絶対可憐チルドレン 一覧

「編集人」の名前が前号から市原氏に変わっていたことに今気付きました。サンデー36+37号感想

BE BLUES!

 「私はサクラバのドリブルを推す
 今回は、龍が赤城中央の固いディフェンスを破って新必殺技のカットインからの同点ゴールを決めた、非常に爽快感のある展開でしたが、個人的にはむしろミルコ爺さんが桜庭推しを公言したところにグッと来ました。さすが桜庭の飼い主なだけあって、ここという時にはちゃんと桜庭の有用性を認めているんですね!
 でも、そのミルコも龍が個人の技能でゴールを決められるだけの実力を持てるようになっていたのは想定外だったのでしょう。かつてミルコが龍に対して提示した問題点を、彼がキチンと克服して来たことをガチレベルの実戦で示したんですから、ミルコの龍に対する評価も改まるはずです。

 となると、次は桜庭さんがミルコの前でいいとこ見せるターンになると思うんですけど、今もチームの応援を全然していない協調性のなさっぷりは相変わらずであり、もし仮に今後この試合で起用されて相応の活躍をしたとしても、「チームの得点を喜べない奴はダメだ」というミルコの評価は変わらない可能性が高いです。ミルコさんはこのマンガの中で将来男子サッカー日本代表監督になる人物なので(決めつけ)、今のうちにアピールしておくに越したことはないように思えるのですがどうか。

 でももし仲間の応援とかしたら、それはもう桜庭さんではない何かになってしまうからなあ。試合に出たくてギャンギャン吠えてコーメイに後ろから羽交い締めにされてこその桜庭さんですからね。難しいですねえ。

マギ

 秘密裏に結んだ相互防衛条約をタテに他国の内戦に介入する妙に現実的で生臭い展開と、エルダードラゴンレジェンドが出てきて世界の理を宇宙的なタイムスケールで話すファンタジーな展開が、ついに一つの物語として合流した感じがするお話でした。

 そしてその二つのスケールの異なる物語を一つに結び、本編の事実上のラスボスとして君臨しそうなのが、葉王覇王ことみんな大好きシンドバッドだったというのが、何か彼の器の広さを象徴している感じがします。「ダビデ」と共鳴して「神」の力を得て、世界を意のままに動かす力をシンドバッドが得たのは、ある意味彼に相応しい運命であったと言えるのかも知れません。
 ただ、彼が神の力に勝って、「ダビデ」ではなく本来の彼の意志で新しい世界を作れるようになれるかどうかはまだ判りませんが。

MAJOR 2nd

 全国の少年野球やってる子どもたちがみんな読んでる「MAJOR」で、ついに人妻の不倫現場が出てくるとは! 健全な野球少年達がNTRに目覚めてしまうよ!(曲解)

 というか寿也ってあんなに女性に対して紳士的なイケメンなのに、なぜ離婚しちゃったんでしょうか。奥さんの事情がちょっと複雑そうな感じなのでそれ絡みなのかもしれませんし、少年誌的に突っ込んではいけない裏話とかあるかもしれませんし、あるいはいまだに吾郎のことが忘れられないのかも知れません。
 吾郎のことが忘れられない寿也が吾郎の息子に野球を教えるとか、メタ的にはグッと来るシチュエーションですよね。とか煽ってみる(ひどい)。

 今回のエピソードで、このマンガにおける当面の目標が「大吾と光がバッテリーを組むこと」に設定されました。大吾の野球選手としての道はおそらくここから本格的に始まることになるのでしょうが、このマンガはあのMAJOR」なので、おそらく一筋縄ではいかないことは必至でしょう。
 高校生になった大吾が、高校野球で群馬代表となった光と甲子園でついに相まみえて対戦する的なシチュエーションは今から妄想するだけで滾るものがありますけど、その二人に待ち受けるのは、かつてふたりの父親が経験した大理不尽な運命の数々!(いきなり吾郎が高校やめて寿也とのバッテリーが解散するとか) っていうか、前触れなくいきなり光が引っ越すだけでも十分に理不尽な展開なんですけどね!
 父の屍やNTRを乗り越えて生き残って強くなれ大吾と光! 死んでもいないしNTRでもないけど!

トキワ来たれり!

