BE BLUES! 一覧

桜庭よ、小宇宙を燃やせ! サンデー8号 「BE BLUES!」感想

やりたい事だけやってきた男だが…
 今、この時、何が残っているのか、彼に何が生まれるのか、何が、出せるのか、
 私はそれを見たい!

 聖和台の眞鍋が、文字通り「桜庭絶対殺すマン」として徹底したマンマークをした結果、我らが桜庭さんはもはや聖和台の名無しの選手のブロックにすら耐えられずに転がってしまうくらい、ヘロヘロな状態になってしまいました。それが前回までのお話。

 通常であればスタミナ切れと判断されて即選手交代となるような局面なのですが、しかし桜庭の飼い主であるミルコがよりによって「桜庭の!ちょっといいとこ見てみたい!」と体育会系特有の無茶振りを発動、もうワンプレーだけ桜庭にやらせてみるという英断を下します。
 これは「限界を突破したその先にはきっと何かがあるはずだ」というミルコの桜庭に対する期待の表れであると言えますし、逆に「桜庭はまだこんなモンじゃねえ」とミルコが思っているからであるとも言えます。どっちにしろ、常識を超えた無茶を桜庭に強いていることは変わりありません。

 この状態を「聖闘士星矢」で例えるなら、ミルコは桜庭に「小宇宙(コスモ)を燃やせ!」と言っていることに等しいと思われます。ヘロヘロになっている桜庭に更に闘いをけしかける今のミルコは、「聖闘士星矢」のハーデス編においてズタボロになった星矢に対し、「あなたにはまだ生命が残っているではありませんか」と優しく語りかけたアテナと同じくらいの無茶なことをしているものと思われます。
 「聖闘士星矢」の世界は小宇宙を燃やせば大抵のことは何とかなったものなのですが、「BE BLUES!」の世界でも同じことが通用するのでしょうか。桜庭がこの局面でセブンセンシズに目覚めて神聖衣(ゴッドクロス)を纏い、このままこのマンガが冥王ハーデス編に移行してしまうことがあるのでしょうか?

 そして「小宇宙(コスモ)を燃やせ!」とミルコから命じられた当の桜庭ですが、もはやゴール前から動く様子は全く見せず、逆に「お前らがオレのところまでボールを持って来い」と言わんばかりに、「ドラゴンへの道」のブルース・リーばりに指をクイクイしてチームメイトを挑発するようなポーズを取り出します。

 これ、普通だったら「ふざけるな!」とチームメイトが怒り出すような態度だと思うんですけど(実際、ベンチにいる優希や窪塚は大激怒してます)、桜庭のことを知り尽くしている龍やコーメイは、桜庭の意図を汲んだ上で「何様だよおまえは!」と言いながらも実に楽しそうな表情を見せました。
 これは即ち、彼らは桜庭の挑発に乗った上で「貴様がそこまで言うならやってやる!」と、自ら桜庭の手足になってボールを彼まで運ぶ役を担う覚悟を決めたということです。つまり武蒼は今、まさに桜庭のためのチームとなったのです。

 桜庭のような卓越した技術を持つ独善的な性格のエースが活躍するためには、チームそのものがエースに点を取らせるために献身的に働く構成になる必要があるのですが、1点ビハインドで残り時間も少なく、エースの桜庭が小宇宙を燃やさないと戦えないような極限状態になったこのタイミングで、ついに武蒼のチームメイト達は勝利のチャンスを得るために、桜庭のためのチームとなることを決意したのです。
 この状況を「聖闘士星矢」に例えるなら、龍やコーメイの小宇宙が桜庭の小宇宙と共鳴して増幅、セブンセンシズを超えた領域「マクロコスモ」へと到達せんとしている感じなのですよ。小宇宙が燃える時、それはすなわち聖闘士達が己の闘志を爆発させるときなのだ!  なのですよ! 胸が熱くなりますね!

 ただし唯一の問題は、このマンガは残念ながら「聖闘士星矢」ではなく「BE BLUES!」なので、桜庭達がいくらコスモを燃やして根性見せたからと言って得点できるとは限らないところなのですが、まあこのマンガは「女子に応援されると男子は奮起する」みたいなオッサン臭い根性理論が存在している世界でもあるので、案外なんとかなるのかも知れません。
 ならないかも知れませんが(←冷静さを取り戻す)。

 あとマンガの表現的に面白いと思ったのは、桜庭が極限まで疲弊している(けどまだやる気はある)表現として、彼がひたすら「ハァハァ」「フゥフゥ」言って一生懸命息を整えようとしている姿を、何ページにも渡って延々と描写しているところです。実際どのくらい桜庭がハァハァしている姿を描いたページがあるのか数えてみたところ、全18ページ中10ページはハァハァしてました。徹底してます。
 全国高校サッカー選手権大会の埼玉県予選の決勝って実はテレ玉で放送されるんですけど、埼玉のお茶の間に桜庭さんがハァハァ言ってるシーンが延々と放映されているかと思うと、何かこうものすごい尊く思えて来ます。埼玉さいこう!(突然の埼玉賛美)

 次の桜庭のワンプレーは、ゴールするしないに関わらず間違いなく伝説となるに違いありません。我々は中継を見ている埼玉県民と共に、新たな埼玉の伝説が生まれる瞬間を目撃することになるのです。次の武蒼のワンプレーに注目です。

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桜庭のこのムカつく表情(褒め言葉)をまた見てみたい


あけましておめでとうございます サンデー2017年1号感想

天野めぐみはスキだらけ!

