絶対可憐チルドレン
昨夜Twitterで「9/30を持って株式会社富士見書房が消滅する」という趣旨のツィートを読んだ時、富士見書房が昔ジュブナイルポルノアニメ「くりいむレモン」のノベライズを出してて色々とお世話になったこととか、社会人一年生だった頃に「ドラゴンマガジン」を職場で堂々と読んでいたこととか、「ソード・ワールドRPG」を友人たちとプレイしつつ今で言うところの厨二的な妄想に耽っていたこととか、「スレイヤーズ!」を読みつつ今で言うところのラノベ作家を夢見たりとか、今で言うところのいわゆる黒歴史を色々と思い出してしまって辛くなったんですけど、こういう時こそ
『不幸な過去は取り消せません。しかし、そこから生まれた未来が良いものであるなら、過去はただ不幸なものではなくなるはずです
』
という「絶チル」のハンゾーの言葉を思い起こし、自分の過去を肯定して未来を創る力にする努力をしなければならない、と決意を新たにした今日この頃です。
こんにちは(挨拶)。
そういう事例はともかくとして、今回のエピソードでは「絶対可憐チルドレン」全編に渡る大きなテーマの一つである『無駄な過去なんかない
』が、ここに来て改めてフィーチャーされている印象を受けます。
未来の世界で一度「仲間たちが沢山死んでしまい、自身も愛する男性に撃ち殺された」経験を踏まえて過去に戻ってきたフェザー=未来の薫は、「過去に囚われたまま先に進めなくなっているユーリと兵部を救う」ためにこの時代にやって来たことが、今回の話で明確になりました。辛い過去があるからこそ今の自分があり、過去を踏まえて未来を作ることこそが大切である──というテーマは、かつて小学生編の最期のエピソードで子供になった皆本が身を持って経験したことではあるのですが、それを同じテーマを中学生編のクライマックスであろう今回のエピソードに持って来てますね。
ただ、ユーリと兵部はご存知の通りかなり半端なくハードな過去を経験してきているので、両者に「無駄な過去なんかない」ことを納得させるのは、フェザーを持ってしても相当困難なんじゃないんでしょうか。
兵部には彼のことを心から愛している(性的な意味ではなく)真木を初めとしたパンドラの愉快な仲間たちがいるので、自分の過去の行いは憎しみを生んだだけではないことを判ってもらえそうな雰囲気なんですけど、ユーリの方はまだもうひと押し足りない気がします。薫たちが「悠理」の記憶を取り戻す、何らかのきっかけが欲しいところです。
あと今回感心したのは、「黒い幽霊の娘」として人工的に産み出されて家族の愛情というものを全く受けてこなかったユーリと、過去にあまりにも色々なことがあったおかげで「憎しみを肉染みに変えるんだ!
」的な感情だけで動いている(と自身で思い込んでいる)兵部の二人は、「過去に囚われている存在である」という意味で一緒であると、読んでいて気づかせてくれたことです。
おかげで、このエピソードでユーリの話と兵部の話を並行に進めるのは何故なんだろうかという疑問が解けましたよ。
『限定版だけの「希望ページのサイン入り生原稿10名プレゼント」も行います!
』
なんやて!(ガタッ)