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00/10/25  (更新情報へ)

激しすぎる近藤のプレーがてっぺいを刺激する!
(サンデー47号「ファンタジスタ」のハシラのアオリ文句より)

 なんつうかアンタ、これって「プレー」を「プレイ」に変えたら、ちょっと凄いことに!
 激しすぎる近藤のプレイがてっぺいを刺激ッスよ! 姉さん!(←誰?)
 狙っているのか? やっぱり何かを狙っているのかサンデー!

 というか、こういう発想をする方がどうかしてますよね?(挨拶)
 こちらは、椎名高志ファンホームページこと C-WWW です。

 で、このページが「サイト更新情報」に名を借りたオタク系日記ページと化して久しいですが、ここ最近は「ナズミ@」や「犬夜叉」などの他のサンデー掲載のマンガの話ばっかりしていたためか、ゲーム系情報サイト SAWADA SPECIAL 2000 さんから「ナズミ@」の情報源としてリンクされていたり(ありがとうございます)、何故か2ちゃんねるの犬夜叉スレッドから直リン(専門用語)食らったりして、嬉し恥ずかしな今日この頃です。

 しかし、やはり「椎名高志ファンホームページ」を名乗っている以上、たまには「MISTER ジパング」を語らなければ、椎名先生のサイトからリンクされてる身分としては申し訳が立たないのであります(元々立ってなかったという気もするが気にしない)。
 ですので、とりあえず今回は、ジパングの話題をロクにしていなかったここ四週間の「MISTERジパング」の展開について、ちょっとヒストリカルな観点を交えてエラそうに考えてみることにしました。

天回とヒカゲ

 このマンガが普通の歴史マンガでなく「戦国ファンタジー」と呼ばれる由縁となっているのは、歴史を「観る」ことができる予言者ヒカゲと、正体不明ながらも歴史を(我々読者と同レベルで)「知っている」らしい天回の二人の存在があるからです。彼らは歴史そのものに介入する力を有しており、その動向はこのマンガのストーリーの根幹に大きな影響を与えるに違いありません。
 「MISTER ジパング」がタダの歴史マンガに終わるか、それともSFっぽい要素を取り込んだスゲエ歴史マンガに成長するかどうかは、正に彼ら二人の活躍にかかっている訳です。私が最もその活躍を楽しみにしているのも、実はこの二人だったりします。
 例え、ヒカゲが男共にモテモテな日吉の姿をニヤニヤ見ながら日吉総受け(あるいは総攻め)のやおい同人小説のプロットを妄想してそうなキャラであったり、天回がどう考えても宇宙人としか思えないような珍妙な髪型や耳の形をしている上に目からビームまで出せる正真正銘ホンモノの正統派変態キャラであったりしようとも、このマンガのストーリーを戦略レベルで支えるであろうこいつらには、大いに期待しているのであります! ガンバレこいつら!(←応援する気あるのか)

 で、そのヒカゲは天回の真意を探るため、サンデー44号において天回と比叡山で合流しました。
 比叡山と言えば、1571年に信長による「延暦寺焼き討ち」イベントが発生した場所として有名です。当時争っていた浅井・朝倉に味方したという理由はあったものの、平安時代から仏教最高の権威であった比叡山を文字通り「壊滅」させたことは、当時としてはかなり革命的な行動であり、そのような行動から信長の宗教観や政略の革新性を、更には浅井・朝倉や一向宗との全面戦争に突入していた当時の信長の厳しい状況に対する苦悶をも見ることができます。
 とは言うものの、結局比叡山は信長に滅ぼされた(それも、伝記によれば「僧俗男女皆殺し」という徹底的なジェノサイドを食らった)勢力であることは間違いない訳です。歴史を「知っている」存在である天回は、勿論比叡山の悲惨な末路も知っていてしかるべきであり、それ故に「何故、わざわざ比叡山を活動の拠点にしたのか?」という疑問が生じてきます。
 彼には、何か勝算があるのでしょうか。

