サンデー 一覧

ラブコメで主人公を射止めるヒロインは、そのマンガで一番いやらしい子である。「初恋ゾンビ」感想

 お久しぶりです(´・ω・`)

 ここしばらくサイト更新を怠っていたことから察して頂けると思いますが、色々あってリアルタイムで感想を書くのが相当辛い感じなので、しばらくはここの更新を休んでいる間にサンデーでの連載が終わってしまった作品について、思い出せることを時間ができたときに書いていきたいと思います。
 今回は「初恋ゾンビ」について。


初恋ゾンビ
初恋ゾンビという作品の到達点

 サンデー2019年17号で大団円。すでにコミックス最終巻となる17巻が発売されています。
 最終巻ではタロウと指宿くんの将来をはじめとしたレギュラーキャラのその後の姿が(ちょっとだけ)描かれており、特にタロウの姉の一姫がいつの間にかものすごい玉の輿を成功させている様子を拝むことができるので、タロウの姉が好きな人は要チェックです。

 最終巻の見どころは、逃げる指宿くんを如何にタロウが口説くのかという点だったのですが、「タロウの完璧な理想であるイヴの魅力には自分は勝てない」と思い込んでいる指宿くんに対して、パーティーの夜に偶然遭遇したドレス姿の指宿くんを「イヴに出会ってからあの瞬間が1番きれいだと思った」と語り、そこから指宿くんの存在がタロウの想像する理想を遥かに超える魅力を持っていることを力説、そして指宿くんをもっと知るために「もう一度君と恋がしたい」と持っていく流れが素晴らしかったですね。

 この二人はお互い初恋だったのですが、結局初恋らしいことはお互い全くしていないのだから、「初恋をやり直そう」という告白は極めて正しい選択であり、そしてこの「初恋ゾンビ」という作品で描かれた物語そのものがこの二人の初恋をやり直すために必要なプロセスだったんだと納得することができました。そういった意味でも、とてもキレイに終われた幸せな作品だったのではないかと思います。

 そして「初恋ゾンビ」連載終了後、「コミスペ!」というコミックレビューメディアに掲載された峰浪先生へのインタビュー記事を読みました。
 「初恋ゾンビ」に対する理解が深まるとても有意義な記事でたいへんに面白かったのですが、個人的に特に興味深かったのが、峰浪先生が「(指宿くんが)1番いやらしい子だったかもしれませんね」と仰っているところです。

 この記事によれば、指宿くんは元々は作者の男装フェチズムが生み出したボーイッシュなキャラだったそうなのですが、初恋の相手であるタロウと再開して初恋をやり直すことになったことでどんどん「女の子」な側面が見えてきて乙女チックな方向にキャラが加速、最終的には性の匂いが漂うシーンになると激しく動揺しながらも内心ではエッチなソレに期待してしまうという、非常にいやらしい子に成長してしまいました。
 このインタビューにも出てきますが、コミックス16巻のお泊り回でタロウからのキスを待つ指宿くんのエロさには特筆するべきものがあります。

 でも、そんなエロ妄想に悶えて悶々としている指宿くんの姿から、タロウは彼女の内なる魅力を見出して惹かれていった訳であり、指宿くんがいやらしい子であったからこそ二人の初恋はキレイな形で成就することができたのだ! とも言えるのではないのでしょうか。

 美少女わんさかラブコメマンガで主人公の男子を射止めるヒロインは、そのマンガで一番いやらしい子でなければならない。納得の結論です。

初恋ゾンビ(17) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2019-06-18)
売り上げランキング: 15,635

改めて第一話を読み直したくなった サンデー11号「初恋ゾンビ」感想

えっちだ(素直な感想)
初恋ゾンビ

 サンデー2019年11号で、イヴは最初から「失恋ゾンビ」だったことが明らかになりました。

 彼女はタロウの幼少期の初恋が成就しなかったことで生み出され、臨死のタロウが再び恋を望んだ瞬間に現在の「初恋をしたいと望むタロウの理想の女の子」として生まれ変わった存在だったのです。
 イヴが「心」を持っているのも、タロウがイヴに対して心があることを望み、タロウの理想であろうとするイヴが自ら「心」を生み出したということで説明できます。

 イヴの存在そのものは「初恋ゾンビ」という作品の抱える最大の謎だったのですが、イヴが自らその正体を明かし、そしてタロウもかつての幼少期の記憶を取り戻したことで、物語は一気に進展する形になりました。
 それより何より、「指宿くんの姿形をしたイヴが全裸でタロウに蠱惑的に迫りながら、自らの真実について語る」という絵面のインパクトが素晴らしかったです。やっぱりこのマンガすげえなあと改めて思った次第です。
 このマンガの到達点であろう回を読んで「すげえ」としか言えない己の語彙力のなさを悔やむ次第です。

