サンデー 一覧

公式が病気記念 サンデー28号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 真木と兵部の組み合わせは「絶チル」二次創作界隈でもメジャーなカップリングとして有名ですが(いきなり)、ついに本編でその両名が激突。ギリアムの手によって精神汚染を受けてしまった真木との決着を付けるため、兵部が単身で彼に勝負を仕掛ける展開が開始されました。

 特に、バトルが始まる前の「お前だから僕が相手をするんだ。不服かい?」「あなたのことは知り尽くしています。簡単には倒せませんよ」の掛け合いからは、これまで長い間共に戦って来た二人の関係の深さを垣間見させるのに十分な重さを持っていると思います。
 これはつまり、公式による真木×兵部展開であると解釈するしかありませんよね公式が病気! というか公式が最大手!(パティさんの声で)

 これまでの真木と兵部の関係については、自分の生命を賭けて自暴自棄な行動をした兵部に対して真木がたしなめることで、兵部に「パンドラには貴方を必要としている仲間たちがいる」ことを再認識させる働きをして来たといえます。
 例えば、コミックス15巻の小学生編で自分の全ての生命エネルギーを皆本を子供に戻すために使おうとした兵部に対して、真木が「あなたについていこうと決めた我々がバカみたいではありませんか」とスネるシーンや、コミックス38巻の中学生編でギリアムと単身で戦って窮地に陥った兵部を救うために兵部の指示を待たずに行動、「過去の怨念が僕の全てだ!」と激昂する兵部に「らしくない」と冷静にたしなめたりするシーンなどが、この二人の関係を象徴していると思っています。

 真木は他のパンドラのメンバーと同様に兵部に救われた一人であると同時に、兵部に救われたパンドラのメンバーを代表する人物でもあります。パンドラのメンバーは皆兵部のことを必要としており、それが兵部にとって「過去の怨念を晴らす」以外の存在価値を与えていることを、真木は兵部に対して伝えて来たのです。
 そしてそれは、結果的に真木が兵部の魂を救って来たとも言えるのではないのでしょうか。

 破滅の未来を白紙に戻した高校生編になってからの兵部は、中学生編以前のように「過去の怨念」のために全てを捨てることを放棄し、軽やかに生きることができるようになったと思います(その結果が「生徒会長ごっこ」なのがアレだけど)。彼がそのように生きられるようになったのは、真木の存在が大きいと思いますし、兵部も真木に対しては感謝の念を持っていることでしょう。今度は、兵部が真木の魂を救う番なのです。
 個人的に、今回のお話はそういう意味を持っているに違いないと信じています(思い込み)。

 あと、不二子が「黒い幽霊」に支配されてしまったと知った皆本は隠密行動を取りつつ逆襲の機会を狙っていますが、真木が「黒い幽霊」に支配されてしまったと知った兵部は逆に真正面から勝負を挑みにかかるというのは、両者の性格を端的に表していて面白いと思いました。良くも悪くも。

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「絶チル」はとりあえず小学生編までは読んでみましょう


コミュ症です。(挨拶) サンデー26号感想

肉球ステッキ
鬼ヲ辿リテ幾星霜

 新連載。作者の兎中信志先生は、かつて(今はなき)月刊少年ライバルで『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』を連載していた経歴を持ちます。ライバルからサンデーに移籍って何か劇的(イメージ的に)。

 ストーリーは、明治時代を舞台に大陸から渡って来た妖怪と時空を超えたバトルを展開するダークファンタジーといった趣で、少年マンガとしては割とオーソドックスな作品という印象なのですが、主人公のアキ少年の使う武器が猫の手が先にくっついた肉球ステッキであるという点だけが異彩を放っています。
 猫のぷにぷにした肉球ステッキが伸びてカウンターパンチを食らわせて敵を倒すというビジュアルはある意味圧倒的で、これがやりたいがためにあえて主人公の武器を猫の手にしたのではと訝しんでいるところです。

 おそらく今後も、肉球ステッキのような奇妙なアイテムがいくつも出てくるんじゃないかと思われるので、今後も圧倒的なビジュアルの威力で「何故猫の肉球をわざわざ武器に?」的な無粋なツッコミを粉砕して頂きたいと思います。

