突然の終尻騒動記念 サンデー22+23号「競女!!!!!!!!」感想

競女!!!!!!!!

 サンデー22+23号で突然の最終回を迎えてしまった「競女!!!!!!!!」。
 ストーリー上では競女界最強の五尻に挑むというクライマックスシリーズが佳境に入りつつも、ここのところ掲載順位が下がっていたこともあって「もしかして、そろそろ終わってしまうのでは?」と何となく思ってはいたのですが、本当に終わってしまいました。残念。

 最終回そのものは、終生のライバルであり最愛のカップルでもあるのぞみとさやかの二人の尻が交錯!→水着が破裂!→「エロすぎ!失格!」という、実に「競女!」らしいバカバカしいもので(勿論良い意味で)、かの「焼きたて!!ジャぱん」の最終回に比類する伝説を作ることに成功しつつ清々しく幕を閉じたこと自体はとても良かったです。
 が、しかし作者の空詠大智先生が「編集部のサポートが足りなかった」と自らのブログで告白し、それがネットで話題になってしまった件については、週刊少年サンデーという雑誌にとっては痛手だったのではと思います。

 以前サンデーの編集長が交代した際に、編集部員を入れ替えたことを誌面を使ってまで大々的にアピールしたのは、かつての雷句先生や渡瀬先生とのトラブルが表面化したことでサンデーという雑誌が新人作家に敬遠されるようになったことへの対応であり、「サンデー編集部は変わったよ! サンデー編集部はもうこわくないよ!」と宣伝することが大きな目的でした。
 しかし、また再び編集部と作家の間のトラブルと思われても仕方がないことが起こってしまうと、「やっぱりサンデー編集部は変わっていない」という目で見られてしまうのは致し方ありません(参考:はてなブックマーク)。
 ここ最近のサンデーは掲載作品そのものを大きく刷新し、その成果も上がり始めたと思われていただけに、このタイミングでこういう話が出てしまうのは非常にもったいないなというのが正直な感想です。

 ただ、空詠先生も小学館や編集部に対しては愚痴を書いていますが、直接の編集担当者については個人でできる範囲でサポートしていたことに対して感謝の念を示しているので、その辺についてはまだしも以前のケースと比べると救いがあるようにも思えます。

 何にしろ、「競女!!!!!!!!」はマンガという表現媒体が持っている、絵の勢いだけで矛盾や理屈を軽やかに超越することが可能な破壊力というものをを再認識させてくれたという意味において、とても個人的に思い出深い作品でした。
 作者の空知先生初め関係者の皆様には、本当に心から感謝申し上げます。いやマジで。

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コミックス16~18巻では本編に入れられなかったエピソードも収録されると告知されてますね。期待

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最終章準備で休載記念 サンデー20号までの絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 もう先々週くらいの話になってしまいますが、サンデー20号において「絶対可憐チルドレン」が『最終章準備のため』という名目で一旦連載が中断する形になりました。
 「絶チル」はここのところ事実上隔週連載の状態が続くなど、コンディション的に優れていない状態になっているような感じがあったので、一旦話に区切りを付けた上で休載期間を挟むのは良い選択だったんじゃないかと思います。

 その「話の区切り」なんですが、サンデー20号までの間に色々あった結果、薫がパンドラの「女王」の座に就任し、人類に対して「人種間の憎悪と戦い、共に暮らせる世界を目指す存在である」ことを宣言するに至りました。

 このマンガを最初から読んでいる読者の方なら御存知の通り、元々このマンガには『特務エスパー「ザ・チルドレン」は天使か悪魔か?』という命題があり、薫がパンドラの『破壊の女王』となるルートは即ち彼女が人類にとっての悪魔となってノーマルとエスパーの最終戦争を引き起こすバッドエンドを意味していました。
 しかし、サンデー20号においてパンドラの女王となった彼女は、バッドエンドルート一直線となる人類にとっての「悪魔」でもなく、また逆に人類を最終戦争の脅威から救って導く「天使」でもない、自らの意志を以ってエスパーとノーマルの共存のために戦う第三の道を選びました。薫は、連載の初期に提示されていた二者択一的な命題を覆し、自分の意志で自分たちの未来を切り開くことができる力を持った存在となったのです。
 これも連載初期の皆本のキメ台詞である「君たちはなんにでもなれるし、何処へでも行ける」を、薫は身をもって体現したとも言えるでしょう。

