絶対可憐チルドレン 一覧

絶対可憐チルドレン THE NOVELS感想

絶対可憐チルドレン・THE NOVELS~B.A.B.E.L.崩壊~ (ガガガ文庫 み 4-1)
三雲 岳斗
小学館
売り上げランキング: 1442

 「絶対可憐チルドレン THE NOVELS」を読み終わりました。
 全体の感想としては、原作の持つフレーバーやテーマを上手く活かした上で小説オリジナルの要素を組み込むことに成功した、「絶チル」のノベライズとしての完成度が極めて高い小説だと思いました。要するに面白かったです。

 この小説が「絶チル」世界に持ち込んだ新しい概念は、基本的には以下の二点のみと言えます:

  • 気流を自在に操ることに特化したサイコキネシス能力を持つ謎の少女
  • 複数の予知能力者を集めて予知精度を上昇させるバベルの未来予知システムの概念を拡張した、複数の超能力者を集めることで超能力を増幅することができるシステム
  • (本当はもう一点あるのですが、終盤にならないと明らかにされない事なのでここでは割愛)

 今回の物語は、エスパーをノーマルの支配から独立させるという野望を持った男が、この二つを使って日本政府に対してテロを起こし、自分の野望を実現しようと画策する――というのが大まかな粗筋です。彼はこれらのリソースを使い、如何なる手段で政府と戦おうとするのか。そしてその脅威に対し、バベルは、そして皆本と「ザ・チルドレン」は如何に立ち向かうのか?
 登場人物や能力、装備などは、上記の要素以外はこれまで「絶チル」に出てきたものばかりです。皆本は限られた時間の中で、事件を解決するべく奮闘することとなります。

 この物語は、現実世界(この場合は「絶チル」の世界だけど)に最小限の「if」を持ち込み、それをギミックとして最大限に利用することでリアリティのあるストーリーを展開させる――という、実にハードSFチックな作品だなという印象を受けました。
 作者の三雲岳斗先生は後書きで『「絶対可憐チルドレン」という作品が本来持っている骨太な世界観や、その他の多様な魅力が感じられるような作品を目指してみました』と書かれていますが、読んでいても「絶チル」本来の世界観を極力活かしたリアルな物語を作ろうといることが伝わって来ます。
 実際、チルドレンと皆本のエロトークを含んだ会話も読んでいても、全く不自然さや違和感はありません。如何にも彼らならこういうやり取りするよなあ、と読みながら感心させられること請け合いです。

 あとこの話、後半になるとチルドレン達と対超能力装備を固めた謎の敵との戦闘シーンがメインになるのですが、これがかなり激しいというか容赦ないというか、敵が本気でチルドレン達を殺しにかかって来るのも特徴の一つかと思われます。物語に登場する対超能力装備は、基本的にはやはり全てマンガの中で出てきたものの応用であり、これもまた作品のリアリティを高める効果を生んでいます。
 このおかげで、かなり物語に緊迫感が出てます。一つ間違えればホントにチルドレン死んじゃう! みたいな危機感を、年甲斐もなく味わうことができました。

 そして物語の鍵を握る謎のサイコキネシス少女についてですが、(椎名先生のイラストから想像できるとは思いますが)端的に言えばそういうのが大好きなお兄さん達のハートを鷲づかみにする系の口調と性格を兼ね備えた期待通りの薄幸の美少女ですので、みんな大喜びして読むがいいです。

 総じて「絶対可憐チルドレン」のノベライズとして極めてよくできた小説だと思いますので、原作ファンの方ならぜひご一読を。
 アニメから入った人は、コミックスを(できれば11巻まで)読んでから読んだ方がより楽しめると思います。


[Clip][ニコ動]絶対可憐三国志

 みんな大好きニコニコ動画より。
 アニメ版絶チルOPの曲「Over The Future」をアニメ版横山三国志OPに被せたもの。妙にシンクロしているのが面白い。
 歌詞を三国志風にアレンジしている字幕のセンスも良いです。

 そしてこちらはダイターン3のOPに被せたもの。こちらのシンクロっぷりはもはや異常。「誇りにしたら~」でダイターンがっぽい武器持って出てくるところなんか、正直どうかしてると思います。
 尺が決まっているオープニングアニメにおける演出パターンの類似性というものを考えさせてくれる動画ですね(キレイなまとめ方)。

 「Over The Future」をピアノ+ベースでセルフセッションした動画。素晴らしいです。
 OPが如何にいい曲なのかを認識させてくれます。


絶対可憐チルドレンアニメ視聴日記

 お久しぶりです。
 「絶チル」のアニメの話ですが(いきなり)、2話→3話→4話と回を追うごとに面白くなってきているように思います。

 特に第四話は「パンツを見せることまかりならぬ」というテレ東規制を逆手に取り、「どうせ見せられないものなら、最初からはいてない設定にすればいいじゃない?」という逆転の発想に基づいた斬新な演出が光る極めてエポックメイキングな意欲的内容であり、とても面白かったです。色々な意味で。
 さらに今回出てきた犯罪者エスパーが「念力で女性の動きを止め、透視能力で下着を視姦する」という中学二年生男子が一度は夢みるようなコンボ攻撃を仕掛けるところ、および「はいてないと透視する意味ねえじゃん!」みたいな台詞を吐いたところも、正直凄いと思いました。こんな能力や台詞は、本物の下着フェティシストでなければ到底発想できないものと思います。原作者がドン引きするのも納得のアレっぷりです。

 ただ、アニメ版のストーリーに対しては、原作ファンの視点からすると「このエピソードはもうちょっとじっくりやって欲しかった」とか「この台詞を外すなんて勿体ない」という箇所がどうしても出てくる訳なのですが、原作者の椎名先生が監修に参加しているとのことですし、何より放送は(打ち切られなければ)1年は続く訳ですので、今までのエピソードでカットされた部分もいずれはフォローされるんじゃないのかな-、と長い目で期待してます。
 がんばれアニメ版制作スタッフの皆さんと椎名先生。

 そして、6/25に発売されるアニメ版OP主題歌CDが待ち遠しいです。
 ジャケットが椎名先生書き下ろしなのは勿論、チルドレン達をイメージした Catastrophe/Light Speed/Untouchable の各リミックスが収録されてるとか、初回特典は可憐Girl’sのPVが付くとか、何か妙に凝ってるというか、「これで一発当てたるぜ!」という作り手側の本気っぷりを感じさせる一枚になってるような気がします。売れるといいですね

 勿論私は買います

Over The Future(初回限定盤 DVD付)
可憐Girl’s
Geneon =music= (2008-06-25)
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