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やればできる最高神、てらす様。 サンデー10号 「だめてらすさま。」感想

だめてらすさま。

 藤木俊先生お得意のドタバタ学園コメディ展開の回。アマテラス様の学生服姿も可愛かったし、新聞部の天城のトラブルメーカーっぷりも冴えてたし、国津神の百足のおっさん臭いエロさや男子学生共のボンクラっぷりも楽しかったし、そして散々ドタバタしつつもラストはきっちりと爽やかな青春ドラマとして落としてたし、最初から最後までちょう面白かったです。
 藤木先生がサンデーに帰ってくるからには、やっぱりこういう話が読みたかったんだよ! って感覚が具体化したようなエピソードでした。先生ありがとう!

 今回の白眉は、一日だけの学園生活を満喫したアマテラスが「悪くなかったかな!」と笑顔で言うところです。彼女がこんな表情したの、この話が初めてだったんじゃないんでしょうか。彼女もやればできる最高神なんですね。
 やればできる神様なのに、結局は最後に引きこもりに戻って色々と台無しになってるところも含めて、さすがてらす様だと思いました。やっぱりこのマンガ面白いです。

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「だめてらすさま。」1巻は3月発売らしいですよ


魔王様=この世界のゲームマスター説 サンデー9号 「魔王城でおやすみ」感想

魔王城でおやすみ

 このマンガの魔王様は、典型的なRPGの「姫さまをさらった悪い奴らの親玉」というよりは、「人間の勇者がプレイしている『姫さまをさらった魔王を倒す』ゲームを遂行するため、魔王役をやりながらゲーム進行を管理している(TRPGで言うところの)ゲームマスター」の立場に近い描写がなされているように思えます。
 この世界そのものがゲームであり、魔王様がゲームの進行を司るマスターである以上、彼には自分が用意したシナリオの筋書きに沿ってゲームを進行させつつ、勇者であるプレイヤーを楽しませなければならない義務があります。

 彼が姫様をさらったのは、勿論勇者であるプレイヤーを冒険の旅に出させる目的を作るためだったと思うのですが、彼にとって災難だったのはその姫様がただのおとなしい姫様ではなく、よりによって傍若無人な(略)。彼がゲームマスターとして練り上げた崇高なシナリオは、そのシナリオの冒頭でさらって来た姫様の手により、完膚なきまでに破壊されてしまったのです。

 今回の冒頭で『十傑集であるサンドドラゴンが勇者にやられた』との報告を聞いた魔王様が「勇者め…やられるばかりではないということか…面白い!」と魔王らしいことを言いつつ嬉しそうな表情をしているように見えましたが、あれは多分「姫様に邪魔されてシナリオ進行が滞っていたけど、やっと彼らを前に進めることができた」という、運営側の立場からの安堵から来るものであったに違いありません。おつかれさまです

 今回はその「十傑集」メンバーが初登場した他、魔王様がゲームシナリオ進行の気苦労でぶっ倒れた時に「父上」と叫ぶなど、魔界の側の設定に深みを与える描写が見られました。この作品も、いよいよ本格的な長期連載を睨んだ布陣を敷きつつあると考えて差し支えないのではないのでしょうか。
 連載が長期化するということは、スヤリス姫の乱暴狼藉も長期化するということであり、魔王様の気苦労もまた長期化することを意味しています。はたして魔王様は、スヤリス姫という最大の不確定要素を抱えたまま無事ゲームマスターとしての使命を果たし、「魔王」としての大役を演じきることができるのか。魔王として勇者に倒されるのが先か、スヤリス姫が与えるストレスにやられて過労で倒れるのが先か。
 こんな大変そうな魔王が出てくるファンタジーマンガは、珍しいのではないかと思います。

 でも、スヤリス姫に「いいこいいこ」されて照れてしまう魔王様はちょう可愛かったです(感想)。
 魔王様は彼女をお妃様にすればいいんじゃないかな?

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2巻でも既に魔王様の純情な一面が見られます


桜庭よ、小宇宙を燃やせ! サンデー8号 「BE BLUES!」感想

やりたい事だけやってきた男だが…
 今、この時、何が残っているのか、彼に何が生まれるのか、何が、出せるのか、
 私はそれを見たい!

