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03/12/27  (更新情報へ)

コミックマーケット65 椎名高志作品関連サークル情報

(漏れていたらゴメンナサイ)

29日(月)

  • 東J08a BANNAI(GS美神?)
  • 東J08b 文珠(GS美神)
  • 東J09a 天使のしっぽ(GS美神、MISTERジパング 女性向け)
  • 東J09b カカロッ闘(GS美神 女性向け)
  • 東J10a 風色通り(GS美神 雪乃丞×ピート)
  • 東J10b 櫻花壇(MISTERジパング 信長×光秀)
  • 東J11a EN(MISTERジパング ヒカゲ×信玄)
  • 東J11b 黄金の国(MISTERジパング 信長)
  • 東J12a カタクリ(MISTERジパング 日吉×信長、光秀×信長)
  • 東J12b 野良犬ロック(MISTERジパング 日吉×信長、光秀×信長)
  • 東J13a Hyper Melon(MISTERジパング 一益×信長、権六×信行)

30日(火)


 というかお久しぶりです。
 椎名高志ファンホームページ C-WWW の管理運営を行っている深沢です。

 クリスマスの晩は残業して夜遅く帰宅し、トンカツを食べながら「映像の世紀」の再放送を観ていました。
 戦前のドイツやイタリアのプロパガンダ映画に登場する少女達のあまりの可愛らしさに、思わずグッと来てしまって大喜びしてましたよ(バカ)。

 しかしその後、彼女達と彼女達の祖国が後に辿る過酷な運命を想像してしまい、途端に憂鬱な気分に。
 あんなにかわいいのに! あんなにかわいいのに! (;´Д`)

 やっぱり戦争はよくないよなぁー、と思いました。トンカツを食べながら。
 メリークリスマス(嫌がらせか?)。


 なお、このサイトは今回が今年最後の更新になります。
 今年は椎名高志ファンとして、氏の実力が遺憾なく発揮できる領域である短編作品をほぼ月1本のペースで読むことができ、とても楽しい時を過ごすことができた一年でした。それに、来年には「絶対可憐チルドレン」の連載が読める! という希望を持つこともできましたし、我々にとってホント幸せな一年だったと言えるのではないのでしょうか。
 少なくとも、「一番湯のカナタ」の打ち切りで沈んでいた去年の今頃に比べれば雲泥の差です。

 ああ、未来に希望があるって素敵! 来年の今頃にこのログを読み返し、「あの頃のオレらには希望があったよね…」と呟く過酷な運命が待ち受けていなければいいんですけどね!(ドクロ)

 それでは皆さん、よいお年を。
 次回更新は多分 1/5 頃になると思います。


■サンデー4,5号感想ランキング
  1. シェリーの蹴り上げ→足払い→ハイキック→ギガノ・レイスの4HITコンボ(金色のガッシュ)
  2. 鎌木梨奈(美鳥の日々)
  3. 樹から落ちる春日夜未(結界師)
  4. きみのカケラ連載再開
  5. 刃にキスするしろがね(からくりサーカス)

1. シェリーの蹴り上げ→足払い→ハイキック→ギガノ・レイスの4HITコンボ(金色のガッシュ)

 これが格闘ゲームだったら、「GROOVY!」って表示されてますよ!(挨拶)

 本当のヒーローというものは、得てして「仲間がピンチに陥った時を見計らったように、ちょっと遅れたタイミングで高いところから現れる」と相場が決まっているものですが、この定義によればシェリー&ブラコこそがこのマンガの本当の主人公ということになります。伊達にアニメ版の初代EDで一人芝居をしていた訳じゃない! アタシが本当の主役よ! このアタシこそが最強なのヨ! とでも言いたげなシェリーの、やけくそ気味な戦い方が印象に残ったお話でした。
 あんなのを目の前で見せつけられ、その上で「いつかは奴と戦わなければならない!」とか言われたら、そりゃーガッシュやウマゴンならずともビビりますわい。ブルブル。

 もっとも今回の対ゾフィス編は、大元をたどればシェリーの幼なじみでありゾフィスのパートナーでもあるココと決着を付けるために戦う、言わば彼女のために用意されたエピソードである訳で、今回の「真の主役」扱いも納得できるというもの。
 この調子で、春の同人誌即売会ではココ×シェリーの同人誌が大量発生するくらいの勢いで盛り上げて頂きたい。シェリーのような強気なキャラは、やっぱり受けに回ってこそですよ!(受け?)

2. 鎌木梨奈(美鳥の日々)

 ホント、よくこんなに次から次へと変態を考えつきますね! と作者を誉めたくなるほどハイレベルかつハイスペックな変態女子・鎌木梨奈が新登場。ワイルドな頃のセイジを妄想して一人でハァハァしている彼女のヤバさは、既に少年誌で扱える枠を越えています。専門用語で言うところのオーバーエイジ枠です。今週のサンデーを読んで、「年上の高慢なお姉さま萌え」というやっかいな属性に目覚めちゃった男の子は絶対存在すると思いますね。5人くらい(論拠は?)。
 また、彼女の額が広いのも個人的にはグッと来ます。専門用語で言うところのデコっ娘です。やっぱこういう女子はデコが広くないとな!(←やっかいだ)

 そして、彼女の脇に控える側近女子も、やっかいさでは同レベル。パンチラをものともしない華麗かつ過激なアクションの数々は、きっとこの娘は将来大物になる!(パンチラで) とベテランをも唸らせる実力を秘めていると思いました。
 あと、彼女のキャラクターのデザイン、特に前髪の部分が「魔法先生ネギま!」の本屋ちゃんを彷彿とさせるのは、多分狙ってやってると思いました。

3. 樹から落ちる春日夜未(結界師)

 やっぱりよみはエロいな!(専門用語)

 今回は腹に一物ありそうな行動を見せた彼女でしたが、前半に見せたドジっ娘っぷりは演技なのか素性なのかはまだ謎です。多分素性があんなのだと思いますが。
 あと、今回は「こんな甘い子が正当後継者なんて…」と良守を冷たく見下す夜未に、たいそうグッと来ました。彼女にはぜひこのままレギュラーになって頂き、毎回毎回良守をガキ扱いして冷たい視線でネチネチいじめる存在になって欲しいです(←やっかいだ)。