 天回については、他にも「戦争の猿たち」編で「信長はいずれ消すつもりだが、今はいかん」とか「奴(日吉)がいなくなれば、後の信長の力は半減する! 信長の仕事のペースを、本来よりゆっくりにするのが我々の狙いぞ!」とかいう謎の台詞を喋っていたり、信長を捕虜にしようとした太原雪斎(今川家の盛況を支えた軍師として名高い人)を目からビームを出して無理矢理調伏させたりするなど、どうもその真意を測りかねる行動を繰り返しているのも気になります。
 果たして、彼は最終的に何を狙っているのか、彼は信長を利用して何をやらかそうとしているのか? それとも、ただ単にもったいぶっているだけなのか? ヒカゲは天回の真意を掴むことができるのか? そして、登場しなくなってから2ヶ月が経ち、濃姫や加江の活躍によってなんかもう読者からその存在が忘れ去られつつある悲劇のヒロイン(予定)・ヒナタっちの出番は果たして今後確保されるのか? 謎が謎を呼びますよね!(無理矢理)

 まぁ、私としては、最後の方になって天回が「この腐った世界を作った元凶となった歴史を、この私が粛正するのだ!」とかいうアシュ様みたいな口上を述べ出したりしないことを祈るだけであります。(しつこい)

信長と日吉

 そんな感じで天回やヒカゲの動向は気になるものの、しかしやはりこのマンガの主役は信長と日吉です。

 サンデー47号では、信長と伝説の樹の下で衝撃的な再会を果たした日吉が、あの頃のときめきを変わらぬ想いでいつまでも抱きしめておくため、名前を「日吉」から「木下藤吉郎」に改めるという、二人のメモリアルに新たな1ページを加えるイベントが発生しました。
 以前、ここで「次に日吉と信長に再開した暁には、ぜひコマの四隅に極太ゴシックフォントで『ラブひな』と書かれていても恥ずかしくない程のラブっぷりを発揮して頂きたい!」とか書いた憶えがありますが、実際にはラブひなどころか、背景に紫色のバラが並んでいてもおかしくない程のラブっぷりを発揮!
 これはもはや、キラキラと木漏れ日の中で! 二人の時が流れてゆくわ! あんなにもあこがれ続けた! 笑顔の側に私がいる! であり、もうこんなの見た日にゃ金月真美も歌うぜ! って勢いで読者の度肝を抜いたことは記憶に新しいところです(よく判らない上につまらない比喩)。

 本来の史実では、日吉が「木下」姓を名乗るようになるのは、確か1561年に「ねね」と結婚して(苗字の必要な武士身分である)足軽になった辺りから、という事になっているらしいのですが(「木下」はねねの母方の姓)、マンガの方では日吉が信長と感動の再会を果たした樹の下にちなんで日吉が自分で付けた、という事になった模様です。
 「継ぐのは誰だ」編以前はそれなりに凛々しい姿を我々に見せていた日吉(木下藤吉郎に改称)も、なんか今ではすっかりニヤニヤしながら信長の草履を抱えて嬉しそうに殿の後を追い回すという、リアルバウトにっぽいキャラになってしまった感があります。でもまぁ、それも「殿の側で天下統一の役に立ちたい」という彼の決意の現れであると思えば、その犬っぷりも微笑ましくもなって来るというものです。
 また、飼い主である信長も、そんな日吉(木下藤吉郎に改称←しつこい)が可愛くて仕方がない模様であり、ある意味とても微笑ましい関係であると言えます。濃姫がこの二人を見てくすくす笑いたくなってくるのも致し方ないといったところでしょう。

 とりあえず、この二人の関係は、「頭はいいけど気弱な日吉と、お転婆だけど自分の気持ちに素直になれない信長」のラブコメディの段階から、「ご主人様と犬」的なつながりに進化したと見て間違いないでしょう。
 こういうのを関係の発展というのかどうかはやや謎なのですが、まぁでも「ご主人様(女)と犬(男)」的な恋愛を描いて人気を博している「恋愛ディストーション」(犬上すくね、少年画報社)の例もあることですし、こういう恋人関係ってのも悪くはないんじゃないんですかね?(←「信長と日吉の関係を単純に恋愛関係に置き換えてよいのか」という根本的な問題は無視していることに注意)

小六と五右衛門、そして平手

 あとサンデー47号では、日吉の才能を早くから高く買っていた蜂須賀小六が、「継ぐのは誰だ」編での日吉の活躍を影で支えた五右衛門を誘って、犬っぷりを発揮している日吉を望遠鏡で仲良くあきれながら見つめ合う、というシーンが登場しました。更に小六は、日吉とクサレ縁がある五右衛門を自分専属の日吉見つめ担当忍者として雇用することを持ちかけるなど、その「日吉見つめ主義者」っぷりを発揮しつつある模様です。
 小六と信長・秀吉がこの時期から既に密な関係にあったことは「武功夜話」などで述べられており、その辺はこの前発売されたサンデー48号「王の試練」(その2)でもサポートされていましたけど、五右衛門もこの漢達の輪の中に(日吉を見つめながら)組み込まれていくような展開になるのでしょうか?