 そういう意味において、高校生編最終話はとても物語的に美しい締め方だったと思いました。

 連載再開は夏頃を予定しているとのことですけど、「最終章」で個人的に望んでいるというか、ぜひ見てみたいのは、薫と皆本の間の関係の決着ですね。

 薫と皆本といえば、これも連載初期に提示され、このマンガを象徴するシーンともなった「皆本が銃を持って薫と対峙する」未来の予言が思い起こされます。皆本達はこの未来を回避するためにこれまで戦って来て、そして現段階ではこの未来は回避されたということになってはいますが、再びノーマルとエスパーの間で緊張が高まり、形はどうあれ薫が「女王」となる未来が現実になった以上、再びこのシーンが再現される可能性がないとは言えなくなってきているのではないのでしょうか。
 というか、多分キますねこのシーン。物語の冒頭で提示されたテーマが物語の最後で再び形を変えて登場するだなんて、作劇的にはちょうカッコイイので、やらない訳がないと思います(決めつけ)。

 ただ、シーンそのものは一緒でも、そこで交わされる会話や状況は全く違ったものになっているとも思います。連載初期の二人はもはや交戦不可避の状況でしたけど、今では二人の意志は「人種間の憎悪と戦う」ことで共通していますし、仮にこの二人が対峙することがあったとしても、交戦ではなくもっと別のことをするはずです。チューとか。
 薫の皆本への想いはホンモノですし、皆本も薫と年の差が10歳あるとか歪んだ独占欲があるとかセカンド童貞の誓いとかそういうのは吹っ切ってチューくらいするよね? ね?

 連載初期に提示されたエスパーとノーマルが対立する未来を覆し、エスパーとノーマルが共に共存できる新しい未来を手に入れることができるのか否か。個人的には、そうなって欲しいと切に願っています。

絶対可憐チルドレン(2) (少年サンデーコミックス)
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『特務エスパー「ザ・チルドレン」は天使か悪魔か?』が登場するのは2巻から。1巻の頃はまだ短期連載だったんですよ(豆知識)

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船酔いをする少年は萌え対象 サンデー19〜20号「天翔のクアドラブル」感想

天翔のクアドラブル

 天正遣欧少年使節と聞くと思い出すのが、昔通っていた小学校の図書館に置いてあったどこかの出版社の歴史マンガの中で、使節団の少年が船酔いでゲロゲロ吐いてるシーンです(いきなり)。
 そのシーンが今もやたらと印象に残っていることを考えると、もしかしたらその頃から自分はマンガのキャラが嘔吐しているシーンを見るのが好きだったのではないか? と自分の性癖のルーツについて思いを馳せざるを得ません。

 あとは、少年が熱帯地方で熱病にかかってウンウン苦しんでるシーンも印象的でした。美少年が病気で苦しんでいる様は萌え要素です(断言)。

 そんな少年使節団(そんな?)が題材の「天翔のクアドラブル」においても、早速第二話でジリアンが船酔いでゲロ吐いてるシーンが出てきたので、やっぱり少年使節団と船酔いは切っても切れない関係なんだよなと嬉しくなりました。

 ただ、このマンガが普通の歴史マンガとちょっと(というか大きく)違うのは、少年使節団の目的を「戦国時代の日本でキリスト教を布教するため」ではなく、「暗黒時代のヨーロッパを跋扈している魑魅魍魎を忍術で退治するため」としているところです。少年たちのキャラ設定も、キリシタンではなく、「志能便」という名の対魔忍になっています。
 つまりこのマンガは、一見するとヒストリカルな少年使節団を題材にしているように見えながら、実はファンタジーな日本のニンジャがファンタジーなヨーロッパのモンスターと戦うことを目的とした、極めて少年マンガっぽいファンタジー異能力バトルマンガであると言えましょう。
 ニンジャ対ファンタジーヨーロッパのモンスターを描く題材として、あえて少年使節団を選ぶセンスが個人的には素晴らしいと思いました。

 実際の少年使節団に参加した少年たちは、色々あって最終的にはみんなあまり報われない最期を遂げたと言われていますけど、こういう設定であればヒストリカルとは違った明るい結末を描くことも可能になるでしょう。こういう歴史のアレンジの仕方は面白いですね。

 そして作者の新井隆広先生は、「ダレン・シャン」を読めば判るように元気な少年と陰鬱なモンスターの描写に定評がありますので(自分の中で)、そういう意味でもこのマンガは新井先生の作風に合っているように思えます。今後の展開に期待です。
 新井先生のマンガなので、今後出てくるであろうヨーロッパの渋いオッサンキャラの登場にも期待。

LES MISERABLES 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
新井 隆広
小学館 (2013-12-12)
売り上げランキング: 86,213

新井先生がゲッサンで連載していた「レ・ミゼラブル」のコミカライズ版。たいへんに評判が良い

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