マギ「もうちっとだけ続くんじゃ」 サンデー48号感想
マギ
ついに最終章が開始。最終章では、シンドバッドが統べる「戦争のない世界」を舞台に、シンドバッドと一体化したダビデから世界を守るためにアリババがアラジン達を探す旅に出る──という筋書きになりそうですが、まず今回はアリババが肉体を取り戻して人間として生き返った点がちょっと驚きでした。
彼が肉体を取り戻したということは、即ち彼が童貞の座を取り戻したということを意味します。かつて肉体を失って精神体となってこの世界の理を知り、人智を超えた存在となっていたアリババ君も、再び肉体を取り戻した今は再び童貞の身に。人智を超えた童貞の誕生です。
文字通り死から蘇って肉体を復活させた今のアリババ君は、「世界を守る」意思に満ち溢れた眼差しを持つ立派な男になりましたが、でもかつてはモルジアナ相手に非モテ特有のぎこちないコミュニケーションをしていた時のピュアなマインドも忘れないで欲しいなと、個人的には思ってます。
もはや神話的なスケールに突入しているこのマンガだからこそ、神ならぬ人としての心の象徴としての童貞力を保って欲しい。私が「マギ」に望むのはそこですね。
何この文章。
BE BLUES!
龍と同じく将来はプロ選手になりたいという野望を持つ清和台の小早川君の心境にフォーカスしたエピソードでしたが、でも我々としてはどうしても優人のストレッチの介助をしている優希の太ももに注目してしまうのは致し方ないことだと思いました(自己弁護)。
あとは、アンナが龍の応援よりも自分のフィギュアの練習を優先する心境の変化も描かれていました。龍に色ボケして優希相手にエロ妄想トークを繰り広げていた海水浴の時とはエライ違いです。これはもしかすると、彼女が数年後にアスリートとして龍と並ぶくらいの大物に成長する伏線なのかも知れません。
高校生編終了後に始まるであろう日本代表編に、ものすごい美女になって出てくるであろうアンナに期待したいところですが、逆に言えば高校生編のラブコメ戦線からは脱落するってことなので、ラブコメ展開ではしばらくは藍子っちーの独壇場になりそうです。
優希は読者サービス要員として頑張れ(ひどい)。
初恋ゾンビ
「彼女なんて十代のうちはいらん。学生時代の恋愛なんて、どうせ別れるからコストの無駄なんだよ
」
特に非モテを自覚してる若者は恋愛をこう思いがちなんですが、しかし歳を取っていわゆる「婚活」をせざるを得ない状況に追い込まれてみると、結婚相手として理想的ないい女や男は、だいたい学生時代につきあっていた彼氏や彼女とごく普通に結婚していて既に手遅れなことに気付くんですよ。そうなってからでは遅いんですよ!(←何があった)
ただタロウちゃんの場合は「『来る者を拒む』という労力をオレは惜しむ
」とか言っちゃってるので、こいつは信念を持った非モテではなく、単なるボンクラなんだなと思いました。そんなことじゃ指宿くんを君の嫁には出せないね!
なのは洋菓子店のいい仕事
ここのところは、まるで「なの菓子」はラブコメマンガなのではないかと錯覚するようなお話が続いていたのですが、今回の「なのは洋菓子店で飼ってるミツバチのレデイースがスズメバチの襲撃と戦う」みたいなおかしい話をやってくれるのが、「家族経営の洋菓子店を舞台にした物語」から連想されるハートウォーミングなイメージを真っ向から打ち砕くストロングスタイルな作風がウリの「なの菓子」本来の姿なのです! と、個人的に勝手に思ってます。
でもまあ、こういう系統の話はたまにやるくらいが丁度いいのではとも思います(感想)。
BIRDMEN
「次回、怒涛の急展開!?
」
次々に連載作品が入れ替わっている今のサンデーにおいて、「怒涛の急展開」という文字列は色々と要らぬ憶測を呼んでしまうので、あまり多用するのは控えていただきたいと願います。心臓に悪いです(気弱)。
物語としては、前回まで戦って瀕死の状態になっていた強化人間っぽい少女・アイリーンに対して鷹山が血を与えることで「鳥男」の仲間にしつつ、かつみんなが戦っている間にヒロイックな人命救助を行って世間の目をそちらに向けさせることで「鳥男」に対するイメージを劇的に改善させ、更にはアイリーンを自分に惚れさせることにまで成功していたという、総じて言えば鷹山おそるべしといった内容でしたが、個人的には鳥男達が繰り広げる男子トークが妙に面白かったです。ワイルドシングがどうこうとか、鷹山の食事シーンをまた見逃したとか、あのへんのくだり。
このマンガはこんな感じの男子同士がキャッキャウフフする雰囲気が大好きなんですけど、「怒涛の急展開」と言ってる以上、日常エピソードが入る余地もそろそろなくなって来るんでしょうか。ちょっと寂しいですね。
ヘブンズランナーアキラ / おいしい神しゃま
どちらも今回で最終回。この二作は、どちらも前編集長時代にサンデー外で活躍していた作家をサンデーに招聘したという点で共通しており、そしておそらく編集長が変わらなければ連載がまだまだ続いていたであろうという点でも共通していると思います。
特に「アキラ」は、主人公がちょっと特異な以外は少年マンガとしては比較的真っ当な内容で、このまま連載が続いていればそれなりに人気は続いたのではとも思うのですが、純正なサンデーの作家を育成したいという今の編集部の意向はそれだけ強いものだったということなのでしょう。
「マギ」も最終章に突入して終わりが見えて来ましたし、これからサンデーは本当に激変して行くんだなーと思ってるところです。
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「おいしい神しゃま」は、正直「どうしてこうなった?」という心境です…(´・ω・`)