RYOKO 一覧

日本刀を持った制服女子へのこだわりを感じる作品 サンデー14号「RYOKO」感想

今週のベストカット
RYOKO

 コミックス1巻が発売された際、「サンデー非科学研究所」において作者の三ツ橋先生に『食へのこだわり』というテーマのインタビュー記事が掲載されていましたが、先生から出てくる「食へのこだわり」への回答が「作業に集中すると食べるのを忘れてしまい、栄養失調寸前になったことがある」「気合を入れたい時にたくあん一本を丸ごと食べた事がある」などといった感じで、むしろ日常生活での食へのこだわりのなさっぷりが明らかになったところが面白かったです。
 「RYOKO」で描かれる幸せな食卓は、そういったリアルな自分の食事にはない憧れが反映されたものであるとのこと。

 でも、個人的に「RYOKO」に対しては、「食へのこだわり」以上に「日本刀を持った制服女子中学生へのこだわり」を激しく感じている次第なので、もしまた三ツ橋先生にインタビューする機会があったら、ぜひ「日本刀を持った制服女子中学生」へのフェティシズムについても掘り下げて欲しいなと思いました。
 三ツ橋先生、カタナを持って戦う制服女子に対する執拗なこだわりは絶対にあるはずですよ! 絶対!(決めつけ)

 そして本編の方は、銃を武器に戦う元死刑囚のお姉さん・冷々が登場しました。彼女にはどうも最愛の妹を失ったつらい過去があるらしく、常に前向きで自分の命をも救おうとする料子に対して妹の面影を見ているような描写も入れられているので、彼女が料子にメロメロになるのはもはや時間の問題であると言えましょう。

 もし一度メロメロになったら、何かものすごい勢いで料子を可愛がりそうな気がしますよあの人。大人のクールな女性が女子中学生を盛大に可愛がる絵柄とか最高だと思います。楽しみですね(決めつけ)。

 あとは余談になりますが、個人的なこのマンガの楽しみの一つに、食材が出す鳴き声のバリエーションがあります。
 基本的にこのマンガに出て来る食材は、鳴き声が自己紹介的というか自分の名称をもじったものになっているのが特徴で、例えばお米は「ベイベイベイ」と効果音を響かせながら米粒を発射しますし、アサリは「リンリン」と鳴きながら空を飛び、サザエは「サアアアアン」と雄叫びを上げて腕を振り下ろし、アスパラガスは「パアアア」と叫びながら走り回ったりします。
 今回のボス食材はアワビなんですけど、アワビだけにその鳴き声は「あわわわわ」というドジっ子みたいな声に違いありません。あわわわ言いながら盛大にコケて料子を押し潰しにかかるとか、そういったドジっ子特有のアクションを交えた迷惑な攻撃方法に期待したいですね(ウソです)。

RYOKO(1) (少年サンデーコミックス)
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今のところ、高得点を付けているレビュアーは将来への期待値込みという印象


サンデー50号 短め感想

双亡亭壊すべし

 物体をテレポーテーションできる能力・物質現出(アポーツ)を持ったアウグスト博士の「孫娘」のフロルに話の焦点が当たりつつありますが、彼女のボンテージっぽいファッションって誰のセンスなんでしょうか。
 アウグスト博士チームの他の科学者のおっさん達がみんなボンテージファッションで統一されていれば「そういう集団なんだな」と理解することができますが、どうもそういう感じではなさそうなので、多分あれはアウグスト博士の趣味なんじゃないかと思いました。

 彼女が普段からあんな性的な格好をしていたら、そりゃー彼女に恋するグラハム君も彼女をいやらしい目で見てしまうのは致し方ないと思われます。それを知った上でグラハムをネチネチとなじっていた辺りを考えると、アウグスト博士は中々いい性格をしていらっしゃる人物なのかも知れません(歪んだ感想)。

古見さんは、コミュ症です。

 このマンガの本質は「古見さんと只野くんがコミュ症めいたラブコメをする」マンガであると、今回の話を読んでようやく理解しました。恋人未満な高校生男女がお互いを意識してラブにコメるという意味では、「古見さん」は「天野めぐみはスキだらけ!」と同ジャンルなんですね。

 「天野めぐみ」が至って健全なお色気ラブコメであるのに比べると、「古見さん」の方は古見さんが挙動不審にどもったり、口下手なあまり只野くんを無言で凝視したり、古見さんの髪の毛が只野くんの顔にバサバサ当たって興奮したりとお色気シーンが少々マニアックなのがアレですが、でも古見さんの場合はむしろそれがイイので仕方がありません。
 この調子で、コミュ症らしいラブコメの新機軸を切り開いていって欲しい所存です。

RYOKO

 このマンガは主人公の料子の可愛らしさをアピールするのが目的であると私は理解していますが、そういう観点からすると今回は「プールで制服女子中学生が制服のままびしょ濡れになってはしゃぎ回る」という、何か中学生アイドルのPVのような構成になっており、全力で料子を推しに来ているなと感じました。
 一般的な女子中学生アイドルのPVと異なるのは、アイドルに相当する女子が巨大な鈍器を持っている点なんですけど、「小さな体の女の子が巨大な武器を持つ」スタイルは萌え要素のジャンルの一つとして確立しているので問題はないと思います。私は萌えます(感想)。