 「サンデー非科学研究所」で前号からやってるねこぐち先生のインタビューは、先生が「ただひたすらムチムチな女子の尻を描きたい」という一念でここまでやって来たことがよく判る、素晴らしい記事でした。
 特に、ムチムチな女子を描きたいという自らの情熱と、「ヒロインは細い女の子の方が普通だ」という編集者からの一般的なアドバイスが相剋して葛藤する辺りが、何かこう理想と現実の間で苦しむ芸術家っぽくてグッと来ます。

 結果的にムチムチな女子を描き続けることでねこぐち先生は今やサンデー筆頭レベルの人気作家になれた訳で、やはり漫画家として成功するには斯様なレベルにまで気が狂った情熱が必須なんだよなと思った次第です。褒めてます(フォロー)。

 本編の方は、まーくんからカツサンドの差し入れをもらっためぐみがエラい可愛かったのがとても良かったです。勿論ストレッチのシーンも良かったです。本当にありがとうございます
 「天野めぐみ」を読んでいると感謝の心が自然と芽生えてくるので、男の子の情操教育にも良いと思います。

古見さんは、コミュ症です。

 「古見さん」の家族が出てくる話を読むたび、私は常々「古見さんのお父さんになりたい」という感想を抱くようになっているのですが、今回の話を読んだ結果、「古見さんのになっても良いのかも知れない」と思うようになりました。

 それにしても、弟の部屋に姉がTシャツ短パン姿で無断で侵入し、弟にちょっかい出しつつ勝手にマンガを持っていくという行動は、姉が弟に取る行動として一般的なんでしょうか。
 自分にも姉がいますが、姉は自分の部屋には入ろうとせず、逆に自分が勝手に姉の部屋にこっそり侵入して勝手にマンガ持っていく方だったのでよく判りません(ダメ)。

マギ

 物語がイモータルな神話レベルのスケールに突入した結果、もはや宗教ファンタジーとでも言うべきジャンルに変貌しつつある最近の「マギ」ですが、今回のような「現世の絶対神となったシンドバッドの意志に、世界中の人民がイッちゃった瞳をキラキラさせつつ大喜びで従う」様子を見ていると、意識と理想がむやみに高い人が神様になるのも考えものだよなあと思わざるを得ません。
 社長が高潔な理想を掲げていてそれを実現するために、社員を洗脳してブラックな労働環境で自己犠牲を強いるみたいなものですよねこれ(社会問題化)。

 シンドバッド様のような妙に思想が高くて意識も高い神様よりは、「だめてらすさま。」のテラス様のように、面倒くさいことが大嫌いで万事いい加減で現世に対して崇高な理想を抱かない適当な神様の方が、我々のような民草にとっては良い神様なのではないかと思いました。

初恋ゾンビ

 江火野さん水着回。「中学の時に買った水着を着させられているが故に、水着姿が大変なことになっている」というマニアックな設定の元に描かれた必要以上に露出が高い水着姿は勿論素晴らしいのですが、それ以上にタロウのことをいつも以上に意識してしまって頬を赤らめたり微笑んでいたりする表情が大変に良かったです。
 プールから出てタロウと別れた直後の表情からすると、彼女はもう自分が幼馴染のタロウのことが好きだと自覚していると気付いているのかも知れませんね。

 民宿バイト編では既に指宿くんがタロウにメロメロになっちゃってましたけど(やや語弊)、もし指宿くんが江火野さんがタロウに好意を持っていることを知ったら、どうするんでしょうか。指宿くんが「性別を偽っている」という秘密を守るかどうか葛藤できる時間的な余裕は、もうそんなにないのかも。

BE BLUES!

