「兄ふん」の終わり方の美しさっぷりに驚いたサンデー4+5号感想

ハイド&クローザー

 「これぞ王道! 毎週がクライマックス!」という冒険百連発なキャッチコピーをひっさげて始まった新連載。実際、その名に恥じない、極めて判りやすい正統派な「少年マンガ」してる第一話だったと思います。どのくらい正統派かと言うと、ここだけ週刊少年ジャンプだよ! と言っても通用しそうなレベルです。
 個人的には、ハイドの武器が電動ノコギリで、かつ名前が「テキサスチェーンソー」(=悪魔のいけにえ。椎名先生も大好きだと公言している、どうしようもないホラー映画)であるところにグッと来たというか、そういう感性を持った漫画家がサンデーに登場してくれたこと自体が嬉しいです。このマンガも人気が出て欲しいですね。

 あとついでに言うと、前号のサンデーで予告を見た時に感じた「『リボーン』とソックリ同じだったらどうしよう」という心配が杞憂に終わって良かったです(余計)。

ハヤテのごとく!

 クロコダイン様はそんなことしない!

 今回は、ハヤテの中では西沢さんルートは完全に終わっていることが明示的に提示された、ちょっともの悲しいお話になりました。
 逆に西沢さんの好感度を上げる結果になったのは皮肉なんですけどね。クロコダイン様も罪なことをしなさる。

金色のガッシュ

 これは! 登場人物達がいきなり学校に通い出す、この展開は! 「となりの801ちゃん」に出てきた、腐女子の七大罪の筆頭である「学園化」そのものじゃないですか!
 だ! だめよ! 禁じ手なの学園化は! そんなことしたらゼオンが図書委員で! 白ランで! キャー! じゃないですか!

 というところしか突っ込みようがない、完膚無きまでに美しい最終回でした。少年誌に掲載されるバトルまんががこんなに美しく終われるだなんて、現代においてはもはや奇跡としか呼びようがありません。今はただ、その奇跡を成し遂げた雷句先生に対して「お疲れさまでした」と申し上げるのみであります。
 「ヒーローババーン」の頃から己が信じるヒーローの真にあるべき姿を描き続けてきた雷句先生の努力が、「ガッシュ」の幸福な完結という形で実ったのではないかと思います。

 何はともあれ、雷句先生長い間お疲れさまでした。次の作品で、また新たなヒーローを生み出して下さい。

LOST+BRAIN

 「デスノそっくり」ということで瞬間沸騰的にネットで盛り上がったものの、その直後に「メガバカ」にその座を奪われてしまった「LOST+BRAIN」。ただ、マンガとしての吹っ切れ具合としては「デスノ」を(おそらく意図的に)意識させる構成だった前回よりも今回の方が遙かに吹っ飛んだ領域に達しており、今回に入っていきなり面白くなって来たなと思いました。
 第一話では催眠術の技法を説明して内気な子が陽気になるレベルだったものが、第二話になるといきなり「羅生門」を暗唱させたり腕立て伏せを100回やらせたりする、催眠術表現のインフレっぷりがたまりません。そしてラストの大沢君自爆テロ。まさか本気で『催眠術で革命起こしたる! 目指せ人類完殺!』みたいな話に持って行くとは思いませんでした。このマンガの「面白い」は、まあつまりはそういう意味においての面白さです。
 このペースなら、あと2回くらいで氷山君が日本を支配している姿を拝めそうです。催眠番長!(まちがい)

 なお「ブルーバード計画」や「MKウルトラ計画」というのは実際に存在した計画だそうで、これらをキーワードにして検索してみれば、そういうのが大好きな人達の世界を垣間見ることができると思います(ただし深入り注意)。「絶チル」のキャリー編の下敷きになっている「国防総省が極秘裏に超能力の開発を行っていた!」なんて話も、この手の冷戦下における大国の『極秘実験』がベースになっていたりします。
 こういう陰謀系の話をベースにした少年マンガは昔は結構作られていたものですが(「MMR」とか)、「LOST+BRAIN」はそんなセンスを現代に持ち込もうとしているのかも知れません。

金剛番長

 念仏番長の仏罰攻撃には種も仕掛けもあったんだ! という話。個人的には別に念仏番長の念仏がホンモノである方が面白かったのですが、念仏番長の「念仏による日本支配」を否定するためには彼の能力を否定する必要があるので致し方ないですね。残念です(バカ)。
 しかしそうすると、彼が座禅を組んで移動する技って、腹に溜めた空気を尻から発射してホバークラフトの要領で動いていたということになるのでしょうか。つまり屁で移動。屁の力で宙に飛び上がれる程の力があるのなら、例え宗教団体を作らなくても別の意味で信仰を集められるのではないのでしょうか。

魔王

 「LOST+BRAIN」は催眠術に頼って人間を支配しようとする物語ですが、「魔王」の犬養はよりプリミティブで判りやすい手法である「演説による大衆の扇動」によって人間を支配しています。「スズメバチ」による攻撃による仲間の被害までも自分の都合の良いように利用したり、自分にとって唯一の不確定要素である安藤君をあえて近くに置こうとする大物っぷりがステキ。
 これで顔が美形を超えてちょっとキモい領域にまで達していなければと思うと!(思うな)

 感想:「スズメバチ」の縛られ方の本格派っぷりに吹いた

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