だめてらすさま。

 第三回目にして、これも藤木俊先生作品の定番の一つである妹系黒髪キャラ・一乃が登場。明るくてカワイイですねー(素直な感想)。

 話としては、アマテラスが来たことで自分のシマが荒らされたと勘違いした「土地神」の静馬が一乃に乗り移って大変なことに! という感じになっていますが、今回は「土地神」という概念の説明や、一乃や静馬といった今後の主要人物になるであろうキャラが登場したにも関わらず、最初から最後までテンポよく話が進み、たいへんに面白く読めました。藤木先生、マジで絶好調っぽいです。このマンガは来年クルね!(希望)

BE BLUES!

 桜庭が先発出場と聞いて、おそらく全ての読者が「桜庭は途中でバテるに違いない」と予想したに違いないと思われますが、今回の展開は「相手DFにバテたと思わせてフェイントを仕掛けて突破し、心理的に動揺させる」という、読者の予想を逆手に取る形の演出がなされていたところが面白いです。
 ただまあ、桜庭が既に相当バテてるのは確実なんですけど、その状態で「泣きが入るまでぶち抜きまくってやるよ!」と威圧しにかかるところは、さすが桜庭さんは違うと思いました。もうノアに散々潰されてキレてたあの頃の桜庭じゃないってことなんですね。あの桜庭さんがこんなに成長する姿を拝めるだなんて…(ウットリ)。

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物語が動き出す2巻。kindle版は11/18リリースだそうです


新人作家大抜擢記念 サンデー47号「RYOKO」感想

RYOKO

 リィヨコォー!ウィーンズ!ファイターズヒストリーダイナマイトの勝利ナレーションっぽく挨拶)

 これがデビュー作となる、三ツ橋快人先生の新連載。「新世代サンデー賞」大賞受賞作にして、その受賞作を編集長の一存でそのまま連載作品にしてしまったという、色々な意味でダイナミズム溢れる作品です。
 『「新世代サンデー賞」史上初の大賞受賞作!』『新人賞の受賞作が、そのまま少年サンデー本誌にて連載!』『河合克敏、藤田和日郎以来の快挙!』『市原編集長が異例の大抜擢!』と様々な売り文句が並ぶ様からは、とにかくサンデー編集部はこの大型新人を力の限り積極的に売り込みたい! とにかく売り込んでいきたい! という並々ならぬ意気込みを感じさせるに十分ですね。

 市原氏が編集長に就いた時には「生え抜きの新人作家を育成して輩出する」ことに注力することを宣言していましたが、あれから一年が経過した今、いよいよその「育成した生え抜きの新人作家」が誌面を飾る時がやって来たということなのでしょう。宣伝に力を入れたくなるのも判るというものです。

 話の内容は、端的に言えば「食肉や野菜がモンスター化した世界で、セーラー服着て日本刀を持った女の子が食材を狩って食べるファンタジー」ということになるのですが、個人的な感想としては、まず何よりもその「セーラー服着て日本刀を持った女の子」である主人公の料子がものすごくカッコイイのが素晴らしいと思いました。刀を構えている姿、母の敵である牛に突進する姿、刀を振りぬいて一刀両断にする姿など、要所要所のカットがいちいち様になってて素敵です。
 あと、戦闘中にちらちらヘソやパンツを見せてるところもいいですよね。ヘソ見せはセーラー服戦士の醍醐味です。

 そして、そういった凛々しいフォルムで魅せる一方で、ところどころで料子がまだ歳相応の幼さを残した少女であることを示唆するようなカットもちゃんと入れているところも印象的です。
 「師匠抜きだと不安だよぉ」と不安げに呟いているコマや、その師匠に「甘い匂いするぞ」と言われて照れてるコマが代表的ですが、家族のために料理を作っている姿や、美味しそうに料理を食べる姿といった日常的なシーンに見せる表情などからも、彼女が「普通の女の子」としての一面もちゃんと持っていることを感じさせてくれます。

 そういう意味では、戦闘中に見せてるヘソやパンツからも、彼女の幼さや若さというものが醸しだされていると思うんですよね。年上の異性である師匠の前であんなに惜しみなくヘソ出しパンチラアクションができるのは、彼女の体や心がまだ未成就だから故だと思うんですよ。そう考えると、彼女のヘソ出しやパンチラにも単なるサービスカットを超えた必然性が生まれて来るんですよ。素晴らしいですね。

 全体的な感想としては、とにかく主人公の料子を魅力的に見せることに全力を注いでいる作品だと思いました。
 こういうキャラは個人的に大好きですので、今後の彼女の体を張った活躍に期待したいです。

週刊少年サンデー 2016年47号(2016年10月19日発売) [雑誌]

「RYOKO」は一話完結の読み切りマンガとしての完成度が非常に高いので面白いッスよ


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