サンデーでアンゴルモアと言えば「モテモテ王国」のデビル教団ですがサンデー47号感想
アナグルモール
かつて「うえきの法則」で人気を博し、サンデー超で連載していた「タッコク!!」も好評だった福地翼先生が、ついに週刊少年サンデーに帰ってきました。作者コメントの「これで漫画を描きながら年を越せる!
」が、何か切実で泣かせます。
福地先生といえばどうしても「うえきの法則+」での急病による長期連載休止の件を思い出してしまいますが、今度は体調に気を付けながら頑張って欲しいですね。
それでこの「アナグルモール」ですが、おそらく「北斗の拳」か何かの読み過ぎで地上の人間は全て指先一つでダウンさ! できると思い込んでいる地底人マジンの少年ルチルが、何か色々と問題を抱えているらしい家庭にホームステイをすることになった、という筋書きの作品っぽいです。
ルチル君の強みは、勿論その身体能力が並の人間をはるかに凌駕しているところにある訳なのですけど、本当の意味での彼の強さは「地上の(正確には日本の)常識がないので、その場の空気を全く読めない」ことにあると思われます。今回は下衆なヤンキーにさらわれたホームステイ先の千羽をそうとは知らずにうっかり救ってしまうというマンガみたいなことをやらかしてましたけど(マンガです)、おそらく今後も彼はその持ち前の空気の読めなさを発揮しつつ、千羽の弟の京介をはじめとする彼女の家族たちの間にある色々な「問題」を、そうとは知らずに解決していくことになるのではないかと思われます。
でも、今は随分やんちゃしている彼も、いずれはホームステイ生活の中で日本での常識や社会性を身に付けてしまったり、「はじめてのあく」のジローのように女子からモテモテになってしまうのかと思うと切ないですね。いつまでも空気を読めない君でいて下さい(感想か?)。
あと、初対面の女性の髪を褒めるのは、古典的ながらも有効な手段なのなーと思いました。
神のみぞ知るセカイ
先週までのハクア地獄変編(要約:ハクアがエロエロな拷問を受けたが辛くも脱出、彼女を助けたドクロウ室長から「私の夢になってよ、ハクア
」と告白される話)が一段落し、物語は再び歩美とちひろの桂馬争奪戦という名の泥沼地獄へ戻って来ました。あの世の地獄から現世の地獄へ。その現世も、もし桂馬が女神の復活に失敗すれば本当の地獄と化してしまう運命に。まさに地獄めぐりの様相を呈してきました。
今回の冒頭、これまでのおさらいを兼ねて桂馬が現状を整理するシーンが出てきますが、桂馬は歩美の最近の態度に対して「攻略を覚えてないのに、ボクのことが好き? 攻略してないのに好感度?
」と訝しんでます。勿論ここは読者からの「そりゃ歩美は、攻略抜きで桂馬のことが好きだからじゃね?」とのツッコミを誘うための演出ですよね。ですよね?(確認)
あと、桂馬は現在「ちひろには攻略の記憶がある。つまり、ちひろ=女神
」と仮定し、それに基づいて推測を重ねているように思えますが、ここも読者に対して「ちひろ=女神」説をあえて強く印象付けていると考えれば、後で「女神だと思った? 残念! ちひろちゃんでした!」とひっくり返すための伏線であることも十分考えられます。もし歩美の方に女神がいるのであれば、今のちひろの態度はやっぱり「ちひろは攻略抜きで桂馬のことが好きだからじゃね?」というツッコミをすることも可能です。
つまり何が言いたいのかというと、現状ではどっちに女神がいるか、あるいはいないかなんて全然判らないので、素直に桂馬によるあやうい二股攻略ショーをニヤニヤしながら楽しむしかないよね、ということなのですが。
今回では、最後に桂馬が歩美に「ちひろとのデートの必勝法、教えてくれよ
」と切り出してますが、かつて桂馬がちひろを攻略した時は、逆に桂馬がちひろに「デートの必勝法」を教える立場だったことを思うと、色々と趣深いです。ここからどうやって歩美を「攻略」するのか、桂馬の名人芸を楽しみにしたいと思います。
GAN☆KON
「もたれかかるイサナさんの感触と甘い香りで、オレの…オレの煩悩がぁぁー!
」
サンデー誌上において、再び煩悩がパワーとなる系統のマンガを読める日が来るとは思ってませんでした。「GS美神」の横島クンの意志を継ぐ男が、ついに21世紀のサンデーに現れましたよ! 「ハヤテのごとく!」のハヤテのような全方位紳士なキャラも現代的かつスマートでいいけど、直情的なエロスをほとばしらせる男は、やはりどの時代にも必要なんですよ! こんなに嬉しいことはないですよ!
あと、美神さんは巨乳だったけどイサナさんは貧乳なのが、何か21世紀っぽいですよね。時代の風はやはり貧乳に吹いている様です。
BUYUDEN
「一度でいいからお父さんに僕が勝ち名乗りを受ける姿を見てもらいたいんだ!
」
今回の対戦相手は、並の少年マンガだったらむしろ主人公になっていてもおかしくないような境遇の子でしたが、容赦なく武君のカウンターが決まってKO負けという結果に。勝負に勝つということは、対戦相手の夢を叩き潰していくことでもあるという、勝負の世界の残酷な現実がキチンと描かれている点に感心しました。
そういうことを含めて、やっぱり「BUYUDEN」は面白いなと思います。小学生は最高だぜとかとは関係なく。いやマジで。
おすもじっ!
前回のエピソードは「芸者修行の大切さを、鮨の仕込みを経験することで自覚する」という、まるで真っ当な料理人マンガみたいな話だったので、さすがに自重し始めたのかな? と思っていたんですけど、今回は「役になりきり過ぎておかしくなってる(頭が)役者のトラブルに巻き込まれる」というアグレッシブかつアナーキーなエピソードが始まったので、安心しました。
「おすもじっ!」第二部はやはりこれですよ!(これなの?)
「アナグルモール」の福地先生の前作。一見普通の卓球マンガに見えますが、実は卓球が全てを統べる異常な世界における純愛を描いた感動作です