サンデー 一覧

サンデー2号くらいまでの「絶対可憐チルドレン」感想

絶対可憐チルドレン

 「けものフレンズ」のアニメ2期に関するお知らせについては、本当に残念でしたね…(挨拶)。

 もうかなり前のことになってしまいますが、サンデー2018年2号で「黒い幽霊」に操られた明・初音コンビとの戦いを描いた「けものパークへようこそ」編が終了しました。

 前の対ナオミ戦もそうでしたが、「黒い幽霊」に操られたかつてのバベルのメンバー達との戦いは、そのキャラが持つ根源的なテーマに再びスポットライトを当てることを主題にしているように思えます。
 ナオミの場合は彼女にとっての「運命の男」である谷崎主任とのSM関係の再構築がテーマでしたが、今回の明と初音の場合は動物に変身したり憑依したりする一族の能力故に社会から阻害されて来たという「一族の宿命」を如何に乗り越えるのかという点がテーマだったと言えましょう。

 結論としては「社会への怒りに身を任せるのではなく、まず隣人を愛して身近な幸福を手に入れなさい」という、まあ当たり前ではあるけど大切なことに二人が気付き、先々代の力もあって「黒い幽霊」の誘惑を撃退することに成功します。
 「まず隣人を愛せ」とか書くと極めて説教臭いというか宗教っぽくなってしまいがちなんですけど、こんなテーマをちゃんとコメディの範疇に収めて描くことができたのは、特に初音というキャラが持つバカっぽさ(良い意味で)に救われているところが大きいのではないのでしょうか。やっぱりいいキャラですよね彼女。良い意味でバカだけど(良い意味で)。

 あと、先々代の二人が初音と明に対して「家に帰ったら子作りでも始めろ!」と言ってましたけど、自分も以前親戚の戦前生まれで年代的にはあの先々代と同年代であろう叔父の一人から、「結婚したかったら、まず女の子を孕ませろ」とド直球なことを言われた経験があるので、あの年代の男性ならこういうことを本気で言いかねないのでは? と妙に納得してしまいました。
 多分「絶チル」の最終回では、この二人の子供がわんさか出てくるに違いないと思ってます。お幸せに。

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絶チルが50巻に到達。連載開始の頃を思い出すと感慨深い


まさか優人がモテる姿を拝めるとは思っていなかった記念 サンデー1号〜3+4号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 お久しぶりです(´・ω・`)。
 書く暇がなくて溜まっていた、ここ最近の「BE BLUES!」の感想のまとめです。

2017年1号

 主に「龍のちんこがでかい」ことが明らかになった高校選抜合宿が終了。
 「試合中には色々あったけど、最期はみんなで風呂場で龍のちんこを見てほっこりして大団円」な展開にならなかったのが、返す返すも残念ですね(ちんこへのこだわり)。

 この回では、優希が「藍子の龍を見る目が完全に恋する乙女のソレである」ことについに気付いて動揺してしまうというラブコメ的なイベントが発生したのですが、当の龍はそんな女性陣の動きには全く気付かず、桜庭に対して「合宿でヤバいって思った時、お前の顔が浮かんでさ…助かった」と愛の告白に等しいことをサラッと言ってしまう始末。やはりこのマンガで最も龍に愛されているメインヒロインは、藍子でも優希でもなく桜庭であるということが、改めて証明されてしまったところが面白かったです。

 そして桜庭といえば、ラストの試合で龍にボールが渡ってカットイン→シュートという龍の必殺技が炸裂するシーンで、チームメイトがみんな「龍なら決めてくれる!」って表情しているところで、桜庭だけ唯一最期まで「オレにボールをよこせ!」ってアピールを必死にしているところも良かったです。
 桜庭は、今後いくら龍が周囲から尊敬を集めるスーパープレイヤーになろうとも、ずっと龍に対してこんな感じでガツガツ当たり続けることでしょう。いつまでも変わらない君が、そこにいてそうやってくれているだけで嬉しい。そんな心境です。

2017年2号

 武蒼新チーム始動の巻。ジョージとリンゴの代わりに入った阿部・南部コンビが守備の穴になっているということを仲間内で吹聴している矢沢が、「だったら本人たちに言ってみろよ!」と言われた途端に突然「そのうちな…」と弱腰になってるところを見ると、彼は今後こういう役回りになっていくんだろうなと予感させるに十分でした。彼のレギュラー入りは当分なさそうな予感。

 あと、その問題の阿部・南部コンビがビシッと立ってるコマがありましたが、彼らから漂う何と言うかこう「如何にも穴があって頼りなさげ」感が素晴らしいです。先代のジョージ・リンゴ組の「守りカタくて頼りがいがありそう」感とは大違いですよね。
 こういうキャラが描ける田中モトユキ先生すごいなあというのが、この回の主な感想です。

