MAJOR 2nd 一覧

サンデーにちょっとエッチなラブコメマンガが帰ってきた記念・サンデー46号感想

専門用語ではアニマって言うんでしたっけ
初恋ゾンビ

 野球のボールが頭に当たって人が死ぬマンガと聞いて、「MAJOR」よりも先に「おじゃまユーレイくん」の最終回を連想する人?(アラフィフ向け挨拶)

 サンデー新体制下の新連載第二弾。第一弾である「暁の暴君」は、サンデーの柔道マンガらしからぬ雰囲気溢れる野心作といった感じでしたが、こちらの「初恋ゾンビ」はロケットおっぱいな幼なじみが体操服で練り歩き、空には美少女が浮かびまくり、そしてさも当然かのようにパンチラが飛び交う、ある意味とても「サンデーらしい」マンガであると思いました。

 なお、ここで言う「サンデーらしい」とは、最近のサンデーというよりは、かつて『ラブコメのサンデー』と呼ばれていた1980年代的ならしさを指します。「タッチ」や「さよなら三角」や「はっぴぃ直前」といったマンガが載っていた、サンデーがラブコメマンガで黄金時代を築いた時代のことですよ。判っていただけますか?(アラフィフな方々に向かって)

 そういった意味においてはとても古典的なサンデーらしいラブコメマンガという印象を受けましたが、主人公のタロウ君が恋愛を含めた何もかもに対して情熱を持たない冷め切ったタイプであるところや、そのタロウ君の初恋の相手・イブが実は男の子だったところなどは、現代のマンガらしい設定であるとも言えます。
 また設定面では「『初恋ゾンビ』は初恋が成就すれば消える」ということは示されましたが、逆に言えば初恋が実らないと彼の前からゾンビは消えないということでもあるので、『初恋ゾンビ』をどうにかするには、実は男の子だったイブとの初恋をどうにかして成就させる必要があるということを意味します。
 その辺のジェンダー的な矛盾をどう解消するのか(あるいは解消しないのか)というのが、この物語の当面の主題となるのではないのでしょうか。

 見た目はおっぱいとパンツが舞い飛ぶ判りやすいラブコメマンガと思わせておいて、実はジェンダー的にかなり踏み込んだ表現をして来る物語がこれから始まるのではないか? というのが個人的な第一話の感想です。
 作者の峰浪りょう先生は、代表作「ヒメゴト~十九歳の制服~」でジェンダー絡みで思い悩む人々のセクシャルな人間関係を描いた経歴のある方ですが、少年誌掲載のラブコメというフィールドにおいて「実質的なヒロインが男の子」な設定を使ってこれからどのような物語を描いてくれるのか、個人的にはかなり期待しています。

MAJOR 2nd

 いやでも、やっぱり野球のボールが頭に当たって人が死ぬマンガといえば「MAJOR」ですよ!(と言われても)

 今回の「MAJOR 2nd」は幸いにも打球が大吾の頭に当たる話ではなく、外野フライを大吾がキャッチしてタッチアップの走者をホームで刺すことに成功した話でした。
 「肩が弱くて遠投ができない」大吾の長年のコンプレックスを、寿也のコーチの元でたゆまぬ努力で練習を続けて今回ついに克服できた訳ですから、そりゃー大吾の母の薫も涙を流して喜びますよね。

 彼女の涙を見て気が付いたんですが、自分も大吾に感情移入するのではなく、むしろ薫の視点で大吾の成長を見つめて喜んでいることに気付きました。
 少年マンガを読んで少年ではなくその親に感情移入するとか、やっぱりもう自分はいい歳したオッサンなんだよなあと思いました。

だがしかし

 アニメ版の公式ティザーサイトが公開され、監督や脚本を手掛けるスタッフの情報も出てきて徐々に盛り上がって来ている感があり、そろそろ皆さんもほたるやサヤ師の声優が誰になるのか気になる頃だと思われますが、個人的には何よりもキャベツ太郎さんの声優が誰になるのかが気になります。
 「だがしかし」は駄菓子がメインの物語ですから、当然アニメ化にあたっては、駄菓子のキャラクターにもそれぞれ固有の声優が付くに決まってますよね! ね!

