サンデー 一覧

一週遅れですがこれだけは書いておきたかったサンデー35号「お茶にごす。」感想

お茶にごす。

 最終回。姉崎部長が卒業してからのこのマンガは、個人的には「『自分は部長に相応しくない』と思い込んでいる雅矢が、その思い込みを自分で解いて部長に再会する覚悟を完了するまで」を描くことがテーマだと思っていたのですが、その雅矢の思い込みを解き、「優しさ」とは何かを彼に悟らせる役目を担ったのは、結局彼を一番近くでずっと見ていた夏帆だったという展開に。
 山田が「よく考えてみれば、そーすんのが正しいよね」と言ってましたが、確かに夏帆が直接「自分が欲することをしろ」と言うのが一番説得力があります。

 この物語はあくまで雅矢と部長のための物語であり、部長が卒業した時点でこのような形で早期に最終回を迎えることは、おそらく制作上決定していたのでしょう。ただ、このマンガは部長がいなくても続けられる様なスタイルのマンガではあるので(新入生勧誘イベントとか)、もうちょっと続いて欲しかったなというのが正直なところではあります。
 でも、最終回の姉崎部長が雅矢に再開した時の嬉しそうな表情を見ていると、ああこのマンガは彼女の幸せのためにもここで終わるべきだったんだなー、と納得させられました。

 何にしろお疲れ様でした。次回作も期待しております。


クラブサンデー作品紹介日記

 せっかくクラブサンデー用のブログツールみたいのを作ったので、クラブサンデー限定で載ってるWeb連載マンガを一通り紹介する記事を書いてみます。

★★★のスペシャリテ

★★★のスペシャリテ

著者 谷古宇剛
監修 エコール辻東京・西洋料理教授 秋元真一郎
取材協力 辻調グループ校(http://www.tsujicho.com)
協力 丸の内Sens&Saveurs・シェフ 長谷川幸太郎
(C)Tsuyoshi Yakou/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 週刊から移籍。連載時は純粋に「仕事を通じてシェフとしての才能に目覚めていきつつ、関わる人を料理で救っていく主人公」を描く正統派の料理マンガという印象だったが、Web版では人間ドラマを描きつつも、より「料理バトルマンガ」としての側面を強く打ち出していく意向っぽい。


夏草ホームベース

夏草ホームベース

平手将之
(C)Masayuki Hirate/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 甲子園で投げることを夢見る豪腕の美少女が、主人公の少年が在籍する部員が一人しかいない野球部にやって来て、主人公の幼なじみで生徒会副会長の女の子がやきもきするマンガ。絵柄的にはラブコメなんだけど、主軸はあくまでも野球! 熱血! と思わせておいて、でもやっぱりラブコメみたいな感じ。
 こういうタイプの絵柄であえて野球マンガをやるという試みが面白い。個人的な注目作品の一つ。


まにまに

まにまに

松浦聡彦
(C)Tokihiko Matuura/Shogakukan2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 「タキシード銀」「ライジングサン」など、90年代からサンデー読んでる人にはお馴染みの松浦先生最新作。薬草マニアのボンクラ主人公のところに、語尾に「マニ」を付けて喋る愛くるしいマスコットになったマンドラゴラが押しかけてくるという、「ドラえもん」スタイル少年マンガの最前線というか、極北に位置してそうなマンガ。松浦先生がんばってるなあ。


GOLDEN★AGE

GOLDEN★AGE

寒川一之
(C)Kazuyuki Samukawa/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 クラブサンデーの偉大な先達であるこの作品も、すっかりクライマックスな展開に突入。Webに移ってからは近江の才能が大爆発して凄いことになってる。サンデーでこのマンガを読んでいた人なら是非。


本日のギャグのおすすめ

本日のギャグのおすすめ

遊眠
(C)Yuumin/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 不条理系社会派ギャグマンガ(自称)。「社会派」を名乗ること自体がメタなギャグになっている、存在自体がカオスな作品。
 しかし、バックナンバーとしていつでも読めるダウンロード系のマンガで時事ネタをやるのは、実はかなりの冒険なのではないか? と、裸のキャラを「ツヨシ」呼ばわりするネタを読みながら思ったのは秘密。


