残念!彩香ちゃんでした(文字通り) サンデー12号「おすもじっ!」感想

おすもじっ!

 兄と家業を継ぐことだけを考え、兄だけを愛し続けて生きてきたあまりちょっとヤンデレ化してしまった彩香が、兄を自分から奪おうとする司に対して文字通りの最終鬼畜兵器と化して暴れまわったエピソード。

 一度は「友達」と呼んだ司に包丁をためらうことなく振り下ろし、司が作った鮨を箸で粉々に粉砕し、司が尊敬する祖父を含めて徹底的に嘲笑する様は、まさに鬼畜そのものです。実家の料理屋と袂を分かつ覚悟の寿が彩香と接触した以上、彩香が暴れることは予想できていましたが、兄を愛するが故におかしくなった彼女の病みっぷりは想像以上というか、まさにホンモノでした。
 最後に兄を司の手から取り戻そうと手を差し伸ばすシーンの背景には、彼女の狂気を伴った鋭い瞳のシルエットと共に彼女の髪飾りである黒蝶の羽が禍々しいオーラを伴って描かれていますが、おそらくこれが彼女の本性なのでしょう。「ムシブギョー」に出てきた蟲狩達は、滅蟲邪刀を黒揚羽に撃ちこむ前に彩香に打ち込むべきでした(マンガが違う)。

 そして更に、最期のページでは彩香(と寿)の父親である「大志万」の主が登場。このおじさんもまた、彩香同様に鋭い眼光を秘めていそうです。ヤンデレ妹と強面親父の挟撃を受けた寿は、果たしてそれでも自分の意志を貫くことができるのでしょうか。というか、それ以前に生きて帰れるのでしょうか。一気に死人が出かねないサイコホラーサスペンスドラマと化した「おすもじっ!」の次回に注目です。
 なお「おすもじっ!」とは、京都に残る豊かな文化を紹介しながら、祖父に憧れ江戸前鮨の伝統を守るために性別を隠して職人となった少女を主人公にした料理マンガでした(過去形)。


今回のエピソードの緊迫感と狂気は、原作の鹿賀ミツル先生の「ギャンブルッ!」の山小屋ポーカー編を何となく思い起こしました

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