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ひめはじけ 1 (少年サンデーコミックス)

ひめはじけ 1 (少年サンデーコミックス)
クリスタルな 洋介 (小学館) / ¥ 440
 前作「オニデレ」で、ポップでキュートでカタストロフな美少女キャラが大活躍する作品を手がけるマンガ家としてのアイデンティティを確立したクリスタルな洋介先生が、満を持して始めた新連載作品。期待に違わす、すごく面白いです。

 何より、「祖国の存亡をその身に背負う小国の王女」と「遊びたい盛りの10歳の女の子」の間を極端に揺れ動く主人公のひめさまのキャラがステキ。また、ひめさまの挙動を不審なものにしている「戯れの衝動」に『ウヒャッホイ』と名前を付けてキャラクター化した辺りから、彼女の内面の葛藤の表現が際立ち、マンガ的に面白くなって来たように思えます。これからに期待したい作品です。ホントです。

 キャラクターの中では、やはりうさきの色々な意味での破壊力が底しれなくて好き。ノエルのひたすら残念なところも良いです。
 あと気苦労が多いシュルトムは、まあいつかは報われて普通に幸せになってほしいですね。連載中は無理そうですが(笑)。

2012-07-31 23:38 | Permalink | Other Review

がっかり直筆サイン色紙プレゼント」応募記事(ブクログより転載)。どのくらいの応募があったのか気になります。ちなみにブクログにあった感想は3件でした


宙のまにまに(10) (アフタヌーンKC)

 「天文部」という一見地味な部活動を題材に、あまりに眩しすぎる青春のキラメキを爽やかに描いたこの作品も、ついに最終巻。

 個人的には、フーミン先輩に逢えるのもこれが最期だと思うとちょっと寂しいです。フーミンルートを描いた薄い本を希望したいくらい(笑)。62話「花冷え」はフーミンルートに入る最期のチャンスだったのに、朔は分岐があることにも全く気付かずスルーしてしまうとか、君はどこまでボンクラなんだと突っ込みたくなりました。
 勿論、そういう徹底した健全さこそが、このマンガの持ち味です。最終話の朔と美星が自然に手を繋いでいるシーンは、本当に微笑ましい限りでした。

 あとキャラクターでは、姫が一番のお気に入りでした。巻末のおまけマンガに出てきた彼女の将来像は「ああ、この子は絶対こうなるだろうな」と納得。彼女を主人公にしたマンガを読んでみたいですね。

2011-10-04 23:41 | Permalink | Other Review


ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

 雨音はメタリカの調べ!(挨拶)

 面白い面白いと絶賛されていたこの作品、コミックスを購入して改めて読んでみたら本当に面白い。
 自分が読んで知っていたのは冒頭の三話までで、そこまでの話でも「音楽を奏でること」の楽しさが主人公の小雨を通じて伝わってくるステキマンガだったんですけど、四話以降になるとヒロインのハルや『メタりか』部の過去に物語の焦点が当たるようになって来ており、ストーリー面でも面白みが出てきたと思います。第二話で部長が言ってた「”メタりか”には先人達の”歴史”と”想い”がてんこ盛りだ」という言葉は伊達じゃなかった。

 にしてもハルさん本当にカッコイイ上にカワイイ。このマンガは究極的にはそこに行き着きます。

2011-09-28 09:28 | Permalink | Other Review


この彼女はフィクションです。(2) (少年マガジンコミックス)

 作家ならではのたくみな想像力!(挨拶)

 フーコ先輩がユーリに対する自分の感情を自覚するまでのエピソードが収録された巻。フーコ先輩がユーリのことを好きなのは読者には既に判っていることではありますが、キャラクターがそれを自覚したことで、ラブコメとしての物語はここから新しい局面に入りましたね。

 この物語は、ユーリの妄想が産み出してしまったミチルという存在が織りなすドタバタコメディであると同時に、恋に不器用なフーコが恋愛を経験することで成長する物語であるとも言えるのではないのではないか? と、この巻を読んで思いました。
 フーコ先輩の作家ならではのたくみなエロ妄想をもっと読みたいです(笑)。

2011-09-09 12:52 | Permalink | Other Review


結界師 35 (少年サンデーコミックス)

結界師 35 (少年サンデーコミックス)
田辺 イエロウ (小学館) / ¥ 440
「結界師」最終巻。宙心丸の真界に志々尾と自分の分身を登場させたシーンは、何度読んでもグッと来ます。