 日本では古来より「失うことから全ては始まる」と申しますが(主に「シグルイ」で)、「トキワ来たれり!」では主人公のトキワが片腕と片足を失い、先のソーサリアンとの戦闘でトキワを守るために自爆したマキナのパーツを移植されて蘇生するという、これまでとは打って変わったシリアスな展開に突入しました。
 これまでのこのマンガは「肉体的には普通な気弱な男の子が、持ち前の機転を武器に超人的な能力を持った連中と一緒に戦う」物語だったと思うのですが、自身も超人的な能力を手に入れてしまった以上、このマンガは今後はこれまでとは全く違った展開にならざるを得ないでしょう。本当の「トキワ来たれり!」はここから始まると言えるのではないのでしょうか。

 そして個人的に「主人公が物語の序盤で身体を欠損してサイボーグ化して復活」というと、新井素子先生の「星へ行く船」シリーズを思い出してしまうですが、30年前の小説のことなんて誰にも判ってもらえないので終わり。

絶対可憐チルドレン

 一迅社から発売されている「Febri」30号に、椎名高志先生のインタビュー記事が掲載されています。椎名先生の原点とも言える幼少期のフィクションの原体験についてから、「絶対可憐チルドレン」の今後やその次の作品についても話題が及んでいるとても興味深い内容なので、椎名先生の作品のファンの方なら読んでおいて損はないと思われます。

 特に次回作については、「自分が得意とするパロディを活かせる方向性」を模索しているように思えました。今後の自身の作家としての方向性を含めて、色々考えている様です。
 椎名先生のTwitterの発言を読んでいると、次回作はもはやツンデレな飼い猫にベタボレしている中年のメタボ気味のおっさんが主人公の日常マンガしか描けないくらい枯れてるんじゃないかとか思っていたんですけど、全然そんなことなさそうなので安心しました(ひどい)。

 そして今号の「絶チル」ですが、インタビューでも語っていた『パロディが得意な椎名高志』をアピールするかのような、チルドレン達がどっかで見たような三悪トリオを相手に戦うという話でした。こうやって見ると、やっぱりタイムボカンシリーズの三悪トリオって、誰でも「見ただけで『ああ、あいつらだ!』って判る」という意味において偉大な存在なんだよなーと再認識させられます。
 あとこの人達、ちょっと「キャッツアイ」や「ハローキティ」の要素も入ってますよね。キティさんは寛大なお方なので、「外道キティ」とかいう形で名前や意匠を使われても、きっと許してくれると思います。多分。

 そしてパロディと言えば、ラストで子鹿さんが「となりのトトロ」の替え歌のようなものを歌った挙句に交通事故に巻き込まれてましたけど、事故に遭ったのは多分パロディの対象がジブリだったからに違いありません(真顔で)。
 子鹿さんは、隙あらばジブリアニメのパロを仕掛けてくるので元々著作権的に危うい存在だったんですが、TTPで著作権法における非親告罪化が囁かれるようになった昨今、今回の彼女の姿は日本の将来におけるパロディ文化に暗雲が立ち込めている象徴なのかも知れませんね。物言えば唇寒し秋の風。

 ウソです(おわり)。

Febri (フェブリ) Vol.30
Febri (フェブリ) Vol.30

posted with amazlet at 15.08.17
一迅社 (2015-08-10)

プリンセスプリキュア、毎回「みなみ様すてきー!」って叫びながら観てます


私も時空を超越したハニワのような存在になりたい。サンデー35号感想

マギ

 先々週の話になってしまいますが、シンドバッド率いる七海連合が「これは侵略ではない。我らは『七海連合』の盟約に従い、盟友の内紛をおさめに来た」って言いながら煌帝国の内戦に介入して来るのって、いわゆる集団的自衛権の行使にあたるのではないかと思いました(時事ネタ風挨拶)。

 「同盟国が攻撃された」ことを名目に始まった国家間戦争が世界規模に発展してしまいそうな妙に生臭いストーリーが展開される一方で、今週の話では遥か宇宙の原初の時代から存在していると思しき如何にもファンタジーな存在のエルダードラゴンレジェンドが登場してこの世界の謎について語り出したりしており、「マギ」は正に大河ファンタジーの名に相応しい展開となって来ていると言えましょう。
 そして、現実と神話を繋ぐ役割を与えられたのがゆるキャラ風味のハニワになったアリババ君というのが、このマンガ特有のユーモアのセンスの現れであると言えます。今の彼は百年以上の時間を経験した仙人めいた存在と化しているっぽいんですが、でも見た目はハニワなんですよね。そして未だに童貞(しつこい)。

 そういえば先々週はシンドバッドに説得された白瑛が彼に肩を抱かれてましたが、あの絵面から伝わる悪い男に嫌々ながら言いくるめられて従ってる感というか、「白瑛さん、その男には近づいちゃダメだよ!」って思わず叫びたくなる感じは本当に素晴らしいと思いました。シンドバッドは色々な意味で本気を出して来ましたね。

BE BLUES!