 11号の話は第一話を反芻する内容でもあった訳なのですが、今回の話を踏まえた上で、改めて「初恋ゾンビ」の第一話を読んでみたんですよ。
 「初恋ゾンビ」の第一話って、『頭を打って倒れて目が覚めたら、自分のことが最初から大好きな人間じゃない女の子が宙に浮かんでいた! ラヴ!』っていう感じの、如何にも少年サンデーに載ってそうな、典型的な明るく楽しいお色気ラブコメマンガだったじゃないですか。
 最初の頃の江火野さんは恋愛に全く興味がないと公言する割とステレオタイプな体育会系女子で、指宿くんはタロウを一方的に目の敵にするけどツンデレっぽい男装女子だったじゃないですか。

 でも、その明るく楽しくエッチだった頃から色々あって、タロウや指宿や江火野が恋をすることの喜びや痛みや苦しみを経験し、そして物語の中心であった「自分のことが最初から大好きな人間じゃない女の子」であるイヴの正体が明かされた今になって改めて第一話を読んでみると、このマンガが明るく楽しいお色気ラブコメマンガのように見えるのは錯覚だったことがよく判ります。
 第一話の段階で、タロウを初めとした登場人物達にはそれぞれ乗り越えなければならない問題を抱えていたことが、今になってみると気付くんですよね。

 つまり連載初期の段階から、既に今現在の展開を見据えていたと思われます。
 やっぱりこのマンガはすげえッスね(語彙)。

 そして今後の展開についてですが、やはり最終的にはタロウが指宿くんに、そして指宿くんもタロウにきちんと自分の初恋を相手に伝えるべきではないかという形になるのではないかと思われます。
 いよいよ物語も大詰めに差し掛かって来た感がすごいこのマンガ、これからどのようにしてタロウと指宿の関係を詰めて行くのか、楽しみに待ちたいと思いました。

 あとサンデー12号もさっき読みました。
 江火野さん、連載初期と比べるとホント強くて優しいいい子になりましたよね…(*´ρ`*)

初恋ゾンビ(1) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2016-04-15)
売り上げランキング: 15,224

今読み返すと「みんなこの頃は若かったなあ」とノスタルジーにひたれるのでオススメ


あけましておめでとうございます(季節柄の挨拶) サンデー2019年新連載攻勢感想

 お久しぶりです(´・ω・`)

 えらい久しぶりになってしまいましたが、ここ最近始まったサンデー新連載作品についての簡単な感想を書き残しておきたいと思います。
 今年も公私共に色々ありそうな関係上、あまりここやTwitterにマンガの感想を書ける余裕がなさそうなのですが、一応書ける範囲で頑張ってみるつもりではあるので、今後ともよろしくお願いします。

アノナツ -1959-

 新連載。主人公の野球少年が今から60年前の1959年にタイムスリップし、そこでおそらくは野球部の優勝を目指して奮闘するという趣向のマンガかと思われます。

 今から60年前では「野球」の戦術や戦略面といったプレイに関する事はもちろん、「野球」を巡る社会的・精神的なあり方に至るまで今とは全く違っているのではないかと思われますが、如何にも「現代の野球」を体現していそうな主人公が、野球を巡る昔と今のカルチャーギャップに戸惑ったりする展開が期待できるのでは? と思っているところです。

 カルチャーギャップと言えば、60年前にタイムスリップした(と思しき)先で主人公とぶつかった女の子の着ているセーラー服のスカート丈が、60年前の制服にしてはちょっと短いのでは? と思ったんですが、ミニスカートは1959年には既にロンドン辺りでキてたっぽいので、先進的な学校の制服という解釈ならアリなのかもしれないと思いました。この辺のも解明されると良いですね(謎の範疇に入るのかは謎)。

 あと「今から60年前」というと随分昔のことのように思えますが、2019年の60年前は1959年で、既に第二次世界大戦の終戦から14年も経っている時代なんですよね。
 「絶対可憐チルドレン」の兵部や不二子を見てると「60年前って第二次世界大戦の末期くらい?」とか思ってしまうのですが、そもそも「絶チル」というマンガが始まったのが2005年なので既に14年前の出来事であり、ちょうどその分だけ自分の時代感覚がズレていることに気が付きました。あれからもう14年も経ったんですよ皆さん。そりゃみんなも歳取る訳ですよねー(思い出話おわり)

FIRE RABBIT!!

