サンデー 一覧

遅くなりました(いつものことです)サンデー33号感想

結界師

 良守が修行の果てに生み出した「極限夢想」はスゲエぜの巻。「極限夢想」は、要するに「スタンド」みたいなものだと解釈してます。能力そのものが姿形を取って具現化したものっぽいので。
 ただその良守の「極限夢想」たる「しぐま」は、見てくれが海外のトランプのジョーカーに描かれているような萌え要素皆無のクラウンみたいなデザインで極めてキモいっつうか不気味なので、どう考えてもマスコットキャラになってクレーンゲームの商品になるようなタイプではないなあと思いました。いやまあ、ここで「神のみぞ知るセカイ」のよっきゅんみたいな萌えキャラに出てこられても困るんだけど(萌えキャラ?)。

 個人的な感想ですが、「しぐま」の喋り方はどことなく火黒に似ているような気がしました。火黒はピュアに人を斬る道を極めちゃった挙げ句エンディングの向こう側にまで突き抜けてしまった存在でしたが、良守にもそうなっちゃうだけの資質があるのかも知れません。今の良守も割と黒い感じしますし。
 「しぐま」に染まってだんだん黒くなっていく良守に対して「そんなの良守じゃない!」って言うヒロインキャラの座を射止めるのは時音になるのか、それとも閃ちゃんになるのか。その辺を今後の見所にして行きたいです。

最強!都立あおい坂高校野球部

 あお高は守備ができない神木に対してバント攻撃をしかけて攻略するんじゃないかと思ってはいましたが、まさか「あお高」界きってのマスターオブ凡人であるところの我らがキャプテンがやってくれるとは痛快です。凡人が超人を制したよ! 多分、今がキャプテンの人生最良の瞬間ですよ! もう次はないかもよ!(ひどいよ)
 これからあお高は下位打線に入るわけですが、ここでもバンドばっかりやって完全に神木をキレさせたら「砂漠の野球部」みたいで格好いいなあ。どうなるんだろう。

金剛番長

 「細胞がスジを通した。
 サンデー33号でもっとも面白かったのがこのコマでした。
 今回、細胞がスジを通すと何で環境への適応をも超越して進化の極みを超えられる存在になれるのかという理由は全く解説されていませんが、連載開始直後から今までの間、主人公の金剛番長が「スジを通す」というただ一点を行動原理として活躍してきた結果、この無茶な言葉にも読者を「スジを通しているなら仕方がない」と納得させるだけの説得力を帯びさせることに成功しています。
 エンターテイメントにおいて、物語に一本スジを通すことの大切さを、このマンガ自体が体現していると言えましょう。正直感動しました。さすが「金剛番長」は違う。馬鹿馬鹿しさが(褒めてます)。

電脳遊戯クラブ

 「編集部注)この作品での『エッチゲー』は、中高生でもできる健全なものです
 これって「この作品に登場する人物は全て18歳以上です」とか「作中の登場人物に血縁関係はありません」とかと同じくらい説得力がないと思いました。マンガの中で出てくる「家族にエッチゲーをしていることに気付かれない方法」って、完全にエロゲーとかアダルトビデオを家族に内緒で鑑賞する方法論と一緒だもんなあ。いや、私はオトナなのでその辺は大人の事情で華麗にスルーしますが。
 とりあえず、こういうのは本人が気付かれていないつもりでも「それでもママは何でもお見通しだ」というオチに終わることが多いので、みんな母親には親切にしておいた方がいいと思います。

アーティストアクロ

 連載序盤はあまりに生身の女性キャラが出てこなかったため、「アーティストアクロに女はいらない」がこの作品のモットーではないかと思われていた(というか自分が勝手に決めつけてた)ものでしたが、ついにアクロに好意を持ってる美少女キャラが登場するフェイズに突入。読者にとっては微笑ましいことですが、アクロのことが大好きなデコにとっては一大事になりそうな予感がします。負けるなデコ(何となく)。
 にしてもアクロは7歳にして年下にしか興味がない真性だったとは。幼女しか愛せない少年マンガの主人公って、冷静に考えると凄いですよね。時節柄。表現の自由って素晴らしいです。