 そして、「王の試練」編の中心になりそうなのが、信長の教育役である平手政秀声:千葉繁)。椎名先生のサイトの速報ページにも平手に関するコラムが書かれていましたけど、どうやら今回のエピソードは、史実では1553年に起こった平手政秀の自害が話のベースになっている模様です。
 平手政秀ってキャラは、「椎名キャラの最大の魅力はガキとオヤジである」と主張している私にとっては斉藤道三と並んで激ラブなキャラであり、サンデー48号の最後のカットを見てると思わず「平手〜、後ろ後ろ〜!」とドリフを観ている子供みたいなことを叫んじゃいたくなる程なのです。それ故、今回のお話はかなり先が気になります。
 「平手の死去」という重いテーマをどんな風に料理してくれるのか、オヤジキャラ愛好家として期待したい所存であります。

 でもまぁ、「MISTERジパング」の感想に関しては、私如きがどうこう言うよりも、「MISTER ジパング専門リンク集」で紹介している「きんらんどんす」や「サンデーのつぼ」などを読んでもらった方が遙かに面白いです。やっぱホンモノな方は視点が違いますね!(失礼)
 なので、ボクも信長の太股チラリに萌えられる感性を身に付ける努力をしながら、これからも頑張りたいと思いますよ! 姉さん!(←誰?)


 

更新情報:


お知らせ:

 椎名先生の公式サイト「椎名百貨店 The Web」に、新コーナー「バグ情報」が追加されました。
 例の「斬った足と斬られた足が違う」とか、「焼香を握った手と投げた手が違う」とかのパリティ保存則に違反している現象(←間違い)に対する洒落っ気溢れる作者自身のコメントとかが載っており、なかなか笑えます。

 私見ですけど、本当の「良いファン」ってのは、この手のミスやストーリーの破綻などをちゃんと欠陥として認めつつ、その上で「どんなに欠陥があろうとも、オレはこの作品が大好きなんだ」と言い切れるだけの懐の広さを持った人なんじゃないか、と思ってます。
 ですので、「良いファン」でありたい我々としては、細かい部分のミスを見つけて喜ぶのも程々にした方がいいよなぁ、とか思いました。作品の細かい欠陥や破綻ってのは、無闇にあげつらったり、逆に意地になって否定したりするよりも、それをネタにして笑いを取った方が遥かに健全であり、また有益なものなのです。
 この「バグ情報」のコーナーは、自分のミスをもネタにしてしまう、椎名先生の精神的なゆとりを象徴するモノだと思いました。

 ……ああ、自分のことを棚に上げて語るのって楽だよなぁ!(結局)

お知らせ2:

 先週もちょっと書きましたが、諸般の事情、および体調不良気味のため、次週の更新はお休みさせて頂きます。次の更新は 11/ 6 以降の予定です。
 最近はちょっとお疲れなので(オレが)、週末は「リアルバウトからくりサーカス(サーカス編)」こと静岡大道芸ワールドカップへ出向き、気力を回復したいです。パンタローネ様みたいなからくり人形は出ませんかね?(出ません)


00/10/18  (更新情報へ)

近況:
 いくらポリゴン美少女が大好きそうな人達に人気がある「ああっ女神さまっ」と言えども、
「ああっ女神さまっ」のクイズゲームをフルポリゴンにするのはヤリスギだと思いました。(挨拶)

 という訳で、皆様こんにちは。
 こちらは、映画化で最近話題になっている「ああっ女神さまっ」のコミックス1巻掲載の第1話を読み直し、「なんて強引な導入ですかコレは! コレに比べれば、『AIが止まらない!!』の第一話なんて全然普通じゃん! やっぱ本家は違うよ!」と感心している私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です。
 ご要望はそちらで伺います(声:井上喜久子)。


