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ここ一ヶ月くらいの「ラストカルテ」感想まとめ

 お久しぶりです(1日ぶり2回目)。
 Twitterに投稿した、ここ一ヶ月くらいのサンデー感想をアーカイブしておきます。
 今日は「ラストカルテ」編。

ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶―

 サンデー8号から連載が始まった「ラストカルテ」は、主人公が獣医なポジションにいるにも関わらず、物語が「動物の死」から始まる獣医学ドラマというアプローチが斬新な作品です。
 個人的には、おそらく今後大ヒットするであろう、サンデー屈指の期待作と見ています。

 「ラストカルテ」の扱う「獣医学」というテーマは、医療ドラマと動物ドラマを両立できるという意味で面白い題材だと思います。また当麻(やんちゃ)と茨戸(クール)の主人公コンビは、何か妙に性格が噛み合ってて良いカップリングになれそう(そこか)。

 また「ラストカルテ」は、『動物の死』という泣かせ要素が満載なテーマを扱っているにも関わらず、過度にドラマチックな展開を起こさずにあえて淡々とロジカルに動物の死の原因に迫っていく一方で、それでも動物を想う人の心も大切に扱う独特の雰囲気が、個人的には実に心地良いですね。この辺の雰囲気は「葬送のフリーレン」に通じるものがあるかも。
 端的に言って個人的に大好きなタイプのマンガなので、今後が楽しみです。

 あと、それはそれとして雷火姉さんいいキャラですよね。博識でお茶目で威厳があって厳しい、まさに理想の姉です。ヒイヒイ言わされたいです(性癖)。

作者は以前サンデーで連載していた「洗脳執事」の人だったんですね。方向性がエラい違うので驚いてますが、登場人物がロジカルに思考するところは「洗脳執事」を思い起こさせるかも


ここ一ヶ月くらいの「葬送のフリーレン」感想まとめ

 お久しぶりです。
 Twitterに投稿した、ここ一ヶ月くらいのサンデー感想をまとめた形でアーカイブしておきます。
 今日は「葬送のフリーレン」編。

葬送のフリーレン

 ついにデンケン殿最期の戦い編(通称:黄金郷編)に突入。

 「葬送のフリーレン」とは、もう戻れない昔の道筋を再び辿り直して思い出を振り返ることで「あれは大切なことだったんだ…」と改めて認識する追憶の物語と言えますが、デンケンの黄金郷を巡る戦いは、まさに彼の人生の追憶の物語そのもの。黄金郷編は、そんなこのマンガの真髄を再び拝むことができそうで、今から実に楽しみです。

 そして本編にはデンケンのみならず、彼の旧友のレルネンも重要な人物として登場しています。彼もまたデンケンと同様に残された時間で心残りを晴らそうとする人物であり、文字通り彼の最期の生き様が、今まさに語られようとしています。定命の定めを持つ我々おっさんは、彼らの生き様に感銘を受けざるを得ません。

 後は、黄金郷にかかっている「黄金の呪い」についての説明がやたら詳しいところにもグッと来ました。
 TTRPGの世界設定を読んでるみたいで興奮します(性癖)。

コミックス6巻ではレルネンの若かりし頃の姿も拝見できます。
実は若い頃からすごい魔法使いな彼が、ゼーリエから「貧弱な坊や」呼ばわりされる展開にグッと来ること請け合い(まちがい)


近況報告:Twitterで話題の「サンデーうぇぶり」の作品が見つかるサイトを作りました

 ご無沙汰しております。

 近況ですが、趣味でこんなサイトを作っていました。Web版「サンデーうぇぶり」掲載作品へのリンクを含んだツイートを収集し、ツイートの多い順に並べて表示することに特化したサイトです。
 また作品へのリンクと共に、最もRT数の多いツイート(=作品の拡散に貢献しているツイート)も一緒に表示するようにしています。

 端的に言えば、Twitterで話題になっている「サンデーうぇぶり」の作品を知ることができるサイトです。

 何故このサイトを作ったかというと、大きな理由は

  • Twitterの新しいAPI(API v2)を学習するための題材として
  • 「サンデーうぇぶり」の作品を読むモチベーションを得るため

 の2つです。

 最近は諸般の事情で創作意欲も読書欲も薄れ気味だったのですが、2021年11月に「サンデーうぇぶり」のWebサイトがリニューアルして少年ジャンプ+と同じシステムを導入し、ツイートで拡散しやすい構造になったことを知った途端、何故か「だったらTwitterのAPIを叩いてうぇぶりのリンクを拾うサイトが作れるじゃん!」という欲求が突然湧き上がり、勢いで開発に着手してしまいました。