4. きみのカケラ連載再開

 長い間、目次ページの下の方に『高橋しん先生が体調不良のためお休み』と書かることによってのみその存在が確認できていた「きみのカケラ」でしたが、いよいよ今週から連載再開。
 休載前の人気は芳しいものとは言えず、また「『カケラ』の連載はあと10週で終了する」という情報を事前に掴んでいたこともあって、正直私はこの作品の連載再開に対してはあまり大きな期待は抱いていませんでした。例え不人気連載でも、一度始めた作品にちゃんと決着を付けようとするしん先生とサンデーの覚悟には感心しましたが、でもいくら何でもあの休載前の状態から話を続けるのは辛いのではないか? と思っていたのです。
 が。

  • ちょっと前までおもらししてグズグズ泣いてたレジスタンスの女の子・ヨナが、いきなり主役に大抜擢!
  • 腕が飛び鼻がもげ落ちる、戦慄のバイオレンスシーンの連続! なまじカワイイ絵柄で描かれているから余計ブキミだ!
  • 何の脈絡もなく幼女達の入浴シーンが! ヨナの全裸が! うわ、毛すら生えてないよ!
  • そんな幼女達に、いいようにこき使われるシロ! いつの間にか愛想笑いを浮かべる技術を身につけていたシロ! 辛い! 辛すぎる!
  • そして最後のコマでは、裸に剥かれて鎖で吊されている、ハードコアなイコロ王女の姿が! そんな恰好していいのは、触手が出てくるファンタジーエロアニメのヒロインだけですよイコロたん! どうなってるの!
  • つうかこれって、休載前と話が繋がってねぇじゃん! 一体彼らに何があったのヨ!
    エラいマンガが始まっちまったー!

 そんな感じで、エロスとバイオレンスが無闇に交錯する衝撃の新展開の連続にビビりまくりでした。
 こんなの見せられたら、もうコマが小さいとか線が細すぎるとか台詞が多くて読みづらいとか、そういう少年マンガとしての細かい欠陥なんてどうでもよくなって来たよ! このマンガはそういう次元で語るべきマンガじゃねぇ! 例えるなら超次元伝説きみのカケラ! そんな感じだよ!(←誰が止めて)

 とりあえず、このマンガの作者はかつて「最終兵器彼女」において読者を絶望のどん底に叩き込んだ高橋しん先生なのだ! ということを忘れず、ゆめゆめ侮ることがないように読み続けていきたいと思いました。
 もしかしたら我々は、これから何かもの凄いモノを読むハメになるのかも知れません。

5. 刃にキスするしろがね(からくりサーカス)

 色々な意味で衝撃的な内容だった「きみのカケラ」の次に掲載された「からくりサーカス」ですが、こちらもエロス&バイオレンスではまったく引けを取らない展開でした。
 オートマータなメイドさん達が笑顔で殺戮マシーンに飛び込んでいくシーンは大層ビビらせて頂きましたが、でももっと怖かったのは、やっぱり一番最後の鳴海としろがねの会話のシーン。今回のサブタイトルにもなっている、しろがねが鳴海の武器の刃にキスをして血を流すカットからは、しろがねの「愛」というよりはもはや「業」の域にまで達している、鳴海に対する想いの深さを伺うことができます。読んでいるうちに、何とも表現しようもない感情が沸き上がってきましたよ。ホントすげえなぁこのマンガ。

 今週のサンデーは、この他にも投手同士がいきなりドつき合いを始める「MAJOR」、何だかどんどん話がトンデモ方面に向かっている気がしてならない「ワイルドライフ」、もはや『ミステリーを題材にした少年向けコミック』の正しいあり方について色々と考えさせられる作品と化しつつある「怪奇千万!十五郎」など、総じておかしいマンガが多くて楽しく読めました。

 来年も、爽やかにおかしいマンガが読める年でありますように!

 

更新情報:

 


03/12/21  (更新情報へ)

 椎名高志氏がまんカレ投稿時に使っていた「しいなたかし」というペンネームは、「しかたないし」のアナグラムから先生の妹さんが命名した、という話はホントですか?(挨拶)


 しかたないし!
 というかお久しぶりです。椎名高志ファンホームページ C-WWW の管理運営を行っている深沢です。

 先週はサークル文珠さんから「GS美神極楽大作戦!!」研究同人誌の原稿を依頼されたので、資料として1990年〜92年当時の Nifty-Serve や fj.rec.comics のログを色々と調べていたのですが、そこで上記のことが(人づてで聞いた話、という形で)書かれた発言を見つけて、一人で喜んでました。あと、デビュー当時は椎名氏と七月鏡一氏の担当編集者が一緒だった、という情報も過去ログから発見して一人で喜んでました。

 この辺のネタは、来週のコミケ後の飲み会で会話が弾まずに場が気まずい雰囲気になった時など、その場を少しだけ持たせるためのトークのネタとして使ってくだされば幸いであります。「これってトリビアの種になる?」とか言って、より空気をしらけさせて頂きたく(ダメ)。

サークル文珠さん(29日東J08b)が発行する同人誌に、「1991年からの声」と題した短めの文章を寄稿しました。よろしく〜


■美ロボと人外

 そして今月18日に、椎名百貨店3巻以来、椎名高志氏にとってはものすごー(約9年間分延ばす)−く久しぶりの短編集となる「[有]椎名百貨店超・GSホームズ極楽大作戦!!」が発売されました。

 私がいつもマンガを買っている小田原の本屋さんでは、同日に発売された他のサンデーコミックスとほぼ同じ数が入荷されて平積み状態で売っていたので、結構出回りがいいんだなぁーさすが椎名高志と「ゴーストスィーパー」のネームバリューは今も落ちてねぇんだなぁー、とのん気に思っていたんですけど、なんか他の地方在住の人の話を聞いてみたところ

 「入荷数が少なくて既に売り切れていた
 「そもそも本屋が入荷してくれていなかった
 「買い逃した。次の入荷は来年になると聞いた

 といった、そんなうれしい悲鳴の数々が。うへぇー

 みんな大好きオンライン書店Amazonでも既に発送可能時期が「4〜6週間以内」になっていますし(12/21現在)、どうやら「GSホームズ」の初版は既に売り切れ→重版待ち状態な模様っぽいですね。
 もし、まだコミックスを買ってないけど近所の本屋には残ってる、という幸運な地域にお住まいの方は、店頭在庫が残っているうちにさっさと買ってしまうのが吉っぽいです。今を逃すと、次に買えるのは確実に来年になっちゃうよ!