 武蒼のエースである「ドリブルの技術は最高だがソレ以外の全てが最低」な桜庭に卑劣な行為をされてセンターバックを潰された聖和台が、桜庭に対する復讐心に燃える眞鍋がその桜庭からボールを奪ってチャンスを作り、エースの小早川からゴールへの嗅覚に優れた光一に繋いでワンチャンスから貴重な先制点をゲット! という展開に。
 普通の少年マンガのフォーマットでは、桜庭のようなワガママな暴君がフォワード張ってるチームはまかり間違いなく悪役であり、「この試合に勝って小早川をプロリーグへ!」という気持ちでまとまっている聖和台こそが正統派の主人公チームであることは以前ここでも指摘しましたので、現在のこの展開には非常に説得力があります。
 勝負を決めるのは個人技に走ったテクニックではなく、一丸となったチームプレイなのだ! 正義は勝つ!(説得力)

 本編の主人公であった(過去形)龍は「こっからでしょ!」と強がったことを言ってますけど、龍はまだ小早川を止めることはできていないし、桜庭は既にヘバッてるし、優人は相手の攻撃を止められなかったことを悔いてこれから凹みそうだしと、実際問題としてここから逆転できる芽は今のところ全くなさそうに見えます。
 このまま武蒼が本当に負けてしまって、主人公チームが正統派の聖和台に変わってしまうのか否か。このまま聖和台が主人公チームになってしまったら、正ヒロインの座が江藤さんから小早川忍の姉の薫に変わってしまうんだけど、それはいいのか。いや何かそれはそれでという気もするのでいいかも(いいのか)。

 今後の展開をハラハラしながら待ちたいと思います。


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5巻は1/18に発売とのこと


サンデー50号 短め感想

双亡亭壊すべし

 物体をテレポーテーションできる能力・物質現出(アポーツ)を持ったアウグスト博士の「孫娘」のフロルに話の焦点が当たりつつありますが、彼女のボンテージっぽいファッションって誰のセンスなんでしょうか。
 アウグスト博士チームの他の科学者のおっさん達がみんなボンテージファッションで統一されていれば「そういう集団なんだな」と理解することができますが、どうもそういう感じではなさそうなので、多分あれはアウグスト博士の趣味なんじゃないかと思いました。

 彼女が普段からあんな性的な格好をしていたら、そりゃー彼女に恋するグラハム君も彼女をいやらしい目で見てしまうのは致し方ないと思われます。それを知った上でグラハムをネチネチとなじっていた辺りを考えると、アウグスト博士は中々いい性格をしていらっしゃる人物なのかも知れません(歪んだ感想)。

古見さんは、コミュ症です。

 このマンガの本質は「古見さんと只野くんがコミュ症めいたラブコメをする」マンガであると、今回の話を読んでようやく理解しました。恋人未満な高校生男女がお互いを意識してラブにコメるという意味では、「古見さん」は「天野めぐみはスキだらけ!」と同ジャンルなんですね。

 「天野めぐみ」が至って健全なお色気ラブコメであるのに比べると、「古見さん」の方は古見さんが挙動不審にどもったり、口下手なあまり只野くんを無言で凝視したり、古見さんの髪の毛が只野くんの顔にバサバサ当たって興奮したりとお色気シーンが少々マニアックなのがアレですが、でも古見さんの場合はむしろそれがイイので仕方がありません。
 この調子で、コミュ症らしいラブコメの新機軸を切り開いていって欲しい所存です。

RYOKO

 このマンガは主人公の料子の可愛らしさをアピールするのが目的であると私は理解していますが、そういう観点からすると今回は「プールで制服女子中学生が制服のままびしょ濡れになってはしゃぎ回る」という、何か中学生アイドルのPVのような構成になっており、全力で料子を推しに来ているなと感じました。
 一般的な女子中学生アイドルのPVと異なるのは、アイドルに相当する女子が巨大な鈍器を持っている点なんですけど、「小さな体の女の子が巨大な武器を持つ」スタイルは萌え要素のジャンルの一つとして確立しているので問題はないと思います。私は萌えます(感想)。

だめてらすさま。

 第三回目にして、これも藤木俊先生作品の定番の一つである妹系黒髪キャラ・一乃が登場。明るくてカワイイですねー(素直な感想)。

 話としては、アマテラスが来たことで自分のシマが荒らされたと勘違いした「土地神」の静馬が一乃に乗り移って大変なことに! という感じになっていますが、今回は「土地神」という概念の説明や、一乃や静馬といった今後の主要人物になるであろうキャラが登場したにも関わらず、最初から最後までテンポよく話が進み、たいへんに面白く読めました。藤木先生、マジで絶好調っぽいです。このマンガは来年クルね!(希望)

BE BLUES!

 桜庭が先発出場と聞いて、おそらく全ての読者が「桜庭は途中でバテるに違いない」と予想したに違いないと思われますが、今回の展開は「相手DFにバテたと思わせてフェイントを仕掛けて突破し、心理的に動揺させる」という、読者の予想を逆手に取る形の演出がなされていたところが面白いです。
 ただまあ、桜庭が既に相当バテてるのは確実なんですけど、その状態で「泣きが入るまでぶち抜きまくってやるよ!」と威圧しにかかるところは、さすが桜庭さんは違うと思いました。もうノアに散々潰されてキレてたあの頃の桜庭じゃないってことなんですね。あの桜庭さんがこんなに成長する姿を拝めるだなんて…(ウットリ)。

双亡亭壊すべし(2) (少年サンデーコミックス)
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物語が動き出す2巻。kindle版は11/18リリースだそうです


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