じじショタカップリング爆誕記念 サンデー48号「シノビノ」感想
シノビノ
甚三郎が藤堂平助と邂逅の回。
藤堂平助と言えば、北辰一刀流玄武館で剣を学んで後に新選組八番隊組長となり、幕末を舞台にした恋愛乙女アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」などに登場することで史実に名を残している超重要人物であるので(ゲーム脳的史観)、この作品においても今後はかなり重要なキャラクターとなることが予想されます。
それで個人的に今回の話で興味深いというか「シノビノ」らしいなと思ったところは、まだ年端も行かない少年である平助と相対した甚三郎の心理描写でした。
普通の少年マンガだったら平助のような少年が主人公なので、彼から見た甚三郎は「ベテランらしい老獪な戦法で翻弄して来る、主人公の前に立ちふさがる乗り越えなければならないライバル」であり、平助は若者特有のがむしゃらさと一途な想いで甚三郎を乗り越える──というストーリーになると思うのですが、しかしこの作品の主人公はあくまで沢村甚三郎58歳なので、平助を見るその視点も「まだ未熟だが、その未熟さと『強くなりたい』という熱意がかつての自分を思い起こさせる」という、追憶めいたものになっていのが面白いところ。
こういった視点を持ったキャラクターを描くことができるのも、「オッサンが主人公である」というこの作品特有の魅力なんだと、改めて思った次第です。
そして普通のマンガとかだと、この後は甚三郎と平助が拳で語り合った結果として和解して師匠と弟子みたいなコンビになったりするものなのですが、このマンガは御存知の通り普通のマンガではなく任務遂行を第一とするストイックな忍者マンガであり、甚三郎にとって現時点での平助は(過去の自分を思い起こさせる前途有望な若者だったとしても)「任務を邪魔するクソガキ」に過ぎないので、任務の邪魔をするなら平助であろうが普通に殺すでしょう。実際今回は殺そうとしてましたしね。
ただ平助は、現段階では吉田松陰に思想的な共感を持っているわけではなく、単に「松蔭先生に着いていけば面白いことが起こる」程度の認識しか持っていないようなので、平助が「松蔭先生よりも甚三郎に付いた方がもっと面白い」と考えれば、割とあっけなく寝返りそうではあります。今回の話でも甚三郎と意気投合できそうな雰囲気は醸し出していましたしね。
そういった意味においても、平助の存在は今後このマンガの展開に大きな影響を与えるに違いないと思います。その前に甚三郎に殺されなければですが。
あと平助と言えば、甚三郎とやり合う前はミランダと戦ってましたが、本気で殺し合うミランダと平助ってある意味おねショタな関係なんじゃね? とか思いましたがどうか(まちがい)。
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