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12号サンデー感想列伝

やおよろっ!

 あの「冷やし中華はずかしめました」の人がまさかの週刊連載化。「うすい胸…うすい腰…うっすい尻…」とか普通に言ってる「はじあく」といいこれといい、今年のサンデーは何かこう思い切り方が違う気がします。
 万物擬人化マンガということで、個人的にはよく腐女子の人達が思考実験として語っている「鉛筆と消しゴムはどっちが攻めか」というテーマを美少女に擬人化した上で百合っぽくやって欲しいなあ、とか思ったんですけど、でもこれの作者のなつみん先生はカワイイ絵柄で風俗っぽいベッタベタなオヤジギャグ的ネタを平気で繰り出してくる人なので、そういう方向に期待するのは間違いですね。すみません(何)。

神のみぞ知るセカイ

 長瀬先生編完結。このエピソードについては既に作者のサイトで解説が加えられていますが、個人的には「現実には理想が足りない。理想の結末が必要なんだ」という言葉が「現実」に対して絶望しているはずの桂馬の口から出てきたことが、今回の物語の一番大きなポイントなのかも知れないとか思いました。彼は現実に絶望しながらも、でもまだそれを打ち破る何かを期待しているのかも知れません。
 あと今回は終わり方が美しすぎます。このマンガが「神知る」でなくて普通のラブコメマンガだったら、ここで連載終わってますよ! というくらい美しい。更にもしこのマンガがエロマンガだったら、次のページからはさぞやエッチな展開が(略)。

はじめてのあく

 明らかにこれまでとは異質な変なキャラが登場。まだ連載序盤なのにこんな変態出して大丈夫なのか。明らかな変態を出すことで、キョーコに「ジローの方がまだマシ」とか思わせる展開なのか。
 というか、キョーコの回りにはこんな男しかいないのか。いないんだろうなあ。女もユキちゃんとか変態だしなあ。

オニデレ

 正の絵がリアル過ぎて吹いた。

アーティストアクロ

 デコ覚醒の巻。デコがアクロに対する自分の本当の気持ちに気付いた時、ついにデコは真の覚醒を遂げた! っつう感じで、「絶チル」のパティならずとも頬を赤らめちゃうくらいのラブラブエピソードでした。こんな展開を待っていたよ!
 最後のページの最後のコマなんか、きっと次のシーンではデコはアクロにお姫様抱っこされるに違いありません。このまま結婚しちゃうといいと思うよ。

読み切り:國崎出雲の事情

 このタイトルって、「八神君の家庭の事情」リスペクトなのでしょうか。
 テーマとしては女装モノに属すると思います。普段は女装が似合う男子なんだけど、変身すると完璧な「女形」になっちゃうというニュースタイルのヒーロー(ヒロイン)像は、「こんなカワイイ子が女の子のはずがない」的なノリが大喜びされる現代に似合ったものなのかも知れません。
 これで主人公に「女装するのは恥ずかしいけど…でも…(ポッ」的な要素がちょっとだけ混じれば完璧ですね!(ダメ)


最近の椎名先生関連のネットの話題を今更拾うテスト

 ネットというか、「ゴルゴ31」さんで紹介されていた記事に対してなのですが。
 ゴルゴさん「ハヤテ」デビューおめでとうございます(遅い)。

椎名先生は本当に久米田先生が大好きだな – 明日はきっと。

 椎名先生がサンデーの目次で「漫画・映画・アニメの中で『これは格好いい!』と思った決めゼリフがあれば教えてください」という質問に対して、「絶望した!!」と答えたという件。
 個人的には、椎名先生と久米田先生の関係は、好きとか嫌いとかというより、むしろ盟友関係と言っても良いくらいの深い絆があるのではないかと思ってます。久米田先生の生前葬にも列席してましたしね。きっとプライベートでは、久米田先生は椎名先生のことをメープルピンピンと呼んで愛しんでいるのではないかと妄想してます。久米田絶望攻め(嫌)。

 あとこの記事と直接は関係ないのですが、今の小中学生くらいの若い久米田先生ファンになると、『昔久米田先生は週刊少年サンデーで連載をしていた』こと自体を知らない子がそろそろ出てきているんじゃないかと危惧してます。久米田先生は今ではもうすっかりマガジンの顔ですし。『絶望先生』の載ってないマガジンに絶望した! とかみんな絶対言ってますよね今週。

椎名高志『絶対可憐チルドレン』と『エスパー魔美』 – 藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記

 藤子不二雄ファンのkoikesanさんが、「絶チル」が如何に「エスパー魔美」をはじめとした藤子不二雄作品の影響を受けている作品であるのかを、とても丁寧に説明しているエントリ。コメントも含めてとても参考になります。
 椎名先生にとって藤子不二雄先生の作品はもはや「血肉」と言っても良いレベルにまでテイストが染み渡っており、椎名作品における藤子不二雄作品ネタを上げていくと、本気で暇(いとま)がなくなる程だと思ってます。また、「『絶対可憐チルドレン』は、そうした古典的とも言えるSF設定をベースにしながら、そのうえで21世紀を迎えた現在の少年マンガとして活きのよさや面白さを備えた作品です。」という記述には、とても共感させられました。

 なお、個人的に「椎名先生の藤子不二雄マンガの好きっぷり」の例で真っ先に浮かぶのは、リメイク版「のび太の恐竜」でタイムパトロールのリーム姐さんが出てこないと大人げない不満を漏らす、この椎名先生の姿です。
 「TPぼん」好きなオッサンはホントやっかいですね(他人事のように)。

