絶対可憐チルドレン 一覧

ここのところの絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 高校生編が始まった頃は「幼少期から薫を一途に想っていた松風君と、その薫を幼少期の頃から育て上げた皆本が、薫を巡って三角関係的なラブコメ展開をする」ものになるのかなーと考えていましたが、しかし兵部が出てきてからはどうも「松風君を後継者として育てたい皆本と、あまりにも都合良く登場した松風君の出自を疑う兵部が、松風君を巡って三角関係的なラブコメ展開をする」ものになりそうな雰囲気が漂ってきました。ラブコメかどうかは考慮の余地がありますが(ない)。

 松風君の「正体」が実際どのようなものなのかはまだ判りませんが、仮に「黒い幽霊」からの暗示があったとしても、薫への想いが彼の根源にある限りは、まあ彼の自我は大丈夫じゃないんでしょうか。ティーンエージャーの恋愛というのは、それくらい美しくて尊いものでなければいけないんですよ。せめて漫画の世界の中ではそうあって欲しいじゃないですか(願望)。

 それはそれとして、ぜひ松風君にはあの勢いのままにティムバレや澪辺りをメンバーに巻き込んで「超能力研究同好会」を本当に設立してもらって、研究対象としてチルドレン達を崇め奉りながらラノベみたいな楽しい部活動をして欲しい所存です。松風君程の高レベルなクレバー眼鏡なら十分全国を狙えると思います。


絶対可憐チルドレン 兵部京介編 (My First Big SPECIAL)
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My First Big版の最新刊は兵部特集なんですよね


孤独な中学生男子に羨望の眼差しを送る2014年4+5号サンデー感想日記

BIRDMEN

 あけましておめでとうございます!(一週間ぶり二度目)

 二週間前に出た2014年4+5号のサンデーですが、一番印象に残っているのはやはり「BIRDMEN」です。鷺沢から「仲良くなれて嬉しい」と言われて一人でニヤニヤしたり、図らずも女子に囲まれる羽目になって一人で赤面しつつニヤニヤしたかと思えば、親との関係が上手く行かずにやっぱり一人で悩んだりする、主人公の烏丸君の「学校と家庭が世界の全てを占める中学生的な世界」を生きてる孤独な男の子っぽさが凄く良かったです。
 最後に翼を出して空を飛ぶところは、まあワシらの若いころの感覚からすると「盗んだバイクで走り出す」的な、自分がいる世界ではないここではない何処かへの渇望を表していると解釈できますよね。このシーンを読んだ時は、「そうそう、若者はこうじゃなくちゃイカンのじゃよ!」とか、しみじみ思ってしまいました。
 「銀の匙」もそうなのですが、若者が色々と思い悩みながらも自分の力で前に進もうともがく姿は、何かこうイイですよね…(オッサン)。

 今烏丸君が色々悩んでいることは、(超人としての力の件はともかくとして)「学校と家庭が世界の全てを占める中学生的な世界」に閉塞しているから感じることであって、大人になって自分の世界が広がって社会的な力を持てれば、まあ何とでもなることではあると思います。
 今の烏丸君にとっての不幸は、そういった悩みに対して「君は何処にだって行けるし、何にでもなれるんだ」と言ってくれる、「絶チル」の皆本みたいな大人の存在が欠けていることなのかも知れないな、と読んでいて思った次第です。

絶対可憐チルドレン

 そしてその「絶チル」ですが、ユーリ×ナイのカップリングが大好きだった私としては、悠理がナイと好きなだけイチャイチャできる平穏を手に入れることができたことを、何より嬉しく思います。ユウギリという可愛い妹もできたことですし、かつて自分が手を汚して来たことによる心の傷を癒やす意味でも、ンもう百合百合な生活を送ってほしい所存です。

 悠理にとって薫たちザ・チルドレンの存在が救いになったように、悠理の存在がユウギリやギリアムのクローン少年兵のような暗い生い立ちを背負った者達にとっての救いになれば、自然と彼女の罪というものも償われることになるのかも知れませんね。
 何か思いのほかキレイなことが書けたのでおわり(自己満足)。

絶対可憐チルドレン 37 クリアしおり付き限定版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)

ユーリ最期の戦いを描いたコミックス最新刊は1/17発売とのこと


フェザーの正体判明記念・サンデー43号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 昨夜Twitterで「9/30を持って株式会社富士見書房が消滅する」という趣旨のツィートを読んだ時、富士見書房が昔ジュブナイルポルノアニメ「くりいむレモン」のノベライズを出してて色々とお世話になったこととか、社会人一年生だった頃に「ドラゴンマガジン」を職場で堂々と読んでいたこととか、「ソード・ワールドRPG」を友人たちとプレイしつつ今で言うところの厨二的な妄想に耽っていたこととか、「スレイヤーズ!」を読みつつ今で言うところのラノベ作家を夢見たりとか、今で言うところのいわゆる黒歴史を色々と思い出してしまって辛くなったんですけど、こういう時こそ

 『不幸な過去は取り消せません。しかし、そこから生まれた未来が良いものであるなら、過去はただ不幸なものではなくなるはずです

 という「絶チル」のハンゾーの言葉を思い起こし、自分の過去を肯定して未来を創る力にする努力をしなければならない、と決意を新たにした今日この頃です。

 こんにちは(挨拶)。

 そういう事例はともかくとして、今回のエピソードでは「絶対可憐チルドレン」全編に渡る大きなテーマの一つである『無駄な過去なんかない』が、ここに来て改めてフィーチャーされている印象を受けます。

 未来の世界で一度「仲間たちが沢山死んでしまい、自身も愛する男性に撃ち殺された」経験を踏まえて過去に戻ってきたフェザー=未来の薫は、「過去に囚われたまま先に進めなくなっているユーリと兵部を救う」ためにこの時代にやって来たことが、今回の話で明確になりました。辛い過去があるからこそ今の自分があり、過去を踏まえて未来を作ることこそが大切である──というテーマは、かつて小学生編の最期のエピソードで子供になった皆本が身を持って経験したことではあるのですが、それを同じテーマを中学生編のクライマックスであろう今回のエピソードに持って来てますね。
 ただ、ユーリと兵部はご存知の通りかなり半端なくハードな過去を経験してきているので、両者に「無駄な過去なんかない」ことを納得させるのは、フェザーを持ってしても相当困難なんじゃないんでしょうか。

 兵部には彼のことを心から愛している(性的な意味ではなく)真木を初めとしたパンドラの愉快な仲間たちがいるので、自分の過去の行いは憎しみを生んだだけではないことを判ってもらえそうな雰囲気なんですけど、ユーリの方はまだもうひと押し足りない気がします。薫たちが「悠理」の記憶を取り戻す、何らかのきっかけが欲しいところです。

 あと今回感心したのは、「黒い幽霊の娘」として人工的に産み出されて家族の愛情というものを全く受けてこなかったユーリと、過去にあまりにも色々なことがあったおかげで「憎しみを肉染みに変えるんだ!」的な感情だけで動いている(と自身で思い込んでいる)兵部の二人は、「過去に囚われている存在である」という意味で一緒であると、読んでいて気づかせてくれたことです。
 おかげで、このエピソードでユーリの話と兵部の話を並行に進めるのは何故なんだろうかという疑問が解けましたよ。

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なんやて!(ガタッ)


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