 キャベツ太郎さん、脳内のイメージでは割とスネ夫みたいな声質なのではないかと想像していますが、意表をついて若本規夫的なオッサン声もいいかも。いやでも、そもそも声が付くのかどうかというところから心配するべきなのか。どうしましょう(と言われても)。

 ほたるさんは基本的にアダルトな雰囲気を漂わせてはいますが、中身が駄菓子のことしか頭になくてアダルトとは程遠いギャップが良いと思います(本編の感想)。

ムシブギョー

 最近の「ムシブギョー」は、蟲奉行様こと奈阿姫さまがものすごい勢いで仁兵衛に対するラブっぷりが加速していて正ヒロイン化が著しいなーと思っていました。
 が、今回の話で彼女が実は豊臣家最期の姫君であり、かつものすごいレベルの虫マニアでそれが結果的に日本の半分が蟲で埋まってしまう事態を招いたことが明らかになるに連れ、彼女は実は「正ヒロイン」という生易しい存在ではなく、「仁兵衛にとってのファム・ファタール」という領域に達しているのではないかと思うようになりました。ファム・ファタール、つまり運命の女です。

 仁兵衛は蟲から人々を守るためにここまで強くなったんですけど、奈阿姫がこの世に蟲が蔓延った全ての元凶であり、彼女を殺さないかぎり仁兵衛の願いが果たされないとすれば、この二人は決して結ばれることはありません。仁兵衛がここまで強くなったのは、奈阿姫を殺すためだったのですから。
 彼女が人間に戻って仁兵衛とくっついてハッピーエンド、みたいなポエミーなエンディングは決して訪れず、この二人はその想いとは裏腹に殺しあわなければならない運命にあることが、徐々に明かされつつあります。何という劇的な展開。
 果たして全ての真相を知った仁兵衛は、それでも奈阿姫を斬ることができるのか。仁兵衛なのでできなさそうだけど。

 正ヒロインからファム・ファタールの座に昇格した奈阿姫にとって唯一の問題点は、仁兵衛は基本的におっぱいが大きい女性が好みなので、もし仮に彼女が運命から解き放たれて自由の身となったとしても、おっぱい的な問題によって奈阿姫ががっかりフラレナオンになる可能性が否定できないことでしょうか。がんばれ姫。

BE BLUES!

 前回は感想を書けませんでしたが、ミルコと黒部先生のおっさん二人ががっちり握手を交わすシーンは最高にグッと来ました。やっぱりこのマンガで自分が一番好きなのはおっさんキャラであると強く自覚しましたよ。
 いやもう、田中モトユキ先生の描くおっさんキャラは最高ですよね! 私は「鳳ボンバー」の頃からそう思ってました!(古参ファンっぷりをアピール)

 物語としては、黒部監督が「両親の介護のため」という妙にリアルな事情で退場し、ついにミルコが武蒼の監督として指揮を執ることになる、という新展開が始まりました。
 ミルコが監督となったことでおそらくAチームの構成も黒部時代とは変わることが予想されますし、黒部監督に目をかけてもらっていたビッグ4を中心とする旧レギュラーと、今後の龍を中心とするであろう新レギュラーの間で摩擦が起こったりするんじゃないかなー大丈夫かなーと思ったりもするのですが、とりあえず今の段階で確実に言えることは、ミルコが監督に就任してこのマンガのレギュラーキャラになったので、彼の専属通訳の藍子の出番もこれまで以上に増えるのは間違いないでしょう。

 実際、常にサッカー部に顔を出せる口実を得られた今週の藍子は、何かこう終始ものすごく嬉しそうでした。自分の好きな通訳の仕事ができることや、龍の側に居られるのが楽しくて仕方ないって感じ。嬉しそうな彼女をこれから毎週見られると思うと、こちらまで楽しくなってきます。

 あと今回は、ミルコが監督になったことで、これからは自分がレギュラーで使われるに違いないと慢心している桜庭さんも良かったです。
 この浅はかさっぷりが桜庭さんの魅力です。

読み切り:モンスターストライクをひっぱった漢たち

 mixiのゲームといえば「サンシャイン牧場」ですよね!(ボケ)

 自分はスマホのゲームは現在のところ「Hearthstone」と「ねこあつめ」しかやってないので、モンストのことは正直よく判りませんが、スマートフォンアプリの開発という内容そのものは自分の本業に近い世界なので、そういう意味ではとても興味深く読むことができました。

 前半に出てきた、開発会社のコンペで企画書から実際に動くデモを作って持ち込んだ会社が採用されたエピソードは、この業界におけるプロトタイプを素早く作れることの重要さが伺える良い話だと思いました。
 あと後半の「その後、ユーザーの応援を励みにエンジニアたちは何とかサーバーを復旧させた」エピソードについては、このひとコマの裏でどれだけの数のサーバーサイドエンジニアの屍が積まれたのかと思うと、同情の念を禁じえませんでした。個人的には、むしろこの部分のエピソードをエンジニア残酷物語としてマンガ化するべきではと思ったくらいです。

