このロリコンめ!」と涙を流す自衛隊員達の姿に「教育的指導!」時代の非モテだった先生の面影を見たサンデー30号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今週のサプリメントを読んで、やはり男性漫画家にとっての幸せとは、自分の作品がアニメ化され、そのアニメに出演した人気女性声優と仲良くなることに他ならないんだなとつくづく感じました。声優の描いた自分のキャラのイラストを躊躇なくそのまま自分のマンガに使うって、冷静に考えると色々な意味で凄いです。
 女性声優と仲良くなったり、原画展の開催が決定したり、原稿が落ちそうになっても担当編集者が体を張って守ってくれたりと、最近の椎名先生は本当に幸せそうで何よりですね。

 とりあえずそんな感じで声優に囲まれて幸せな椎名先生は「さよなら絶望先生」で久米田先生にネタにされるがいいと思いましたが、でも久米田先生的には立場的にまず金田一少年の人の衆議院議員選挙出馬表明をネタにして頂くのが先決でしょうから、とりあえずそちらの方を優先して下さい。頑張れ久米田先生(ひどい)。

 以下サンデーの感想。

  • ウチの大事なお姫さまのワガママやもんな
     皆本がみんなのお姫さまであることが、公式見解として発表されました。皆本がこのマンガの事実上のヒロインであることは既にファンの間では広く認識されていたことではありますが、今回の葵の発言によってこの作品のヒロインは名実共に皆本ということになりました。おめでとうございます(何)。
     いやまあ皆本のことを「姫」呼ばわりするのは声優ネタなのは承知の上なのですが(皆本役の声優である中村悠一さんは「マクロスF」で歌舞伎の女形出身という設定のキャラを担当。アニメ版「絶チル」でもそれを使ったネタが仕込まれたことあり)、元々ヒロイン=皆本の認識でこのマンガを読んでいた人にとっては、「作者が皆本の立場に対する現状を事実上追認した」以上の意味はないと断言できます。
  • そんなヒロイン皆本ですが、最近は何かヒロインらしくズボンを意図的に腰履きしていることが多い気がします。前回の「試験に出る超能力」編のパジャマのズボンを腰履きしてる扉絵が出てきて度肝を抜かれましたが、今回は水着回ということで終始セクシーボディーを披露。どこまでもエロい男です。
     これは「筋肉とかけっこう手間かかるんで、できれば脱がないで欲しいですね」と口では言いながらもつい皆本の腹筋の露出を増やしてしまう椎名先生のサービス精神がなせる技なのか、それとも先生の脳内に住んでる皆本が勝手にやってることなのか。何か後者の様な気がします。読者サービスするのはヒロインの大事な仕事ですからね。皆本は真面目だなあ(まちがい)。
  • 今回の敵役となるであろう「普通の人々」のチャラ男三人組ですが、彼らのノリの軽さっぷりを表現するのに背景にわざわざ「チャラチャラ」って書かれているのが面白かったです。それも執拗に。
     「チャラチャラ」ってオノマトペを背負って出てきたキャラというと小鹿主任の初登場時を思い出しますけど、他に「チャラチャラ」を使っているマンガをぱっと思いつきません。椎名先生のオリジナル?
  • 次回は「予算がない」とか言いながらも結局バベルの面々が介入してくる展開になりそう。チャラ男達がどんな酷い目に遭うのかが楽しみです。

先週の「絶チル」は賢木先生のハードな恋のレッスンのためお休みでしたサンデー29号感想

結界師

 絶妙のタイミングで蒼士に助けられた閃ちゃんが、蒼士に惚れてしまうエピソード(意図的な曲解)。
 閃は良守のことが大好きなのは皆さんご存じの通りですが、彼は「烏森を守り、そして大切な人も全て守る」という意志のために命を捨てて戦う良守と同じ様なものを、「与えられた命令や良守との約束を全て守る」ために文字通り命を捨てて戦っている蒼士に見てしまったのかも知れません。閃ちゃんはやっかいな男に惚れちゃうタイプなのね。

