「キャラクターが似ている」問題を振り返る サンデー12〜13号「ムシブギョー」感想

ムシブギョー

 陰陽師からくりロボ少女「壱与」・江戸で大暴走編が終了しました。

 この陰陽師ロボ、既に皆さんの記憶から消されているかも知れませんが、初登場時はドイツミリタリー風ゴスロリ衣装だったものの、中国のゲームメーカーから「うちのゲームに登場するキャラに似てる」とのクレームがあったため、翌週にはデザインが現在の甲冑娘風のものに変更されるという事件がありました。

 クレームに対して無駄に争うことなく即座にデザインを変更した手際の良さは素晴らしかったのですが、しかしサンデー編集部がウッカリ「タイトルすら聞いたことがない海外ゲームのキャラに似ているとの指摘を受けました」という、ちょっと先方への配慮が足りなさそうな表現でデザイン変更の告知を行ってしまったばっかりに、先方のゲームメーカーが怒って謝罪を要求する事態になってしまいました。
 この辺は、さすが過去に舌禍事件を何度も引き起こしてきたサンデー編集部の伝統は体制が変わっても未だ廃れず、といったところでしょうか(皮肉)。

 個人的には、クレームでデザインが変わってしまったとこよりも、服のデザインが変わってしまったことでからくりロボのおっぱいが目立たなくなってしまったことの方が悲しいです。ロボ娘のおっぱいは、まさにロマンの塊ですからね!(本来は必要以上にデカくする必要がない部位なので)

 最終的には「朝廷の威信をかけた最終決戦兵器」を経て「天間のためのメイドロボ」にその役割を落ち着かせた壱与さんですが、「二十歳までしか生きられない男の子に甲斐甲斐しく尽くす人造少女」というテーマは少女型最終決戦兵器とはまた違った意味でアニメ的というか、むしろエロゲー的な文脈であり、いろいろとグッと来る要素を満載していると思うので、何らかの機会でもう一度この二人にフォーカスが当たるといいなあと思いました。

 物語では、仁兵衛が最後の戦いに向かうため江戸から去ってしまうことを察したお春がついにアクションを仕掛けそうになるなど、いよいよ物語の終局が近づいて来ている雰囲気が濃厚ですけど、だからこそこれから「ムシブギョー」は色々と盛り上がること必至でしょう。楽しみです。

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23巻は今月発売。もう23巻かー

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論旨:高橋留美子先生が「バブみ」の境地に挑んだ意欲作 サンデー12号「境界のRINNE」感想

境界のRINNE

 謎の失踪を遂げていた主人公の母親が、変わり果てた姿でついに主人公の前に姿を表し、秘められた謎について語り始める──という、作品によっては最終回間近にならないと出てこないようなストーリー上における最重要級な謎を、「母親は既に近所の幼女に転生していた」「しかも母はとんでもないホラ吹きだった」ってネタに落としてしまう、大らかというか大胆というか「え? こんなオチでいいの?」ってこちらが戸惑ってしまうくらいの投げ出し感が、色々な意味で凄いなと思いました(ほめてます)。

 あとこの「幼女の中身が母親」であるというところから感じる彼女独特の貫禄は、世間で言うところの「バブみ」に相当するものではないか? とも思ったのですが、何か微妙にこの事例はバブみとは前線違うような気もします。この幼女に対して、りんねや鯖人がいわゆるバブみを持つ女性に対する典型的な反応(例:シャアのララァに対する「私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」的な昂ぶるアレ)をしておらず、母や妻に対する普通の反応をしているからなんでしょうか。

 「バブみ」という概念は、母性を与える側と受ける側の双方の協力がないと成立しないものなのかもしれません。概念って難しいですね。おわり(何この文章)。

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アニメ版は独特のリズム感にようやく慣れて来ました

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論旨:ほたるは性と無垢の象徴 サンデー12号「だがしかし」感想

だがしかし

 ほたるさんはそのデザイン全てがエロスであるが故に、彼女がこの作品におけるココノツから観た「性の象徴」であることは間違いありませんが、そんな彼女に決してパンチラはしない・させないところが、「だがしかし」の作品世界を健全なものにしているんだなと改めて思いました。

 即ちこのマンガにおいて、彼女のパンツは決して登場してはならないのです。もしパンツが見えてしまったのなら、性と無垢の間の絶妙なバランスで成り立っていたこの作品における健全性は失われ、ただほたるのパンツを読者が期待してしまうお色気作品に変化してしまうことは必至。
 故に、「だがしかし」が今の「だがしかし」であり続けるために、ほたるのパンツは聖域として位置付けられているのです。

 まあでも、彼女はマンガの中で全裸を晒したことはあるんですけど、基本的に無垢が故に性に対する恥じらいというものがない彼女の場合、全裸を晒してもエロくなるどころかむしろギャグマンガ的な面白さを帯びてしまうところが、またマンガのキャラクターとして素晴らしいと思っています。
 パンツは聖域だけど生尻は晒せる、この微妙なバランスがほたるというキャラの奥深いところだよなーと改めて思いました。

 でも、パンスト越しのパンチラっていいですよね(だいなし)。

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ほたるの貴重な脱衣シーンはコミックス1巻に収録

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