 これで少しは小学館の営業担当に思い知らせてやることができたでしょうか。椎名先生。


 で、今回のコミックスに収録された短編は

  • GSホームズ極楽大作戦!!
  • 江戸浪狼伝
  • 零式といっしょ。
  • 破戒僧ジョドー
  • 家電少女MISOCCUS

 の5本。看板作品である「GSホームズ」、看板娘対決でマリアに敗れたために巻末に回ることになった(きめつけ)ミソッカスが主人公の「家電少女MISOCCUS」、そして今年超増刊で発表された短編3本、という構成になっています。
 本来ならばここに「絶対可憐チルドレン」も入るはずなのですが、政治的な理由で掲載が見送られたものと思われます。まさか、超能力者を排斥しようとする「普通の人々」の暗躍が、小学館内部にまで及んできているのか?(←いい歳した大人のする発想じゃありません)

 それでこのコミックスに収録された短編ですが、これらの作品に共通するテーマは「人外」。「GSホームズ」のマリア、「江戸浪狼伝」の藪月におりょう、「零式」のゼロ、「ジョドー」のジョドーに59、そしてミソッカス。ほんとみんな見事なまでに人間じゃありません。しかも、5本中4本がロボ、そのうちの3本は美ロボが主人公と来てますよ美ロボ(専門用語)。
 椎名高志氏のマンガというのは、基本的に「人間以外」が物語の中心を占めているものが多いのですが、この短編集はその傾向を象徴している気がします。この点から考えると、「絶チル」やこの前アッパーズに掲載された「Time Slipping Beauty」のような系統の物語は、「出てくる連中がほとんどみんな人間」という意味において、椎名マンガの中ではむしろ例外に属するのかも知れませんね。

 椎名氏が「人間以外」のキャラクターについてどう考えているのかについては、以前SFオンライン(現在は休刊)に掲載されたインタビュー記事が判りやすいです。このインタビュー記事の中にある「ロボットの魅力っていうのは、人間に似て非なるものだってところですから」というコメントに、氏が作り出すロボット(そして「人間以外」の)キャラクターの行動原理が要約されていると思います。
 今回の短編集の中でそれが一番良い形で表現されているのが、「GSホームズ」におけるマリアだと思います。この作品の中でマリアは最後に自分の中に宿っている「人間っぽい部分」を失って「人間とは異なる存在」となることを自ら望むようになるのですが、上記のインタビュー記事の中で椎名氏がマリアに対して述べていることを把握した上で「GSホームズ」を読めば、椎名氏は何故この物語をこのような結末に導いたのか? ということがよく判るのではないのでしょうか。

 椎名高志と言えば、「GS美神」にわんさか出てきた美少女キャラ達や、心底どうしようもない横島クン(褒め言葉)のアレっぷりの印象が強いためか、どうしてもそういうマンガを描く人、と思われがちなところがまだあるっぽいんですけど、今回出たこの短編集は椎名氏がSFチックな物語を作るマンガ家としての実力が遺憾なく発揮された、ものすごい出来が良いコミックスだと思いました。
 とりあえず読んで損はないクラスの面白さだと思うので、まだこれらの作品を読んでいない方も、ぜひ来年になったら本屋でチェックしてやって下さい。おもしろいよー

 また、これに掲載されなかった「絶チル」や「Time Slipping Beauty」は、前述したように「人間以外」という共通テーマから少し外れたところに位置している作品なので、コミックスの統一性を考えると掲載されなかったことが良い方向に転がっているのかも知れませんね。
 まさか、そういう意図で「普通の人々」は暗躍していたのか!? 奴らは底知れないぜ!(←いい歳した大人のする発想じゃありません)


■先週は書いてるヒマがありませんでした:サンデー3号感想
  1. 「『人間は真実より奇なり』ってことだ」(怪奇千万!十五郎)
  2. 「いでじゅう!」の最終1ページの展開
  3. 「金髪っていいよね。」(美鳥の日々)
  4. 雪村時音16歳(結界師)
  5. 最近の「KATSU!」の展開
  6. 番外:プジョー106S16(D-LIVE!)

1. 「『人間は真実より奇なり』ってことだ」(怪奇千万!十五郎)

 「すると、BTの人間を嫌う強い気持ちが、血液の質を変化させたということですか、ハイ?」って、アンタ! 「ストレスがあると(血液が)ドロドロになる」なんていう「発掘!あるある大事典」並の論拠から、いきなりもの凄い結論を導き出しやがりましたよこのマンガ!
 っていうか、これって科学で説明できる怪奇現象でも何でもないよ! もはや超常現象だよ! 科学じゃなくてオカルトの領域だよ! 警察は蘭学者を助けを求める前に、まずはゴーストスィーパーを呼べ! と言いたい!

 この作品、以前サンデーに掲載された読み切り版(竹の子ドクター十五郎)でも「カプセルを飲んだ人間がいきなり爆発する」という、やっぱり科学で説明できる枠を遙かに越えたアイテムを登場させて(悪い意味で)話題になってましたが、連載化されてもその無茶な論理展開っぷりは不変な模様。
 また、主人公の天才少年はどう考えても一般読者の共感を得られないタイプの生意気な性格や外見をしている上、作品の世界設定がそんな主人公の生意気さを全肯定する方向に向いている(例:警察の上層部を私情だけで思いのままに動かしてもまったくペナルティを受けない)ため、読者にとって「このマンガを楽しく読めるかどうか」のポイントは、この破天荒で非常識で反社会的な主人公を愛することができるかどうか? という点になりそうです。私には無理
 こういうダメな性格の持ち主が主人公だったら、自称「天才」な主人公が自分の頭脳で作り出した変なアイテムが原因で大騒動になり、結局主人公も巻き込まれてヒドい目に! っていう、「デクスターズラボ」のような話にした方が良かったんじゃないかなぁ。

 この作品、この調子で行くと、今となってはもはやその存在そのものが伝説となった「旋風の橘」や、今マガジンで新たな伝説を作りつつある「天才料理人 味の助」同様、そういう面白がられ方をする系統のマンガになってしまいかねません。大丈夫?