 あと、死んだと思っていた奥久尼が幽霊になって復活したのはビックリしました。このマンガは基本的に幽霊もありなマンガであることを思い出させてくれたと同時に、奥久尼さんは何か死んでも生前と全く態度や雰囲気が変わらないところを見ると、むしろこの人は最初から生死を超越した存在だったんじゃないかと思うようになって来ました。D&Dで言うところのイモータルレベル。
 もしこのまま奥久尼さんが幽霊のまま正守のパートナーとしてレギュラーになっちゃったら、おキヌちゃん以来の幽霊美少女としてアイドル化するところまで狙って欲しいですね(少女?)。そして「死んでも生きられます! ちょっと死ぬほど苦しいけど」って言って欲しいものです。國府田マリ子ヴォイスで。ウソです。

マギ

 自分がアラビアンナイトを知ったきっかけは阿刀田高氏の「アラビアンナイトを楽しむために」だったので、アラビアン=エロという認識です。冒険とかロマンとかバイオレンスとか、そういうの以前にエロ。ですので、今回「サービスタイム」でアラビアンなお姉さんたちに入っていたのかどうかを妄想してしまうのも、致し方ないと言えます(←むしろ自分が仕方ない)。エリザベスさんはきっとそういう意味でのナンバーワンなんですよ。折れちゃうくらいの。何かが。
 ちなみにギリシャ神話も同様に阿刀田高氏の「ギリシャ神話を知っていますか」を読んで詳しい中身を知ったので、ギリシャ=エロです。現在ギリシャが舞台になっている「ハヤテのごとく!」もエロ。アーたんとかもう存在自体がエロいです。どうしよう(←むしろ自分がどうしよう)。

 マンガ的には、今後は砂漠のダンジョンを舞台にしたハック&スラッシュな冒険譚がメインになるみたいですね。と一応まともなことも書いてみた。

お茶にごす。

 姉崎部長が卒業の巻。このマンガから部長がいなくなることが信じられません。「マリみて」で例えて言えば、祥子さまが卒業していなくなった後のリリアン女学園の様子が想像できないようなものですよ。
 でもまだ「マリみて」の場合、既に祐巳は祥子さまとの決別という現実に対する覚悟を完了させて妙に逞しくなっているので、学園を例の調子で何となく支配する様子を想像することも可能だとは思うのですが、「お茶にごす。」の方は登場人物がどいつもこいつも部長との決別に対する覚悟を完了させていない感が漂っており、それ故に今後の彼らの行く末が心配です。特にまークン。ある意味相思相愛といっても良い関係になっているにも関わらず、生き様の違いを自覚して自分から身を引くだなんて、あまりに優しすぎます
 思うに、これからが彼らにとっての本当の物語の始まりになるのかも知れません。今後再びまークンと部長が相まみえる時は来るのか否か。姉崎部長のいない茶道部に我々はいる。

魔王

 「初回は大騒ぎでも、二回目は興味なしってことだよ
 これって、ハルヒ第二期の一回目のエピソードとなった「笹の葉ラプソディ」はネットでも騒ぎになったけど、二回目のエピソード「エンドレスエイト」の時はそれほどでもなかったってことでしょうか(せめて売上税廃案→消費税成立の例などを挙げるべきところでボケてみるテスト)。

 次週最終回な模様のこのマンガですが、最後のところで原作の持つ政治的なテイストを意図的に醸し出してみた、と解釈しました。「魔王」第一部は大衆を扇動する才能を持った犬養とそれに対抗する唯一の能力を持つ安藤兄との対決を描いた物語だった訳で、この作品は最後の最後でそこに立ち返ることになるのでしょう。
 勿論、今回の潤也の台詞は現実の日本の政治を揶揄するものでもあることは明白なのですが、ここは椎名高志ファンサイトを標榜しているサイトであるので、これに対する反応としては「のんぽり魂」を標榜することで回答とさせて頂きます。みんな「卵は産みましたからそこでなさってください」と赤面して語った人魚のように生きればいいと思います。


