サンデー 一覧

しかる桜庭「ビビるのはもうやめなさーい!」 サンデー46号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 「ビビってンのかてめえ
 「相手はレッズだぞ、想像力足りてねえんじゃねーか?

  自分のミスから先制点を奪われて意気消沈する龍を叱る桜庭が印象的だった、今回の「BE BLUES!」。

 矢沢から「古巣へのうっぷん晴らしてぇだけだろうが!」とツッコミを入れられた直後に「まだ、そんな目で見てんのかよ!」と言い返して龍に熱い眼差しを送っている桜庭の姿からは、この叱責がこれまでの彼のような単なる鬱憤晴らしではなく、以前の彼とは違う意識から発せられたものであることを伺わせます。桜庭は本当に変わりつつあるのです。


 もっとも、鬱憤晴らしな側面がないのかといえば、そんなこともないのではとも思います。

 今回の失点はカウンターを焦った龍のわずかなミスを見逃さなかったレッズの荻本がボールを奪取したことが原因ですが、桜庭もサンデー43号で荻本の迫力あるディフェンスの圧力に耐えかねた結果シュートとも龍へのパスとも呼べない中途半端なプレイするミスを犯してチャンスを逃してしまい、更に荻本から「ビビッてたもんね、タクミらしくもなく」と煽られる始末。
 桜庭の龍に対する「ビビってンのか」という叱咤は、同じく荻本からボールを奪われ、荻本に対して恐怖を感じてしまった自分自身への叱咤というか、鬱憤を爆発させたとも言えます。

 現在の桜庭は龍を高く評価しているのですが、その龍が荻本に競り負けてしまったことに対する失望、そしてお前は荻本に負けるなという励ましの意味もあるに違いありません。

 桜庭は基本的に「しかるねこ」と一緒で叱ることでしか愛情を表現できないキャラクターなので、「ビビってンのかてめえ」という叱咤の言葉には、龍に対する現段階の精一杯の激励が込められている。私はそう解釈しました。


 そして桜庭の叱咤で思い出されるのが、今を去ること(現実の時間で)1年前の高校選抜合宿編です。

 龍はあの時高校選抜合宿に招聘されたものの、周囲とプレイが噛み合わずにチームで孤立しかけていたのですが、そこで窮地から抜け出すために龍が行ったのは、かつてチーム内で孤立しても誇り高く己のプレイを貫き通した桜庭の姿を妄想し、(妄想の中の)桜庭から「ボケが!」と叱ってもらうことでした。
 その叱咤の声(妄想です)によって龍は迷いを振りきって独断で動く覚悟を完了させ、次のワンプレイで大活躍することに成功してチームメイトからの信頼を回復。見事窮地を脱したのです。

 あの時の龍は妄想の中の桜庭によって励まされたことで立ち直ったのですが、今度は妄想ではなくリアルな桜庭から叱責を受けたんですよ。これで効果がないはずがありません。龍の迷いも、これできっと振り切れるに違いありません。龍にとって桜庭とはそういう存在なのです。

 今思い返してみると、龍の妄想の中にいる桜庭ってちょっとカワイイですよね。ンベッって舌出してるところとか特に(どうでもいい)。

 という点を踏まえると、対レッズユース戦後半の最大の見どころは、荻本のハードなディフェンスを如何に二人が掻い潜って龍が桜庭にボールを通し、桜庭が得点を決めるのかという点になることは確実でしょう。
 荻本という二人にとって共通の敵を倒して龍から桜庭にボールが通った時、それは2人の間に揺るぎのない信頼感と確かな愛が生まれる時なのです。多分。

 どうでもいいことですが、「ビビってンのかてめえ」の「ン」がカタカナなのが小池一夫チックでいいと思います(おわり)。

BE BLUES!~青になれ~(32) (少年サンデーコミックス)
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高校合宿編クライマックスが収録されている32巻。龍のちんこのデカさを見よ(まちがい)


その後の「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」(サンデー26〜29号)感想まとめ

クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁

 お久しぶりです(´・ω・`)

 以前このサイトで、サンデーで連載が始まった「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」と、原作であるデジタルカードゲーム「クロノマギア」の違いについての記事を書きましたが、当時は

・実際のゲームではルール的に起こり得ないことが、マンガの中では起こっている(例:1ターンに18マナ使う)
・「攻撃を受けるとその分マナが溜まる」「クリーチャーのスタッツを上昇させる『レベルアップ』」「マギアスキル」といった、このゲームの特徴的なルールの明確な描写が出てきていない
・土星フジコ先生のかわいい絵柄と、「クロノマギア」のダークでホラーなクリーチャーが今ひとつマッチしていない感があるのでかわいい美少女クリーチャーを出して

 といった、カードゲームを題材にしたマンガとしての問題点がありました。
 しかし第5話以降、このマンガは徐々に「カードゲームを題材にしたマンガ」としての体裁を整え、上記の問題点を克服しつつあるのではないか? というのが、本稿の論旨です。

 という点を踏まえつつ、第5話〜第8話の感想を列挙してみます。



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「バレット×葵」妄想に公式から久しぶりに燃料が投入されそうな予感がする記念 サンデー32号までの絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「絶対可憐チルドレン」も随分長く続いたコンテンツなので、その歴史の中で様々なカップリング妄想が生まれて来た訳なのですが(いきなり)、その中でも「バレット×葵」の組み合わせは、おそらく比較的マイナーカップリングの部類に入るであろうと思われます。