 開発意欲が突然湧いた理由については、「サンデーうぇぶり」のWebサイトに対しては常々「Webサイトの作りがアプリに誘導することに徹しているため、マンガの存在をTwitterなどで紹介する手段に乏しいのは?」と感じていたので、その問題が解消されたことが嬉しかったのかも知れませんが、実際のところは自分でもよく判りません。
 多分、作りたくなったから作ったという感じがします。

 そして手が空いた時間の合間にツイートを収集するスクリプトを(Twitterが提供しているお手本をコピペしたりして)作成し、その結果を集計して表示するフロントエンドのサイトを作るためにWordPressをインストールし始めた辺りで、ようやく「何故自分はこんなサイトを作ってしまったのか?」と我に返りました。でも作ってしまったので、せっかくだから公開します。
 自分で作ったサイトからマンガが読めるのは読書のための大きなモチベーションになるのは確かなので、それだけでも作った甲斐はあったと思ってます。

 なお、サンデーや読んだ本の感想などは、今後も時間がある時にTwitterでつぶやいていくつもりです。
 それでは、本年もよろしくお願いします。


 無事に完結した「絶チル」の感想もまとめておきたい気持ちはあるのですが、前にTwitterに書いた「『GS美神』がいまいちキレイに終わることができなかった無念さを『絶チル』が全て払拭してくれたのが、本当に嬉しい」に集約されるので、まあ改めて書かなくてもいいのかな…とも思ってます


エルフの女性と旅ができるだけでありがたいと思うべきだと力説したい サンデー2021年4+5号感想

葬送のフリーレン

 今回の「葬送のフリーレン」は僧侶クラスが使う呪文の背景設定といった趣で、序盤のパーティーに必要なクラスの話と相まって、はるか昔にテーブルトークRPGのコラムやリプレイを読んでいた時の気持ちが蘇りました。フリーレンの世界って、そのままTTRPG化できそうなポテンシャルがありそうに思えます。

 今回は、ラストにフリーレンがザインを「偉いぞ」と褒めて頭なでなでしているところが良かったです。連載開始時点の彼女ではこのような行動はまず絶対にしなかったであろうことを考えると、彼女がこれまでの旅で学んだ成果が出ているシーンだと思いました。フリーレンは旅を続けるに連れ、少しづつ変化しつつあります。
 やがて彼女が、名実ともに「大人のお姉さん」になれる日もいつか来るのかも知れませんね。お色気以外は(決めつけ)。

 あと、序盤にザインとフリーレンがギスギスしそうなところで頑張って気を使ってフォローしようとするシュタルクがかわいいなと思いました。このパーティーで一番常識があるのは彼だと思います(でも役回り的に一番損をするのも彼)。
 このマンガのタイムスケールは非常に長いので彼はあと数十年くらいはこんな気苦労を抱えること必至だとは思いますが、最終的には幸せになって欲しいですね。

MAJOR2

 話そのものは道塁の過去のチームメイトがメインでしたが、スポーティーな女子中学生の下着姿を沢山描くのが本来の目的だったに違いないと確信せざるを得ませんでした。特に道塁の上だけ制服+下パンツの構図とか、ホントすごいと唸るしかありません。

 ありがとうございました(感想)。

よふかしのうた

 キャラの見た目や言動に騙されがちですが、吸血鬼は皆年齢不調なんだから、確かにナズナがカブラを眷属にした可能性はあったのだ──と気付かされた回でした。これっていわゆる叙述トリックってヤツなんでしょうか。

 結論としては、カップリングの受け攻めを固定化しない発想は大切だなと思いました。

BE BLUES!

 龍が最高のプレイを見せたのと引き換えに両足がダメになる展開は、古式ゆかしいスポ根っぽいなと思いました。こういう展開に説得力を持たせられるのも、龍というキャラの魅力の一つです。
 そして、龍をそこまで追い詰めた獅子雄が「はよお戻ってこい」と呟く姿も印象的。すっかり龍にメロメロですね彼(まちがい)。

 あと今回の「BE BLUES!」ではベンチに降ろされてガタガタ言ってる桜庭さんが実に良かったのですが、ミルコが不調の桜庭をあえて起用して相手のDFを疲弊させ、そこにテツヤのスピードをぶつけてDFを破壊する作戦を立てていたことも明らかになり、読み終わった時は「桜庭さん…🥺」という気持ちになりました。でも、それも桜庭というキャラの魅力の一つです。