國崎出雲の事情」「天使とアクト!!」のひらかわあや先生による新連載。「歌舞伎役者」「声優」と特定の職業を題材にしたマンガが描いてきた先生ですが、今回は「消防士」がテーマです。

 第一話を読んだ限りでは「『消防士のマンガ』と『プロゲーマー志望の子のマンガ』の2つのマンガが並行で載っている不思議なマンガ」という印象を受けたのですが、サンデー2019年6号の第二話ではその並行して動いていた2つの物語が重なったというか、『FIRE RABBIT!!』が何をやりたいマンガなのかということが明らかになりました。そういう意味では、この第二話までが本当の意味での第一話だったと認識しております。

 それにしても、まさか凄腕の消防士が色々あって「GS美神」のおキヌちゃんみたいな存在になってしまうとは…と思いましたが、サンデーのラブコメマンガと言えば宙に浮かんでいる人間じゃない美少女が欠かせないというのは「うる星やつら」のラムから「初恋ゾンビ」のイヴに至るまでのお約束なので、これはこれでサンデーらしいマンガであると言えるのかも知れません。
 「FIRE RABBIT!!」はラブコメマンガなのか? という点は保留。

妹りれき

 このマンガは個人的に、「兄とコミュニケーションを取ろうとしないために何を考えているのか判らない妹の思考を、兄が妹のスマホの検索履歴から妄想して楽しむ」という趣向の、割と変態度が高いコメディと理解しております。
 基本的にはこういう倒錯した趣向のマンガを理解できる人向けという極めて狭い領域を狙った作品と言えますが、本来サンデーという雑誌はそういう作品を好んで読むタイプの読者のためのものだったはずなので、そういった意味において「妹りれき」はサンデーとして極めて正しい作品である言っても良いのではないのでしょうか。

 唯一の懸念点は、作品のテーマ的にいずれ「本当に大切なことは口に出さないと伝わらないんだ!」とか道徳的に正しいことを言い出してしまう可能性があることですが、そういう本当のことは最終回まで取っておいてほしいなと思いました。

映画・刀剣乱舞

 みんな大好き「刀剣乱舞」の劇場映画版のコミカライズを、「シノビノ」で好評を得た大柿ロクロウ先生が担当という趣向の作品。
 大柿先生、「ゼロの日常」の新井隆広先生と並んで、すっかりイケメン男子マンガ御用達という感じになって来た感があります(印象論)。

 ワシが若かった頃は、歴史を改変しようとする犯罪者を阻止する人というと「T・Pぼん」のリーム姐さんか「タイムギャル」のレイカかといった感じでしたが、今ではそのお仕事は刀剣男子のものなのかと思うと時代を感じます。

 そういえば「シノビノ」の最終回について書くタイミングがなかったのですが、藤堂平助や坂本龍馬が殺害された史実をきちんと踏まえた上で、このマンガらしいアレンジを加えた形でキレイに着地しているなと思いました。あと、何より坂本龍馬を最期まで「カリスマ的悪役」として描ききった点でも素晴らしいと思います。同じく歴史上の偉人であるペリー提督や吉田松陰を相当アレな感じ(褒め言葉)にアレンジした功績も含め、「シノビノ」という作品は幕末ジャンルの極めてユニークな少年マンガとして記憶に残る作品になったと言えるのではないでしょうか。
 「シノビノ」は、正直なところ個人的にはまだまだ終わってほしくないマンガだったのですが、大柿ロクロウ先生なら今後もイケてる男子(オッサンや老人も含む)が大活躍する奇想天外な作品を今後も描いて下さると思いますので、今回の「刀剣乱舞」も含めてこれからも楽しみに読ませて頂きます。

クロノマギア ∞の歯車

 「電波教師」の東毅先生による新連載。色々あって連載終了となってしまった「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」のリブート作品という位置付けと認識してます。
 ただ、リブートといっても共通点は作品の舞台が「クロノマギアの強い奴が全てを支配できる学園」であること、および主人公に「クロノマギア」の能力者・神道花梨が取り憑いている(+彼女は過去の記憶を失っている)という点だけで、他の点は全く異なる印象を受けます。
 「∞の歯車」は東毅先生の作品なだけあって、主人公は自らの目的のためなら権謀術数を厭わない頭脳派な男子ですし、出て来る女子はみんな性格が歪んでいておっかないところが素晴らしいと思います。マジで。
 おそらく次回から物語が本格的に動き出しそうなので、期待して待ちたい所存です。

 それにしても「時の召喚者と白刃の花嫁」は、土星フジコ先生の描くマンガが個人的に好きだっただけに、ああいう形で終わってしまったのは本当に残念です。土星フジコ先生は連載中は相当苦労していた様子で、連載中に実際のゲームとの齟齬をネタにしてはしゃいでいた当時の自分が、今となっては恥ずかしいです。この件については心から反省しております。
 土星フジコ先生は現在休息中とのことですが、なんとか再起して欲しいと願ってます。

電波教師 9 公式同人誌・電波先生付限定版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)

「電波教師」は、コミケ話が公表を得た結果公式同人誌を出しちゃったのが今でもスゴイと思ってます


スポンサーリンク
1 2 3 4 190