 これも先々週の話なんですが、監督が小田に交代を告げた時にのようにギャンギャン騒ぐ桜庭さんが心底プリティーでした。コーメイに後ろから羽交い締めにされてるところもチャームポイント。羽交い締めにされて騒ぐのがあんなに似合う男はなかなかいないと思います。

 今はフォワードの枚数を1つ増やしてパワープレイに持ち込みたい局面なので、ノア同様に存在自体が脅威となりえる桜庭を起用しても良さそうなところではありますが、今週の小田のように「DFのプレッシャーをはねのけて相手のポジションを意図的にずらし、龍をフリーにさせる行動を取る」という自分を犠牲にする動き方は今の桜庭さんには絶対できないと思うので、致し方ないところではあります。
 でも大丈夫! 『真の主人公は遅れて登場する』という「ダイの大冒険」におけるヒュンケルメソッドを何度も実践してきた桜庭さんのことなので、今回もまた土壇場で試合が膠着した時に出番が回ってきますよ! 主人公である龍の新必殺技・カットインの成立には、桜庭さんの存在が必要不可欠ですからね!(多分)

ファンタジスタステラ

 これも前の話になってしまいますが、ここで点を入れたら同点になって延長戦に! ってここ一番の局面で「勝ったら結婚してあげる!」って叫ぶことで竜ちゃんに活を入れ、結果的に貴重な得点をアシストする形になった琴音姉さんは、やっぱり名指導者だと思いました。

 草場先生は以前ラブコメ展開やるのが苦手だとマンガの中で告白してたと記憶していますが、こうなったら「ステラ」の次の作品は思い切ってラブコメマンガにしてしまうのはどうかと思いました。登場人物がみんなものすごい勢いで終始モジモジしている、いじらしいラブコメマンガが読めそうな予感がします(勝手な想像)。

tutti!

 老人ホームのじいさんがどう見てもゴミにしか見えないものを「後で使うから」とやたら溜め込んでるシーンに妙なリアリティを感じました。ああいう人って現実にもよくいますよね。うちの母親とかそうです(身内ネタ)。

 物語としては、そのゴミじいさんが実は音楽の達人では? 的な伏線を残しつつ、これまでは「音楽好きだけど練習したがらないボンクラの集団」的な扱いを受けていた吹奏楽部のメンバーを、一人ずつ掘り下げていく展開に入りました。
 これって、「tutti!」がそこそこ人気があって長期連載化を見越せるようになったって解釈でいいんですよね? そのうち桜井さんの心の闇に触れる話とかちゃんと読めるんですよね? 桜井さんは何も考えていない犬みたいに見えるけど実は闇を抱えているに違いない派からのお願いですよ?(迷惑です)

絶対可憐チルドレン

 体育倉庫に二人っきりという学園モノのエロマンガの定番シチュエーションをこのマンガで拝めるとは思ってもいませんでした。今回の薫の行動も、「彼氏と二人っきりになるためにちょっぴり茶目っ気を出して誘ってみたら、何か彼が想定外にがっついて来て逆にビビってしまう」みたいな、これもまた学園モノの定番的な行動なのが良かったです。ありがとうございます

 でも皆本が着ている光学迷彩の服ってその構造上脱ぐのがものすごく大変そうなので、仮にそういう雰囲気になってもそう簡単には致すことができないのではと思いました。
 というかあの服、トイレ行きたい時はどうするんでしょうか。そういう時のためにワンボタンで排出器官を露出できる機能があったりするんでしょうか。それなら致す分には大丈夫なのか。光学迷彩装備のままでするとか、何か全身タイツフェチ的なアブノーマルさがあって良いかもしれません。
 話が逸れました