龍と苺

 竜王が連盟の会長のおじさんから怒られる様が良かったです(そこか)。見せ方が苺が宮村のおじさんに怒られる姿にそっくりで、本質的に両者の性格が同質であることを表現しているものと解釈しました。
 そして、怒られながら将棋して苺に圧勝することで竜王の強さを表現しているのも見事ですね。「龍と苺」は、今年来るマンガの一つになるのではないかと密かに思っております。


近況報告(2021/01/03)

 お久しぶりです(´・ω・`)

 近況ですが、2019年の10月にいわゆるゲーミングPCを購入し、それ以来ゲームでよく遊んでます(白状)。
 その中でも一番遊んでいるのはデジタルカードゲーム「ハースストーン」で、昨年の9月についに最上位のランクであるレジェンドに到達することができました。この手のネット対戦ゲームで自分が最上位ランクに到達できたのは人生で初めての経験であり、ホント嬉しかったです。

 そしてこのサイト本来の趣旨であるマンガの感想については、今も時間ができた時にTwitterに書くようにしていますが、Twitterの投稿は時間とともに流れてしまって自分自身が読み返すのが難しいこともあり、今後はこちらの方に投稿した内容を編集してまとめたものを可能な限り記録として置いておくようにしたいと考えております。

 そんな感じですが、今後ともよろしくお願いします。


近況報告

 あけましておめでとうございます!(今年最初の更新なので)

 というか、本当にお久しぶりです。
 色々な事情でしばらくサイトの更新を停止していましたが、ここ最近になってようやく「マンガか何かの感想を書きたい!」という欲求が高まって来つつあるので、ぼちぼち活動を復活させて行く予定です。

 普段は時間ができた時にTwitterにサンデー等のマンガの感想をツイートしており、今後もそちらの方がメインになります。こちらのサイトの方は、Twitterに投稿した内容を編集してまとめたもの(あるいは、マンガの感想以外のもの)を置いておくのがメインになるかと思います。

 色々な事情は依然そのままなので、書き込むペースは以前と相変わらずになりそうですが、それでもよろしければ今後ともよろしくお願いいたします。


コミックマーケット97 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

12/28(土)
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ウィザード編が面白いということを書きたかった「絶対可憐チルドレン」感想

絶対可憐チルドレン

 本当にお久しぶりです(´・ω・`)

 時間が空いている時に絶チルの「ウィザード編」(皆本がギリアムに洗脳され、幼女を連れてバベルから出奔してからの展開の自分内略称)について感想を書き留めていたのですが、諸般の事情で文章をまとめる余裕がなさそうなので、箇条書きの形式でここに書き留めておきます。

