すーちゃんの京言葉から垣間みえる人間性についての考察 サンデー32号「舞妓さんちのまかないさん」感想
舞妓さんちのまかないさん
この号のサンデーの巻頭カラーページである「ホビーの楽園」において、「舞妓さんちのまかないさん」コラボで花街で働くリアルな舞妓さんに質問をぶつけるという趣旨の記事が掲載されていました。
その記事の中で個人的に面白いなと思ったのは、『舞妓さんちのまかないさんの感想を聞かせて』という質問に対して、当の舞妓さんが『地元が訛りのある地方なので、すーちゃんたちも自分らと同じように言葉覚えるの大変やったろうなあって思いながら見てますねえ
』と答えていたところ。
京都の舞妓さんは、常に京言葉というか、現代ではあまり使われない花街独特の伝統的なコードを使うことを強いられる存在なので、舞妓となるからには言葉使いについても厳しく訓練されることは必至であると言えます。晴れて舞妓となったすーちゃんもまた、青森出身者が京言葉を喋るという地獄の試練を乗り越えて来たに違いありません(きめつけ)。
そういった「訛り」の面から「舞妓さんちのまかないさん」を読み直してみると、「百はな」という名の舞妓になったすーちゃんはお座敷以外の場所でも常に京言葉を使っているのに対し、キヨは京言葉ではないごく普通の言葉で話していることが判ります。
それは二人の郷里である青森に里帰りしている現在のお話でも例外ではなく、キヨの実家でキヨの祖母と話したり、二人の幼馴染である健太君と話している時でさえ、すーちゃんは終始京言葉を使っているという徹底っぷり。この辺は舞妓という職業の業というよりは、むしろストイックなまでに舞妓という存在に打ち込んでいるすーちゃんのキャラクターによるところも大きいのかも知れませんね。
キャラクターの方言や言葉遣いという細かいところまで気を使っているのも、またこのマンガの魅力の一つなのではないかと思った次第です。
お話の方は、キヨがすーちゃんや健太からたいへんに愛でられている様子が伺えて、とても良かったと思います。
あと青森県における「イギリストースト」って、要するに静岡県における「のっぽパン」みたいなものなんだろうかと思いました(ローカルな話題に終始)。
小学館 (2017-07-18)
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コミックス2巻は18日発売とのこと。
このマンガは本当に素晴らしいので、サンデーの枠を超えた人気作になって欲しいです(真顔で)