連載終了残念記念 サンデー48号「なのは洋菓子店のいい仕事」雑感

なのは洋菓子店のいい仕事

 最終回。しばらく前から連載が終了することはアナウンスされていたとはいえ、実際に終わってみると寂しいですね。
 セージが「自分の人生は自分で切り開かなければならない」と覚悟を完了させて菓子職人への道を歩き始めた辺りからの展開は本当に面白かっただけに、彼のこれからの菓子職人としての栄光のモテモテ人生(多分)を見ることができないのは本当に残念です。

 このマンガ、前作「神のみぞ知るセカイ」程ではないにしてもそこそこ人気はあったと思いますし、「なのは洋菓子店」の歴史を巡る物語にしろ、セージを中心としたラブコメ的な展開にしろ、今後の展開を匂わせる様々な伏線が仕込まれていたので、連載を続けようと思えばまだまだ続けられたのでは? と思われます。
 作者の若木先生のブログなどを拝見している限りは「ねじの人々」の連載と並行して「なの菓子」を作るのは精神的にも肉体的にもしんどそうな様子が伺えたので、ここで連載が終わってしまうのもその辺の都合があったのかな? と思っていたのですが、若木先生のブログのこの記事によると連載終了の最大の理由は「なのなとねじの連載を続けると大赤字だったから」だった様ですね。世知辛いなー(´・ω・`)
 個人的には「なの菓子」は「BIRDMEN」や「湯神くん」のような月イチ連載化してもいいから続いて欲しかったのですが、それでもコスト的には見合わなそうなので致し方ないところです。

 作品としては、美少女がわんさか出てきた「神のみぞ知るセカイ」の若木先生の新連載というイメージ、および「洋菓子店が舞台の物語」から連想されるハートウォーミングな物語のイメージを意図的にぶち壊しにかかったであろう連載初期の展開がちょっと衝撃的過ぎて、良くも悪くもそこでこのマンガに対する印象が決まってしまったのが勿体なかったかなーとは思います。
 ただ、序盤でそれをやったからこそ、その印象を更に覆しに来たコミックス3巻以降の展開がとても面白くなったのも事実なので、難しいところではありますが。

 おそらくそう遠くない時期に再び若木先生の作品がサンデーで読めることになるとは思うので、その時を今から楽しみに待ちたいと思います。おつかれさまでした。

 ここだけの話ですが、「なの菓子」で一番好きな女子キャラは佐井でした(告白)。

なのは洋菓子店のいい仕事(3) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2016-02-19)
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この作品はここら辺からが本番

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新人作家大抜擢記念 サンデー47号「RYOKO」感想

RYOKO

 リィヨコォー!ウィーンズ!ファイターズヒストリーダイナマイトの勝利ナレーションっぽく挨拶)

 これがデビュー作となる、三ツ橋快人先生の新連載。「新世代サンデー賞」大賞受賞作にして、その受賞作を編集長の一存でそのまま連載作品にしてしまったという、色々な意味でダイナミズム溢れる作品です。
 『「新世代サンデー賞」史上初の大賞受賞作!』『新人賞の受賞作が、そのまま少年サンデー本誌にて連載!』『河合克敏、藤田和日郎以来の快挙!』『市原編集長が異例の大抜擢!』と様々な売り文句が並ぶ様からは、とにかくサンデー編集部はこの大型新人を力の限り積極的に売り込みたい! とにかく売り込んでいきたい! という並々ならぬ意気込みを感じさせるに十分ですね。

 市原氏が編集長に就いた時には「生え抜きの新人作家を育成して輩出する」ことに注力することを宣言していましたが、あれから一年が経過した今、いよいよその「育成した生え抜きの新人作家」が誌面を飾る時がやって来たということなのでしょう。宣伝に力を入れたくなるのも判るというものです。

 話の内容は、端的に言えば「食肉や野菜がモンスター化した世界で、セーラー服着て日本刀を持った女の子が食材を狩って食べるファンタジー」ということになるのですが、個人的な感想としては、まず何よりもその「セーラー服着て日本刀を持った女の子」である主人公の料子がものすごくカッコイイのが素晴らしいと思いました。刀を構えている姿、母の敵である牛に突進する姿、刀を振りぬいて一刀両断にする姿など、要所要所のカットがいちいち様になってて素敵です。
 あと、戦闘中にちらちらヘソやパンツを見せてるところもいいですよね。ヘソ見せはセーラー服戦士の醍醐味です。

 そして、そういった凛々しいフォルムで魅せる一方で、ところどころで料子がまだ歳相応の幼さを残した少女であることを示唆するようなカットもちゃんと入れているところも印象的です。
 「師匠抜きだと不安だよぉ」と不安げに呟いているコマや、その師匠に「甘い匂いするぞ」と言われて照れてるコマが代表的ですが、家族のために料理を作っている姿や、美味しそうに料理を食べる姿といった日常的なシーンに見せる表情などからも、彼女が「普通の女の子」としての一面もちゃんと持っていることを感じさせてくれます。

 そういう意味では、戦闘中に見せてるヘソやパンツからも、彼女の幼さや若さというものが醸しだされていると思うんですよね。年上の異性である師匠の前であんなに惜しみなくヘソ出しパンチラアクションができるのは、彼女の体や心がまだ未成就だから故だと思うんですよ。そう考えると、彼女のヘソ出しやパンチラにも単なるサービスカットを超えた必然性が生まれて来るんですよ。素晴らしいですね。

 全体的な感想としては、とにかく主人公の料子を魅力的に見せることに全力を注いでいる作品だと思いました。
 こういうキャラは個人的に大好きですので、今後の彼女の体を張った活躍に期待したいです。

週刊少年サンデー 2016年47号(2016年10月19日発売) [雑誌]

「RYOKO」は一話完結の読み切りマンガとしての完成度が非常に高いので面白いッスよ

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サンデー46号感想メモ

天野めぐみはスキだらけ!