2. 「いでじゅう!」の最終1ページの展開

 今週のこのマンガは、途中まではあまりに林田君にとって都合の良い方向に話が進み、このまんまだと森さんと順調にラブラブな関係になっちゃうじゃん! そんなの「いでじゅう」じゃないよ! とか間違った意味でハラハラさせられましたが、最後のページの急展開でいつもの「いでじゅう!」になったので一安心(間違った意味で)。

 林田君と森さんには、この調子で「お互い好き合ってるんだけど、なんか間が悪くてなかなか告白できない」ラブコメマンガの王道を行くぬるいカップルとして頑張っていただきたい。何回も何回も延々と似たようなことをやってる「エイケン」の伝助・ちはるカップルに負けるな! ライバルは手強いぜ!
 ということで、ラブコメマンガとしての「いでじゅう!」のライバルは「エイケン」に決定(ひどい)。

3. 「金髪っていいよね。」(美鳥の日々)

 そんな感じで、「いでじゅう!」が順調に正統派ラブコメマンガの道を歩んで大躍進しつつある結果、『サンデー随一のラブコメマンガ』の座を脅かされそうになってる「美鳥の日々」ですが、ここ最近のお話はどれも『ラブコメマンガ』として至って正統派の作りをしており、読んでいて好感が持てます。
 一時期は「そろそろ今の設定で話を作るのは限界か?」と思ったりもしたのですが、もはやそういう心配をしなくて良いくらいの安定っぷりを披露。さすがアニメ化が決まったマンガは違う!

 しかし、そんな正統派の作りをしたエピソードも、最後のページのハシラに書かれた「金髪っていいよね。」の一言で雰囲気がだいなしに。ルーシィが天真爛漫で自分の気持ちに素直ないい娘なのは、彼女が金髪だからとかアメリカ人だからだとかおっぱいが大きいからとか、そういうのとは全然関係ないだろう! そりゃー金髪っていいけどな! おっぱいも大きいに越したことはないけどな!
 このマンガ、実は地味にハシラのコメントが秀逸です。このマンガがどういう人達に愛されているのか、このコメントを書いている編集者の方は実によく判っていらっしゃるというか何というか。いっそのこと、ハシラのコメントもコミックスに収録するべきではないか。

4. 雪村時音16歳(結界師)

 「結界師」のもう一人の主人公である、雪村時音16歳。彼女の相方である墨村良守13歳は、その年齢通りの真正厨房っぷりが読者のハートに突き刺さるアイタタっぷりが微笑ましいリアル中坊なのですが、それに対して時音の方は逆に年齢以上に大人びている印象があります。今回はそんな彼女の内面が語られるエピソードになりそう。
 また、彼女の父を知る新キャラクターの登場や、父の最期の戦いに立ち会った良守母の存在などの気になるフィーチャーも登場したことにも注目。今回のお話は、今後の物語のかなり深い部分に関係して来るような気がします。このマンガ、読者から直接見えない部分の設定面が相当練り込まれているんじゃないんだろうか。

 でも、時音は「父親の死」については既に自分なりに結論を出し、心の中で乗り越えているような気がするんですけどね。

5. 最近の「KATSU!」の展開

 基本的にこのページにおけるサンデー感想ランキングは「萌え」「突っ込みやすさ」を採点の基準にしているので、萌えとは無縁だしストーリーもあだち充独特のペースで淡々と進む「KATSU!」は基本的に対象外になることが宿命付けられているのですが、でもここ最近の「KATSU!」はマンガとして素直に面白いと思います。マンガサイトとしては、そういうことも表明していきたい。
 なにげに主人公の父親の元ラビット坂口が飄々としてていい味出してるんですよ。ああいうオッサンになりたいと思わせる魅力に溢れています。あだちマンガの脇役に面白味を感じるなんて、私もずいぶんオトナになったものですねフフン(嬉しいのか?)。

番外. プジョー106S16(D-LIVE!)

 うわこの車萌え! 欲しい!(それだけ?)

 

更新情報:

 


03/12/07  (更新情報へ)

12/8: 煩悩の部屋に投稿作品を3編追加

■この2週間はマンガだけが生きがいでした日記

 お久しぶりです! 椎名高志ファンホームページ C-WWW の管理運営を担当している深沢です!
 好きなキャラは、主に津村斗貴子さんと蟹名静さんです!(挨拶)

 というかサイトの方は相変わらずほったらかしですみません。
 やっと少し時間が取れたので、生存証明の意味も込めて、これまで更新停止中に書き溜めていたマンガ読書日記っぽいものをまとめて掲載しておきます。
 次回更新は21日頃を予定していますが、どうなるか判りません。また縁があったらお逢いしましょう。
 ごきげんよう(専門用語)。


マンガ日記目次


2003/11/26

■サンデー52号感想
  1. 鞍智久孝(ワイルドライフ)
  2. 高見沢修一(美鳥の日々)
  3. 神崎さん(かってに改蔵)
  4. 墨村良守14歳(結界師)
  5. 『次号、ついにフィナーレ!』(ふぁいとの暁)

1. 鞍智久孝(ワイルドライフ)

 かつて陵刀に憧れるあまり主人公に対して過剰なまでの嫉妬心と敵愾心を抱き、結果的に「ワイルドライフ」という作品の方向性を決定付ける(やおい方向に)役割を果たしたあの白衣で眼鏡な鞍智久孝が、「オーストラリアとイラクへ出張して鍛えられた」という名目で、何かまったく別の堅太りマンになって帰って来ましたよ! こりゃまたビックリだね!
 つうかお前だよ! いくら何でも変わりすぎだよ! カンボジアにPKOで出張してた自衛隊員がサイコパスな殺人鬼になって日本に帰って来た(「ジーザス」にあったネタ)とか、そこら辺でタムロしている茶髪女子を「体験入学」の名目で白百合学園に放り込んだら、すっかり洗脳されて亜麻色の髪の乙女になってシャバに帰って来たとか、そういうのと一緒のノリで身も心も変身しちゃったのかよ!(どんなだよ)

