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小学館漫画賞受賞記念・サンデー11号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 小学館漫画賞受賞おめでとうございます!(おそい)

 先週のサンデー10号は表紙が小学館漫画賞受賞記念で「BE BLUES!」だったんですけど、そこに描かれている龍や優人やナベケン達は皆笑顔だったのにも関わらず、桜庭だけこんな騒ぎに巻き込まれて迷惑してんだよ!」的な迷惑そうな表情だったのが、相変わらず協調性の欠片もない彼らしくて実に良いなと思いました。いやマジで。

 今週のサンデーにおいても、桜庭はせっかくAチームに戻ったというのに「試合に使わないなら呼んでくるな」的な態度でずっとベンチに座ってましたね。龍の方は、以前の対抗戦でミルコに言われた「一対一のチャレンジを厭わない姿勢」を意識して試合に望んで結果を出すなど、ちゃんとミルコからの課題に向き合っている様子が描かれていますが、一方の桜庭は相変わらず協調性のなさを発揮しているところからして、ミルコの課題をクリアしようとは微塵も思っていない様子でした。
 でも、桜庭はそれでいいんですよ。彼は武蒼に入った時に一度協調性があるかのように猫を被った態度を取ったために大失敗をやらかしているので、彼に協調性を求めるのは基本的に無理だし、更にそれは彼のサッカースタイルの良さを消してしまいかねない可能性が非常に高いのです。なのであの子はあれでいいんですよ(保護者っぽく)。

 龍が「自分の目指すサッカー」を混成チームで作ってAチームの主要メンバーや監督陣にアピールすることに成功したように、彼もまた自分のカスっぷりを隠さず、それでもこのチームには自分が必要だと思わせるというか、むしろ桜庭のためのチームを作るべきと思わせる方向に努力した方が良いと思います。桜庭にそういうことができるとは思えませんが(結局)。
 龍の目指すサッカーのスタイルには桜庭は必要不可欠であると龍は考えているはずなので、やっぱり最終的には龍が桜場を籠絡することになるんでしょうか。「BE BLUES!」における高校生編のラスボスは、埼玉県内の他の強豪校ではなく、やはり桜庭なのかも知れません。

 あと今週は、桜庭を一度挫折させた張本人である赤城中央のノアさんが出てきましたが、彼が桜場を「協調性はないけど面白いやつ」と今も割と高く評価しているようにも見えるところが、保護者的な心境的には嬉しかったです。ノアさんにはいつかまた再び桜庭さんと対戦し、ゴリゴリ潰すことで彼をもう一回り成長させて欲しいッスね(ひどい)。

 今週の結論としては、藍子っちーにちょっかい出す窪塚マネージャーが生き生きしてるところが良かったです。

鳳ボンバー(5) (少年サンデーコミックス)

そしてアンナには、田中モトユキ先生の往年の怪作「鳳ボンバー」のあやや並みのはっちゃっけっぷりを期待したい。それくらいしないと逆転の目はない(決めつけ)


子供はいつまでも子供ではいられない サンデー9号「絶チル」感想

絶対可憐チルドレン

 「信じられない! 僕は薫を…

 皆本が「『破滅の女王』となった薫」ではなく、自分が育ててきた薫を愛していることに、今更ながら気付いてしまったエピソード。「お前は今頃それに気が付いたんか!」と読者が突っ込まざるを得なくなるような話なんですけど、その辺はもう皆本なので致し方ありません

 ただ問題は、このエピソードは(マンガの中での)現在進行中のものではなく、あくまで「チルドレン達が松風君に現在の体の状態を伝えている

」というシチュエーションの中で語られている過去の物語であるという点であり、つまり皆本は自分が薫を愛してしまっていることを自覚していながら、「薫を好きだ」と告白した松風君を、彼の気持ちを知った上であえて一緒にチームとして組ませていることを意味しています。
 皆本としては、薫のことを愛していると自覚はしていても、それでもやっぱり「自分は薫とは一緒になってはいけない」と思い込んでいるんでしょうね。皆本さんマゾいっすね。

 皆本に対しては、これまでの物語中でも散々「自分の気持ちに素直になれ」と色々な人が言ってると思うんですが、この調子だとまだまだ先は長そうな感じ。高校生編のラスボスは「黒い幽霊」でもギリアムでもなく、自分の感情をムキになって否定し続ける皆本の堅物っぷりになる可能性が、非常に高くなって来たように思えます。

 あと、薫がもし超能力が暴走して崩壊した場合はブラックホールになるんじゃないかと前回の感想で書いたんですが、流石にそこまではならない模様。「半径15kmが壊滅」とのことなので、もし薫が都心で暴走すると都内が壊滅状態になるのでエライことには代わりはないのですが。

THE UNLIMITED 兵部京介 4 (少年サンデーコミックス)
大柿 ロクロウ
小学館 (2014-12-18)

アンリミのコミカライズは、カタストロフ編が収録された4巻が発売。ユウギリかわいい


超人になっても非モテの心は忘れないで欲しい サンデー9号「BIRDMEN」感想

BIRDMEN

 紅一点のつばめを中心とした仲良しグループ内のほのぼのラブコメと思わせておいて、実は烏丸達が既に恋愛感情面においても「人間」とは違った存在になりつつあることを随所で示唆している、なかなか奥が深いエピソードだと思いました。
 自分がもう人間相手にこれまでのような感情を持てなくなったことに気付いてしまった烏丸は、また一歩鷹山と同じ領域に近付いてしまったとも言えます。もう彼はこのまま戻れなくなるのでしょうか。

 あと烏丸は今回、本人は全く意識することなく地味女Bこと鮫洲さんにフラグを立てていたりしたんですが、これって普通の女子に興味がなくなってから女子にモテるようになる系統なんでしょうか。そういえば「Dr.椎名の教育的指導!」にもそういう話ありましたよね(ファンサイト要素)。

 というか鮫洲さん、実は結構可愛くないですか。フラグが立ってモブから名前持ちのサブキャラに昇格した途端にメガネの中の瞳が描かれて可愛くなるだなんて、まるで恋愛マンガみたいで素敵です。もちろん褒めてます。
 自分は常々、「いつか田辺イエロウ先生は、己のキャリアを放り出す覚悟で美少女わんさかコメディを描いて欲しい」と願っているのですが、今回はつばめにしろ鮫洲さんにしろ女の子がみんな可愛く描かれていて、夢の田辺イエロウ風ラブコメの一片が垣間見えたいみたいで嬉しかったです。こういう感じの話を、今後もたまにはお願いします。
 しかしこのままだといつか烏丸が「人間」を超えてしまうことによって鮫洲さんのフラグがへし折られる展開が待っていること必至であり、その日を考えると辛いです。「神のみ」でちひろのフラグがへし折られた時並に辛そう(想像)。

 あともう一つの可能性としては、ラストで鷹山に引っ張られて退場する烏丸を見た鮫洲さんが、鷹山×烏丸妄想に目覚めて腐っていく展開もあり得るのではないかとも思いました。個人的にはこの組み合わせなら逆もアリなんじゃね? とか思うんですけど(どうでもいい)。

BIRDMEN 4 (少年サンデーコミックス)
田辺 イエロウ
小学館 (2014-12-18)

「BIRDMEN」の電子書籍化もお願いします(懇願)


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