幻影少年

幻影少年

万乗大智
(C)Daichi Banjo/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 みんな大好き万乗先生の最新作。夢と現実の狭間にある、人の心の「間の世界」にダイブする能力を持った美少年が彼に関わった人々の心を救っていく、という趣向のハートウォーミングなファンタジー。
 彼をネタに金儲けを企む、ちょっと腹黒な万乗美少女もいるよ! 万乗パンツもあるよ!(お約束)


紅の騎士ロックウェル

紅の騎士ロックウェル

灘谷航
(C)Wataru Nadatani/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 竜が世界を闊歩し、騎士崩れの悪漢達が蠢くこの世界だけど、それでもオレは騎士道を貫いていきたい! と願う主人公の少年が、リアルバウト騎士道を歩むおっさんの従者になって成長していく正統派騎士道ファンタジーマンガ。
 騎士は渋いオッサンに限るね! という俺みたいな趣味の人にはたまらないマンガ。でもオッサン死んじゃいそう。がんばれ。超がんばれ。


やおよろっ!

やおよろっ!

なつみん
(C)Natsumin/shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 週刊少年サンデーからクラブサンデーに流されて来たことで有名な擬人化美少女マンガ。なんかクラブサンデーになってからちょっと面白くなってる気がする。ちょっとだけ。コミックス売れるといいですね(礼儀)。
 なお椎名先生が寄稿したと言い伝えられているコミックス1巻の特典ですが、自分はまだ「売っているところを観た」との目撃情報を直に聞いたことがありません。あれは本当に存在していたのだろうか。


M・S DOLLS

M・S DOLLS

菅原健二
(C)Kenji Sugawara /Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 アニメに出てくる釘宮ヴォイスのツンデレキャラを妄想しすぎた挙げ句、オレだけにしか見えない妄想キャラ(M.S.ドールズ)を現実にしてしまう能力を得てしまったダメ主人公が、同じような能力を持ったダメなオタク達相手に「妄想バトル」という名において相手のダメっぷりを罵倒する不毛な争いを繰り広げる、おかしい(頭が)マンガ。
 「俺の方が凄いんだ!(オタ的な意味で)」というオタクの自己顕示欲求をバトルに組み入れる発想が面白い。でもオタクはオタク同士で仲良くしようぜと思った。


ポップコーンアバター

ポップコーンアバター

星野倖一郎
(C)Kouichiro Hoshino/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 かつて「メルΩ」をサンデーで連載、少女ゲルダの辛気くささがオレ達の心を掴んだ星野先生の新作。今度は、過去に色々あってすっかり辛気くさくなった主人公の少年が神族と魔族の争いに巻き込まれてしまい、「神」を名乗るナイスバディかつサディスト気味なお姉さんにつきまとわれて罵倒されたり励まされたりするマンガ。大変に羨ましい(正直な感想)。
 能力バトルものの基本に沿ったマンガだけど、バトルの最終目的が「主人公の引きこもり体質からの脱出」に設定されているように見えるところが今っぽいなと思ってます。


銀塩少年

銀塩少年

後藤隼平
(C)Junpei Gotoh/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 撮った写真に「未来」が映る能力を持っちゃった写真少年が、好きな幼なじみの女の子に告白できなくてモジモジしてる間に、彼女の「未来」の写真には自分じゃなくてイケてるテニス系男子が一緒に写っていたよ! どうしよう! みたいなジュヴナイルSFマンガ。
 個人的に大好きな要素で構成されたマンガなのでオレ大喜び。更新を楽しみにしてる作品。


サムライナンバー11

サムライナンバー11

野田宏
(C)Hiroshi Noda/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 Dr.平賀に育てられたサイボーグ・ジンタが、将来真田十勇士の母となる少女を抹殺するために過去へと送り込まれるけど、色々あってジンタが彼女に惚れちゃって逆に彼女ともども徳川からの刺客に狙われちゃって、みたいな感じのアクションコメディマンガ。
 歴史上の有名人が時代関係無しで無節操に出て来て主人公達と絡む、良い意味でのいい加減っぷりさを楽しむマンガと理解。面白いです。