 確かに彼は名前こそ「鞍智久孝」という以前と同一のキャラであり、「白衣」で「眼鏡」というキャラとしての記号要素も一緒なのではありますが、しかし現代キャラクター学における眼鏡男のアーキタイプ分類においては、同じ「白衣」で「眼鏡」と言えども、ヒョロヒョロの理系眼鏡と堅太りの体育会系眼鏡とでは全然眼鏡の意味が違うのです。
 これまでの彼の眼鏡は、どちらかと言えば気むずかしくてヒステリックな性格を演出するためのネガティブな意味合いが強かったのですが、今の彼の眼鏡は堅太りのワイルドな肉体に穏やかな「知性」を感じさせるためのポジティプなアイテムとして機能していると言えます。
 今週の「ワイルドライフ」の最後のコマの、妙な自信に満ちあふれた彼の目(そして眼鏡)からは、もはやかつてのヒステリックながらもどこか愛嬌があった、かつての彼の面影はもう存在していません。もちろん人としてより好ましいのは現在の彼の姿の方なんですけど、でも根性が歪んだキャラが大好きな私としては何だか残念であります。
 ああ、歪んだ光を放って輝いていたあの頃の君は、もういなくなってしまったのか! なのであります!

 もしかしたら、出番が無くなってフェイドアウトしてしまった「売ったれダイキチ!」の真君に続き、また一人サンデーから将来有望な理系ヒョロヒョロ眼鏡男が消えてしまったのかも。
 サンデーのダメ眼鏡キャラの牙城は、もはや「美鳥の日々」の高見沢に託すしかないのか?

2. 高見沢修一(美鳥の日々)

 そんなダメなキャラが大好きな僕たちの心をいつだってヤスリがけで鍛えてくれる我らが高見沢君ですが、今回のお話はまさに彼の独壇場。同人誌即売会の会場という「かってに改蔵」で言うところのホームの利を得た彼、そして彼の仲間達や即売会に集うスパイスボーイズ&スパイスガールズ達が織りなすエピソードの数々は、私の心どころか五臓六腑の全てをヤスリがけで削りまくるくらいの衝撃を与えてくれました。
 あまりにハードかつナードな展開の連続に、私は読んでいて頭がおかしくなるかと思いましたよ。ああ面白かったー(ダメ)

 かの”戦う法学者”ローレンス・レッシグ氏は、日本の同人誌即売会を「(著作権の)より少ないコントロールが、より多くの創造性と、アーティストに対してより多くをもたらす」という意味において『クリエイティブ・コモンズ』を体現する場所だと称えていますが、今世界を席巻している日本産アニメやコミックを生み出した感性や文化は、彼らのような(色々な意味で)個性豊かな人たちが(いろいろな意味で)豊かな創造性を発揮させることによって育まれて来たものである! ということを判って頂きたい。
 太っているのに「テニプリ」のキャラのコスプレをしようとしたり、自分の姿を省みないで他人のコスプレに陰口叩いたり、著作権的にグレーなキャラを元にフィギィアを作ったりするのも、全て自由な創造性の発揮のカタチのひとつなのです。ということにしておいて下さい。お願いします。いやホント、著作権をタテにした締め付けはカンベンな!

 あと、今回は「テニプリ」を始め、ジャンプ掲載マンガのコスプレをした人達が散々ネタにされていましたが、先生は最近ジャンプ系のイベントで何かイヤなことでもあったのか。

3. 神崎さん(かってに改蔵)

 アスカガかよ! アスカガなのかよ! 割とメジャーなカップリングじゃん! 微笑ましいじゃん!
 絶対彼女はニコアスだと思ってたのに!(←それ何の呪文?)

 コミケなどの同人誌即売会では、アスカガとキラカガとかいった感情的に対立しそうなサークルを直接隣接させないように、机の配置を心がけている様です。高見沢君や神崎さんのような繊細な人たち(好意的表現)に対して気配りを続けているコミケの中の人は、ホントに大変だなぁと思いました。

4. 墨村良守14歳(結界師)

 以前ここで「このマンガの本質はジュヴナイルである」とか書いた気がしますが、今回の主人公の行動はジュヴナイルっつうよりはもはや専門用語で言うところの「厨房」の域に入っていると思いました。
 これぞ14歳! これでこそリアル中坊! やっぱ中学生男子はこれっくらいバカじゃないとな! バカな中学生を観察するのはホントに面白いなぁ!(悪趣味)

5. 『次号、ついにフィナーレ!』(ふぁいとの暁)

 「次号フィナーレ」って、何うそついに終わっちゃうのかこのマンガ! 巻末をフラフラしながらも土俵際で粘り続けたこの作品も、ついに潮時を迎えることになっちゃうんですか!?
 何だかんだで結構好きなマンガだっただけにここで終わってしまうのは残念ですが、とりあえず次回を楽しみに待ちたいと思います。とりあえず最終回までには、対戦相手の帝北学院チームの勝ち気な女監督さんが額に縦筋を入れながらどんよりと凹んでる姿が見たいです(悪趣味)。


2003/11/27

■マガジンの行く末を心配する

 今週の少年マガジンに掲載された読みきりエロコメディマンガ「たんぽ」を読んで、本気でマガジン編集部の先行きを心配したくなりました(いきなり本題)。

 最近オタク筋で評判が良い「マリア様がみてる」のあからさまなバッタモノ設定を使って来る思い切りの良さと目の付け所は買いますが、でもアレンジのやり方がなってないというか、後半の方は話が「別にこれってカトリック系の女子校を舞台にする必要性が全然ないじゃん?」みたいな方向に行っちゃってたので、結果的に台無しに。
 これを読んだコアなマリみてファンは(勿論だけど)相当憤慨していた様子ですし、そういうリスクを踏んだ割にはマンガとしての評価もかの「OHP」では「ちょっと散漫なような」の一言で終わり(自分もそう思う)。
 この手の女学園モノは、潜在的な需要が相当ありそうに思えるジャンルなだけに、こんな形でこのネタを消費してしまうにはあまりに勿体ないと思いました。

