絶対可憐チルドレン
幻影の肖像 #2 あらすじ:
青年「赤いバラの花さえあれば、あの娘を口説いてイチャイチャできるのに! だけど僕にはバラがないんだ!」
ナイチンゲール「その設定萌え! 自己を犠牲にしないと赤いバラが咲かないという泣かす状況も萌え! スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを駆け巡ったよ! アタシは彼の愛のために死ぬぜ!」→死んだ
娘「バラ? イラネ」(ポイ)
三行で説明すると大体こうなる「ナイチンゲールとバラ」の原作をより萌える設定に設定にしようと、パティさんが猛烈な勢いで燃え腐り始めた。
一方、ナイチンゲール役として劇の練習に励むようになった悠理は、何かだんだんユーリと人格の区別が付かなくなって来てナイ困惑。
続く。
概ねそんな感じの今回の「絶チル」でしたが(そんな?)、個人的にはやはり悠理モードの表情のままでナイに話しかけてるユーリがやたらとカワイイところに心惹かれます。「悠理」はユーリの元々の人格そのものであるという設定が前回のエピソードで明らかにされましたけど、これはそれを裏付ける描写ですね。
このシーンのユーリは、彼女がもし「黒い幽霊の娘」としてではなく、普通に学校へ通う普通の子どもとして育てられていれば、学校で友達を作って「友達と一緒に学校の演劇をやる」という何気ないことに対しても幸せを感じることができる、普通に幸せな人生を歩むことができることを示唆しているという点においてとても素敵なんですけど、しかし冒頭のサプリメントで真木が毛深くなっていることからも判るように今回はパンドラが彼女を「敵」として標的にしており、また「黒い幽霊」もユーリを見限って「処分」する意向を表明している以上、彼女がこのまま平穏に暮らせるはずがありません。
彼女の幸せな時間が終わりに近づいていることは我々読者にも判っているので、尚更このシーンがグッと来るんですよ。儚すぎて既に泣けます。「月光条例」のチルチルは、「マッチ売りの少女」を助ける前にユーリを助けるべき。
そして今回、もうひとつ気になったのが皆本。チルドレン達を家に送ったカガリを嫉妬のあまり憤怒の表情で威圧した直後、紫穂から「今ちょっとだけヤキモチ入ってた?
」と軽く突っ込まれた時に「え? どこに? んなわけないだろ?
」と本気できょとんとした表情をしたシーンにおける皆本のアレっぷりに引っ掛かりを覚えました。
いやまあ皆本のアレっぷりは今に始まった訳ではありませんが、今回のこれはこれまでの「チルドレンにからかわれて照れ隠しで怒る」パターンとは明らかに皆本の挙動が異なっているような気がします。「んなわけないだろ?
」と言ってる時の皆本は、自分がほんの数瞬前にカガリを冷たい目で見下ろしていたことを、明らかに自覚できていません。
今の彼は、「自分はチルドレン達の保護者であり、それ以上では決して無い」というタテマエをあくまで守ろうとする意識が強すぎるあまり、実はそうではないホンネの部分を隠すために人格が分離して来てしまっているんじゃないのか? と心配になって来てしまいました。「薫ちゃんが大好き
」という本心を明らかにしたことで人格が融合を始めたユーリとは対照的に、今度は皆本がおかしくなって来ているのかも。
もしかしたら、兵部は皆本に嫉妬させておかしくなる(頭が)ことを見越してカガリを送らせたのかも知れませんね。だとしたらきたないさすが兵部きたない。