高橋留美子もあだち充も降り立たぬ荒野にサンデーはいる。44号感想
アラタカンガタリ
「秘女」ってなんか字面がエロいよね!(挨拶)
新連載。渡瀬悠宇先生について調べてみたら、現在他に「ふしぎ遊戯」(月刊flowers)「櫻狩り」(Flowers増刊)と二つ連載を持っていることを知りました。週刊連載+月刊連載+αを抱えているとなると、かなり膨大な仕事量をこなさないといけないんじゃないかと思われます。何というかこう、頑張って下さいとしか表現できません。
物語としては「魔法騎士レイアース」のエメロード姫の立場を彷彿とさせる「秘女王」と、その王の存在によって護られている世界を革命しようとする者達との戦いに巻き込まれた主人公・アラタが体験する神話的スケールな冒険譚という形になりそうですが、その狙いはさておき「主人公の少年を女装させざるを得ない状況に置き、読者の関心を惹く」という綾崎ハーマイオニーメソッドが適応可能な世界設定を用意したところが侮れないと思いました。流石です。
今後の展開ですが、「神開の森」に逃げ込んだアラタに対し、当面の敵役となりそうなカンナギが「あいつはもう違う人間になるしかない
」と語っていたので、何らかの形でアラタの身体が変化してしまうのではないかと予想しています。とりあえず、アラタの身体が本当に女になっちゃって本当に「秘女王」となる資格を得てしまうような展開になると、世に存在する性転換マンガが大好きなマニアが大喜びするんじゃないかと思うんですがどうでしょう(と言われても)。
史上最強の弟子ケンイチ
満員電車の中でサンデーを読んでいたら、「梁山泊の裏庭には、アパチャイの掘りあてた温泉がある」という申し訳程度の説明のコマの直後から突然しぐれ師匠と美羽のむっちむちぼいんぼいーんな入浴シーンが始まっちゃったので、あわてて4ページ程飛ばしてしまいました。
度胸がなくてすみません。
神のみぞ知るセカイ
「優等生の衝撃事実!
」とボソッとエルシィに語ろうとしてハクアにぶん殴られてる桂馬が良かったです。桂馬も最近はすっかり体を張ったボケができるようになりましたよね。美生に鞭ではたかれたり春日主将に空手パンチでぶん殴られてるうちに目覚めちゃったんでしょうか(デマ)。
そして今回は、駆け魂の秘密も少し明かされました。駆け魂は人間の魂ではなく悪魔の魂であり、育ってしまった駆け魂は人間の心にはもはや入れないくらい大きくなるとのこと。ただ「人間」の心に入れなくても「悪魔」の心には入れるんじゃないかとは思われますし、ハクアは現在心の中に大きな隙間を抱えているので、今後は「駆け魂がハクアの心に入り込んで桂馬が攻略する羽目になる」という展開を予想しておきます。
というか、何か桂馬は既にナチュラルにハクアに対してフラグを立ててる行動をしているので、仮にそうなったらハクア攻略も可能(というか容易?)なんじゃないのでしょうか。そういう意味でも、桂馬も随分成長したなあと思いました。
魔王
第二部開始。第二部に当たるエピソードの主役は「弟夫婦」だと聞いたのですが、こちらの「魔王」は弟とその彼女がその役を務めることになるのでしょうか。
その弟の潤也の能力は、どうやら「じゃんけんに負けない
」ことっぽいです。おそらくこの作品世界は既に犬養によって支配されていると思われますが、潤也は「じゃんけんに負けない」能力だけで如何に犬養に迫ることができるのか。第一部は限定された能力を駆使するバトルものマンガとして相当面白かったので、第二部も期待させていただきます。
にしても潤也の彼女はカワイイですよね(だいなし)。
アーティストアクロ
「目が見えるけど非力」なキャラが、「目は見えないけど力持ち」なキャラの目となって危機を脱出するってパターンは、昔「パーマン」で読んだことあるよ! 雪山に行く話!(古いよ)
何にしろ、アクロに対して義を感じて駆けつけた非力なピクルスの勇気がスバルの改心を促すきっかけとなった、という期待通りの熱い展開が楽しめた回でした。次回はいよいよスバルがアクロに対して「べ、別にアンタを助けようとした訳じゃないんだからね!
」とツンデレな態度を取ってくれるに違いないので、それを楽しみにしたいと思います。
月光条例
個人的に、読んでいるとどうしても「少女革命ウテナ」の曲が頭の中で鳴り響いてしまうシンデレラ編もいよいよ佳境に。
シンデレラのように「現在の不幸な境遇から自分を救いだして幸せにしてくれる白馬の王子
」を待ち焦がれてしまう女性心理は俗に「シンデレラコンプレックス」と呼ばれますが、今回の話ではシンデレラ自身が「シンデレラ」で描いている幸せの構図そのものに対して疑問を持つ形になっているのが面白いです。
自分の名前が語源である「シンデレラコンプレックス」が象徴する他者依存欲求を否定し、自立した女性として幸せを掴みたいという想いに駆られて苦しむシンデレラ。現代的です。やはり彼女はおとぎの国ではなく、現代で生活した方が似合っているのかも知れません。
オニデレ
夢の中でユナがちっちゃくなっちゃってるのは、コミックス1巻のおまけマンガを彷彿とさせます。なので今回の話は、コミックスを購入した読者に対するご褒美であると理解しました。
あと木下会長は、例え性転換してもやっぱりどっかおかしい(頭が)と思いました。