古見さんはコミュ症です。

 早くも幼馴染属性の長名さんが登場。名前だけ見た時は「誰に対してもギャルゲーの幼馴染キャラ的な雰囲気で接してくる女子なんだろうか」と予想していたのですが、その実態は「過去に一度でも接触した人間全てを『幼馴染』にしてしまう、脅威のコミュ力を持ったコミュニケーションモンスター。しかも女装癖ありというか、そもそも性別が不明」という、こちらの想像の遥か上を行くおかしいキャラでした。
 ただ、あまりに幼馴染の定義が緩く友達が多いためか、後半ではその幼馴染属性っぷりに一方的に惚れてしまった面倒くさい元同級生に性的に襲いかかられる始末。これは交友関係をむやみに広く持ちすぎるがゆえのリスクだと言えます。長名さんは、おそらく古見さんとは違うタイプのコミュ障なのではないか? と思えてくるほどです。

 何にしろ、このマンガは(視点キャラの只野くん以外は)基本的に本来ならカウンセリングを必要とするレベルにキャラが立ってる変な人揃いである、という認識を新たにさせられました。エクストリームでいいと思います。

 長名さんと友達になれて嬉しがってジャンプした古見さんがカワイイですね(結論)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 今回の「なの菓子」は、ついにセージが「菓子を作る側の人間」に回る覚悟を決めた回として記憶されることになるでしょう。

 これまでも、佐井の危機を菓子を作ることで救って「君は菓子を作る側の人間だ」的なことを言われたり、文化祭で廉価で美味いホットケーキを作ったり、「本当の菓子屋」であるしらかわの日常に触れて自分の店の菓子屋としての至らなさを知ったりと、彼が菓子職人へ進む道を示唆する描写はあったのですが、今回のエピソードによって、セージは「自分が一人で生きていくために菓子を自分で作らなければならない」という強い動機を手に入れ、ついに本格的に菓子職人となる決意を固めました。
 おそらく今回は、この作品における大きなターニングポイントとなったと思われます。

 そして、単なる「なのは洋菓子店の次男」に過ぎなかった彼が「なのは洋菓子店の菓子職人」と立場を変えることで、これからほの香達との人間関係も大きく変わっていくことでしょう。セージとほの香がこれから本当に恋人同士になってしまうのかどうかまではまだ不明ですが。
 ある意味、ここからが本当の洋菓子店マンガとしての「なの菓子」の始まりであると言えるのかも知れません。

 それにしても、最初のうちはパティスリーであるタイム自らが「ケーキは暴力」とか言って洋菓子好きを徹底的にディスる、「洋菓子店が舞台」という設定から想像されるハートフルストーリーのイメージを逆手に取って破壊しにかかるような内容だったこのマンガが、今では何かすっかりまっとうな洋菓子マンガになってしまいましたね。
 今となっては序盤のノリがちょっと懐かしいです。

初恋ゾンビ

 前回の感想の結論は「江火野さんには幸せになってもらいたい」でしたが、今回の感想もやっぱり「江火野さんには幸せになってもらいたい」と書かざるを得ません。昔のタロウがあそこまでボンクラじゃなかったらなあ。でも江火野さんはタロウには勿体無いくらいいい子だしなあ。

 以上です。

湯神くんには友達がいない

 湯神に「よくやった門田!」と褒められた門田君が健気で可愛かったです(間違った感想)。
 もちろんこのマンガは「湯神くん」なので、湯神の「よくやった」の本当の意味が最後で明らかになってガッカリするんですが、その辺も含めて門田君は可愛いです。

 明らかに湯神系の人間である面倒くさそうな新人の仁堂君も登場しましたし、野球部もこのマンガもまだまだ安泰だよなーと思いました。

絶対可憐チルドレン

 今は亡き皆本(注意:死んでません)の意志の元に、若き指揮官である松風とザ・チルドレン達が一つにまとまり、見事に「黒い幽霊」のエスパーの撃退に成功した! というカッコいい展開だった今回のお話なんですが、要所要所で微妙におかしい箇所があったため、全体的には微妙に面白おかしい雰囲気なバトルとなっていた感があります。
 まあ、タコの触手をイメージした半裸なボンテージファッションのフェティッシュな格好の敵を相手にガチでやられても困るので、これくらいのゆるい雰囲気の方が良いと思います。