魔法使い(ネットスラング的な意味で)の皆さんこんにちは!サンデー33号「ジオと黄金と禁じられた魔法」感想

ジオと黄金と禁じられた魔法

 新連載。作者の桐幡歩先生は、かつて(椎名先生の読み切り「破壊僧ジョドー」が掲載されていた)サンデー超増刊に載っていた新人コミック大賞入選作「魔法の卵使い」を読んだ時から、「絵柄や作品世界は個性的で凄いものを持っているけど、少年誌でやるには向いていないんじゃないか」と思っていた人で、その後何度かサンデーに掲載される作品を読んでも、その認識は変わりませんでした。
 そして今回の「ジオと黄金と禁じられた魔法」も、また桐幡先生の特徴であるところの「独特の絵柄と世界観」を活かす為、安易に表現方法を少年マンガ向きにチューンしないまま誌面にぶつけて来た感が強いです。おそらく作者の側は、初連載作品にして早くも「オレはこういうマンガしか描けないんだ」と覚悟を完了させていると思われます。ジャイガンスティック!(専門用語)
 ちなみに、68ページもあるのに登場人物がわずか4人、それも主人公のショタっ子以外はじじいロン毛冷酷眼鏡という男性読者に全く媚びていないラインナップなのも凄いです。しかも唯一の希望のショタっ子も、最後の方ではもはやショタと呼ぶには微妙な年齢の少年に成長してしまってますしね。こんなところからも桐幡先生の本気っぷりが伝わってくるというもの。

 作品としては、「魔法使いになって弱くなる奴もいる」という台詞が強調されていることからも判る様に、テーマとしてはいわゆる “With great power comes great responsibility”(大いなる力は大いなる責任が伴う)路線になるものと思われます。この世界における最強の魔法「禁呪」を手にすることとなった少年ジオは、「禁呪」の力に溺れることなく、たった一人で「世界一の魔法使いになる」という極めて漠然とした目標に到達することができるのか否か。多分そんな感じ。
 真面目にやろうとするとかなり壮大なスケールな作品になりそうですが、とりあえず個人的にはこの読者に媚びない覚悟完了っぷりを貫いて頂き、桐幡先生ならではの作品世界を存分に描いて欲しいです。個人的に昔から注目していた作家さんなので、頑張って頂きたい所存。
 でも、できれば「鬼月」に出てきたようなミステリアスな美少女キャラも出して下さい(弱い)。

 あと「ジオと黄金と禁じられた魔法」はタイトルが長くて呼びにくいので、編集部側で適当な略称を付けるべきではないかと思われます。同系のネーミングのゲーム「剣と魔法と学園モノ。」の略称が「ととモノ」なので、このマンガは「とと禁」や「ジオとと」とかは如何でしょうか。もはや何のマンガか判りませんが。


バンダイの科学力で「はじあく」のネコ耳化メガネを商品化できませんか的サンデー30号感想

7/1追記:

神のみぞ知るセカイ

 久しぶりにダメな桂馬が見られたのでファンとしては満足です(ダメ)。

 今回登場した天理は桂馬の「幼なじみ」という設定ですが、桂馬が彼女のことをほとんど覚えていないということは、逆に言えば単に忘れてしまっていただけで当時は本当に仲が良かった可能性も考えられます。なので、最終的には彼女は桂馬が言うところの「TOYOTAが作る信頼の幼なじみ」っていうシチュエーションに全て当てはまってしまいそうな気がしないでもないです。
 少なくとも最後の「立場が全然変わって再会」には確実に当てはまると思う。明らかに天理ちゃんおかしいし。頭ではなく態度が。

