サンデー 一覧

THE UNLIMITED -三宮紫穂-(←強そう) サンデー8号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 薫は小学生の頃から「超能力が暴走して手が付けられなくなる状態」の危機を内包していたキャラではあるのですが、彼女同様に葵や紫穂も能力が強すぎてついに自らをも滅ぼしてしまうレベルにまで到達してしまったことが明らかになったエピソード。

 自らの能力を自らの意志で制御できずに暴走させてしまい、結果自分もろとも果ててしまう可能性を抱えて戦うというのは所謂能力バトルものの定番パターンですが、「絶対可憐チルドレン」もいよいよその領域へ本格的に足を踏み込んで来たという印象です。
 葵や紫穂の能力は行き着く先が「自己破壊」なのですけど、薫の場合は能力が能力なだけに下手すると周囲の重力を極限まで歪めた結果、重力の特異点が発生してブラックホール化してしまうんじゃないんだろうか? と心配になって来る程です。もし地上でブラックホールが発生したら勿論地球はおしまいであり、文字通りの「破壊の女王」になってしまうことは必至の有様。

 つまりチルドレン達は自らの能力を制御できなくなって周囲を巻き込み崩壊してしまう、所謂「邪気眼」をリアルで装備したのと同じ状態であると言えます。中二病患者の誰もが夢見る、「死にたくなかったら早く俺から離れろ!!」っていうアレですよアレ。チルドレン達は、あのセリフを本当に口にする真っ当な資格を得たんですよ。ステキ!(ダメ)

 また、既に彼女たちの能力に対してリミッターが効かなくなって来ているということを皆本が言ってましたが、これはもし彼女たちの能力を解禁したら、文字通り誰にも彼女たちを止める者はいなくなることも意味しています。彼女たちが何らかの意志を持って本気で行動を起こしたら、皆本を含めて誰にもチルドレン達を止められる者はいません
 果たして彼女たちは、自分を破壊する程に強くなってしまった、誰にも止めることができない力で、何をするつもりなのか。あるいは何をするべきなのか。そしてそれを知った松風君はこれからどうするのか。その辺りが高校生編のチルドレン達のテーマになり得るのではないか、という気がします。

 高校生編はこれまで松風君をメインに「チルドレンとどう関わっていくのか」を描く構成の話が多かった感じがしますが、ようやくチルドレンがメインのエピソードがやって来てくれた! という感じがします。彼女たちがメインの話を読めるのは、個人的に嬉しいですね。内容はかなり深刻なんだけど。

絶対可憐チルドレン 40 (少年サンデーコミックス)

39巻までと40巻とでは、絶チルのロゴのフォントが変わっていることに気付いた(おそい)


がっかりフラレナオン祭りの予感しかしないサンデー8号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 AチームとBCD混成チームとの練習試合は、龍には1対1の場面でのチャレンジ精神の欠如、桜庭にはチームの得点を素直に喜べるメンタリティの欠如、という課題がミルコから課せられる結果となりました。

 龍と桜庭のどちらもメンタルな部分に関わる問題と言えますが、龍の方は性格が前向きなのでまあいずれ克服できるのではないか(というか、今回の海水浴編で克服のキッカケを掴むんじゃないのか)と思える反面、桜庭の方は彼の性格を考えるとそれ克服するの絶対に無理なんじゃね? と突っ込まざるを得ない感じがするのがアレです。

 今の桜庭のプレイ面での快調っぷりは、元々の高慢な性格を隠すことをやめて「俺様を尊敬しろ!」と高々と言い放つカスっぷりを復活させたからこそだと思われるので、それと「チームのメンバーに対するリスペクト」を両立させるのはかなり至難なのではと予想されます。チームメイトの得点を喜べるメンタリティを獲得した桜庭なんて桜庭じゃないと言いたい(誰に?)。
 何にしろ、ミルコに課せられた彼の宿題の重さが伺えます。桜庭の試練はまだまだ続きそう。

 そして本編のアンナのがっかりフラレナオン祭りですが(決めつけ)、アンナが「曲がりなりにもアスリートなのに実は泳げない」という意外なドジっ子属性を持ち出してきたおかげで、単にアンナが(サッカー以外のことは多分何も考えていない)龍に相手にされずにガッカリして終わりではなく、如何にもラブコメマンガ的なドタバタコメディな展開を予想させる形になってきました。伊達にサンデー8号では「ハヤテのごとく!」の次に掲載された訳ではなさそうです(関係ない)。
 あと、龍に対して好意を丸出しにするアンナに対抗して優希が「龍の裸を見たことがある」と、こっちもラブコメマンガ的な形で本妻アピールをしているところも面白かったです。年下のアンナと同レベルで張り合ってる姿はカワイイですね(一応褒め言葉)。

 しかし、今回の海水浴編で最も龍のことを考えていたのは、龍が悩んでいることを察してわざわざ息抜きの場であるビーチサッカーをセッティングした宮崎であることは間違いありません。ホント宮崎は龍のことが大好きなんだよなと改めて思った次第です。

BE BLUES!~青になれ~ 17 (少年サンデーコミックス)
田中 モトユキ
小学館 (2014-12-18)

17巻のレビューを読むと、優人の活躍を褒めてる方が多い印象。あの試合で一番株を上げたのは間違いなく優人


この世界にはまだまだ声優が足りない・サンデー6号「天使とアクト!!」感想

天使とアクト!!

 声優といえば思い出すのが、以前iPadで購入した「Magic2014」というゲームアプリです(いきなりマンガと関係ない話)。
 ゲームを立ち上げると、このゲームの主人公キャラであるチャンドラが登場して色々と喋り出すんですけど、その声がものすごい棒読みだったことに衝撃を受けました。「Magic」は世界で最も売れているカードゲームの日本語移植版なはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。
 このゲームをプレイして以来、「この世界にはまだまだ声優が足りない!」と本気で思うようになりました。アニメや映画だけではなく、ゲームから家電に至るまで、声が出る万物あらゆるものに素晴らしい声優を。それが私の願いです。

 それはともかくとして、「天使とアクト」は「國崎出雲の事情」のひらかわあや先生の新連載作品。「國崎出雲」は大雑把に言えば女形を演じることで主人公が歌舞伎役者として、そして男性としてのアイデンティティを確立していく物語でしたが(多分)、今回の「天使とアクト」においても、主人公のひねくれ男子・凰生が声優という仕事を通じて本当の自分を発見していく物語になるんじゃないかと思います。
 キャラの性格や可愛らしさ、そして劇中での表現などは流石ひらかわあや先生の作品だなーと思わせる面白さでしたが、個人的には特に凰生が劇中で春坂との実力差を実感し、それがそのまま彼の演技へとフィードバックされる描写が良かったと思います。人生における挫折の経験が、そのまま役者としての自分の演技の幅の広さに繋がる──ということを端的に表現できているなと思いました。

 何にしろ「少女声の男性声優」っていう題材は極めてマンガ的で設定として興味深いので、これを活かした話を今後も期待したいです。また「国崎出雲」では(題材的に仕方ないとはいえ)相対的に女性キャラが活躍できる機会が少なかった感があるので、そういう意味でもヒロイン格の春坂なりには今後もブリブリ活躍して欲しいところですね。

 あと声で衝撃を受けた作品というと、15年くらい前に放送されていた「サイファイ・ハリー」というアニメに登場していた金田朋子さんのキャラが(マンガと関係ないので略)。

國崎出雲の事情(19) (少年サンデーコミックス)

お体に気を付けて連載頑張ってください。マジで


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