 というか、ギリアムがトップに立ってからの新世代クローンのエスパーって、基本的に格好がみんなピチピチなボンテージが基調なような気がします。ギリアムの趣味なんでしょう(決めつけ)。

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ギリアム程度のコミュ症なら「古見さん」の学校に行っても目立たなさそうな気がする


今のサンデーで一番カワイイのは指宿くんなのではと思える、サンデー25号くらいまでの「初恋ゾンビ」感想

初恋ゾンビ

 遅ればせながら、この前コミックス1巻を買いました。

 連載の方では指宿くんが回を追う毎にモリモリ可愛くなって来ていて微笑ましいんですけど、登場したての頃の指宿くんはタロウへの復讐に燃えていて態度や口調がえらい冷酷ですし、タロウはタロウで極力目立たずに要領よく日々を過ごすことだけを望む割とダメな男だったしと、今読み返すと「こいつら、この頃と比べると随分変わったなあ」と思えることしきりです。
 イヴの存在が、どれだけこの二人に強い影響を与えたかが伺えますね。

 「初恋ゾンビ」はそういったキャラの変遷も含めてたいへんに面白いので、みんなコミックスを買うが良いと思います(アフィリエイト活動)。

 そして物語的には、タロウへの恋心を取り戻して来ている指宿くんが、いつ「女」に戻ってタロウへ自分の想いを告白するのか(あるいはしないのか)? という辺りが長期的な視点における注目点になるのかなーという雰囲気になって来ました。
 指宿くんは、前回の話では(自分のことをイヴだと勘違いしていた)タロウから「キレイだ」と言われて著しく動揺してしまい、「自分がイヴじゃなくて指宿であることに気付いて欲しい」と自分から思ってしまう程にタロウのことを強く意識してしまっており、多分もう彼女は自分が初恋の相手であるタロウのことが好きだということを自覚せざるを得ない感じになっているものと思われます。

 しかし、彼女が今もって男でも女でもない「指宿くん」を演じている理由は、単に自分がタロウのせいで「初恋ゾンビ」という特殊な精神感応能力を得てしまったために普通の日常生活を送れなくなった恨みがあるというだけではなく、その精神感応能力によって(タロウを含めた)世の男女が様々な薄汚い欲望を抱えていることを知ってしまい、自分はそういうものにはなりたくないと拒否する心理が強力に働いてしまったがために、結果的に人間不信に陥っている面も多分にあることは間違いありません。
 かつての初恋の相手だったタロウが、自分とそっくりだけど本当の自分とは比べ物にならないくらいおっぱいが大きい「初恋ゾンビ」を連れて嬉しそうにしているのを見れば、まあウンザリしてしまうのも判ります。

 これが「絶対可憐チルドレン」だったら、登場する精神感応能力者たちは既に『人間はみんな汚いよ。汚い女よりも汚い男の方がイイ』とか割り切ることで葛藤を乗り越える覚悟を完了した猛者ばかりなので問題にならないのですが、残念ながら指宿くんはまだ「絶チル」のキャラ達のように汚れてはいないので、まだまだ彼女の葛藤は続くことが予想されます。
 指宿くんがタロウに自分の正体を明かして「女」に戻るためには、彼女が抱えている葛藤にタロウが気付いて解決してやる必要がありますし、指宿くんもタロウのことをイヴの存在を含めて認めて許してあげる必要があるものと思われます。難しいですね。

 あと、このマンガ最大の謎として、本来ならタロウの「理想の初恋の女性」の妄想に過ぎないはずのイヴに明らかな自我が宿り始めている点があるのですが、イヴが自我を持つのと指宿くんがタロウのことを意識するのには、多分何か関連があるのではないか? という気がしています。気がするだけだけど。

 以上の考察を踏まえた上での今のところの結論としては、江火野さんには幸せになってもらいたいです(おわり)。

ヒメゴト~十九歳の制服~(3) (ビッグコミックス)
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前作「ヒメゴト」は、一気に読むのがもったいないのでゆっくり読んでます。今3巻目


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