 前回にしろ今回にしろ、もし掲載誌がサンデーではなくCOMIC高だったら(以下略)! というお話でしたね。
 めぐみに始終抱きつかれていた学が最後すっかり枯れ果てていましたけど、めぐみのおっぱいをあれだけ押し付けられれば、そりゃまあまだウブな学が枯れるまでイッちゃうのも致し方ないと思いました(酷い感想)。

 でも気のおけない幼馴染とはいえ女子があれだけ怖がってるんだから、学はもうちょっとめぐみに優しく接してしてあげても良いのではとも思いましたが。学君もまだまだですねえ。

マギ

 シンドバッド!? 死んだはずでは…(ポプテピピック風に)

 ウーゴ君にしろダビデ老にしろ、何かみんな目の輝きが既に常道を逸しているというか、端的に表現するとおかしい(頭が)感じが出ているのが素晴らしいと思いました。
 ここ最近の「マギ」はちょっと普通じゃないんですが、こういう我々の常識を飛び越えた神話的なスケールのマンガを少年誌で読める機会もそうそうはないので、貴重な機会だと思って楽しんで読むようにしてます。

だがしかし

 久しぶりに「だがしかし」本来のノリである駄菓子のうんちくマンガが帰ってきた回でした。
 「ああ見えてハジメは地頭が良い」という特性を、森永チョコボールのキョロちゃんのデザインとピカソが使った技法の共通点を述べることで表現しているのが新しいです。これはほたるやココノツではできない形のうんちくですね。

 あとはハジメがココノツに対して「好きな子いるの?」とかお姉さんぶりながらも、ココノツに下手なこと言うと解雇されるのではと疑心暗鬼になってるところも良かったです。異性で年下の雇用主にどんな態度で振る舞えばよいのか悩む新人女性なんて題材、ちょっと社会派レディコミっぽくないですかね?(ないです)

湯神くんには友達がいない

 ちひろへの告白が飛び交うラブコメ回になるはずだった回(ならなかったの意味)。

 今回ばかりはちょっとラブコメマンガっぽい雰囲気になるのかな? と期待させておきながら、やっぱり普通のラブコメ展開を頑として拒否する、いつもの「湯神くん」が拝めて楽しかったです。「彼女とのデートを賭けて勝負だ!」というお約束的な言葉が、ここまで空虚に響くのも素晴らしいというか何というか。
 これが「タッチ」を排出したサンデーに載ってる唯一の野球マンガというのもメタ的な意味で面白いですよね(と言われても)。

 今回、一応ちょっとソレっぽいかな? という描写は、最後の最後で湯神が倒れたちひろに手を貸すところだけでしたが、そのシーンがあるだけでも「如何な『湯神くん』と言えども、いつかはもしかしてもしかするのでは?」と期待できてしまうところも上手いなと思います。

初恋ゾンビ

 褐色巨乳美人の吐瀉物にまみれるという新属性が爆誕!
 すげえ! 前回の「古見さん」の黒髪まみれフェチを早くも超越する、新たなフェチが登場したよ!(そこかよ)

絶対可憐チルドレン

 椎名先生、この前Twitterで山に行ったとかそんなことをつぶやいていたと思ったら、早速それがマンガに反映されてますね。取材と趣味を兼ねていたんでしょうか。

 本編の方は、谷崎主任が合流したことで、ついに可憐ガイズに谷崎が加入するのか!? とちょっとだけ期待していたのですが、彼の役どころは可憐どころか「自分勝手な行動をして危機に陥ることで、現在の主人公達の状況が最悪であることを読者に教える」系のすっかり駄目な人枠として起用されており、やっぱり基本的にはこういうキャラだったんだよなと再認識するに至りました。
 谷崎主任は基本的にエスパーを躾けて育成すること、およびナオミに虐げられて悦びを感じることに関してだけは有能なので、もし今後があるなら、そういうフィールドで輝いて欲しいなと思います。最後にナオミと再開できてよかったですねえ(フォロー)。

 あと話の中で「誰にも気付かれることなくチルドレン達に助言を与える人物」の存在が示唆されていましたが、これは一体誰なんでしょうか。バベルの管轄が及ばない日本国籍以外のエスパー? それとも「財団」の関係者? 謎の眼帯男?

天野めぐみはスキだらけ! 4 (少年サンデーコミックス)
ねこぐち
小学館 (2016-10-12)
売り上げランキング: 226

今や「からかい上手の高木さん」「恋は雨上がりのように」と並ぶ、小学館を代表するラブコメマンガになりつつ感

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