 やっぱりゲームは、開発する側じゃなくて遊ぶ側にいた方が気が楽でいいのかも知れませんねー(感想?)。

絶対可憐チルドレン

 兵部はエスパーの幼女が好きなんじゃなくて、あくまでエスパーの幼女がエスパーであることだけを理由に不幸な境遇にならず幸せに生きているのを見守るのが好きだったはずなのですが、マンガの中でもこの辺の境界が曖昧になって来ているのではないかという気がしてきます。高校生編になってからは特に。
 このままだと、兵部の読者アンケート1位のご褒美エピソードは、ナイやユウギリのエスパー幼女勢に接待されるだけの話になってしまいかねない懸念が。いやでも別にそれはそれでという気もしますが。

 今回の話の感想ですが、悠理がティムとバレットの手を握って「全力を尽くしますから。あなたたちのためにも!」って言ってるところが良かったです。悠理が再びチルドレン達の元に戻って共に戦う理由の一つは、まさにティムやバレットに対してかつて彼女が行った罪に対する償いをすることですからね。
 ティムとバレットは過去の記憶が封印されているので悠理が何故自分達の手を握ったのかは判らないんでしょうけど、彼女が何か強い決意を持ってここに来ていることは理解できたのではないのでしょうか。

 このシーンにおける唯一の問題点は、ティムもバレットもまかり間違いなく女の子から手を握られるだなんて経験はほとんどしたことがないはずなので、何か勘違いして悠理に対していきなり惚れてしまったり、あるいは「彼女、実は俺たちに気があるのでは?」と誤解してしまったりする可能性を否定できないところです。なんて可哀想なティムとバレット…(決めつけた)。


ヒメゴト~十九歳の制服~(1) (ビッグコミックス)
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kindle版が安かったので読み始めました。登場人物がみんな歪んでるところにグッと来ます。あとエロいです


「編集人」の名前が前号から市原氏に変わっていたことに今気付きました。サンデー36+37号感想

BE BLUES!

 「私はサクラバのドリブルを推す
 今回は、龍が赤城中央の固いディフェンスを破って新必殺技のカットインからの同点ゴールを決めた、非常に爽快感のある展開でしたが、個人的にはむしろミルコ爺さんが桜庭推しを公言したところにグッと来ました。さすが桜庭の飼い主なだけあって、ここという時にはちゃんと桜庭の有用性を認めているんですね!
 でも、そのミルコも龍が個人の技能でゴールを決められるだけの実力を持てるようになっていたのは想定外だったのでしょう。かつてミルコが龍に対して提示した問題点を、彼がキチンと克服して来たことをガチレベルの実戦で示したんですから、ミルコの龍に対する評価も改まるはずです。

 となると、次は桜庭さんがミルコの前でいいとこ見せるターンになると思うんですけど、今もチームの応援を全然していない協調性のなさっぷりは相変わらずであり、もし仮に今後この試合で起用されて相応の活躍をしたとしても、「チームの得点を喜べない奴はダメだ」というミルコの評価は変わらない可能性が高いです。ミルコさんはこのマンガの中で将来男子サッカー日本代表監督になる人物なので(決めつけ)、今のうちにアピールしておくに越したことはないように思えるのですがどうか。

 でももし仲間の応援とかしたら、それはもう桜庭さんではない何かになってしまうからなあ。試合に出たくてギャンギャン吠えてコーメイに後ろから羽交い締めにされてこその桜庭さんですからね。難しいですねえ。

マギ

 秘密裏に結んだ相互防衛条約をタテに他国の内戦に介入する妙に現実的で生臭い展開と、エルダードラゴンレジェンドが出てきて世界の理を宇宙的なタイムスケールで話すファンタジーな展開が、ついに一つの物語として合流した感じがするお話でした。

 そしてその二つのスケールの異なる物語を一つに結び、本編の事実上のラスボスとして君臨しそうなのが、葉王覇王ことみんな大好きシンドバッドだったというのが、何か彼の器の広さを象徴している感じがします。「ダビデ」と共鳴して「神」の力を得て、世界を意のままに動かす力をシンドバッドが得たのは、ある意味彼に相応しい運命であったと言えるのかも知れません。
 ただ、彼が神の力に勝って、「ダビデ」ではなく本来の彼の意志で新しい世界を作れるようになれるかどうかはまだ判りませんが。

MAJOR 2nd

 全国の少年野球やってる子どもたちがみんな読んでる「MAJOR」で、ついに人妻の不倫現場が出てくるとは! 健全な野球少年達がNTRに目覚めてしまうよ!(曲解)