 そしてサンデー46号より、その「ああっ女神さまっ」や「AIが止まらない!!」と同系統の読者層の人気取り込みを狙ったと思われる、新たな戦略化学兵器マンガ・「ナズミ@」(作者:岸みきお氏)の連載が開始されました。
 タイトルに付いている「」が暗示している通り、前述の「AIが止まらない!」同様、いわゆる「パソコンから美少女が出てくる」ジャンル(更に包括的に言えば、「冴えない男が何故か不特定多数の女子にモテモテになる」系のダメハーレムマンガ)に属する作品です。
 サンデーに掲載されるマンガに「@」なんていうITっぽいキーワードが付くなんて、細野 不二彦氏の85年の作品「青空ふろっぴぃ」以来の快挙ですよ! サンデーにも確実にIT化の波が! IT革命バンザイ!(勘違い)

 この手の「美少女キャラがゴロゴロ出てくるダメハーレムマンガ」ってのは、アメリカに住む黒人の少年達が毎日を生きていくための活力源としてヒップホップを必要としているのと同じ意味において、現代日本の少年達が毎日を生きていくための活力源として必要な存在と言えます(サブカル的比喩)。  「うる星やつら」から「ラブひな」に至るまで、少年マンガのムーブメントの中心に常に位置していたのはこのタイプのマンガであり、正に少年マンガの王道軟派コース経由)なジャンルであると言えます。我らが「GS美神」も、基本的にはこのタイプに属するマンガでしたね。

 しかし、ここ最近のサンデー誌上においては、「ダンドーXi」「MAJOR」等が現代日本の少女達に必要な活力源(要するにやおい)を積極的に提供する一方、「ラブひな」級に直球勝負な少年向け活力源(要するにエロ)の供給は極端に不足していたのが実状です。なので、サンデーを読んでいるエロ要素に飢えた純粋な少年達は、仕方なく「ダンドーXi」を読んでラミアのソレっぽい仕草を見て飢えをしのいだり、この手のエロ要素をメタなレベルでネタにしている「勝手に改蔵」を読んで自虐的な笑みを浮かべたり、ガマンできなくなってマガジンの「ラブひな」を読んでアッチの世界に旅立っちゃったりしていたのです。

 が、しかし! ついに、「GS美神」や「なぎさMe公認」の終了以来途絶えていた、正統派のちょっぴりエッチなラブコメディーマンガが、我らがサンデーに戻ってきましたよ!
 しかも、ボク達が大好きな「パソコンから美少女が出てくる」ネタで!

 「ナズミ@」第一話は全編に渡ってこんな感じであり、この手の「パソコンから美少女が出てくる」系のマンガに要求されるちょっぴりエッチでイージー&ハッピーなお約束を遵守した、極めて堅実な作りっぷりには好感が持てますよね! イエアー!(歓声)

 まぁ、「ナズミ@」の第一話は、実際にはこの手のマンガにしてはかなりおとなしい方に属する(少なくとも、「ああっ女神さまっ」や「AIが止まらない!!」などとは違って最初からヒロインが主人公に対してラブな感情を持っておらず、かつ主人公には片思いの彼女がいる→主人公が無条件でモテている訳ではない)のですけど、とりあえずこの手のマンガとしては次第点をあげても良いくらいの完成度だったと思います。


 しかし、現在ネット上のサンデー系掲示板を見る限りにおいては、「ナズミ@」第一話に対するサンデー読者の反応は今ひとつ芳しくない(というか、一部では既に憎悪の対象になっている)模様です。
 が、これは「ナズミ@」そのものの出来の問題と言うよりは、むしろ「パソコンから美少女が出てくる」タイプのマンガがサンデーに掲載されることへの抵抗感が強いと解釈するべきでしょう。

 この手のマンガは、どうしても作っている側の「あざとさ」が見えてしまうため(作者の岸氏のサイトに掲載されている制作日記にも、「戦略的にもしっかり狙っていこうという考えがあった」というコメントが書かれています)、読んでいるとどうしても作者から「君たち、こういうの好きなんだろ? オレのマンガで好きなだけ萌えていいんだぜ?」と高いところから見下されているような心境になってしまい、たかがマンガを読んでるだけなのに辛くて仕方が無くなってしまうという欠点があります(被害妄想)。
 なので、キャラ萌えマンガを前にした我々読者は、そのあざとさに負けないように、常に心の中でファイティングポーズを取りながらマンガに挑むことを強いられるのです。たかがちょっぴりエッチなキャラ萌えマンガと思うなかれ! これは遊びではなく、戦いなのだ! なのです!(何それ)