 つうか、カトリック系女学園を舞台にしたエロコメディをやりたいんなら、話の持って行き方はそうじゃねぇだろう! 憧れのお姉さまに可愛がられたり虐められたりしてこその女学園エロぞ!(だんっ)
 とりあえずマガジンの担当編集者は、「くりぃむレモン」のエスカレーションシリーズとか、女囚監禁リンチものビデオとか、修道院尼僧監禁ものビデオとかを鑑賞鑑賞成敗成敗また成敗し、閉塞環境における人間関係の歪み方を徹底的にリサーチしろ! とか思いました(すみません)。

 「天才料理少年 味の助」という何の捻りもないタイトルの新連載マンガが始まった時にも思ったのですが、ここ最近のマガジンのセンスはちょっと違うんじゃ? と心配になってしまいます。マガジンといえば編集部の企画力が最大の強み、みたいなイメージがあるので不安もひとしおです。
 何というかこう、もうちょっと読者の「知性」を信頼しても良いんじゃないか? と思うのですがどうか。「味の助」を「汁の助」にするとか(もっとダメです)。

 現在マガジンは大物作家を大量起用した怒涛の新連載攻勢の真っ最中ですけど、1年後に紙面を飾っていたのは結局「一歩」と「クニミツ」と「ネギま!」だった、みたいな結果にならなきゃいいのですが。
 というか、去年のサンデーが結局はそんな感じでしたしね! 実績のある大物作家が描いていた「カナタ」も「カケラ」も「パンゲア」も「橘」も「ユウキ」も、最後にはみんなどっかに行っちゃいましたしね! マンガをヒットさせるってのはホントに難しいんだなぁ!(訳のわからないままおわり)


2003/11/28

■ネコの王最終巻

 サンデーGXで連載されていた、小野敏洋氏の「ネコの王」の最終巻を読みました。

 このマンガ、作者がやたら股間の表現にこだわる小野敏洋氏なだけに、世間的な評価はどっちかと言えば「禁断のブルマ魔法」とかそういうネタで語られていることが多いような気がするのですが、最終巻はさすがに全編シリアスな雰囲気。
 魂のレベルで異なる存在である「ネコ」と「人間」の間の根源的な対立構造に立ち向かう「ネコの王」としての主人公と、かつて自分を捨てて再婚した母親が死に直面しているのを知って動揺する「人の子供」としての主人公という、二つの物語がパラレルで進行する構造が、主人公のキャラクターにより深みを与えていると思います。
 また物語そのものも、究極的にはおそらく今後の世界において最も深刻な問題になるであろう「宗教対立」を暗示していたり、その問題に対する(作者なりの)回答を示しているんじゃないかと思わせる部分もあったりと、実はかなり考えさせられるテーマを含んだマンガなんじゃないかと思うようになってきました。

 こういう深みのある作品を描く一方で、やっぱり「禁断のブルマ魔法」とかそういうネタでやたら股間の表現にこだわるマンガを作ったり、別名義でエロエロでカルトでハードコアなエロマンガを描いていたりする懐の広さが、小野敏洋氏の漫画家としての凄いところです。
 というか、むしろエロエロでカルトでハードコアなマンガを作れるからこそ、「ネコの王」のようなあらゆる生命への愛に溢れる作品を描けるんだろうなぁと思いました。愛あるところ、常に楽園あり。


2003/11/30

■足組み男の墓

 休みがあるって素晴らしい!(←この日は一日休めました)

 土曜日の夜まで全くネットにつながっていない状態だったのでさっき始めて知りましたが、あのながいけん氏が復活して新生ファンロードやヤングサンデーでマンガを描くって話には、本当にビックリさせられました。
 いやもう、ながいけん氏は自分の中では既に「消えた漫画家」のカテゴリに分類されていた作家だったので(失礼)。

 どういう経緯で氏が再び(古巣であるファンロードはともかく)ヤングサンデーという小学館のマンガ雑誌に描くようになったのかは判りませんが、何にしろ氏の復活は嬉しいです。
 往年のファンロードでながいけん氏のマンガを読んで氏のセンスに感銘を受け、結果的にこうなっちゃった世代の人間としては、氏の再起に期待するとともに、ヤングサンデー編集部の方々に対しては「今度こそは潰れないように、上手くマンガを描かせてください!」とお願いしたい所存であります。いやマジで。

 あと、せっかく復活するのですから、「モテモテ王国」コミックス未収録分の発行は勿論のこと、これまでサンデー超増刊やらRやら旧ファンロードやらに掲載されたマイナーな作品の再収録もぜひお願いしたい所存。
 個人的には、むかーし(1995年くらい?)超増刊に掲載された名作「極道さんといっしょ!」を、ぜひもう一度読みたいです。確かあの頃はファンロードで描かなくなってから既に5年くらい経っていたんじゃないかと思うのですが、掲載されたマンガの中で繰り広げられる「あんなイカしたスポットにダイブしたら社会問題だぁ!」とか「ワシのオヤジは、でんぷん飲んで死んだのよ…」とかいった相も変らぬセンスが光るセリフの数々に、腹を抱えて笑ったのを覚えていますよ。

 「モテモテ」以後しか知らない今のナウでヤングな世代にマイナー時代のながいけんのセンスを伝えるためにも、あの衝撃の作品の数々をもう一度。
 ながいけん氏と同時期にマイナーで活動していた椎名高志氏の短編集も出ることですし(直接関係ありません)。


2003/12/01

■ヤンチア

 最終電車を駅のホームで待ちながら、コンビニで購入したサンデー超増刊を読みました。
 その中では、田中モトユキ先生の「ヤンチア」が群を抜いて面白いです。この人の絵柄はもの凄くカワイイんですが、そのカワイイ絵柄でバカハデオトコな物語(全てほめ言葉)を作り上げるのが相変わらず上手いなぁと思いました。