 というか寿也ってあんなに女性に対して紳士的なイケメンなのに、なぜ離婚しちゃったんでしょうか。奥さんの事情がちょっと複雑そうな感じなのでそれ絡みなのかもしれませんし、少年誌的に突っ込んではいけない裏話とかあるかもしれませんし、あるいはいまだに吾郎のことが忘れられないのかも知れません。
 吾郎のことが忘れられない寿也が吾郎の息子に野球を教えるとか、メタ的にはグッと来るシチュエーションですよね。とか煽ってみる(ひどい)。

 今回のエピソードで、このマンガにおける当面の目標が「大吾と光がバッテリーを組むこと」に設定されました。大吾の野球選手としての道はおそらくここから本格的に始まることになるのでしょうが、このマンガはあのMAJOR」なので、おそらく一筋縄ではいかないことは必至でしょう。
 高校生になった大吾が、高校野球で群馬代表となった光と甲子園でついに相まみえて対戦する的なシチュエーションは今から妄想するだけで滾るものがありますけど、その二人に待ち受けるのは、かつてふたりの父親が経験した大理不尽な運命の数々!(いきなり吾郎が高校やめて寿也とのバッテリーが解散するとか) っていうか、前触れなくいきなり光が引っ越すだけでも十分に理不尽な展開なんですけどね!
 父の屍やNTRを乗り越えて生き残って強くなれ大吾と光! 死んでもいないしNTRでもないけど!

トキワ来たれり!

 日本では古来より「失うことから全ては始まる」と申しますが(主に「シグルイ」で)、「トキワ来たれり!」では主人公のトキワが片腕と片足を失い、先のソーサリアンとの戦闘でトキワを守るために自爆したマキナのパーツを移植されて蘇生するという、これまでとは打って変わったシリアスな展開に突入しました。
 これまでのこのマンガは「肉体的には普通な気弱な男の子が、持ち前の機転を武器に超人的な能力を持った連中と一緒に戦う」物語だったと思うのですが、自身も超人的な能力を手に入れてしまった以上、このマンガは今後はこれまでとは全く違った展開にならざるを得ないでしょう。本当の「トキワ来たれり!」はここから始まると言えるのではないのでしょうか。

 そして個人的に「主人公が物語の序盤で身体を欠損してサイボーグ化して復活」というと、新井素子先生の「星へ行く船」シリーズを思い出してしまうですが、30年前の小説のことなんて誰にも判ってもらえないので終わり。

絶対可憐チルドレン

 一迅社から発売されている「Febri」30号に、椎名高志先生のインタビュー記事が掲載されています。椎名先生の原点とも言える幼少期のフィクションの原体験についてから、「絶対可憐チルドレン」の今後やその次の作品についても話題が及んでいるとても興味深い内容なので、椎名先生の作品のファンの方なら読んでおいて損はないと思われます。

 特に次回作については、「自分が得意とするパロディを活かせる方向性」を模索しているように思えました。今後の自身の作家としての方向性を含めて、色々考えている様です。
 椎名先生のTwitterの発言を読んでいると、次回作はもはやツンデレな飼い猫にベタボレしている中年のメタボ気味のおっさんが主人公の日常マンガしか描けないくらい枯れてるんじゃないかとか思っていたんですけど、全然そんなことなさそうなので安心しました(ひどい)。

 そして今号の「絶チル」ですが、インタビューでも語っていた『パロディが得意な椎名高志』をアピールするかのような、チルドレン達がどっかで見たような三悪トリオを相手に戦うという話でした。こうやって見ると、やっぱりタイムボカンシリーズの三悪トリオって、誰でも「見ただけで『ああ、あいつらだ!』って判る」という意味において偉大な存在なんだよなーと再認識させられます。
 あとこの人達、ちょっと「キャッツアイ」や「ハローキティ」の要素も入ってますよね。キティさんは寛大なお方なので、「外道キティ」とかいう形で名前や意匠を使われても、きっと許してくれると思います。多分。

 そしてパロディと言えば、ラストで子鹿さんが「となりのトトロ」の替え歌のようなものを歌った挙句に交通事故に巻き込まれてましたけど、事故に遭ったのは多分パロディの対象がジブリだったからに違いありません(真顔で)。
 子鹿さんは、隙あらばジブリアニメのパロを仕掛けてくるので元々著作権的に危うい存在だったんですが、TTPで著作権法における非親告罪化が囁かれるようになった昨今、今回の彼女の姿は日本の将来におけるパロディ文化に暗雲が立ち込めている象徴なのかも知れませんね。物言えば唇寒し秋の風。

 ウソです(おわり)。

Febri (フェブリ) Vol.30
Febri (フェブリ) Vol.30

posted with amazlet at 15.08.17
一迅社 (2015-08-10)

プリンセスプリキュア、毎回「みなみ様すてきー!」って叫びながら観てます


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