呪法解禁!!ハイド&クローサー

呪法解禁!!ハイド&クローサー

麻生羽呂
(C)Haro Aso/Shogakukan 2009

posted with EmbedSunday on 2009-08-01

 連載終了。クラブサンデーに移行してからというもの、「これは週刊誌じゃ無理だわ」と心底思わされるハードな展開で読者をビビらせ、最後は地球規模どころか時空をも超える展開を見せて大団円。まさか「窓辺の男」がああいうことになるなんて! と驚かされました。
 作者の麻生先生は現在旅に出てるそうです。かっこいいなあ。



「結界師」のカケル×ミチルは百合的にイケるのかどうか判断が難しいサンデー34号感想

7/29追記あり:

ハヤテのごとく!

 ハヤテにとっての「宿命の女」、より格好良く書くとファム=ファタールであるところの、天王洲アテネことあーたんがついに再登場。ハヤテとの偶然の再会で沸き上がった感情の昂ぶりをわざわざ小指を噛みながら表現するシーンはたいへんにエロティックであり、「ハヤテ」史上最も存在自体がエロいキャラの面目をさっそく躍如させてます。
 幼少期ですら退廃的なエロスをあれだけまき散らしていた彼女ですから、あれから10年経った今では更にそれに磨きがかかっているに違いありません。今後の彼女の一挙手一投足に注目です。性的な意味で(ひどい感想)。

 しかしアテネとハヤテの関係は、例え互いに愛し合っているとしても、同時に傷つけあわないと済まされないような、そんな激しい関係であるような気がします。ドラマチックではあるけど、結局最後には破綻することが宿命付けられているような。
 ハヤテが平和な人生を歩みたいのであれば過去を忘れて新しい恋を見つけるべきで、実際彼の周りにはそれができるだけの女性が沢山いて彼を待っていたりするんですけど、しかしこうしてまた再びアテネと出会ってしまったということは、結局そう簡単に過去からは逃れられないし、ハヤテには平穏な人生は歩むことはできないということなのでしょう。天然ジゴロも楽じゃないのね。

マギ

 アリババがアラジンの大切さに目覚めるの巻。しかしようやくアリババがアラジンのかけがえのなさに気付いたその時、アラジンを狙う新たなるライバル・ジャミルが姿を現して唐突に熱烈なアプローチを仕掛けてきたよ! 果たしてアリババの愛は報われるのかな! という展開であると解釈しました。大枠では多分それほど間違ってはいないと思います。

 あとは直接は関係ないですが、領主ジャミルの奴隷少女であるモルジアナがイイですね。何がイイって、あの全てを蔑んでいるかのような、サディスト的ながいいです。あの冷たい目で見つめられたら、サンデーの男性読者の八割を占めるであろうマゾヒスト達はそれだけで昇天しかねません。
 おそらくは奴隷という立場が彼女の瞳をそうさせているのでしょうが、彼女の主のジャミルはこの彼女の瞳を見たいからこそあえて奴隷にしているのかも知れません。ということはあのジャミルもマゾヒストなのか。夜な夜な「僕をその冷たい目で蔑んでおくれ」とか懇願してるのか。さすがアラビアンの世界は違いますね(違います)。

 オリジナルの「アリババと四十人の盗賊」では、モルジアナは迫る盗賊達を知略でブッ殺してアリババの窮地を救う聡明な女性として描かれているので、おそらくは今後も彼女が物語の大きな鍵を握る存在になると思われます。全マゾヒストはモルジアナに注目のこと。

ジオと黄金と禁じられた魔法

 先週提唱したこの作品の略称「ジオとと」でググってもこのサイトしか引っかからくて残念です(本気だったのか)。まだ「ジオ禁」の方が通りがよさそうな感じ?
 それで「ジオとと」ですが、自分の観測範囲でもそのあまりに異質な絵柄などに対してかなりの拒否反応を示している人がいるみたいで、久しぶりにサンデーに「問題児」が登場したなという実感が湧いて来てます。この反応をサンデー編集部が織り込んでいるのであればまさに「計画通り!(AA略)」なのでしょうけど、実際サンデー編集部がそこまで計算しているのかどうかは謎です。計算してないのかも知れない。