ゲームをプレイすることで救われたのは君だけじゃない!(マジレス)サンデー29号電脳遊技クラブ感想

電脳遊技クラブ

 東武伊勢崎線や東京メトロ千代田線に乗る度、「進め!聖学電脳研究部」のことをを思い出します(挨拶)。

 かつて「兄ふんじゃった!」でサンデー読者を震撼させたりさせなかったりした小笠原真先生が、サンデー本誌に復活。今度は、現在流行中のジャンルである(多分)文化系部活動マンガに挑む模様です。しかも題材はゲーム制作。
 ゲーム作りはプログラミングを志す人間なら誰もが一度は通る道である以上、現役職業プログラマとしてはこういうマンガの存在は応援していきたい所存です。なので、「C言語のmain関数には引数が二つあるので、main(int argc,char *argv[])と書いた方が良くね?」とか細かいことは今後言いません。言いません。

 個人的に面白いなと思ったのは、主役のプログラマ少年・ニシン君が『天才』であることを「OSを自作できるほどの腕の持ち主」という形で表現した点。この手のマンガだと、理系の天才キャラは「ゲームが上手いから頭もいいしIQも高いに違いない」みたいな、往年のファミコンコミックを彷彿とさせる割と安直な表現がとられがちなのですが、コンピュータに対するリテラシーが一般に広がっている現在であれば「OSを自作できる腕前」と来ればなんか凄そうなことが判ってもらえるんだなと思いました。
 また、そのOSのユーザーインターフェースであるパソ子のデザインのゆるさっぷりとそれに反比例した毒舌っぷりが、ニシン君のセンスというか頭のおかしさ(良い意味で)を示唆しているところも面白いです。

 小笠原真先生のやることなので当分真面目にゲーム作るような展開は期待できませんが(決めつけ)、題材としては面白いので今後に期待しますという感じ。

 あと職業プログラマ的には、「母が遺したカーネル」というのが何かグッと来ます。ファミコンマンガだと「父ちゃんが作ったゲーム」とかそういう感じの定番アイテムが、プログラムマンガになると「母ちゃんが作ったカーネル」になる訳ですね。
 自分もプログラマとして産まれたからには、何かソースコードを残して死にたいものです(死ぬの?)。


ネット感想界で一番遅いサンデー28号感想

最強!都立あおい坂高校野球部

 静岡県出身の私としては、静浜のピッチャー神木の根性の曲がりっぷりにもう萌え萌えです。自分が小学生の頃に読んだ野球の解説書には「ピッチャーは投球を終えた瞬間から九人目の野手となって守備体制に入らないといけない」と書かれていましたけど、そんな基本すら無視して投球に専念するというか、投球以外は面倒くさがってやりたがらないわがままっぷりが素晴らしいです。
 これでもし「あお高」が高校野球への無邪気な幻想を打ち砕くために作られたメタ的な視点を持ったマンガであったなら、こんなひねくれ者がエースなチームが優勝して「高校野球」的なものに問題意識を投じることも可能なのでしょうけど、しかし「あお高」はそういうマンガじゃないというか、むしろ努力友情勝利的少野球年マンガの基本フォーマットに沿った作品であるので、このままでは神木はあお高打線にかき回される→自分も守備しないと勝てないと認識させられる→バントを自分で捕球して神木が努力友情勝利路線に覚醒、みたいなパターンに落とし込まれることは必至の有様。神木はどこまで静岡県代表としてひねくれ者の意地を守り通せるのか、元静岡県民として期待したい所存です。静岡県関係ないけど。

 というか、いくら神木が守備をしないボンクラと言えども、このままあお高がバント戦法を続けるのもちょっと少年野球マンガ的じゃないというか、同じ少年野球マンガでもむしろ「砂漠の野球部」テイストな雰囲気を醸してしまう可能性もあるので、正当派少年マンガを名乗るにはその辺のさじ加減が難しいよなと思いました。

ハヤテのごとく!

