感想 一覧

がっかりフラレナオン祭りの予感しかしないサンデー8号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 AチームとBCD混成チームとの練習試合は、龍には1対1の場面でのチャレンジ精神の欠如、桜庭にはチームの得点を素直に喜べるメンタリティの欠如、という課題がミルコから課せられる結果となりました。

 龍と桜庭のどちらもメンタルな部分に関わる問題と言えますが、龍の方は性格が前向きなのでまあいずれ克服できるのではないか(というか、今回の海水浴編で克服のキッカケを掴むんじゃないのか)と思える反面、桜庭の方は彼の性格を考えるとそれ克服するの絶対に無理なんじゃね? と突っ込まざるを得ない感じがするのがアレです。

 今の桜庭のプレイ面での快調っぷりは、元々の高慢な性格を隠すことをやめて「俺様を尊敬しろ!」と高々と言い放つカスっぷりを復活させたからこそだと思われるので、それと「チームのメンバーに対するリスペクト」を両立させるのはかなり至難なのではと予想されます。チームメイトの得点を喜べるメンタリティを獲得した桜庭なんて桜庭じゃないと言いたい(誰に?)。
 何にしろ、ミルコに課せられた彼の宿題の重さが伺えます。桜庭の試練はまだまだ続きそう。

 そして本編のアンナのがっかりフラレナオン祭りですが(決めつけ)、アンナが「曲がりなりにもアスリートなのに実は泳げない」という意外なドジっ子属性を持ち出してきたおかげで、単にアンナが(サッカー以外のことは多分何も考えていない)龍に相手にされずにガッカリして終わりではなく、如何にもラブコメマンガ的なドタバタコメディな展開を予想させる形になってきました。伊達にサンデー8号では「ハヤテのごとく!」の次に掲載された訳ではなさそうです(関係ない)。
 あと、龍に対して好意を丸出しにするアンナに対抗して優希が「龍の裸を見たことがある」と、こっちもラブコメマンガ的な形で本妻アピールをしているところも面白かったです。年下のアンナと同レベルで張り合ってる姿はカワイイですね(一応褒め言葉)。

 しかし、今回の海水浴編で最も龍のことを考えていたのは、龍が悩んでいることを察してわざわざ息抜きの場であるビーチサッカーをセッティングした宮崎であることは間違いありません。ホント宮崎は龍のことが大好きなんだよなと改めて思った次第です。

BE BLUES!~青になれ~ 17 (少年サンデーコミックス)
田中 モトユキ
小学館 (2014-12-18)

17巻のレビューを読むと、優人の活躍を褒めてる方が多い印象。あの試合で一番株を上げたのは間違いなく優人


この世界にはまだまだ声優が足りない・サンデー6号「天使とアクト!!」感想

天使とアクト!!

 声優といえば思い出すのが、以前iPadで購入した「Magic2014」というゲームアプリです(いきなりマンガと関係ない話)。
 ゲームを立ち上げると、このゲームの主人公キャラであるチャンドラが登場して色々と喋り出すんですけど、その声がものすごい棒読みだったことに衝撃を受けました。「Magic」は世界で最も売れているカードゲームの日本語移植版なはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。
 このゲームをプレイして以来、「この世界にはまだまだ声優が足りない!」と本気で思うようになりました。アニメや映画だけではなく、ゲームから家電に至るまで、声が出る万物あらゆるものに素晴らしい声優を。それが私の願いです。

 それはともかくとして、「天使とアクト」は「國崎出雲の事情」のひらかわあや先生の新連載作品。「國崎出雲」は大雑把に言えば女形を演じることで主人公が歌舞伎役者として、そして男性としてのアイデンティティを確立していく物語でしたが(多分)、今回の「天使とアクト」においても、主人公のひねくれ男子・凰生が声優という仕事を通じて本当の自分を発見していく物語になるんじゃないかと思います。
 キャラの性格や可愛らしさ、そして劇中での表現などは流石ひらかわあや先生の作品だなーと思わせる面白さでしたが、個人的には特に凰生が劇中で春坂との実力差を実感し、それがそのまま彼の演技へとフィードバックされる描写が良かったと思います。人生における挫折の経験が、そのまま役者としての自分の演技の幅の広さに繋がる──ということを端的に表現できているなと思いました。

 何にしろ「少女声の男性声優」っていう題材は極めてマンガ的で設定として興味深いので、これを活かした話を今後も期待したいです。また「国崎出雲」では(題材的に仕方ないとはいえ)相対的に女性キャラが活躍できる機会が少なかった感があるので、そういう意味でもヒロイン格の春坂なりには今後もブリブリ活躍して欲しいところですね。