2/18のGX編集者日記の有井氏のコメント

 サンデーで「絶対可憐チルドレン」の担当編集をされていた有井大志氏がサンデーGXに異動となり、その際にサンデーGXの編集者日記で以下のコメントを書かれていました:

GX日記

少年サンデーに異動した直後、『一番湯のカナタ』の連載を終えられた椎名先生の担当につき、短期集中、連載立ち上げ、アニメ化と色々な経験をさせていただきました。
短期連載を載せた直後、GXのK前編集長が「作品ごとGXに引き抜く」と仰られ、勧誘合戦になったのも今ではいい思い出です。
そして、異動を前にした最後の校了が表紙&巻頭カラー…… これ以上ない最高の形でサンデーとお別れできました。
椎名先生、ありがとうございます。

 「絶チル」の短期連載開始時、椎名先生は「少なくともワタシと担当はいい作品だと思ってます」と述べています。この「担当」が有井氏ですね。
 「絶チル」は(少なくとも当時の)少年マンガとしては異常な部類に入る作品だったのは間違いないところなのですが、それでもあえて「絶チル」を少年サンデー誌上で連載させるため、有井氏も当時は相当尽力なされたのではないかと想像します。それだけに、今の「絶チル」が連載作品として成功した姿に対して、深い感慨を抱いているのでしょう。
 これまでありがとうございました。新天地でのご活躍を期待します。

 そういえば「絶チル」の短期連載版が掲載されていた頃の2004年のサンデーって、

  • かってに改蔵」と「美鳥の日々」の二本柱が同時に連載終了
  • 改蔵」終了の際に、久米田先生が当時の編集長との確執を臭わせて話題に
  • その編集長が同じ年に現編集長と交代
  • この年に連載が始まった「東遊記」は、後に雷句先生の原稿紛失裁判での陳述書に「編集の過度の介入」の例として名前が挙がる運命に
  • 怪奇千万!十五郎

 とか、何かもう色々と大変だった記憶があります。
 そんな大変な年にサンデーで連載を始めた「ハヤテのごとく!」の畑先生とか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。

 おわります。


まあジャブローにコロニーを落とす様なもんよ的サンデー11号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「いわゆるひとつの『攻め』ですね!?
 パティ×紫穂というシチュエーションであれば、それは攻めというよりはタチと言うべきなのではないかと思いましたがどうか?(挨拶)

 その辺はともかく、今回のサンデー連載の感想を要約すると、兵部と愉快な仲間達が洞窟にやって来て葉が総受け、パティが大喜びの回ということになります。

 パティというキャラの立ち位置は「男性間のやりとりを腐女子的なフィルタで垣間見た時の関係性を読者に対して可視化することを目的としたキャラクター」ということになるかと思われますが、わざわざこんなメタな視点を持ったキャラを後付で配置するところが凄いです(ある意味)。
 先週までやんちゃしてた葉が真木に縛られてひぃひぃ言ってるところとか、紫穂を傷つけようとしたことで兵部に睨まれて葉が頬を赤らめつつシュンとして「すんません」と言っちゃうところとか、本来であればそういう視点でマンガを読む技術を体得した読者だけが「ぷっ、ぷぷっ」と吹き出してニヤニヤしていたものでしたが、それをあえてそういう視点を持たない読者に対してもパティが「ぷっ、ぷぷっ」と腐女子笑いをすることで「ここはそういう含みを持たせているシーンである」ことを可視化し、「どうぞこいつらでニヤニヤして下さい」と作者が新しい視点を提供しているところが、個人的には特に凄いよなと思いました。
 「MISTERジパング」の頃の私は、同人誌描いてる方から「殿の股チラがエロいんですよ!」と教えてもらうまでは信長が如何にエロいキャラだったのかを把握できなかったものでしたが、それに比べれば「絶チル」は随分と親切になりましたよね。そういう方向に親切にする必要性があるかどうかはともかく。

 パティには、バベルサイドのバレット+ティム組と同じく「オタクの存在こそが平和の証である」という作者の信念が込められているはずなので、きっと彼女のメタな立ち位置についても今回の様にコメディとして使う以上の深淵な目的があるのではないかと思っているんですけど、でも単に後先考えずに作者がノリでやってるだけなのかも知れません。

 そしてストーリーの方ですが、人工衛星の落下に巻き込まれて窮地に陥った不二子ちゃんチームがまさかのブリティッシュ作戦で逆転、次回巻頭カラーで逆襲なるか? みたいな感じになって来ました。カラーにあわせて見せ場を持ってくる構成の妙は流石。
 戦力的にはバベル側圧倒的有利ですが、原稿速報によれば兵部と不二子の伝説の樹での告白イベントがあるようなので楽しみ(まちがい)。

 あと紫穂は結局「自分が将来『女帝』になる」という予言を聞いていたことが判明しましたが、更に彼女は「皆本もそのことをずっと前から知っていて、それでその予知を覆すために戦っていたこと」も知ったことが描写されていました。「バカ…」とか言いながら固まってる皆本にそっと触れる紫穂がやたら可愛いです。
 腹黒さと可愛らしさを両立させている紫穂は、やっぱりチルドレンの中では一番精神的には成熟しているのかなという印象です。

 スカウターを装備して「戦闘力たったの5か…ゴミめ」ゴッコしてる葵は凶暴そうでイイネ(いいのか)。


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