 結論としては、「ウィザード編」は自分にとってものすごく面白いです。

  • 「ウィザード編」は自分にとってものすごく面白い
  • 特に、皆本がやりたい放題したり、朧さんがやりたい放題しているところを見るのがとても爽快だった
  • これはつまり、「組織に抑圧されていた人間が、これまでの軛から解き放たれ、才能を遺憾なく発揮している姿を見るのが楽しい」のではないかと思った
  • これについては特に朧さんが顕著で、皆本の組織に入り込むために権謀術数を駆使したり、皆本のブレインとして様々な計画を立案したり、組織のインフラを盤石のものとするために巨大秘密基地を設計して自らの手腕で現場の指揮を摂るなど、「ウィザード編」前半における面白さは彼女が支えていたと思う
  • 思えば朧さんというキャラ、連載初期は「ミステリアスな美人秘書」という立ち位置で物語を牽引する力を持った素敵キャラだったはずなのに、特に中学生編以降は婚期の遅れをイジられるなどの不遇な扱いを受けていた印象が強い
  • いや違う! 朧さんの本当の才能はこんなもんじゃないはず! このままバベルのお局様と化す彼女を見るのは忍びない! と思っていただけに、これまでの鬱積を晴らす彼女の活躍を見るのは実に楽しかった
  • 自分、朧さん連載初期から好きなんですよ(告白)
  • 皆本についても、その目的の正当性はともかく、「能力は素晴らしいが社会性が皆無な少女」という彼の大好物な人材を育成しつつ、世界的なプレゼンスを確保した独立した第三勢力の立ち上げに成功するという点で、彼の持ちうる才能を改めて示したと言える
  • デキる皆本の姿を見るのがこんなに気持ち良いと感じるとは、自分でも意外だった
  • そういえばアニメ「アンリミテッド兵部京介」で、アンディと互角にマーシャルアーツで渡り合える実力を見せた皆本を、えらく格好良く感じたことを思い出した
  • 自分、皆本のこともこんなに好きだったんだなーと、自分の本当の気持ちに気付いた気分
  • 「所属していた組織の軛を解かれ、本人が持っていた才覚が解放される」という展開そのものは以前の真木編と一緒ではあるが、皆本編においては更に物語のスケールが大きくなり、より面白いものになっていると感じている
  • そんな感じでとても楽しい本編なのだが、唯一の問題は、真木にしろ皆本にしろ、それが本人の意思ではなく、ギリアムに吹き込まれたのが動機という点
  • 皆本がギリアムにそそのかされた決まり手は、まず間違いなくサンデー17号で「自分で育てた子供を女性として愛するなんて異常なことじゃないか」(要約:このロリコン!)と言われたところだろう
  • 皆本が、薫を撃ち殺して歪んだ独占欲に目覚めてしまう最悪の未来を回避するために、大人の薫を愛することは絶対にしない! と心に決めたのはコミックス30巻「桜の園」(自分内略称は「皆本セカンド童貞宣言」編)だが、ギリアムに「このロリコン!」と煽られて動揺しているところからして、結局皆本は今も大人の薫を愛していることは明白。ここを解決しないことには、皆本はどうにもならない
  • かつて皆本は薫たちに「君たちは何処にでも行けて、何にでもなれる」と諭したが、その言葉はそのまま自分自身にも当てはまることに、彼は気付いていないのではないか。大人の薫を愛しているのなら、彼は薫と共に何処にでも行けて、何にでもなれるはずなのだ
  • 皆本は大人の薫と「トニカクカワイイ」みたいなイチャイチャ生活をしたくはないのかい? 少なくとも薫はしたがってると思うよ? その時の彼女は多分すんごいエロいよ?(←そろそろ何の話をしているのか判らなくなってきた)
  • 世界的なプレゼンスを確立した第三勢力を構築できる力を持っていながら、自分が育てた一人の女を愛する覚悟が持てない男、皆本。彼はこのままセカンド童貞を抱えたまま世界を破滅させてしまうのか、それとも自分の本当の望みを認めて愛を手に入れ、セカンド童貞を卒業することができるのか。この辺が今後の見どころではないかと思われる
  • というか、皆本と薫はたかだか10歳差なんだし、あんまりロリコンとか囃し立てるのもよくないのでは。教師と教え子が結婚するとか、そんな珍しいことでもないですよね? 昔「マリア様がみてる」の短編でそういう話を読んだことあるよ?(例えがそれか)
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「桜の園」編からもう6年以上も経ってることに驚き


「妹りれき」最終話を読みました日記

 お久しぶりです(´・ω・`)

 『更新を休んでいる間にサンデーでの連載が終わってしまった作品について、思い出せることを時間ができたときに書いていくシリーズ』、今回はつい最近真の最終回を迎えた「妹りれき」についてです。

妹りれき

 「妹りれき」は、作者である西村啓先生の体調を理由にサンデー21+22号で週刊連載から月刊誌である「サンデーS増刊」に移籍しましたが、サンデーSでも今発売されている10月号で(一挙2話掲載の形で)最終回を迎えていたことを知ったので、サンデーSを入手して読んでみました。
 今回はそれについての感想です。

 「無口で何を考えているのか判らない妹・いくみと、妹が何を考えているのか知ろうとして妹の検索履歴を覗いてしまう兄・咲太郎」というのがこのマンガの形式で、兄の咲太郎からの視点でストーリーが語られるのが基本パターンなのですが、最終回の一つ前の話では、普段とは逆に妹の視点から物語が語られる構成になっていました。

 彼女は実は兄のことが大好きであることは、まあ週刊連載当時にこのマンガを読んでいた人ならみんな知っていることだと思うのですが、そもそも彼女は兄との現在の関係について「兄にベタベタし過ぎたせいで兄から嫌われてしまった」と認識しており、それ故に「こんなに兄のことが好きな自分はヤバいので、兄がこれ以上自分のことで困らないようにするには、何としても己のブラコンを克服しなければならない」と思い込んでいます。
 彼女が兄に対して「直接顔を合わせない」などの極めて冷めた行動を取っているのは、むしろ兄のことが好き過ぎて直接顔を見られない→兄のことが好きなのがバレてしまうと更に嫌われてしまうと思い込む→兄との接触を極力避けてしまうようになる、という彼女の誤解が生み出した行動に過ぎなかった訳ですね。

 兄のことが大好きなことを兄に悟られない行動を取ったとした結果、兄から見ると妹からコミュニケーションを拒絶されているように見えてしまう──というこのマンガの基本構造が、改めて提示された形です。
 「何としてもブラコンを克服しなければ!」とか言いながら、何をやっても結局兄ラブ要素に結びついてしまってドジっ子になってしまう展開を読んでいると、この兄妹やっぱりよく似てるなあと思ってしまいました。

