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勃起は生理現象であり性的興奮とは無関係に発生することもある(解説) サンデー26号「キング・オブ・アイドル」感想

キング・オブ・アイドル

 若木先生がついにやりやがったー!(感想)

 サンデー24号から連載が始まった「キング・オブ・アイドル」は、「とある事情でガールズアイドルの頂点を目指している男の子が主人公」という、ちょっと捻ってるけどよくあるタイプの正統派王道アイドルマンガでした。第二話までは(過去形)。

 しかし第三話では、「男の子が女装してガールズアイドルの世界で頑張ろうとする」という設定に加え、「その男の子は、歌を歌うと何故かおちんちんが勃起してしまう」という新しい要素をぶち込んできました。
 歌を歌うとおちんちんが勃起。ガールズアイドルなのに歌を歌うとおちんちんが勃起。女装した男の子がガールズアイドルとして全力で歌唱するとおちんちんが勃起ですよ。何この設定! すごいな!(勿論褒めてます)
 この設定を持ち込んだことで、このマンガは「正統派王道アイドルマンガ」の領域を超え、「歌うとおちんちんが勃起してしまうガールズアイドルマンガ」という全く新しいジャンルに踏み込んだと言えるでしょう。

 性別を偽って異性が支配する異世界に侵入する系統の作品は、「自分の性別を決して見破られてはならない」という秘密、そして「本当の性別が世界にバレたらどうしよう」という葛藤を主人公が常に抱えているところが物語の根幹になる訳なのですが、この「キング・オブ・アイドル」の場合、皆の前で歌って踊るのが仕事の『アイドル』を題材にしているのにも関わらず、主人公が皆の前で歌って踊るとおちんちんが勃起してしまうので自分の正体がバレてしまうという矛盾を抱えた、作品のテーマの根幹を揺るがすレベルの問題を最初から内包していることになります。
 今考えれば、既に第一話でもまほろは「歌が終わるとすぐにステージから脱走して行方不明になる」ことでこの問題を回避しようとしていたんですが、でも今後はこのような逃げができるはずもありません。実際、この作品はこれからこのどうしようもない問題をどうやって解決していくつもりなんでしょうか。

 それより何より、「歌を歌うとおちんちんが勃起する女装アイドルが主人公」なんて設定を思いつくのは勿論のこと、それを基軸にしたマンガを週刊少年マンガ誌で連載しようとすることそのものが大冒険であるように思えてなりません。そういう意味で、このマンガは本当にすごいな! と感動した次第です。
 この設定だけでも、先生がこの作品に賭ける狂気めいた本気っぷりが伺えるというもの。若木民喜先生は本当にすごい作家だと思います。

 あと地味にエロいなと思ったのが、そんな主人公のまほろと同室になってしまった瀬奈が、まほろのアイドルとしての「声」を聞く度にビクンビクンと感じてしまっているところですね。
 瀬奈がここまでまほろの声に敏感なのは、 「彼女にとってまほろの声は、彼女が憧れている伝説のアイドルであるまほろの母と同じものであり、彼女が何よりも欲しているものだから」という理由があり、それ故にまほろの魅力に瀬奈は逆らうことができません。今はまだ頑張ってツンツンしている瀬奈ですけど、何だかんだで真面目で純粋、そしてアイドルとしての才能に溢れ、「アイドルになって母親と再開する」夢と希望に向かって頑張っているまほろにメロメロになるのは、おそらく時間の問題なのではないのでしょうか。

 男子禁制の女子寮で同室になった男子。彼の秘密を知っているのは彼女だけ。そして彼は、事ある毎におちんちんが勃起してしまう。彼の秘密を彼女が守るためには、頻発する彼の勃起を鎮める必要がある。
 …あとは判りますよね? 妄想が滾りますよね?

 今のところの結論としては、「キング・オブ・アイドル」がこの調子で大人気連載作品となり、今から約3年後の2020年頃にアニメ化され、その結果色々と妄想を滾らせた薄い本が供給されるようになるのではないか? というところです。東京オリンピックの年は、きっと「キング・オブ・アイドル」の年になるよ!(真顔で)

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若木民喜先生作品で女装といえば、「神ねーさま」の異名を取った女装桂馬も外せません


コミック版「ウルトラマンネクサス」発売記念日記

「てれびくん」の切り抜きは記念にとっておきます
ウルトラマンネクサス

 椎名高志先生が作画を担当し、「てれびくん」2004年12月号〜2005年8月号に渡って掲載されていた『ウルトラマンネクサス』のコミカライズ版が、10年の時を経た2015年5月18日についにコミックスの形で発売されました。

 コミックスは『てれびくん』の単なる再録に留まらず、連載時には描けなかった最終決戦を含んだ完結エピソード、円谷プロ公式の設定資料、番組プロデューサー・渋谷浩康氏と孤門役の川久保拓司氏の対談、担当編集の中門氏によるコラム、そしてコミカルなおまけマンガまで含んだ、「ネクサス」のコミカライズとしても、また「ネクサス」の資料的にも充実した内容となっており、まさに『ウルトラマンネクサス』に対する関係者の熱意と執念が生み出した奇跡の一冊と言っても良いのではないのでしょうか。

 個人的には、まさか本当に「ネクサス」のコミックスが発売されるだなんて思ってもいなかったので、4/1に発売されたサンデーで第一報を知った時は、「マジっすか!? これエイプリルフールじゃないんですか!?」と、本気で疑ってしまった程です。