電脳遊技クラブ

 ニシン君がゲームを逆アセンブルして動的に解析しているシーンは、かつて「絶チル」で紫穂がゲームを一瞬にして読み込んだシーンをものすごく派手にするとこうなるのかなと思いました。
 ただ、ニシン君はゲームのマシン語を逆アセンブル→それをC言語に変換→それを解析というステップを踏む必要がありますが、紫穂の場合はマシン語を逆アセンブルで翻訳することなく、ゲーム構造そのものを読み取ってそれを直接理解しているように見えます。英語を日本語に翻訳して解釈するか、英語を英語のまま解釈できるかの違いみたいなものですね。よってこの勝負は紫穂の勝ち(勝負してません)。

 そしてシューティングゲームの場合、二人プレイをするとソロプレイよりも多めにアイテムが出てくるものもあるので、そういう場合は一人にアイテムを集中させ、もう一人は影のようにその後を付いて行っておこぼれに授かる戦い方が割と有効です。「コバンザメ戦法」って言ったような気がする。ダライアスとかで有効だったような(例えが古い)。

 逆アセンブルで出てきたソースが、それなりにゲームの座標系の処理っぽい雰囲気だったのは良かったです(フォロー)。

アラタカンタガリ

 革とコトハが風呂場で半裸でどっきどきするというせっかくのけしからん展開だったのですが、革が「コトハのおっぱいを見て鼻血を垂らす」という持ち前の初心っぷりというか童貞っぷりを発揮して台無しに。女の子の裸を見て鼻血を出すだなんて20世紀的な演出だと思ってましたが、意外と現代でもイケるものだなあと思いました。
 何にしろコトハは現在のサンデーにおける横乳チラ見せ型ヒロインとして貴重な存在である上、「俺が俺であるという理由だけで俺のことを一方的に好きでいてくれる異世界の女の子」というボンクラ男子垂涎の属性も持ち合わせているたいへんにいい子なので、今後もこの調子で革に鼻血を吹かせてやって欲しいです。彼女の恋が報われるかどうかはともかく(ひどい)。

 あと今回は序盤でカンナギ様がヘタレずに活躍していたのですが、「オトナ」に捕まってヘタレていたところに限って革に見られてしまうとか、相変わらずヘタレ方がツボに嵌ってるなあと感心しました。さすがカンナギ様。

魔王

 ついに最終回。やはり最終的にこのマンガは第一部のメインテーマである「考えろ、考えろ、考えろ、マクガイバー」的なところに回帰して行くんだなと思いました。現実社会でもまもなく政治の季節が始まろうとしていますが、そういう意味でもこのマンガはこのタイミングで終わるのが相応しいのかも知れません。

 最終回でのサプライズは、「魔王」きっての最萌えキャラであるところの「バッカジャナイノー?」兄弟が実はこの作品内で最強の力を有しており、かつて犬養を狙撃から「救った」地震を起こしたのも彼らだった(そして潤也はそれを見越して彼らを雇っていた)ってところ。
 これによって犬養狙撃の時に残された伏線が回収されたと同時に、「犬養は潤也の画策した『兄の復讐』を果たすための筋書きに乗せられていたのでは?」という憶測が可能になります。今回潤也が行った行動は、まさに彼の兄が当時やるはずだった「犬養に扇動された人々の熱狂を解く」ことそのものでしたからね。

 何にしろ、連載おつかれさまでした。月刊サンデーでの「蝉」を主人公にしたスピンアウト作品にも期待させて頂きます。

お坊サンバ

 「ほとんどの視聴者はテレビに対して今以上の画質も情報も何も望んでおらず、デジタル化は余計なお世話である」という真実を堂々とオチにした今回の「お坊サンバ」は、ギャグマンガを社会風刺として機能させるという久米田先生放逐後のサンデーに欠けていたユーモアのセンスを久々に思い起こさせるものでした(大げさ)。

 うちも最近アナログTVが壊れたので仕方なく地デジ対応の液晶テレビを購入しましたが、映像がすげえ綺麗なのでもうアナログには戻れません(弱い)。


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