改めて読んでみると、騒動の中心に存在していた日永や水月、そして良守の母の守美子といった超常的な力を持つ者たちが、「家族とコミュニケーションがうまく取れない」といった如何にも人間くさい悩みを抱えていたんだなということが描かれており、彼らに好感を持てました。日永も守美子も、超常的な力があるが故に「普通の」コミュニケーションが取れず極端な行動に出てしまったこと、そして彼らの近しい存在である水月や良守はそれでもその相手を「ただそこにいるだけでいい」と思うほどに愛していたこと、という点で共通していたと思います。
まあ結果的には「一人で悩まず、家族に相談しましょう」が結論ということですよね(そういう話?)。

そして巻末には田辺先生による主要キャラクターへのコメントが書かれているんですが、閃の項目には「このマンガ一のツンデレキャラで、実は女の子疑惑があるとか…ねえよ!」の記述が。
わざと閃ちゃんをツンデレ女子っぽく描いていた訳じゃなかったのか…ちょっとショック…!

2011-09-09 12:43 | Permalink | Other Review


ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃 (早川書房) / ¥ 756
 職場の同僚から「この物語は百合ですよ?」と勧められて読み始めた作品。

 最初のうちは、医療監視システム「WatchMe」を体に埋め込むことが普通となった世界を舞台にしたディストピアSFなのかな? と思って読んでいたが、物語が進むに連れて「高度に発達した社会で生きる人間には、『意識』は本当に必要なのか」という哲学的な問い掛けが物語の根幹となっていることに気付き、そのスケールの大きさとテーマの深遠さに驚かされました。読み終えた後も色々と考えさせられる、知的な興奮を味わえる作品だと思います。面白かった!
 また、この小説はXML言語を模したタグを使って書かれていますが、最後まで読んだ時に初めて「何故XMLで書かれているのか」にきちんとした意味があることが判る点も、職業プログラマー的にはグッと来ました。このアイデアはすごい。

 百合的には、主人公のトァンが、かつて自分の人生に大きな影響を与えた少女ミァハの足跡と思想を追い続けて再び対峙する、という筋書きから百合要素を見出すことが頑張れば可能かと思いました。ラストシーンで「百合展開キター!」と叫べればたぶんホンモノ(何の?)。

この物語に連なる次の作品が読めないことが、本当に残念です。

2010-12-30 22:44 | Permalink | Other Review


つぼみ VOL.12 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

今回は、表紙を飾っている表題作「ウミニソラ」(小梅けいと)が珠玉の出来。
無垢な魂を持ち、文字通り全身の全てを主人公の少女に託している起動直後のアンドロイドと、彼女の「想い」に応えようとする少女との交流というテーマは、「百合」というこのアンソロジーのテーマに素晴らしく合致していると思う。細かい描写がいちいちエロいのも素敵。

連載陣では、佳境に差し掛かった「ロンリーウルフ・ロンリーシープ」の続きが気になるところ。でも続き読めるのはまた四ヶ月後とかになるんだろうか。
全体的な感じとしては(刊行ペースが早くなったせいもあって?)良くも悪くも「安定」して来ているように思えるが、今回は「ウミニソラ」が素晴らしかったのでそれを読めただけでも価値があった。人間じゃない美少女さいこう(*´д`*)

2011-06-22 06:31 | Permalink | Other Review


この彼女はフィクションです。(1) (少年マガジンコミックス)

マガジン連載の「この彼女はフィクションです。」1巻を購入。凄い面白い。
マガジンで読んだ時にも思いましたが、ミチルは勿論フーコ先輩を含めたキャラ設定や物語の導入に関しては、ホント完璧だと思います。あとはこの設定でどこまで話を引っ張れるかが、連載作品としての勝負ですね(エラそう)。マガジンらしいラブコメとして、これからの展開に期待してます。

あと、やっぱりフーコ先輩もかなり存在がフィクションな彼女だと思いました(笑)。

2011-06-18 00:23 | Permalink | Other Review


つぼみ VOL.9 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

 この巻では「花と星」第二話がお気に入り。花井が星野を嫌いたがっているのに、彼女の天然っぷりに絆されて結局気を許してしまうまでのシークエンスがコメディとして非常に面白い。最後の星野の過去を知っていると思しき女性の登場による次回への引きも上手い。
 そして「しまいずむ」のラップ越しのキスはギャグとエロスが並立している奇跡の作品(多分言い過ぎ)。「エンドレスルーム」のセクシャルな表現にはドキリとさせられた。「レンアイマンガ」や「ロンリーウルフ・ロンリーシープ」の続きも気になるし、ホント毎回読んでて楽しみなコミックです。
2011-01-03 20:13 | Permalink | Other Review