 また椎名高志先生のファンにとっても、この「ウルトラマンネクサス」は「一番湯のカナタ」の連載終了〜「絶対可憐チルドレン」の連載開始までの週刊少年サンデー長期休載期間に発表された貴重な作品であるにも関わらず、長らくコミックス化されなかったために読みたくても読むことができない作品でした。
 なので、今回のコミックス発売によって、ついに「カナタ」と「絶チル」を結ぶミッシングリンクが繋がったと言っても過言ではありません。

 「ネクサス」は描かれた時期が「絶対可憐チルドレン」の連載初期に近いこともあり、今とはちょっとタッチが違う当時の絵柄を拝むことができるのも、ファンとしては興味深いところです。
 また作品のテーマとしても、「絶チル」を読んだ後で改めて「ネクサス」を読んでみると、「絶チル」と相通じるところがあることに気付けるでしょう。孤門が恋人を失ってもなおも戦うことを決意した時の「辛かった過去は変えられないが、未来は変えられるかも知れない」という言葉は「絶チル」の小中学生編を通じた共通のテーマでもありますし、またネクサスの「定められた滅びの運命と戦う」物語の全体構造は、「絶チル」は勿論のこと「MISTERジパング」とも共通していると考えることもできます。

 今の椎名高志先生の作品を批評する上でも、「ネクサス」はかなり重要な作品であると言えるのではないのでしょうか。考察しがいのある作品であると言えましょう。

 そして「ウルトラマンネクサス」がコミックスの形で発売されたことによって、「カナタ」から「絶チル」の間に発表された作品は全て何らかの形でコミックスに収録されたことになります(ヤンマガアッパーズなどに掲載されたイラスト等は除く)。
 残る椎名先生のコミックス未収録作品は、1990年代上旬にサンデー増刊に「(有)椎名百貨店!」枠で掲載された「フォワード」「眠る牙」などのマンガだけだと思われます。この辺の作品のコミックス収録は、椎名先生デビュー30周年記念などのイベントを期待するしかないのかも知れませんね。ちなみにデビュー30周年は2019年です(遠い)。

参考資料:
ウルトラマンネクサス (少年サンデーコミックス)
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飛べないことを自覚してから本当のおっさん化が始まると思うサンデー34号感想

BIRDMEN

 毎回大変に面白い「BIRDMEN」ですが、サンデー34号における面白さは何か神がかり的なものがありました。

 ストーリー面では、これまで時折その姿を垣間見せては何か謎めいたことを呟いていた謎の白衣の科学者達が所在すると思われる研究都市「EDEN」の存在が明らかになったという点が重要ですが、何よりも冒頭から21ページ目に至るまでほぼ全てのページに笑いどころが仕掛けられているのが、何より凄いと思います。
 その中でも一番弾けていたのは龍目のおっさん。烏丸が書いた経過ノートにわざわざ「創作ノート」と中二病に羅患した者の心を打ち砕くタイトルを付けるし、自分も「鳥男」になりたいとか突然爽やかかつ狂気じみた笑顔で言い出すし、その上変身できないと判ったら勝手にそんな世界に挫折するし、かつての弟子だった鞠林『モンロー』虎次郎相手に漫才するしと、色々な意味で大活躍してました。

 田辺イエロウ先生のマンガでここまではっちゃけてるのは珍しいと思われますが、逆に言えば田辺先生をここまではっちゃけさせる龍目というキャラがそれだけ素晴らしいと言えるのかも知れません。何にしろ、おっさんを描かせたらサンデー随一の実力を誇る田辺先生のお力をまた拝見出来たのが嬉しかったです。
 「EDEN」にも龍目に匹敵する白衣のおっさんがきっとワンサカ所属していることでしょうし、「BIRDMEN」はおっさんわんさかコメディーとしても期待できるのではないのでしょうか。何かそんな気がしてきました。

マギ

 神話的なスケールに足を踏み込んでいたこのマンガですが、ついに新しい神と新しい世界の始まりまで描いてしまいました。本当におつかれさまでした
 アリババがモルジアナ相手にモジモジしていたり周囲から童貞ネタでからかわれていたのが、もうはるか遠い昔のようです。いつかそっちに戻ってこれるんでしょうか。

 アルバが「神」を観た時に「お会いしとうございました!」と練玉艶みたいな口調で言ってたのが気になります。この辺繋がってるんですかねやっぱり。

だがしかし

 駄菓子をネタに微エロを表現するという方向性を見出しつつある本作品ですが、今回はみんな大好きブタメンを美少女が汗だくで食べることで仄かなエロスを醸し出すことに成功していたと思います。
 でも、暑い中でわざわざ熱いものを食べる必要性はないと思うのですがどうか(だいなし)。

銀白のパラディン

 「銀白のパラディン」は、現在サンデーに掲載されている作品の中でも極めて正統派なスポーツマンガという認識なんですけど、今回は何か半裸の少年同士が氷を肌に押し付けあって悲鳴を上げるお話になっていて、このマンガこういうこともできるんだなと感心しました。半裸の少年同士が氷を肌に押し付けあって悲鳴を!(連呼)

 まあそれでもちゃんとフェンシングの訓練として理に適っているように見えるので、良しとして行きたい所存です。

氷球姫

 「てめぇみたいなスカシ野郎より、常盤木の方がよっぽど良い監督だって、証明したるわー!
 ついに風花が常盤木への愛に目覚めた!(曲解)

 結果は及ばなかったものの、風花もあおいも常盤木監督への信頼に応えようと頑張っていたところが良かったですね。
 あと泣いてる風花は「勝ち気な女の子は泣くと可愛い」の法則の偉大さを改めて感じさせるものがあって良いと思います。


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自分の幼少期にはブタメンが無かったので、ベビースターラーメンにお湯かけて食べたりしてました(オッサンの思い出)


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