 今週はこの作品世界における「街」が初めて登場したのですが、出てきたキャラがパンクロッカーチックな金髪メガネだったりヘビ柄の服を着たスキンヘッドだったりと、何か妙に70年代のパンクロックテイストな雰囲気を醸していたのが気になります。
 第一話の段階では、「魔法」とそれが持つ「力」の描写に注力したハイ・ファンタジーな物語を展開するのかと思っていたのですが、今回は魔法使いには認可証が必要とか、魔法使えるから俺たちがこの町の法律だぜヒャハー的な俗っぽいザコが出てきたりとかしたところを見ると、もうちょっと緩めなファンタジーを狙っているのかも知れません。
 このままだと、ジオが魔法認可証を獲得するために格闘大会に出場するみたいな展開になっても不思議ではないなと思いました。このマンガの掲載誌がサンデーじゃなくてジャンプだったらそうなりかねない流れ。足払いキャンセル花咲かす魔法で攻撃とか(何それ)。

以下、7/29追記:

電脳遊戯クラブ

 おそらくこれ読んだ現役プログラマの方々は総出で突っ込んでいるとは思うのですが、「もしも0なら」を(コンピュータ言語で)「if (0) { ... }」と表現するのは間違っています。このif文は(「もしも0なら」ではなく)「0が真かどうか」を意味しており、コンピュータの世界では0は真ではなく常に偽であると決まっているので、このif文は結果的に何もしません
 コンピュータ言語の世界では、一般的に「もしも0なら」をチェックしたい場合は「何を0と比較するか」を明示的に指定する必要があり、その「何」にあたるのが変数と言われるものになります。例えばXという変数に入っている値が0かどうかをC言語で比較したい時は、「if (x == 0) { ... }」と書くのが普通です。以上解説おわり。

 あと何かニシン君はゲームの基礎部分を作ろうとして躓いているみたいですが、今回作ってるエッチゲーはコマンド選択式のよくあるアドベンチャーゲームなんだから、全て一から自分で作ろうとしないでNScripterなどの稼働実績があるフレームワークを使った方がよくなくない? その方がエッチゲーの核であるシナリオ部分の作り込みに集中できて制作のモチベーションも上がるし、開発工数も少なくて済むんじゃね? と思ってしまうのは、自分が職業プログラマだからなのでしょうか。

アラタカンガタリ

 コトハの「アラタ様にだったら、私何をされても…」という台詞を聞いた時のカンナギ様の喜びっぷりが、頭の中がエロ妄想でいっぱいな中二男子チックで面白かったです。
 あと仮にアラタがコトハと一緒に大人の階段登ろうとしても、あれだけ緊張してると多分失敗すると思いました(感想)。

はじめてのあく

 この前部屋を整理していたら、藤木先生が「こわしや我聞」の連載が終了した頃に作ってコミケで領布した同人誌『夏休みの友』が出てきました。もうこの本が出てから3年も経つんですよね。
 あの頃の藤木先生は、同人誌というアンオフィシャルな場所じゃないと自分のマンガの女性貧乳キャラを脱がすことができなかったシャイボーイだったものでしたが、あれから様々な紆余曲折を乗り越えて大きくなった今の藤木先生は、本編でヒロインの貧乳キャラを堂々と何度も脱がした上、「うら若き男女が二人きりで旅行」だなんてドッキドキなシチュエーションのエピソードまでこなせる余裕と貫禄を身につけた、立派な少年マンガ家に成長したのです。何か嬉しくなって来ちゃいます。
 そういう訳なので、ジローとキョーコがうっかり大人の階段を登っちゃいかねないようなドッキドキなエピソードを期待したいところです。いや絶対にそうならないことは判っているんだけど。

 そして、エーコ姉さんは実家に帰ったら大姉上に酷い目に遭わされる運命になることを、もうちょっと自覚した方がいいと思いました。


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