 しかも話のテーマは、よりによって「ヤンキーとチアリーディングの融合」。喧嘩上等なバカ生活を送っていたヤンキー二人組が、何の因果かチアリーディング部に入ってしまうという話。ヤンキーとチアリーダーという全然組みなそうなネタを元に、男と女の汗と涙と太股がハジケる大熱血物語を作り上げることに成功しています。
 特に、クライマックスにおける格闘シーンの素晴らしさは、もはや感動的と言っても良いくらいにバカバカしくて格好良かったです。もし可能であれば読んで損はさせない作品。この調子なら本誌復帰も夢じゃないと思われます。

 しかし、現在超増刊に連載されている作品のラインナップの変わりっぷりには正直ビビりましたね。椎名先生が読み切りを載せてた頃に載っていた連載はもう全て終了しており、全て別の作家が描いている違う作品になっています。この回転率の速さは通常の月刊誌のレベルから考えればもはや異常。もう「キャットルーキー」や「鬼切丸」が延々と載ってた頃の超増刊の姿はどこにもなく、本気で「ルーキーのための登竜門」としてチューンされた雑誌になってる模様です。
 しかしここまで短期連載ペースが徹底していると、余程の新人マニアじゃないともうこの雑誌買わないんじゃないかと思いました。このオレですら買うのが躊躇われるね!(買ったけど)

 全体的には「最近の新人さんは、ホントにジャンプのマンガが大好きなのな!」と思ってしまう系統の作品(ストーリーにしろキャラ設定にしろ絵柄にしろ)が多い印象を受けましたが、そんな中にポツポツと80年代のサンデー増刊を思わせるような懐かしい絵柄な系統の作品が載っていたりするのが、今の小学館ルーキー群が持つ味なのかもとか思った(考えすぎ)。
 今月号に掲載された新人作家の作品では、過激なまでに部活動が激しい学園の中で、ただ一人「帰宅部」を貫く転校生の少年が主人公の「伝説の帰宅部・Returner」(森尾正博)が面白かったです。画風はハッキリ言ってしまえば古くさい部類に属するタイプなのですが(往年の島本和彦の系統っぽいような?)、その絵柄が作品の中で貫かれているバカバカしいまでの「学園熱血ドラマ」路線とピッタリとマッチしていて、読んでいて妙にハマりました。
 今風の絵柄を追うだけではなく、自分の絵柄に合った作品を描くのが一番大事なんだ、という基本がしっかりと判っている方だと思います。今後に期待したいところ。

 しかしこの作品の主人公は、家に帰って何をやるんだろう。テレビ東京で平日夜6時からやってるアニメの生視聴?


2003/12/02

■もし斗貴子さんが「フルバ」の主人公だったら

 今週のジャンプで連載が始まった「デスノート」がマンガ感想系サイトでやたらと評判が良いので、そんなに良いならオレもちゃんと読んでみよう! と思ってコンビニに寄ったら、既にジャンプが売り切れていてオガーン(ショック音)。「ヒカルの碁」で鳴らせた小畑健氏の絵の威力を、改めて感じました。
 なので、今の日本のマンガ界を支配しているのは小畑健先生に決定。「小畑健先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!」のアオリはダテじゃねぇ! ジャンプを制するものは世界を制す!

 そして、帰りにしばらく前に買った「フルーツバスケット」13巻をを電車の中で読んでブルブル震える(比喩的表現)。
 この作品が最終的に目指しているテーマは「草摩家の人々の『呪い』からの解放と癒し」なんだと思うのですが、しかしそれを表現するためにはそこに至るまでの登場人物たちの苦悩や不幸な境遇を描かなければならない訳ですし、しかもそんな悩みを抱えた人物を十何人も登場させて物語を組み上げていくってのは、それが例え全て作者が自分で作り出したキャラクターだからであってももの凄いキツイんじゃないかと思います。その労力を想像するだけで眩暈がする程に。
 そういう意味で、「フルバ」は読んでいてとてもエネルギーを消費する作品ですね。この作品のテーマを真正面から受け入れるためには、物凄いパワーが必要なんじゃないかと思う次第。こうなったら、もう決着を付くまで読み続ける所存ですよ!

 あと、生徒会メンバーの中では何を考えているか判らない倉伎さんが萌えです(だいなし)。


2003/12/03

■サンデー1号感想
  1. 池から飛び出す鞍智久孝(ワイルドライフ)
  2. 眼鏡っ娘と半ズボンの取り合わせ(美鳥の日々)
  3. P.194で「何だよ〜文句あんのかよ〜」と言う黒柳の表情(焼きたて!ジャぱん)
  4. 「マトリックスはネオの夢オチだったのです」(俺様は?)
  5. 今週も読む者を不安にさせるかってに改蔵

1. 池から飛び出す鞍智久孝(ワイルドライフ)

 闇夜の公園の池の中に、わざわざ眼鏡をかけたままダイヴイン! ダイヴする前にちゃんと服は脱いでいるのに、眼鏡だけは外さずにダイヴイン! 暗闇の水中でターゲットのワニ君を眼鏡で捕捉し、背後から近付いて眼鏡を付けたままガバッと水から飛び出すその姿!
 奥さん眼鏡ですよ!(挨拶)

 残念なことに(?)すっかりキャラが変わってマトモになってしまった鞍智君ですが、だがしかし己が眼鏡キャラであるという誇りだけは変わっていなかった!  眼鏡キャラが眼鏡を外す時はそれ即ち「眼鏡キャラ」という己の仮面を取り外して本当の姿を見せる時を意味するのですが、しかしまだ今はその時ではない! ワニを救い出す程度では、まだ本当の己の姿を曝すまでもない、造作もないことに過ぎぬ! この俺の眼鏡を外して本気にさせたかったら、最高の動物で来い! イラクで地獄を見たこのオレの眼鏡は伊達眼鏡じゃねえんだぜ! ということであると解釈いたしました。
 確かに奴は、ドデカイ男になって帰って来たようだぜ!