 片思いだらけの「ハヤテ」界において初登場時からハヤテに片思いを抱いているマスターオブ片思いの西沢さんが、片思いの果てに得た悟りの境地をビギナーオブ片思いであるシスターに説いてハヤテの窮地を救うの巻でした。

 更に今回、西沢さんはハヤテに対して不意打ちでキスした上に「惚れてもいいんだぜ」みたいな照れ隠しの裏に本心が覗く言葉を繰り出して改めてアプローチするものの、ハヤテは遠回しな表現ながらも「お友達でいましょう」と回答、結果的にフラれてしまう形となりました。この反応は西沢さんもある程度は覚悟の上だったんでしょうけど、やっぱりフラれてしまっていることには変わりありません。
 ナギやヒナギクに対しては鈍感というか徹底的なボンクラっぷりを遺憾なく発揮しているハヤテですが、女をフる時だけ格好良くなるのは困りものです。何という女泣かせ。マリアさんから天然ジゴロの称号を得ているだけのことはあります。ダメだこいつ早く何とかしないと。

神のみぞ知るセカイ

 桂馬が攻略した女子が一同に介してみんなでモンモンするの巻。記憶からは消えても心には何か残るものがあるということなのか、それとも駆け魂が抜けてリセットされたおかげで桂馬の魅力に気が付くことができたということなのか。
 桂馬は桂馬で、一度攻略を終えて関係なくなったはずの女子に対して面倒見る責任みたいなものを感じ始めているっぽいですし、彼女たちと桂馬の関係はいずれまた生臭くなりそうな予感。専門用語で言うところの焼けぼっくいに火って奴?

 彼女たちのバンドの話はおそらく学園祭ネタをやる時に再び出てくると思われるので、その時に今回出てきた女子たちが桂馬に対してどんなアプローチをかけるのか期待。個人的には結局ドラムをやるメンバーが集まらず、桂馬が女装してドラムを叩く展開を希望していきたい。

魔王

 今回のエピソードを理解する上で、もっとも重要なキーワードを再確認します。
 「蜂」はパンツを履いていません

 斯様な認識の上で今回のエピソードを読み返してみると、パンツ履いてない蜂を前にして動揺してしまう辰美と、パンツ履いてない蜂を前にしても全く臆することなく渡り合った上、蜂に「こいつはバケモノだ」と認識させるに至った潤也とでは、もはや器が違うことは明白です。
 どちらも「犬養を失脚させる」という目的は共通しているのですが、その目的に対する覚悟の違いが、「蜂」というパンツ履いてない刺客と対峙した時の結果の違いだったのでしょう。刺客のパンツの有無に動揺する程度では、己の運命と向き合うことすら叶わないのです。

 「蜂」がパンツ履いてないことにここまで深遠な意味を持たせた作者の力量に感心しました(妄想です)。

トラウマイスタ

 ついに最終回。スジャータは常に僕たちの側にいるよ! みたいな、宗教的なレベルにまで到達した美しい形で無事収束できたことを喜びたいです。本当にこのマンガはやらかしてましたからね。特にダヴィンチが登場してからの急展開っぷりは、間違いなくサンデー読者の記憶に永く残ることになるはず。
 何というか、「今、自分は次回がどうなるのか想像も付かない週刊連載マンガを読んでいるんだ」と実感させられる、ダイナミックかつドラマチックな作品でした。作っている方からするとものすごく大変なマンガだったのではないかと思うのですが、一読者として楽しませて頂きました。感謝。
 中山先生の次回作にも期待させていただきます。


ご愁傷さま朧さん(ニヤニヤしながら)サンデー28号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 大人になった葵のおっぱいがあんなにデカいはずはない!(挨拶)

 今回の「試験に出る超能力」編は、薫の皆本への過剰意識の描写から始まり、「カタストロフィ号」を得たパンドラの新たな活動への布石、既に「幽霊」と化している宇津美との対比によって浮かび上がった過去に囚われ続けている兵部の姿、薫の「女王」の才能の更なる鱗片、澪と薫との間の「絆」の発露など、今後の展開への実に示唆に富んだかなり興味深いエピソードであったと思うのですが、そのエピソードを締めるのがよりによって皆本が如何に女性に対してボンクラなのかを一話丸ごと費やして紹介するというのが、何かこうどうしても必要以上に面白くしないと気が済まない作者の意地のようなものを感じました。
 いくら相手が葵とはいえ、ここまでデート中に女性に気を使えないボンクラ男が童貞じゃないなんて、とても信じられません(こだわる)。