2017年3+4号

 謎の新人美少女マネージャーが登場、優人が突然モテるの巻。

 前回でも1コマだけ登場してその可愛らしさをさりげなくアピールしていた新人女子マネ候補(名称不確定)の彼女でしたが、今回は1年チームとの練習試合において、ナベケンでも止められなかったボールをすんでのところでクリアするファインプレーを見せた優人に対して急接近し、「青梅先〜んぱい♥ 頑張ってください!」って如何にも媚び売ってます的な台詞を言うという、このマンガ的には極めて珍しい、いわゆる童貞を殺すムーブを放ってきました。
 もちろん優人は童貞なので、効果はてきめん。著しく動揺はしているものの、何かものすごい嬉しそうです。

 自分は以前から「一度でいいから優人がモテるところを見てみたい」と思ってはいたのですが、実際に彼がモテ始めてみると、「優人のくせに生意気だ!」とこの回の矢沢と同様の感想を抱いてしまいました。自分もまだまだ器が小さいッス…(自省)。

 もっとも、優人はラストで龍から「みんながおまえのような意識を持って戦えば、きっといいチームになれる」と褒められて照れまくっていたので、優人の最愛の人物はやっぱり龍なんですよねー。
女子マネや龍から褒められたのはいいけど、浮かれて調子に乗ってミスしなけりゃいいんですけどねー(ひどい感想)

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この調子で優人がモテれば再び表紙に返り咲けるのではと思いましたが、むしろ新女子マネが単独で表紙を飾りそうな予感


探偵オペラの始まりだ! サンデー1〜2号 「探偵ゼノと7つの殺人密室」感想

探偵ゼノと7つの殺人密室

 先週のサンデーから始まった新連載。「ジーザス」の原作を書いていることで知られるベテラン作家の七月鏡一先生と、これが初連載作品となる杉山鉄兵先生のコンビという、ベテランとルーキーの組み合わせがマニア的には非常に興味深い作品です(やっかいな視点)。

 それでこの作品、ジャンル的にはいわゆる探偵モノに属しているのですが、この作品世界は非常に仰々しいというか、全ての物事が非常に大げさで、劇場的な殺人事件を起こすために世界の全てが作られていると言っても過言ではないと思われます。

 例えば、第一話の殺人事件は「過去にライバルに選手生命を絶たれ、恋人まで奪われた絶望から復讐に燃えた」元野球選手が犯人なのですが、その殺害方法は「ライバルがマウンドに立っている時に、スタジアムの天井から鉄筋を落として串刺しにする」という、極めて劇的なものでした。
 しかも、「そのスタジアムにはマウンド上に鉄筋を落とせる構造が最初から仕組まれており、それを使えば完全犯罪が行えるようになっていた」ことが明らかになり、更にはこの作品世界には「そのような完全犯罪のプランを作成し、それをばら撒いて犯罪が起こるのを眺めて楽しむ」という完全犯罪マニアとも言うべき人物が黒幕に存在しており、その黒幕は「あらかじめ殺人のための仕掛けを施した7つの建造物」を作っていることが次々と明らかになる辺りまで読み進めると、読者は誰もが「やべえ! このマンガはどこかおかしい!」と戦慄を覚えること請け合いです。

 つまりこの作品は、「密室で起こる完全犯罪を見てみたい!」という欲望のためだけに、わざわざ第一話の殺人スタジアムのような仰々しい人殺しギズモを満載した建造物を、7個も作っちゃうおかしい人がいる世界なんですよ。そして、それに立ち向かおうとする若き探偵が、我らが主人公の探偵ゼノなんですよ。探偵と完全犯罪者が最高に活躍できるためだけに作られた世界が、この作品の舞台なんですよ。個人的には、こんな仰々しい舞台設定があるだけで、ンもうゾクゾクして来ます。
 「あらかじめ殺人のための仕掛けを施した7つの建造物」! 個人的には、早くも2018年における声に出して読みたい日本語大賞の最有力候補です!

 そんな舞台設定が激しく魅力的なこのマンガですが、勿論登場する人物もその舞台に違わず魅力的です。
 特に主人公の探偵ゼノ君は「ぼくは記憶がない。だから人間というものがわからない! だから知りたい! 人はなぜ殺人なんて犯す?」と本気で訴える健気で儚げでいたいけな側面を持ちつつ、操作中には「人間がわからない」というところから来る明らかにコミュ症的な挙動の数々を繰り広げるコミカルな一面も持っており、非常に魅力的なキャラクターとなっています。
 そして第一話でゼノに「7つの殺人密室」のことを教えた直後に密室殺人の犠牲者となった曰く有りげな建築家の甲斐七楼、第二話に登場したミステリアスな甲斐の養子の三姉妹、「悪辣な公僕」を絵に描いたような人物である公安の姫宮警部など、出て来る人物がみんな一癖も二癖もあるヤバい人たちばかりであり、そういった意味でも「探偵と犯罪者が活躍するために作られた仰々しい作品世界」を彩るに十分な存在と言えるでしょう。

 なんにしろ、この「探偵ゼノと7つの殺人密室」は、探偵モノとは言えども「名探偵コナン」とは明らかに方向性が違った作品であることは間違いありません。これからの展開が楽しみです。

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七月鏡一先生と言えばやはり「ジーザス」は外せないお年頃(=オッサン)


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