 例え裸は晒しても、眼鏡の下の素顔は決して晒さない!
 それが眼鏡の心意気!(おわり)

2. 眼鏡っ娘と半ズボンの取り合わせ(美鳥の日々)

 そんなおかしい眼鏡で読者のテンションを上げさせ、キャラクター格闘アクション「MAR」を楽しく読ませた後に、「美鳥の日々」では至ってスタンダードな眼鏡っ娘キャラを登場させてクールダウンを計る。
 サンデーの誌面構成の絶妙さを感じます(大ウソ)。

 井上先生には、元々「これって人々を萌え狂わせる人型戦略兵器ですか?」と思ってしまうくらいキャッチーなキャラクターを創造する能力がありますが、今回の眼鏡っ娘もまさに破壊力は兵器級。幼少時代のセイジの半ズボン姿との組み合わせも絶妙で、相変わらず「これで掲載誌の出版社が小学館じゃなくて茜新社だったら…」とに妄想させるに十分です(またか)。

 そして、子供の頃はあんなに可愛らしかった眼鏡の彼女も、今頃はきっとマンガ好きが高じて立派な同人女さんになり、先週出てきた同人誌即売会の会場で「かってに改蔵」の神崎さんのサークルの通路の反対側にあるスペースの机の前に座って神崎さん相手にガンを飛ばし合う、そんな充実した愉快な生活を送っているに違いないと思いました(失礼)。

3. P.194で「何だよ〜文句あんのかよ〜」と言う黒柳の表情(焼きたて!ジャぱん)

 なんかものすげえあからさまにイヤそうな表情をしてていい感じ。河内相手だと黒柳は随分リラックスして接しているように見えます。黒柳はそれほどまでに河内を信頼しているのか、友達感覚で接しているのか、それとも単に小馬鹿にしているのか。
 些細な情報から二人のキャラの関係性を妄想する楽しさが判るようになって来たら、あなたも神崎さんの仲間入りです。おめでとう(うるさいよ)。

 それはともかく、フランス代表が退場し、陰謀渦巻くイヤ展開を脱して(一応)純粋なパン勝負に戻った最近の展開は、何というかこう本来の調子を取り戻したというか、普通に面白いマンガになったと思います。
 今週は、モニカのボケに対して更にボケた諏訪原のリアクションが最高。女性キャラは勿論ですが、男性キャラも脱いでこそ花! みんな脱いじゃえばいいのに!

4. 「マトリックスはネオの夢オチだったのです」(俺様は?)

 説得力がある!(あるのか)

 レボリューションズは私もこの前見てきましたが、映画が終わった直後に会場に漂っていた「あれ? これで終わり?」的な、気まずい空気が面白かったです(悪趣味)。
 この映画は、初代の「マトリックス」と同様にあまり難しいことを考えないで、マンガチックなアクションシーンの連続を素直に「うわーすげぇー」と観て喜ぶ分にはとても良い映画だと思うのですが、でも前作のリローテッドであれだけネタ振りされた以上、そういう見方をすることを作品自体が否定していたのが不幸だったというか、イマイチ不評を買ってる一因なんじゃないかと思いました。

 「マトリックス」三部作を強いてマンガに例えるとするならば、「あまり深く設定を煮詰めないで始めた連載マンガが大ヒットし、調子に乗って長期連載になったはいいんだけど、途中で色々とボロが出ちゃって、後世には『あそこで終わっていれば名作だったのにねぇ…』と評価される作品」みたいな感じ。
 「リローテッド」と「レボシューションズ」って、「GS美神」でいうところのアシュタロス編みたいなものだったんですよきっと(ファンサイト要素)。

5. 今週も読む者を不安にさせるかってに改蔵

 ここ最近の「かってに改蔵」の面白さは、本気で目を見張るモノがあります。ネタの切れが増してますし、作者は明らかに調子に乗ってますね。
 年末にファンブックが発売される今が旬! この調子なら、今度こそ講談社マンガ賞を狙えますよ! 今度は「ネギま!」に阻止されるかも知れませんけどね!


2003/12/04

■マガジン新連載

 今週のマガジンで連載が始まった「奇跡の少年」を読む。

 ……いくら池上遼一ライクな絵柄の「クロマティ高校」が当たったとは言え、少年誌に能條純一氏の濃ゆい絵柄がドーンと載っているのを実際に観てしまうと、何というかこう先週に引き続いて「この雑誌はこれで本当に大丈夫なんだろうか」と思ってしまいがちに。
 せっかく能條純一氏を起用するんだったら、あの絵柄でコメディマンガを描いて欲しかった……(もっと無理)


2003/12/05

■ディズニーアニメで一番好きなヒロインは「ターザン」のジェーンだと思う人の数→

 職場の売店でこんなパンを売っていたので、衝動買いしてしまいました。
 ディズニーアニメのお姫様達がパッケージに描かれたパンです。

ディズニーアニメのお姫様達がパッケージに描かれたパン

 これって、魅惑のディズニープリンセス達が「アタシを食べてぇん♥」と誘っていると解釈してよろしいのでしょうか。
 すみません(これのどこがマンガ日記?)。


2003/12/06

■椎名高志ファンホームページへようこそ

 土曜日に、やっと「アッパーズ」から椎名高志氏が描いた水着ギャル・伊号ちゃんのイラストが描かれたテレホンカードが到着しました。申し込みから4ヶ月以上かかってないか。
 あんまり間隔があいたので、全員サービス(という名の通信販売)で申し込んだことをすっかり忘れていました。なのでちょっと得した気分?(になりません)

アッパーズの伊号ちゃんテレカ

 あと、近場の街の本屋さんに行ったところ、大河ドラマに合わせて新撰組をテーマにしたマンガを集めた特集スペースが設けられていたんですけど、その横には何故か「MISTERジパング」が平積みで並べられていました。その書店が作った「もうひとつの歴史の可能性を探る!」みたいなことが書かれたポップも立っていたので、どうやら割と本気で売り込みたい様子。
 本屋さん側には、去年に引き続いて、今年も歴史モノが来る! との観測があるのかもしれません。

 私は「沖田」という苗字から最初に連想されるのが、新撰組じゃなくて「マカロニほうれん荘」なくらいに新撰組には疎い人間なのでアレなのですが、良い機会なので椎名先生もいっぺん新撰組をちゃんと描いてみたらどうだろうか、とか思いました。
 「GS美神」の「フィルムは生きている!」の回に登場した、斬新な解釈で作られた頭がおかしい沖田みたいなのを主人公にして何とか(ならないです)。

 

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- '96
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