黄金時代の少年サンデーは遥か遠く・サンデー27号感想

EとT。

 かつて黄金時代の少年サンデーが得意としていた、ライトなノリの学園ラブコメが帰ってきたよ! みたいな感じを狙ったに違いない(決めつけ)「EとT。」。
 個人的には、本作のヒロインの琴弾桜が、専門用語で言うところの空から降ってきた人間じゃない女の子っぽいところが、このジャンルの特性をよく判っていらっしゃるなと思いました。主人公の大五郎の妄想の産物の可能性もありますが、まあでも空から降ってきた人間じゃない女の子さいこうなのは変わりありません。基本ですよね(真顔で)。

 連載マンガの第一回としては登場キャラが多く、全体的にごちゃついたところが多々あるのは気になりましたが、何にしろ少し不思議な学園ラブコメ系のマンガは「神のみぞ知るセカイ」の連載終了以後その存在が空白になっていることもありますし、こういうジャンルが大好きな私としては今後に期待したいところです。
 あと金髪+リボン+眼鏡という完璧な装備であるにも関わらずポンコツなオーラを醸し出している所茶々は、連載第一話にして早くもサンデー報われない女子選手権の優勝候補に踊り出る貫禄があると思いました。

湯神くんには友達がいない

 冷静に考えてみると、このマンガって今のサンデーで連載されている中で唯一の高校野球マンガなんですよね。野球部のエースである湯神くんは野球よりもむしろ落語を熱心に研究してますし、ヒロイン格にあたるちひろはラブでコメるどころか未だにボッチ恐怖症に苛まれているところがアレですが、まあジャンルとしては一応高校野球マンガだと思います。
 高校野球マンガもかつて黄金時代の少年サンデーが得意としていたジャンルなはずでしたが、これも時代という奴なんでしょうか。いやまあ「湯神くんには友達がいない」はものすごい面白いので一向に構わないんですが。彼はボッチ遍在時代における理想の男性像だと思いますよ?

銀色のパラディン

 25号の話になりますが、少年マンガの題材にしてはマイナーであるフェンシングをあえて主人公にやらせる動機付けとして、「困っている大切な人を護るために強くなる」というモチベーションを、フェンシングというスポーツから連想される騎士道に結びつけたところは上手いと思いました。やっぱりフェンシングは騎士道ですなあ。
 ですので、「銀色のパラディン」は、極めて純粋な王道少年マンガとしてこれからも楽しく読めそうです。ジャンルとしてはマイナーですけど(余計)。

BE BLUES!

 何だか桜庭が可愛くて仕方ないんですが、どうしましょう。
 どうしようもないですよね(自問)。

 27号では、優人のサイドバックとしての才能の有用性を窪塚さんから説明された藍子がちょっとだけ感心しててフラグを立てる余地を見せたり、矢沢が優希のナチュラルおっぱいアピールに赤面したりと、人間関係に微妙な変化が起こりそうな予兆があるところが面白かったです。
 まあ、でも最終的な結論は桜庭かわいいなんですけどね。

氷球姫

 27号は過去編というか、常盤木が体育会系女子専門ストーカーとなったトラウマの原因に迫る物語でした。今回出てきた桜花咲耶は紅羽たんがああなっちゃった過去のトラウマの一端であることは間違いなく、いよいよ物語は佳境に差し掛かってきたと言えるでしょう。
 これはつまり、このマンガも過去編が出来るくらいストーリー展開に余裕ができた=連載はもうしばらく続きそう、と好意的に解釈してます。

 このマンガ個人的には今のサンデーの中でもかなり好きな部類に入っているので、ぜひもうちょっとだけ(専門用語)続いて欲しいです。いつか、常盤木の歪んだ愛が紅羽たんの冷酷な仮面を引き剥がして彼女の心が自由の世界に解き放たれるところを見てみたいんですよね。
 まあ、単に自分が紅羽のような女王様タイプのキャラが大好きだというのもあるんですが。「GS美神」の美神令子が好きだった後遺症なんでしょうか(病気?)。

氷球姫×常磐木監督の過剰な愛情(1) (少年サンデーコミックス)

今思えば、コミックス1巻の頃はみんな幸せでしたね…(遠い目)

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