 今回のエピソードですが、結果的には兵部がやらかしたミスをパティや松風、そしてチルドレン達が総出でフォローして皆本に失態を知られるのを防ぐ形になりました。特に松風君は見えないところで推理を働かせて皆本に事を知られずに事態を収拾させるために動いており、これで少しは兵部も松風君のことを再評価するのではないのでしょうか。いややっぱりしないかも(反語)。

 あと今回は、パティさんがその能力を発揮するところを久しぶりに見られたのも良かったです。「身体を粒子に変える」彼女の能力は、単に霧になって身を隠したり別のところに移動するだけではなく、粒子の構成を変えることで他の姿にその身を変えることもできるというのは、個人的には盲点でした。そう考えると、彼女の能力は諜報活動向きですね。
 マンガの方では基本的に愉快な腐女子のスタンスを崩さない彼女ですが、今回は「THE UNLIMITED 兵部京介」側の『闇の組織』に所属するエージェントとしての彼女の姿を垣間見たような気がします。今後も、時々でいいのでこういった腐ってない部分の彼女の活躍も見てみたいものだと思いました。
 やっぱり人気投票はパティさんに入れようかなあ。でも一位になると脱がされちゃうんだよなあ(決定事項)。

マギ 26 (少年サンデーコミックス)
大高 忍
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ジュダル、アリババとコンビ組んでからはずいぶんと雰囲気変わった気がします


連載十周年記念・サンデー33号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 絶チル連載十周年おめでとうございます!(二週間遅れの挨拶)

 絶チルの連載が始まった時は、「一番湯のカナタ』がああだったし、このマンガもいつまで続くか判らないし、これが椎名先生がサンデーに連載する最期のマンガになるかも知れないから、いつ終わっても悔いが残らないようにしようぜ!」みたいなことを友人達とチャットで話してた頃が懐かしいです。
 というか、あれからもう十年も経ったのか…刻が過ぎるのは本当に早い…(遠い目)。

 また当時は、まだ週刊少年マンガ誌で女の子が主人公のマンガを載せることそのものがかなりの冒険的行為だったと記憶していますが、今ではそういうマンガも普通に載るようになっているのはご存知の通りです。「絶チル」の連載作品としての成功がそういった環境づくりの一環を担ったことはおそらく間違いなく、マンガの文化的な面においても歴史に残るべき作品になったと個人的には思ってます。
 つまり、今サンデーで「競女!」や「さえずり学園OK部!」が連載されているのも「絶チル」のおかげなんですよ!(←自分がやった訳でもないのにエラそうな口調で)

 そして十周年記念企画として「絶チルキャラ人気投票」の開催が告知されており、「人気投票1位のキャラには本編で良いことが…!」と書かれていますが、これって多分作中でキャラが脱がされることを意味しているに違いありません。コミックス23巻の乳首券の前例もありますし。
 なので、投票する際には、自分が好きなキャラというよりは「脱がされるとリアクションが面白そうなキャラ」の観点から選んでみるのも良いかも知れません。マジで

 でもとりあえず松風君はちょっと前に脱いじゃいましたし、そもそも皆本や賢木や兵部は割と頻繁に脱がされているので、主役男性陣は意外性という意味では今ひとつかも。強いて上げると桃太郎でしょうか? 彼も一応釘宮理恵ヴォイスのショタキャラと考えれば案外イケる?(イケない)

 あと本編の方は、期待していたネガティブカズラが「まだ一度も当番回がない」という比較的どうでもいいことを言っていたので、当人もその辺を実は気にしていたんだなと思いました。確かに彼女には気の毒ですが、でもまあどうでもいいですよね(ひどい感想)。
 しかし、兵部ですらサディストモードの皆本に責められる妄想を抱いてしまうくらいの暗黒パワーを身に受けた状態でもこの程度のネガティブっぷりで済んでるということは、彼女がパンドラに拾われる以前の過去に経験したであろう様々な苦労は(同じく「最近出番がない」とか言ってる澪と同様に)克服できていると解釈して良いのではないのでしょうか。と、良かった探しをして終わりにします。

絶対可憐チルドレン 42 10周年記念キャラBOOK付き特別版 (少年サンデーコミックス)

コミックス42巻限定版の「キャラクターブック」はメインキャストに対して椎名先生がコメントを寄せており、それだけでも読む価値はあると思います


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