 確かに日本科学未来館は基本的に男の子が大喜びで行くところであり、あまりデート向きの場所ではないのですが、時々大人のデートプランに組み込めそうな特別展示をやっている場合もあるので、どうしても彼女連れて行きたいのであればそういう展示をやってる時が狙い目(逆に言うと今は無理)。ちゃんとイベント情報をチェックするのは「ときメモ」時代からのデートの鉄則です。それができないからボンクラなんだけど。
 にしても『君と私のメモリーチップを交換しないか?』でウケが取れるここの観客(葵除く)のSFリテラシーの高さはあなどれません。やっぱりここはそういうボンクラ共が集まるところなのか。もちろん自分もボンクラなので、日本科学未来館は大好きです。お台場っつったら、パレットタウンや海浜公園じゃなくてまずはここですよね。次が国際展示場。

 でも、葵のボーイフレンドの黒木君も間違いなく科学館で大喜びするタイプのこっち側の男子なので、葵はいずれ今回の艱難辛苦を黒木君相手に再び味わう羽目に陥るのではないか? と予想します。黒木君が葵にフられるエンディングが見えた!(決めつけ)

 そして最後のコマの薫の台詞「ま、それもカワイイけど」は、個人的には男をダメにする女の台詞なのではないかとか思いましたが、でも女子にこう思ってもらえないとサンデー読者の男性の8割を占めるボンクラの心が救われないので、薫にはいつまでもそのピュアな気持ちを忘れて欲しくないものですね。ものですね。

 皆本のボンクラっぷりを揶揄する時の賢木は、本当に楽しそうだなあと思いました(今回の感想)。


こんなパトラッシュみたことないよ?(月光条例読みながら)サンデー27号感想

マギ

 「アラビアンな格好をした精霊」と聞いてディズニーのジーニーじゃなくてアーナム・ジンの方が先に出てくるおっさんゲーマーの皆さんこんにちは(挨拶)。

 このマンガは、基本的には精霊(ジン)が入ったランプを手に入れた主人公の少年がジンと一緒に大冒険に! という王道パターンなのですが、そのジンが「極度のシャイで女性に触れられると全く役に立たなくなる」というギミックが入っているところが面白いです。
 この設定により、「女性が側にいるだけでピンチな状況に陥る→女性キャラが出るとストーリーが波乱に満ちる→なら女性キャラがたくさん出てきた方が面白くならね?」というロジックが成立するわけであり、即ちアラビアンな格好をしたお姉さんが今後もわんさか出てくることが期待できる訳ですよ。素晴らしい設定です。
 でも結局、一番かわいいのは主人公のアラジン少年なんですけどね!(だいなしな結論)

 あと今回のお話では、アラビア商人の少女と隊商の娘の間の友情がテーマになってましたが、こういう話を「隊商の娘と商人見習いの少年」という普通の組み合わせではなく、あえて女性同士にしたところが、何というか現代的だなと思いました。百合的な意味で。

MAJOR

 吾郎が「一試合完全燃焼主義」という言葉に恥じない、一人アストロ球団状態になって来てます。そろそろ観客が一斉に「男なら~男なら~男なりゃこそ死ぬ気でかけた~野球一筋アストロ戦士~」と歌い出してもおかしくないくらい(おかしいです)。タマとバットは男の証。

 これでもし吾郎ちゃんが再起不能になったりしたら、スポ根黄金期によく見られた「主人公ぶっ壊れエンド」に連なる作品として新たな伝説と化すに違いありませんが、しかし吾郎ちゃんはいずれ宇宙リーグで戦う男なので(地底少年チャッピーネタ)、まだこんなところで完全燃焼する訳には行かないのです。吾郎は生き残ることができるのか。世界制覇のその日まで! 男ならやってみな!(何だこの文章)