 この組み合わせが公式で明確に推されたのは、自分の記憶が確かなら(現実世界で)今を去ること7年前の2011年に発売されたコミックス27巻に掲載の「スタンド・バイ・ミー」編が最初で最後であり、あとは伊号による未来予知の中で戦闘機に乗ったバレットが葵に核ミサイルが発射されようとしていたことを告げていたバージョンがあったとは思いますが、基本的にはあまり公式からカップリング妄想をするための燃料が投下されてこなかったカップリングであると言えます。

 そして時は流れて2018年。ギリアムの洗脳ネットワークに取り込まれたバレットを救出するため、ザ・チルドレンチームはPUBGっぽいFPSゲームの世界を舞台にバレットと紫穂が勝負をして「バレットにゲームを通じて敗北感を感じさせ、そのスキを突いてバレットを支配しているネットワークから切り離して奪い返す」計画を立案。
 そのアイディアにバレットを乗せるために選ばれた手段が、葵に「このゲームに負けたら、ウチはバレットのものになるから…」と色仕掛けをしかけるというもので、案の定バレットはこのちょろい取引に目の色を変えて乗ってきました。

 この勝負で紫穂が勝てば何の問題も起きなかったのですが、先週のサンデー31号において、紫穂がバレットにヘッドショットされ、まさかの敗退を喫するという展開となりました。紫穂が負けたということは、即ち葵はバレットのものになってしまったことを意味します。
 まあ、紫穂が不意を突かれたとはいえ素直に負けるとは思えないので、まだ実際試合がどうなるのかは判りませんが、ここで紫穂がバレットに本当に負けてしまってバレットが葵を文字通り手に入れるチャンスを得てバレット×葵のカップリングに新たな燃料を投下してもらった方が個人的には面白くなるので、ここは一つ紫穂には素直に負けて頂きたいと思う所存です(ひどい)。

 もし本当に葵がバレットのものになってしまった場合、いくらバレットがギリアムの洗脳によって悪の心に目覚めてしまっているとはいえ、彼が葵に対して「やめて! 私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」みたいなことを本当にしてしまうのかという問題があるのですが、まあそれは絶対にないでしょう。
 バレットは今でも勝負の前の段階で葵に対して「この戦いが終わったら俺──」と真摯な愛の告白の予告(というかむしろ死亡フラグ)をわざわざするくらいピュアな性格のままですし、彼は洗脳されていてもその辺の性格に変化はないようです。これならお父さんも安心です(誰)。

 コミックス27巻「スタンド・バイ・ミー」において、バレットと葵はギリアムの洗脳の影響を再び受けるようになったティムから攻撃されました。
 その際、葵はバレットに対して気丈に振る舞って適切な指示を送り、結果的に二人が協力してティムを抑え込むことに成功します。

 でもその時、バレットは葵が薫や紫穂に対しては自分には決して見せない「弱さ」を素直にさらけ出しているところを見て、自分の力がまだまだ至らないことを悟ります。彼女を守れるよう、そしてチルドレンと同じくらい葵から信頼されるよう、もっと強くならなければ──という決意を持つこととなるのです。
 葵の持つ強さに素直に感服し、彼女に「心の強さも超度7です」と臭いセリフを爽やかに言い切ったあの時のバレットは、間違いなく男の顔をしていました。

 バレット×葵のカップリングはもともとそういう出来事を由来としているので、バレットとしても今回のような「葵と直接ではない形で勝負に勝った結果として葵が手に入る」ような形は望んでいないはずです。バレットにとって葵とは、単に憧れの女の子という訳ではなく、彼女を守り彼女から信頼される存在になりたいと願う、彼の人生の目標そのものであると言っても過言ではありません。多分。
 それと葵にエロいことをしたいという欲望は別問題である可能性もありますが、そこら辺は彼も立派なオタク紳士なので、分別は付いているものと信じています。

 また、これまでの洗脳されたバベルの仲間達との対戦では、単に仲間をギリアムの洗脳から取り戻すだけではなく、彼らの今後の生き方を暗示するかのような描写もなされているので(ナオミと谷崎は今後も楽しいSM関係を続けていくんだろうなとか、初音と明は「身近な人の幸せを考えろ」という祖先の教えに従って素直にくっつくんだろうなとか、ティムが新たに「物語の創造」の能力に目覚めて将来有望そうとか)、バレットについても多分そういう道が提示されるのではないかと思われます。彼の往く道として、果たしてどんなものが提示されるのか。彼の往く道の先に、果たして葵は存在しているのか。
 バレット×葵のカップリングが「絶チル」の中でクローズアップされるのはおそらくこれが最期になるであろうと思われるので、コミックス27巻以降このカップリングに密かに注目していた私としても、次回以降で描かれるであろうバレットと葵の行く末には期待せざるを得ません。

 もちろん、現在の展開だと原作からバレット×葵要素が何も提示されない可能性も十分以上にあるので、そこら辺の覚悟も決めつつ次回の「絶チル」を待ちたいと思いました。カップリング妄想は楽しいなあ(結論)。

絶対可憐チルドレン(27) (少年サンデーコミックス)
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27巻といえばアダムもカワイイんですよねー


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