 あと声で衝撃を受けた作品というと、15年くらい前に放送されていた「サイファイ・ハリー」というアニメに登場していた金田朋子さんのキャラが(マンガと関係ないので略)。

國崎出雲の事情(19) (少年サンデーコミックス)

お体に気を付けて連載頑張ってください。マジで


絶チル40巻感想と「副会長」考察日記

絶対可憐チルドレン

 「絶対可憐チルドレン」の40巻を買いました!(随分前に)

 コミックス40巻からは、ご存知の通り高校生編が始まりました。高校生編の物語としての最大の特徴は、物語上の主人公は「ザ・チルドレン」ではなく、新キャラクターの松風君であることでしょう。「絶チル」の高校生編は、かつて薫に命を助けられ彼女に淡い恋心を抱いていた松風君が、彼女と再開したことをきっかけに、自らの運命を自らの意志で大きく変えていくことになる物語なのです。
 つまり「絶対可憐チルドレン」という作品は、チルドレン達自らが運命を変えるために戦う段階から、運命を変えることに成功したチルドレン達が松風君を代表とする人間たちと新しい未来を創り上げていく新しい段階に、明確にシフトしたのです。40巻を読んで、そんなことを感じました。

 中学生編のラストで、悠理は薫たちの存在に助けられ、彼女たちと本当の友達になりたいと願うことで、これまでの呪われた人生から脱却して新しい道を選択する力を得ることができましたが、高校生編もそれと同様に、薫と再会を果たして自らの特殊な才能に目覚めた松風君が、ザ・チルドレンという存在と関わることで、「薫に命を助けられた」これまでの人生から、「薫と共に命を助けていく」人生への道を選んでいく力を得るための物語となるのではないか? と思っています。
 彼らにとって、チルドレンは大切な友達であるだけでなく、自分を未知の未来に進むための力となる存在でもある訳です。

 あとこれは個人的な妄想なんですけど、既に「『破滅の女王』には惚れてたけど、そうじゃない今の薫には惚れないよ!」と自分の感情を決め込んでいるように見える皆本についても、「でもいいの? ホントにそれで?」と再び揺り戻しが起こる展開が、今後あったらいいなーとは思ってます。
 『破滅の女王』と愛し合った上に最後に自らの手で彼女を殺してその愛を永遠のものにする歪んだ欲求を捨てられず、再び『破滅の女王』と再会することを願ってしまう、所謂ヤンデレ皆本が覚醒したら何かすごいことになるんじゃないかと思いますね。というか自分がギリアムなら、その線で皆本を暗黒面に貶す作戦を狙います。皆本の本質はヤンデレの変態ですからね(決めつけ)。

 あと前回のサンデーの「絶チル」の(かなりどうでもいい)話ですが、生徒会で兵部の傍らに立っていた「副会長」が、実は本当の生徒会長だったという設定が明かされてました。
 彼女は基本的に、学園マンガにおけるテンプレート通りの文武両道な生徒会キャラであることが最重要な存在であり、設定的に没個性であることが宿命付けられていると思われるので、おそらく今後も大きな活躍はせず、生徒会のシーンで兵部の脇に薙刀を持って立っているだけのキャラで居続けるものと予想されます。
 椎名高志先生のおかっぱ髪キャラは個人的に大好きなので、彼女の薄い本を読んでみたいよなーとかちょっと思ってしまうんですけど、今のところそれは望み薄っぽいですね。

 しかし、彼女と同様のおかっぱ髪系女子だった「GS美神」のルシオラも、最初はデザインが「如何にもな戦隊モノの女幹部」っぽいテンプレート的な要素を含んでいたことを考えると、もしかしたら展開次第でルシオラ同様に大化けする可能性もあるかも知れません。「絶対可憐チルドレン」の高校生編は白紙の未来をチルドレン達と共に創り上げていくことがテーマである以上、彼女にも可能性がないとは言い切れません。たぶん。おそらく(弱気)。
 果たして彼女は、テンプレ生徒会キャラの枠を乗り越え、新たな個性を獲得することができるのか否か。その辺にも僅かな望みを抱いていきたい所存です。

 ところで松風君は結局、「超能力研究同好会」を作って、日々チルドレン達を観察してあがめ奉る部活動をしてくれるんでしょうか?(してくれなさそう)

絶対可憐チルドレン 40 (少年サンデーコミックス)

松風と皆本が薫を取り合うラブコメ展開になるかと思っていた時期もありました


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