神のみぞ知るセカイ

 「けいおん!」でドラムの律がおもしろキャラ担当になっているのは、往年のバンドアニメ「アニメ・ザ・ビートルズ」でドラマーのリンゴ・スターがおもしろキャラ担当になっていた頃からのドラマーの伝統である説を提唱!(ウソ)

 そういうアレで、何か本当にガールズバンド編が始まってしまいました。若木先生のブログによればかなり作者の実体験が入っているとのことで、そういう意味でも単なるインターミッションではない実りの多いエピソードになりそうな予感。桂馬がどのようにこの騒動に巻き込まれるのかにも期待です。
 あと今回面白かったのが「軽音部を作りたい」とけしかけられて「英語で100点取れ!」と無茶な条件を出した時の児玉先生の、「どいつもこいつも『あいつ』とは違うな!」という反応です。『あいつ』とはつまり、授業中にゲームをやり続けるがために優秀な成績をキープしている桂馬のことであることは間違いなさそう。桂馬には己の道に邁進できるだけの力を持っていることを、暗に児玉先生も認めているのかも知れませんね。

オニデレ

 今回の話が始まった直後は「『オニデレ』がついに違うマンガになっちゃったのか?」と驚きましたが、読み終わる頃には「やっぱりいつもの『オニデレ』だった」と安堵させて頂きました。覇王巣ダメだわこいつら(いい意味で)。

 今回の結論としては、方言をしゃべる女子は素敵だと思います。

トラウマイスタ

 創造主たるダヴィンチが死に、完全なブラフマン(神)と化したスジャータを、かつてそのスジャータから「勇気の剣」を授かったピカソ少年がその剣を以て倒すという、宗教的なスケールにまで達したラストバトルでした。
 ダヴィンチ登場以来「何だかよくわからないけどとにかく凄いものを読んでいる気がする」オーラに充ち満ちていたこの「トラウマイスタ」も、ついに次回最終回。中山先生、本当にありがとうございました。

 というかもう今日最終回が載ってるサンデー出てるんですが。寝て起きたら買ってきます(おわり)。


雪乃は心が歪んでいるのではなく単に手段が歪んでいるだけのいい子じゃないですかサンデー27号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 遅くなりましたが(いつもだけど)、サンデー27号の「絶チル」感想です。

  • カタストロフィ号、発進!
     それにしてもこの真木、ノリノリである(今回の感想)。
     真木は「バビル二世」の(変身能力を持つ)ロデムがモデルであるとのことですが、それ故に形から入るというか、コスプレするとそのキャラになりきれる特性があったりするということなのでしょうか。メイド服着せると心身共にメイドになって「ご主人様」とか言ってくれるんでしょうか。侮りがたいですね。彼はきっと尽くすタイプですからね。
     今回のエピソードではこの他にも激高するあまり兵部にタメ口を二回も言ったりと、地味に真木がいい味出してた気がします。
  • 前回兵部が言った「薫を罠にはめる」とは、そのカタストロフィ号が「船」であり、よってパンドラは常に海に居るという誤った情報をバベルに伝えることにあったみたいです。敵を欺くにはまず味方からのバリエーションです(違う)。
     カタストロフィ号が空に浮かんだ時に兵部は「エスパーはどこにでも行ける」と言ってますけど、でも皆本および可憐Girl’sライブお疲れ様でした)が言うところの「どこにでも行ける」とは、物理的にどこにでも行けるということよりも、むしろ『己がそう望む限り人は精神的に自由になれる』という意味での「どこにでも行ける」「何にでもなれる」を指しているので、ちょっと意味合いが違うと思われます。
     兵部は皆本への皮肉の意味で言ったんでしょうけど、逆に「エスパーがノーマルの道具として扱われていた」自身の過去の因縁に囚われて自由になれていないところが出てしまっているような気がしました。
  • この兵部が過去に囚われている感は、兵部とウツミさん(何故か敬語をつけたくなる)の最後の会話にも現れています。ウツミは薫と交流することで自分自身が幽霊であることに気付き、それでも「幽霊にも未来は必要だ」と薫が抱いている希望への共感を口にしましたが、兵部はそれを「さよならウツミさん」と否定し、彼が宿っているノートを閉じてしまいました。
     兵部は自身が一度死んだ過去から抜け出せない「幽霊」であると自覚しており、かつ自身が幽霊であることに拘りを抱いているのではないかと思われます。
  • あと今回もう一つの目玉は、澪がついに薫に対して「好き」と告白したも同然の台詞を言ったこと。釘宮ヴォイスのツンデレキャラが自分から愛を告白するだなんて、あんたもう眼鏡キャラが眼鏡を自分から外して素顔を晒すことに匹敵する一大イベントですよ(何その比較)。
     そして告白するだけでテンパってる澪に対して、薫は「友だちだと思ってるけど、今のままじゃ一緒に遊べない」と返した上で澪を海に突き落とすという、相手の好意を見据えた上でこちらの思惑に引き込もうという余裕のある対応。即座に切り返せなかった澪は、結果的にしまぱんを見せつつ退却せざるを得ませんでした。この辺はさすが未来の女王の器と言うべきでしょうか。
     その薫も皆本に対しては澪みたいに余裕がなくなっちゃうんですけどね。ここら辺がテーマなのか(何の?)。
  • そして、パンドラはあれだけ妙齢の男女がうようよしている団体なので、性教育もちゃんとした方がいいんじゃないかと思いました。男の子にとってちんこが立つことは大切なことなのよ?

