C-WWW 一覧

「GS美神25周年記念 椎名高志原画展」に行って生原稿に興奮しました日記

GS美神25周年記念 椎名高志原画展

 もう今日で終了してしまいますが、8/11~8/23に中野ブロードウェイ内のpixiv Zingaroで開かれていた、「GS美神25周年記念 椎名高志原画展」に行ってきました。自分が行ったのは19日です。

 椎名先生の原画展といえば、ちょっと前に秋葉原でやってましたよね? と思っていつのイベントだったのか調べてみたら、もう遥か昔である2009年の出来事でした。全然ちょっと前じゃないことに衝撃。そりゃ歳を取る訳ですよね…。


 椎名先生の原画に限りませんが、マンガにおける原画の魅力と言えば、やはり「漫画家が直接原稿に手を入れているが故に生じる『生』の迫力」に尽きます。

 ファンにとっては作者が直接手掛けた原稿を直接拝めるというのはそれだけで魅力的ですし、更には「筆で描いた跡」「ホワイトで修正した跡」「手書きの文字跡」「写植指定の跡」といった、実際の印刷には載らない様々な痕跡を見ることで、作者がその原稿を描いていた時の息吹を感じることができるのが素敵です。漫画家が原稿を作るために要された努力の全ての痕跡が、生原稿には残されているんですよ。
 原画展とは、その痕跡を鑑賞するためのイベントであると言っても過言ではないと思います。

 椎名先生が! アシスタントの皆さんが! 編集者の方々が! この原稿を仕上げるために費やされた全ての人々の努力の全てが! この生原稿の上に! 残されているんですよ! ですよ! 何かンもうちょう興奮しますよね! しますよね! 椎名先生の生の全てが、ここにあるんですよ! まだ若かった25年前の、椎名先生の生のアレが! もう辛抱たまらん!
 って感じで、会場に展示された原稿全てをハアハアしながら閲覧してました。いやもうすっごく楽しかったです(真顔で)。


 この辺のアナログ手書き原稿を見る楽しさについては、会場のオーナーであるpixivが「手描き原稿を間近で!『絶チル』椎名高志先生の原画展は見どころいっぱい!」という判りやすくて面白いガイド記事を作成して下さっているので、今後マンガの原稿を見る機会がある方はご一読をオススメします。

 個人的には、「精霊石が輝いている」効果を出すために使われたホワイトのぶちまけっぷりに最高にグッと来てました。椎名先生のホワイト液…!(しつこい)

 今回のイベントはTVアニメ「GS美神」アニバーサリー・ブルーレイ 発売記念という名目で行われたものだと思いますが、今後もぜひ何かの機会を作って原画展を開いていただきたいと思った次第です。
 次のチャンスは2019年のデビュー30周年記念か、2020年の「絶チル」15周年記念辺りでしょうか。その時まで何とか無事生き延びて、再び生きて生原稿を拝みたいものですね…(切実)。


GS美神 極楽大作戦!! 1 (小学館文庫 しH 7)
椎名 高志
小学館 (2016-08-18)
売り上げランキング: 18,402

美神令子さん、今見ると脚が長く描かれていてビックリ。「大人の女性」の表現の仕方の一つだと思う


コミックマーケット90 椎名高志作品関連サークル

8/12(金曜日)
8/13(土曜日)

少年サンデー電書版公開記念 過去1年間サンデーを読んでいない人向け・電子書籍版無料サンデー作品ガイド(後半)

kindleでサンデーを購入するイメージ画像

 お久しぶりです(´・ω・`)。

 8/9まで実施されている、サンデー32号を無料で入手することができるキャンペーン便乗記事の続きです。


初恋ゾンビ/峰浪りょう

額の怪我をきっかけに、初恋相手を理想化した脳内彼女的思念体=初恋ゾンビが見えるようになってしまった高校生・久留目タロウ。自分のばかりか、学校中、いや町中の初恋ゾンビが見えてタロウは混乱しまくり。初恋の相手が一瞬でも「付き合う」と言えば、初恋ゾンビは消えるはず…と仮説を立て、タロウは思い切って指宿に告白するが、クラス全員に目撃されるわ、フラれるわ、イヴは消えないわ…(涙) そうこうしているうち、中にはブラック化する初恋ゾンビまで現れ…!?
 ゾンビ…というタイトルとは裏腹のきゅんきゅん♥ラブコメ!!

 基本的には「自分のことが最初から大好きな、人間じゃない女の子が空から降って来た!」という、如何にもサンデーに載っていそうなパブリックイメージに沿った設定のラブコメマンガなんですが、そこに『過去に色々あった結果ジェンダー的にひねくれて現在は男性として生活している、主人公の幼馴染であり初恋の女の子』という複雑な設定を持った指宿君の存在を加えたことで、この物語を単なるお色気ファンタジーだけではなく、思春期特有の恋心と性の揺らぎを物語の中に与えることに成功しています。
 個人的には、従来のサンデーのイメージを踏襲しつつも新しいものを生み出して行くという「リニューアルされた現在のサンデー」の姿勢を象徴しているマンガだと思っています。個人的にオススメ。

古見さんは、コミュ症です。/オダトモヒト

古見さんは、コミュ症です。なので人付き合いがとても苦手です。でも友達が欲しい古見さん。人の気持ちを察するのが得意な只野くんが友達になり、その伝手で長名なじみとも友達になりました。だけど……
 話したい。話せない。沈黙の美少女・古見さんのコミュ症コメディー!!

