サンデー 一覧

桜庭さんがデレた記念 サンデー31〜32号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 前回のサンデー31号は、見事に均衡を破るPKを決めた桜庭さんが「周囲から賛美され、歓声を受ける」という彼のサッカー人生においてめったにない事態に直面、あまりの周囲からの歓迎っぷりにどうしていいのか判らず「困るぜ!オレ様がこの程度と思ってもらっちゃ!」とか言いながら赤面して照れるシーンがとても印象的でした。

 彼のこの反応は、典型的なツンデレキャラがデレた時の態度そのものです。かつて「神のみぞ知るセカイ」において桂馬がツンデレキャラを『ツンキャラは 純情守る 鎧だね』と評していましたが、31号における桜庭の態度はまさにそれ。
 周囲から暖かい尊敬の眼差しを受けたことで、彼本来の繊細でピュアで純情な内面を、ほんの少しだけですが垣間見ることができました。ありがとうございます

 そしてその次のサンデー32号においても、桜庭さんはその超絶テクニックを遺憾なく披露して対戦相手の大浦南のプレイヤー達を絶望に叩きこみつつシュートまで持って行けたものの、そのシュートはゴールキーパーに弾かれた上、その弾かれたボールをよりによって龍がゴールに入れるという展開に。
 龍がゴールを決めた直後に試合終了のホイッスルが吹かれたので試合には勝ちましたし、結果的に桜庭さんは試合投入後の僅かな時間で全てのゴールに絡む大活躍を見せたんですが、でもおそらく桜庭さんのことなので、そういった試合の勝ち負けよりも「自分のシュートを防いだ大浦南のキーパー」と「自分のシュートのこぼれ球を拾ってゴールを決めた龍」に対する怒りゲージが急上昇しているのではないかと、勝手に推測しています。

 もしここで桜庭さんが、自分の二度目のシュートを防いだキーパーの執念に敬意を表したり、何だかんだで試合を決定付ける追加点を上げた龍を褒めるようなことができたりしたら、名実ともにミルコが言う「わがままな子供から、尊敬を受ける存在へと目覚めた」ことになるんでしょうけど、まあそんなことは絶対にないですよね(決めつけ)。ここで両者に対して「次やったら容赦しねえぞ!」と悪態を付いてこそ、みんなが大好きな桜庭さんなはずです。
 賞賛に戸惑う繊細でピュアで純情な内面と、自分を過信するあまり周囲に対して過剰に攻撃的になる尊大な外面が両立していることが、桜庭さんの桜庭さんたる所以なのです。

 何にしろ、桜庭はミルコの期待に答えて見事に結果を出した訳で、次回以降の試合にも何らかの形で起用される可能性はかなり高くなったのではないのでしょうか(次の試合にはジョージと友坂が出場できないという事情もありますし)。
 高校生編におけるツンデレヒロインに昇格した桜庭さんの今後の活躍に期待です。

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人間じゃない美少年登場記念 サンデー31号「魔王城でおやすみ」感想

魔王城でおやすみ

 スヤリス姫様の相方になれそうな美少年キャラ・アラージフが登場して喜んでます。魔導書の精霊という「絶チル」の宇津美みたいな立ち位置のキャラなのにも関わらず、あえてアラビアン風なヘソ出し半裸な格好をしているのが素晴らしいですね。あと顔がちょうカワイイ(ハキハキと)。

 彼は元々は人類の作った魔導書の化身という設定なので、この世界における人類を統べる王族であるところの姫様には無条件で従うようになっているっぽい性格も良いです。
 本来、彼には主の意のままに魔法を操って魔族を滅ぼせる力が備わっているはずなのですが、彼の現在の主となったスヤリス姫は魔族と戦って脱出するという発想そのものがなくて単に魔王城で安眠することしか考えていないため、結果的にその力を振るうこともなく、単に姫様のボケっぷりに振り回されるばかり。平和でいいと思います。

 なお「魔王城でおやすみ」の作者の熊之股鍵次先生は、前作「ぬいぐるみクラッシュ」で見目麗しい美少年やモフモフな熊のぬいぐるみが出てくるマンガを描いてますので、おそらく秋口になるであろう「魔王城でおやすみ」のコミックス発売が今から待ちきれない方にはオススメしておきます(嘘は言ってない)。

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すみませんまだ1巻までしか読んでません


真のヒーローと桜庭は遅れてやってくる。サンデー30号「BE BLUES!」感想

龍は桜庭の何に畏れを抱いたのか
BE BLUES!

 古来より「真のヒーローは遅れてやってくる」と申しますが、「BE BLUES!」では重要な試合で必ず遅れて登場して来ることで有名な桜庭さんが、今回の大浦南との対戦においても、試合後半で友坂とジョージが退場! という大ピンチな局面でついに登場。
 桜庭を送り出したミルコは「目覚めろ…わがままな子供から…尊敬を受ける存在へと!」と彼がこのピンチを乗り越えて人間的な成長を遂げることに期待をかけている様ですが、でもあの桜庭さんがそんなことを意に介するはずもなく、持ち前の超絶テクと俺様っぷりを存分に発揮し、いきなり試合に大混乱を巻き起こす展開となっております。

 「省吾!そいつが桜庭だぞッ!!」「うわっマジか!」「やっぱ、桜庭だよ!
 「なんだなんだあいつ!」「ハンパねえ!」「メチャメチャうまいぞ!」「止めてくれっ!」「なんだあー!

 桜庭がボールを持ってワンプレーしただけで、対戦相手の大浦南の選手から悲鳴が上がるのは勿論のことなのですが、桜庭が狡猾なプレイでPKを奪ったら今度は

 「無責任なあのヤローにだけは任せられない!」「PKは、もし外しても皆が納得できる奴が蹴るもんだ!」「腹からボールを出せ…!」「いいかげんにしろよ!

 と、味方の武蒼からも悲鳴が上がる始末。その天才的なセンスとワガママな性格ゆえに、敵味方双方から迷惑がられてます。それでこそ桜庭さんです

 主人公の龍は、色々悩んで成長したのはいいけど最近ちょっといい子ちゃん的なキャラになって来ている感がありましたけど、それだけにこの桜庭の周囲に迷惑をかけ続けてでも自分のスタイルを貫き通す、よくも悪くも変わらない姿はとても魅力的に見えますね。

 そして今回の話でちょっと興味深かったのが、相手の選手の掌にわざとボールを当ててPKを取って喜んでる桜庭を見て、龍がぶるっと震えているカットがあったことです。龍には絶対にできない狡猾かつゴールへの執念を感じさせるプレイをした桜庭に対して、龍がある種の畏怖を感じたのは間違いないでしょう。
 この作品における今回の試合のテーマはおそらく「勝利への執着心」だと思いますが、『執着』に関しては龍よりも桜庭の方が(これまで散々試合に出ずにいたこともあって)遥かに強いはずです。桜庭のような執着心が今の自分に欠けていることを、龍は桜庭から感じ取ったのかも知れません。
 龍と桜庭の間でこういう表現はこれまであまりなかったと思うので、あのカットは余計に印象に残りました。

 でも、その後で「これを外すようならサッカー辞めてやらあ。そんくらいの覚悟だ、コラ!」と桜庭がヤンキーみたいなフカシをこいているのを見た龍はドン引きしているような表情を浮かべているので、内心では単に「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」と思っているのかも知れませんが。

おなかぽんぽん

 以上、自分がPKを蹴りたいばかりにボールをユニフォームの中に隠してお腹をぽっこりさせてる桜庭はカワイイという主張を述べつつ、今回の結論としたいと思います。


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24巻は8月発売らしいです


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