 聖和台の眞鍋が、文字通り「桜庭絶対殺すマン」として徹底したマンマークをした結果、我らが桜庭さんはもはや聖和台の名無しの選手のブロックにすら耐えられずに転がってしまうくらい、ヘロヘロな状態になってしまいました。それが前回までのお話。

 通常であればスタミナ切れと判断されて即選手交代となるような局面なのですが、しかし桜庭の飼い主であるミルコがよりによって「桜庭の!ちょっといいとこ見てみたい!」と体育会系特有の無茶振りを発動、もうワンプレーだけ桜庭にやらせてみるという英断を下します。
 これは「限界を突破したその先にはきっと何かがあるはずだ」というミルコの桜庭に対する期待の表れであると言えますし、逆に「桜庭はまだこんなモンじゃねえ」とミルコが思っているからであるとも言えます。どっちにしろ、常識を超えた無茶を桜庭に強いていることは変わりありません。

 この状態を「聖闘士星矢」で例えるなら、ミルコは桜庭に「小宇宙(コスモ)を燃やせ!」と言っていることに等しいと思われます。ヘロヘロになっている桜庭に更に闘いをけしかける今のミルコは、「聖闘士星矢」のハーデス編においてズタボロになった星矢に対し、「あなたにはまだ生命が残っているではありませんか」と優しく語りかけたアテナと同じくらいの無茶なことをしているものと思われます。
 「聖闘士星矢」の世界は小宇宙を燃やせば大抵のことは何とかなったものなのですが、「BE BLUES!」の世界でも同じことが通用するのでしょうか。桜庭がこの局面でセブンセンシズに目覚めて神聖衣(ゴッドクロス)を纏い、このままこのマンガが冥王ハーデス編に移行してしまうことがあるのでしょうか?

 そして「小宇宙(コスモ)を燃やせ!」とミルコから命じられた当の桜庭ですが、もはやゴール前から動く様子は全く見せず、逆に「お前らがオレのところまでボールを持って来い」と言わんばかりに、「ドラゴンへの道」のブルース・リーばりに指をクイクイしてチームメイトを挑発するようなポーズを取り出します。

 これ、普通だったら「ふざけるな!」とチームメイトが怒り出すような態度だと思うんですけど(実際、ベンチにいる優希や窪塚は大激怒してます)、桜庭のことを知り尽くしている龍やコーメイは、桜庭の意図を汲んだ上で「何様だよおまえは!」と言いながらも実に楽しそうな表情を見せました。
 これは即ち、彼らは桜庭の挑発に乗った上で「貴様がそこまで言うならやってやる!」と、自ら桜庭の手足になってボールを彼まで運ぶ役を担う覚悟を決めたということです。つまり武蒼は今、まさに桜庭のためのチームとなったのです。

 桜庭のような卓越した技術を持つ独善的な性格のエースが活躍するためには、チームそのものがエースに点を取らせるために献身的に働く構成になる必要があるのですが、1点ビハインドで残り時間も少なく、エースの桜庭が小宇宙を燃やさないと戦えないような極限状態になったこのタイミングで、ついに武蒼のチームメイト達は勝利のチャンスを得るために、桜庭のためのチームとなることを決意したのです。
 この状況を「聖闘士星矢」に例えるなら、龍やコーメイの小宇宙が桜庭の小宇宙と共鳴して増幅、セブンセンシズを超えた領域「マクロコスモ」へと到達せんとしている感じなのですよ。小宇宙が燃える時、それはすなわち聖闘士達が己の闘志を爆発させるときなのだ!  なのですよ! 胸が熱くなりますね!

 ただし唯一の問題は、このマンガは残念ながら「聖闘士星矢」ではなく「BE BLUES!」なので、桜庭達がいくらコスモを燃やして根性見せたからと言って得点できるとは限らないところなのですが、まあこのマンガは「女子に応援されると男子は奮起する」みたいなオッサン臭い根性理論が存在している世界でもあるので、案外なんとかなるのかも知れません。
 ならないかも知れませんが(←冷静さを取り戻す)。

 あとマンガの表現的に面白いと思ったのは、桜庭が極限まで疲弊している(けどまだやる気はある)表現として、彼がひたすら「ハァハァ」「フゥフゥ」言って一生懸命息を整えようとしている姿を、何ページにも渡って延々と描写しているところです。実際どのくらい桜庭がハァハァしている姿を描いたページがあるのか数えてみたところ、全18ページ中10ページはハァハァしてました。徹底してます。
 全国高校サッカー選手権大会の埼玉県予選の決勝って実はテレ玉で放送されるんですけど、埼玉のお茶の間に桜庭さんがハァハァ言ってるシーンが延々と放映されているかと思うと、何かこうものすごい尊く思えて来ます。埼玉さいこう!(突然の埼玉賛美)

 次の桜庭のワンプレーは、ゴールするしないに関わらず間違いなく伝説となるに違いありません。我々は中継を見ている埼玉県民と共に、新たな埼玉の伝説が生まれる瞬間を目撃することになるのです。次の武蒼のワンプレーに注目です。

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桜庭のこのムカつく表情(褒め言葉)をまた見てみたい


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