第一回・大改革を生き残りそうな連載作品予想アンケート結果発表

 サンデー17号より藤田和日郎先生の新連載「双亡亭壊すべし」が始まりましたが、これによって以前新編集長の市原氏がナタリーのインタビューで公言していた「藤田和日郎先生、西森博之先生、久米田康治先生。この3名には一刻も早く帰ってきてほしいと思っています」が本当に実現したことになりました(久米田先生は読み切りだったけど)。
 西森・藤田両先生が復帰したことで、昨年の夏から始まったサンデーの「大改革」は一応最初の区切りは付いたとみて良いのではないのでしょうか。

 当サイトでは、サンデー大改革が始まった昨年の8月に「週刊少年サンデー大改革開始記念・大改革を生き残りそうな連載作品予想アンケート」を実施していました(やった理由:面白そうだったので)。
 とりあえず紙面改変の区切りが付いたということで、アンケートの結果を公表しつつ、実際どのくらいの連載作品が入れ替わったのかを振り返ってみたいと思います。

質問:サンデーは今後大幅な連載作品や作家の交代を含む大改革が予告されていますが、現在連載されている作品の中で、その改革を生き残って半年以上は連載が続きそうとあなたが考えている作品、あるいは単にあなたが連載が終わって欲しくないと想っている作品はどれでしょうか?

タイトル 投票数 結果
BE BLUES!~青になれ~ 51
だがしかし 50
絶対可憐チルドレン 49
BIRDMEN 40
なのは洋菓子店のいい仕事 29
銀の匙 Silver Spoon 27 ○(不定期連載)
湯神くんには友達がいない 22
サイケまたしても 21
境界のRINNE 19
名探偵コナン 18
マギ 16
MAJOR 2nd 15
競女!!!!!!!! 14
ハヤテのごとく! 14
姉ログ 13
トキワ来たれり!! 13
常住戦陣!!ムシブギョー 11
ヘブンズランナーアキラ 11 ×
リオンさん、迷惑です。 11 ×
天使とアクト!! 9
アラタカンガタリ~革神語~ 8 ○(不定期連載)
tutti! 8 ×
アンペア 7 ×
今際の国のアリス 7 ×
まじっく快斗 7 ○(不定期連載)
おいしい神しゃま 6 ×
キャラクタイムズゴールデン 6
闘獣士 6 △(サンデーSに移籍)
レタス2個分のステキ 6 ×
AREA D 異能領域 5 ×
さえずり高校OK部! 5 ×
戦争劇場 5 ×
電波教師 5

 実際には、これに(アンケート開始時には既に終了が決まっていた)「ドリー・マー」、サンデーSに移転した「闘獣士」、およびアンケート実施後に連載が始まり今週号で連載が終了した「ニッペン!」が加わるので、この期間に終了した作品は13件です。サンデーの通常の掲載枠は22~24作品なので、約半数の作品が七ヶ月で入れ替わったことになります。

 七ヶ月で13作品が終了というのは他の週刊少年マンガ誌と比べて多いのかどうか? という点についてですが、昨年の週刊少年ジャンプで終了した作品数を数えたところ12件だったので(参照)、少なくともあのジャンプをも上回るハイペースな勢いで掲載作品が入れ替わっているといえます。
 これは、これまでのサンデーではちょっと考えられないスピードであり、サンデーの大改革は本当に行われているのだ、ということがお分かり頂けるのではないかと思います。

 終了した作品は、円満に終了したと思われるものに加え、かつて「マギ」「銀の匙」がヒットしてから顕著だった外部からの作家の招聘方針の見直しによると見られるもの(「おいしい神しゃま」「ヘブンズランナーアキラ」「レタス2個分のステキ」など)が見られるのが特徴でしょう。特に「ヘブンズランナーアキラ」は、個人的にはおそらく編集長が変わらなければまだ連載が続いていたのではと思っています(=連載が終わってしまって個人的には残念という意味)。
 また、いわゆる不人気による連載打ち切りと思われるものにしても、これまでと比べると条件がかなり厳しくなって来ている感があります。こちらも、個人的には「tutti!」「戦争劇場」などは、多分昔のサンデーだったらまだ連載が続いていたのでは? という感覚があります(=連載が終わってしまって個人的には残念という意味)。
 新編集長下になってから連載が始まり、そして終わってしまった「ニッペン!」の連載期間の短さを考えると、よく言われていた「サンデーは最低でもコミックス3巻分は連載を続ける」という伝説はもう今の編集部下においては通用しなくなっていると考えるべきなのでしょう。

 そして最大の問題である「それでサンデーは前よりも面白くなったのか?」という点については、まあ面白さというのは主観的なものなので断言することはできませんが(予防線)、少なくとも今は「何故このマンガがサンデーに載っているんだ?」と思ってしまう作品が載っていないくらいには面白くなっていると思ってます。まあ、前はそういうマンガもあったということなのですが(ドクロ)。
 また新人作家の読み切りが掲載される機会も従来に比べてかなり増えていますし、「サンデーは新人作家の育成を絶対的な使命とする」という方針はまだ堅持されていると見てよいでしょう。

 市原編集長はナタリーのインタビューで「2年以内にはかなり変わってくると思います」と言っていますし、サンデーの大改革はこれからも続いていくのでしょう。これからどのような作家が育成され、どんな作品が掲載されてどうサンデーが変わっていくのか、楽しみに待ちたいと思います。

 そして、改めて投票にご協力下さった皆さま、ありがとうございました。

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