 いわゆるコミュニケーション不全症候群な人々を題材にしたコメディー。
 基本的には、文字通りのヒロインである古見さんの「お嬢様」的な雰囲気と、彼女の極端な人見知りの性格に端を発する不審な挙動のギャップに起因するドタバタ劇を楽しむマンガなんですが、この作品の特徴として「古見さんがみんなから愛されまくっている」が故に常に周囲が古見さんの行動を良い方向に解釈して立ち振る舞うため、いわゆる「コミュ症」をネタにした作品の読後に感じる「コミュニケーションが不得手な人の不審な行動を笑いものする」系統のストレスを感じない作りになっていることが上げられると思います。
 そういった意味で、非常に優しい作品です。

柊様は自分を探している。/西森博之

同年代の生徒達から「お疲れ様」挨拶される少年・白馬圭二郎はある日、美女を見た。それはただ美しく、綺麗なだけの美女ではなかった。屋上から落ちた少年を助けたり、悪さしようとしたチャラい不良をボコったり… その後出会った圭二郎に対し、凛と、颯爽と、家来に指名した。そんなこんなで、あやふやな記憶のその美女・柊様は、しばらく圭二郎の家で預かる事に…

 藤田先生同様、現少年サンデー編集長が三顧の礼でサンデー復帰を願い出たと言われる西森博之先生の作品。「天使な小生意気」「道士郎でござる」の頃から一貫している、「主人公が己の姿勢を貫くことで、周囲の人間も次第に変わっていく」というテーマを、この作品も踏襲しています。

 それらの作品と「柊様」との大きな違いといえば、柊様が超人的な精神力や洞察力を発揮して時にハッとさせられるような活躍をする一方で、茶目っ気たっぷりにイタズラをしたり、圭二郎に対する自分の感情の意味をよく判っていなかったりする幼さをも持ち合わせてる、良く言えばとても可愛げのある人物として描かれていることでしょうか。
 とりあえず、柊様に萌え萌え(死語)になって読むのがいいと思います。

暁の暴君/伊織

天才的な実力を持つ柔道家・朱点一真は、いきなり大会に乱入して優勝者を圧倒。伝統や理念を掲げながら不正な勝負をする講英館に対し、「三年以内にぼくを倒してください」と、不敵な笑みを浮かべて宣戦布告する!!
 そしてついに全日本柔道選手権が開幕! 全国から集まった猛者たちが「日本一強い柔道家」の座を賭けて熾烈な戦いを繰り広げる!!
 すべての努力家達へ送る、反柔道奇譚!!

 現在の編集長に変わってから最初に始まった新連載。主人公のカズマは「最初からものすごく強い」「実家は大金持ちでメイドを引き連れている」「倒した相手に対してその実力不足を躊躇なく指摘する不遜な態度を取る」など、普通の柔道マンガだったらまかり間違いなく主人公の敵役になるであろうタイプのキャラで、それだけでもこれまでのサンデーの柔道マンガの代表である「帯をギュッとね!」「いでじゅう!」等の作品とは相当毛色が異なります。どちらかと言えば「修羅の門」の系統に属するマンガという印象。

 現在、マンガの中では全日本柔道選手権の決勝戦が繰り広げられていますが、未だにカズマの「正体」や、彼が柔道界の権力の権化である講英館に喧嘩を売る本当の理由は、(色々と匂わせる描写はあるものの)まだ物語の中では明確に語られてはいません。今後そこまで話が進むことに期待してます。

ふれるときこえる/本名ワコウ

 肌と肌で相手に触れると、その心の声が聞こえる…… 突如異常な体質になってしまった高校生・噪は、この体質のおかげで、片思いの相手・結川が親友・拓海を想っているとの心の声を聞いてしまう。ちょっと不思議な転校生・さとりは「自分も同じ体質であり、噪に恋したためにそれを感染してしまった」と言う。過去にもさとりが好きになった人が同じ状態になり、でも好きな気持ちを諦めたら元に戻ったらしい。さとりはがんばって噪の恋を成就させ、自分の恋心を絶つ努力をすると宣言。時間はかかりそうだけど、奇妙な「聞こえる」コンビが一歩踏み出す…!!
 聞きたい、だけど聞きたくない…ジレンマじりじりラブストーリー!!

 「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」「ノゾ×キミ」の本名ワコウ先生の最新作。

 アクの強いヒロインをメインに据えた前作までは打って変わり、今回は主人公の噪君を始めとして常に友達のことを思って周囲への心配りを忘れない仲良しな善男善女達がメインキャラだったので最初のうちはどうなることかと思ったんですが、物語が進むに従ってそんな善男善女にも心の内側には「友達」には決して明かせな恋愛感情や疑心暗鬼や嫉妬といった様々なドロドロしたものが渦巻いていて、やがてそれが明らかになるに連れ、これまで彼らの関係が友達のことを思い遣るがゆえに徐々に壊れていく──という感じの話になって来たので、やっぱり本名ワコウ先生の作品はこうじゃなくちゃ! と安心しました。

 「ふれるときこえる」という表題は、文字通り「他人に触れると心の声が聞こえてしまう」能力を持ってしまった主人公・噪君のサイコメトリーのことを指しているんですが、物語が進むに連れて「心の声が聞こえたとしても、それだけでは大切なものは聞くことができない」「心の声が聞こえないからこそ、心に通じるものもある」といった意味合いを含んだものになりつつあるように思えます。
 連載の方は佳境に差し掛かりつつある印象ですが、今後の展開に期待していきたいところです。

 個人的な結論としては、さとりが良いです。

週刊少年サンデー 2016年36号(2016年8月3日発売) [雑誌]

今、まさに今週号をkindleで読んでます。電子書籍元年が来たよ!


スポンサーリンク
1 32 33 34 35 36 37 38 271