「やおよろっ!」クラブサンデー移籍記念・サンデー26号感想

ハヤテのごとく!

 一難去ってまた一難。ただし危機の色はピンクスィーツ
 ミノコス編になってからの「ハヤテ」は、『三千院家の遺産』を巡る争いに巻き込まれたハヤテの危機をベースにラブコメ的な要素を絡ませることで、実に「サンデーに掲載されている少年マンガ」的に正しいマンガになっているんじゃないかと思ってます。

 ただ、今のままの展開で行くと、ミノコス編は最終的にヒナギクがハヤテに告白することが最終的な落としどころになりそうな感じ。かつて西沢さんはハヤテと自転車の二人乗りをして自分の気持ちに踏ん切りをつけたことをきっかけとして爆発的な成長を遂げたものでしたが、ヒナギクにもそれと同じ様な事がこのミノコスで起こりえるのか否か。というか、そもそもそのようなチャンスがヒナギクに起こりえるのか。というか、そもそもハヤテは無事ミノコスから生きて帰ることが出来るのか。
 斯様に大きな物語を内包しながらも毎回毎回バカバカしい(褒め言葉)ドタバタをしている「ハヤテ」は、ホントに読むのが楽しみなマンガになってます。

神のみぞ知るセカイ

 みなみ編終了。何か桂馬が頼もしい人生の先輩に見えて来ちゃいますが、今回は主眼が「みなみの視点から見た桂馬」を描くことにあったと思われるので、桂馬をそう見せることが本来の目的だったのでしょう。
 しかし桂馬もすっかり「落とし神」としての貫禄が身に付いてきました。「終わっても残ってる。すべての終わりがみなみちゃんの力になる」と桂馬はみなみに対して言ってますが、それは桂馬自身に対しても同じなのかも知れません。すぐに消えてしまう仮初めの恋愛を繰り返している桂馬ですが、そうすることが彼の「力」になっている――と、桂馬自身が信じたいが故に出た台詞だったら、なんか色々と深いですよね。知らないけど(知らないのか)。

はじめてのあく

 ジローの大姉上・アヤ登場の巻。おっぱいでかいです(強調)。ジローがやたらキョーコのおっぱいをでかくしようとしていたのは、アヤの存在によって「おっぱいがでかい女はすごい」と刷り込まれていたが故なのかも知れません。
 でももう今はキョーコの存在によって「おっぱいは小さくてもおっぱい」って刷り込まれているっぽいですけどね。オレ達が

