コミュ症です。(挨拶) サンデー26号感想

肉球ステッキ
鬼ヲ辿リテ幾星霜

 新連載。作者の兎中信志先生は、かつて(今はなき)月刊少年ライバルで『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』を連載していた経歴を持ちます。ライバルからサンデーに移籍って何か劇的(イメージ的に)。

 ストーリーは、明治時代を舞台に大陸から渡って来た妖怪と時空を超えたバトルを展開するダークファンタジーといった趣で、少年マンガとしては割とオーソドックスな作品という印象なのですが、主人公のアキ少年の使う武器が猫の手が先にくっついた肉球ステッキであるという点だけが異彩を放っています。
 猫のぷにぷにした肉球ステッキが伸びてカウンターパンチを食らわせて敵を倒すというビジュアルはある意味圧倒的で、これがやりたいがためにあえて主人公の武器を猫の手にしたのではと訝しんでいるところです。

 おそらく今後も、肉球ステッキのような奇妙なアイテムがいくつも出てくるんじゃないかと思われるので、今後も圧倒的なビジュアルの威力で「何故猫の肉球をわざわざ武器に?」的な無粋なツッコミを粉砕して頂きたいと思います。

古見さんはコミュ症です。

 早くも幼馴染属性の長名さんが登場。名前だけ見た時は「誰に対してもギャルゲーの幼馴染キャラ的な雰囲気で接してくる女子なんだろうか」と予想していたのですが、その実態は「過去に一度でも接触した人間全てを『幼馴染』にしてしまう、脅威のコミュ力を持ったコミュニケーションモンスター。しかも女装癖ありというか、そもそも性別が不明」という、こちらの想像の遥か上を行くおかしいキャラでした。
 ただ、あまりに幼馴染の定義が緩く友達が多いためか、後半ではその幼馴染属性っぷりに一方的に惚れてしまった面倒くさい元同級生に性的に襲いかかられる始末。これは交友関係をむやみに広く持ちすぎるがゆえのリスクだと言えます。長名さんは、おそらく古見さんとは違うタイプのコミュ障なのではないか? と思えてくるほどです。

 何にしろ、このマンガは(視点キャラの只野くん以外は)基本的に本来ならカウンセリングを必要とするレベルにキャラが立ってる変な人揃いである、という認識を新たにさせられました。エクストリームでいいと思います。

 長名さんと友達になれて嬉しがってジャンプした古見さんがカワイイですね(結論)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 今回の「なの菓子」は、ついにセージが「菓子を作る側の人間」に回る覚悟を決めた回として記憶されることになるでしょう。

 これまでも、佐井の危機を菓子を作ることで救って「君は菓子を作る側の人間だ」的なことを言われたり、文化祭で廉価で美味いホットケーキを作ったり、「本当の菓子屋」であるしらかわの日常に触れて自分の店の菓子屋としての至らなさを知ったりと、彼が菓子職人へ進む道を示唆する描写はあったのですが、今回のエピソードによって、セージは「自分が一人で生きていくために菓子を自分で作らなければならない」という強い動機を手に入れ、ついに本格的に菓子職人となる決意を固めました。
 おそらく今回は、この作品における大きなターニングポイントとなったと思われます。

 そして、単なる「なのは洋菓子店の次男」に過ぎなかった彼が「なのは洋菓子店の菓子職人」と立場を変えることで、これからほの香達との人間関係も大きく変わっていくことでしょう。セージとほの香がこれから本当に恋人同士になってしまうのかどうかまではまだ不明ですが。
 ある意味、ここからが本当の洋菓子店マンガとしての「なの菓子」の始まりであると言えるのかも知れません。

 それにしても、最初のうちはパティスリーであるタイム自らが「ケーキは暴力」とか言って洋菓子好きを徹底的にディスる、「洋菓子店が舞台」という設定から想像されるハートフルストーリーのイメージを逆手に取って破壊しにかかるような内容だったこのマンガが、今では何かすっかりまっとうな洋菓子マンガになってしまいましたね。
 今となっては序盤のノリがちょっと懐かしいです。

初恋ゾンビ

 前回の感想の結論は「江火野さんには幸せになってもらいたい」でしたが、今回の感想もやっぱり「江火野さんには幸せになってもらいたい」と書かざるを得ません。昔のタロウがあそこまでボンクラじゃなかったらなあ。でも江火野さんはタロウには勿体無いくらいいい子だしなあ。

 以上です。

湯神くんには友達がいない

 湯神に「よくやった門田!」と褒められた門田君が健気で可愛かったです(間違った感想)。
 もちろんこのマンガは「湯神くん」なので、湯神の「よくやった」の本当の意味が最後で明らかになってガッカリするんですが、その辺も含めて門田君は可愛いです。

 明らかに湯神系の人間である面倒くさそうな新人の仁堂君も登場しましたし、野球部もこのマンガもまだまだ安泰だよなーと思いました。

絶対可憐チルドレン

 今は亡き皆本(注意:死んでません)の意志の元に、若き指揮官である松風とザ・チルドレン達が一つにまとまり、見事に「黒い幽霊」のエスパーの撃退に成功した! というカッコいい展開だった今回のお話なんですが、要所要所で微妙におかしい箇所があったため、全体的には微妙に面白おかしい雰囲気なバトルとなっていた感があります。
 まあ、タコの触手をイメージした半裸なボンテージファッションのフェティッシュな格好の敵を相手にガチでやられても困るので、これくらいのゆるい雰囲気の方が良いと思います。

 というか、ギリアムがトップに立ってからの新世代クローンのエスパーって、基本的に格好がみんなピチピチなボンテージが基調なような気がします。ギリアムの趣味なんでしょう(決めつけ)。

絶対可憐チルドレン(45) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2016-05-20)
売り上げランキング: 2,272

ギリアム程度のコミュ症なら「古見さん」の学校に行っても目立たなさそうな気がする

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


スポンサーリンク