 そして真の最終回では、妹の検索履歴を兄が覗き見していることが妹にバレてしまい、それをきっかけに兄妹が「これを言ったら相手を困らせてしまう」と思い込んで心の中に隠していた本当の気持ちをお互いにぶつけ合う展開になる訳なのですが、この兄妹のラブラブなハッピーエンドを拝みたい方は読んでみて頂きたいと思います(ネタバレ)。

 あとこのマンガで個人的に興味深いと思ったのが、「妹が大好きなあまり検索履歴を覗いてしまう」という極度の変態性を秘めている兄の咲太郎が、周囲の女子達からはちゃんとモテているという点。
 彼は「妹を溺愛しすぎている」点を除けば、成績優秀でスポーツ抜群で周囲から頼られている高スペックな男子という設定で、普通にモテることに説得力があるキャラではあるんですよね。一昔前は「少年誌のコメディーマンガの男性主人公はモテない」が基本設定だったものでしたが、時代はすっかり変わったんだなと改めて思いました(おおげさ)。

 特に咲太郎のクラスメートである滝川さん(自分内コードネーム:からかい上手の滝川さん)は、最終回辺りでは完全に「妹のことが大好きな咲太郎の性格を一番よく理解し、妹との溝が埋まる行動を自然に取れるように咲太郎を勇気づける、咲太郎の彼女」的なポジションにごく自然に収まっており、滝川さんスゲえなと思いました。
 ただ、咲太郎は完全に妹のことしか頭にないアレなので、滝川さんの好意に全く気づいていないのがアレなのですが、まあ今の段階ではそれで良いのではないのでしょうか。兄に過剰な愛情を抱いている状態の妹が「兄に彼女がいる」なんて知ったら、まあ間違いなくややこしくなるだけですし、そもそも「妹りれき」はそういう題材を描くマンガじゃないですからね。そういう話は青年誌やモバMANでやって欲しいですね(読みたいの?)。

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あの頃の夜歩きの感覚を思い出させてくれたサンデー39号「よふかしのうた」感想

よふかしのうた

 お久しぶりです。
 サンデー39号から連載が開始されたコトヤマ先生の「よふかしのうた」が大変良かったので、気持ちを書いておこうと思います。

「よふかしのうた」第一話より

 読んでいる間の感想は「なんかエロい」。中学生男子が夜中に一人でフラフラ歩いている時に遭遇したお姉さんと一夜を共にすることになる、というシチュエーションは、この歳になっても読んでてドキドキします。

 更に、そこに至るまでに主人公の中学生男子の如何にも世界が狭い中学生らしい悩みが語られたり、そんな悩みを聞いたお姉さんが悩みから開放する通過儀礼(酔っ払ったオッサンとハイタッチ)を仕掛けて彼に心境の変化が訪れたりといったシークエンスがあったためか、読んでいる自分の心境も次第に中学生男子のマインドセットに変化。

 いざお姉さんがエッチな格好になって同じ布団で寝る段階まで話が進んだ時は、「もしかしたら、このお姉さんとデキちゃうんじゃないか」という淡い期待とそこで待ち受ける未知の体験への不安で、ちょうドキドキしてしまいました。思春期特有の性へのトキメキを思い出させて頂きましたよ。ありがとうございます(何となく)。

 あともう一つ感じたのは、歳を取ってすっかり忘れていた「夜の町を歩く時の開放感」を久しぶりに思い出したことですね。
 自分が思春期を過ごした土地は「よふかしのうた」の舞台のような団地のある街ではなく、周囲は田んぼだらけで夜まで開いているコンビニもなく、目立つものは自販機くらいしかなかったのですが、それでも夜に自由気ままにフラフラ歩きながら色々と妄想を巡らせたり、将来の夢をあれこれ考えたりするのは大好きでしたね。久しく忘れていたあの頃の感覚を、「よふかしのうた」は思い出させてくれました。
 今は毎日夜遅くまで仕事をするのが常態なオッサンになってしまったのですが、せめて夜に街を歩く時は、昔のように自由気ままに考えを巡らせてフラフラできる心の余裕を取り戻して行きたいなと思いました。

 そういった意味で、「よふかしのうた」は自分のこれからの新しい生きがいの一つになってくれそうな気がします。いやマジで。

だがしかし 11 (11) (少年サンデーコミックス)
コトヤマ
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売り上げランキング: 38,880

今回はだがしかし」よりもラブコメディに強く主眼が置かれたものになりそう。そういった意味でも期待