魔王

 「鯨」が出て来たと思ったら、最後の最後で「押し屋」まで登場。これまで「魔王」に出てきた殺し屋のオールスターが勢揃いするという大盤振る舞いの展開に、個人的に大喜びしてます。
 これだけの人間を雇うために半年もかけて自分の能力で金を貯め続けた潤也の執念はやはり異常の域に達していると思われますが、これが彼の戦い方なのでしょう。金こそが彼の力。ここまで金に執着する主人公がサンデーに出てくるのは「GS美神」の美神令子以来かも(比較対象として不適切)。

トラウマイスタ

 「ただピカソを苦しめるため」だけという凄まじい理由で、スジャータがブラフマンとして巨大化して復活。ダヴィンチのピカソに対する歪んだ愛憎のために世界が崩壊の危機に陥るという、なんかもの凄いシュールな展開になってきました。それでこそ「トラウマイスタ」です。
 ブラフマンと化したスジャータが世界を危機に陥れる一方、ピカソは自意識の中でスジャータに出会い、スジャータから最初に与えられた力である「勇気の剣」を取り戻します。巨大化したスジャータがダヴィンチの自意識の具体化であるならば、「勇気の剣」はピカソの自意識の具体化。いよいよ自意識が世界と一体化するセカイ系っぽいスケールに入って来ました。果たしてこのマンガの行く末や如何に。


卑猥な言葉を言わされそうになって赤面する葵はやはり女神の称号に相応しいサンデー26号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 超能力者が軍に徴用されて戦うという「超能部隊」の筋書きから、何となく岡崎つぐお先生の『ジャスティ』を連想してしまう皆さんこんにちは。
 もう25年も前のマンガなんですよね『ジャスティ』。お互いオッサンになりましたよね。

 で、今回の主題はあくまで薫が「紙と文字を操る能力者」宇津美さん(←何故かさん付け)の能力を経て皆本の愛情を知り、自分の力で勉強をする意欲を取り戻す――という、担当編集者が言うところの「健やかな子供を育むよいこの小学館」的な内容であることに間違いはないのですが、しかしそこに至るまでの過程で出てきた宇津美さんの官能小説朗読こそが今回の真のメインであることは疑いようがありません。

 サイコメトラーが如何にテキストから情報を読み取ることができるかについては前回の賢木と紫穂の会話で解説されていましたけど、今回の宇津美さんのエロ小説朗読(および皆本作のプリントの解析)はそれを実際に運用したものであると考えられます。サイコメトラーの賢木や紫穂は、テキストを読み込んでそれの構造を理解しても自分以外の人間にそれをそのまま伝えることはできませんが、宇津美さんの場合は更にそれを他人に伝える能力も持っている、ということでしょう。
 結果的に、薫は皆本の作ったプリントから彼の「勉強」への想いを読み取って自力で勉強する意欲を得ることができましたし、カガリはカガリでエロ小説から人妻や女体への欲望の深さを読み取ってちんこの意欲が(以下略)。

 まあ、カガリとカズラが今後仮にそういう事になった時にちゃんと機能しないと困るのはカズラの方なので、薫の言うこともごもっともだと思います。カガリは今回の件がトラウマになり、いざという時に(以下略)にならないといいのですが。個人的にはちょっと心配です。何の話だ

 ストーリー的には、このまま薫が皆本の家に帰ってお勉強始めればめでたしめでたしで終わるんでしょうけど、兵部の台詞からしてまだまだ何か起きそうな感じ。「今回はちょっとばかり罠にはめさせてもらう」とは実際どういうことなのか、次回を楽しみに待ちたいと思います。
 あと細かいところでは、ちゃんと葉が子供達と遊んでるところがほのぼのしてて良かったです。あと真木が激高して兵部にまたタメ口叩いてるところとか。ちょっと見ないうちに随分フランクになりましたね真木っち。

 そして問題作のサプリメントの細雪編(仮称)ですが、秒のためらいもなく双子の弟をバットで殴りにかかる雪乃はやはり恐ろしい子だと思いました。素直でカワイイパンドラの子達と比べると、バベルの子供は何かみんなどっか病んでますね。それでこそバベルです。