 つまり、この手のマンガを「面白い」と思ってしまうことは、それはそのまま制作者のあざとい意図に敗北して屈服したということに等しい訳であり、その辺がたかが「マンガを読む」という行為に対して気高いプライドを持っているホンモノのマンガマニアな方々(=オレみたいな人間)が、素直にこの手の作品の存在を認めたがらない一因になっているのではないか? とか思ってます。
 特に、前にここで取り上げた「ちょびっツ」は、もはやあざとさの面では他の追従を許さない程です。このマンガの作品世界――パソコンが全て美少女型になっている――のモデルになっているのは、なんか今から10年以上前のパソコン黎明期時代に、コンピュータに縁のない世間一般の人がパソコンオタクに対して抱いていた、「パソコンを女のように可愛がる連中」というステレオタイプなイメージ辺りにあるじゃないか? と思われます。「ちょびっツ」は一部のマンガファンな方々の間ではかなり冷めた目で見られているのですけど、これはやはり制作者側が(意図的に)作り上げたパソコンマニアが好きそうなイメージの具体化に対して、生理的な嫌悪感を抱いているからなんじゃないか、と思う次第です。
 我々誇り高きマンガ読みとしては、そう易々とキャラ萌えマンガに対して敗北する訳にはいかないのであります!

 ああ、でもどうせオレは、「ラブひな」にも「ちょびっツ」にも負けたさ!
 「Boys Be...」や「サラダデイズ」には勝ったんけどな!(←勝ち負けでマンガを判断するな)


 で、「ナズミ@」の作者のサイトに載っている情報によれば、このマンガは「タケル道」や「トガリ」と同様、とりあえず一定期間短期連載を行い、連載が継続するかどうかは読者からの反応を見て決定する、というシステムを取っている模様です。
 作者の岸みきお氏は、既にサンデー増刊の方で長期連載の実績を作っていることもあり、実力的には週刊の方で連載を維持できるだけの実力は十分持っていると思われます。勿論「ナズミ@」も、とりあえず普通のベッタベタなラブコメマンガとして安心して読めるだけのクオリティを持っていると判断できるレベルでしょう。
 残るハードルは、やはり「この手のマンガをサンデー読者が受け入れるか否か」という点になるのでしょうか。

 ネットで見る範囲内では、この手のマンガがサンデーに載る事に抵抗がある読者も多いみたいですけど、でも少なくとも「ダンドーXi」のラミアのつるぺたボディダンドーへの歪んだ愛情に萌えるよりは、まだしも「ナズミ@」のナズミとか『眼鏡を取ったら美人』であることはほぼ確実なブルマ眼鏡っ娘・宇崎さんのナイスバディっぷり、および彼らが繰り広げるであろうシャイでウブな正統派ラブコメっぷりに萌えた方が精神的には遥かに健全であると思われるので、個人的にはこのマンガの存在は「是」としたい所存です。

 また、岸みきお氏のサイトからにじみ出る「いい人」っぷりもなかなか好感持てて微笑ましいので、一度はアクセスする価値はあるかと思います。
 個人的にオススメなのは、ナズミの制作日記である「涙のナズミ日記」。自分が本当に描きたいテーマ(ボクシング)が描けない葛藤や、自分の弱さに対する悩みを抱えながら「ナズミ@」を造り上げたマンガ家の実録ドキュメントとして興味深く読めるのは勿論、サンデー編集部の意思決定プロセスの遅さを訴えた告発文書としても楽しむことが可能です(悪趣味)。サンデーウォッチャー的には極めて貴重な資料だと思いました。
 Web を使った内部告発なんて、やっぱりサンデーにも確実にIT化の波が!
 IT革命バンザイ!(勘違い)


更新情報:

お知らせ:
 今週は諸般の事情によって更新が遅れましたが、なんか来週も家庭の事情その他で更新作業が遅れそうです。最悪、次回更新は11月になるかも知れません。
 同様の理由で、メールの返事とかも遅れ気味です。ゴメンネ。


00/10/ 9  (更新情報へ)

アニメ放送開始記念・ボクの考えた「犬夜叉」ゲーム化案:

 プレイヤーキャラとなるのは、妖術によって現世に蘇った桔梗。過去から様々な因縁を持つ最大最強の敵・奈落と戦いつつ、前世で果たせなかった犬夜叉との恋愛を成就させるのが目的。
 基本的なフォーマットは、(主人公が女性だという以外は)よくある恋愛シミュレーション系に属する。

 ただし、このゲームが普通の恋愛シミュレーションと違うのは、「プレイヤーの最大の目的はあくまで奈落を倒すことであり、犬夜叉は奈落を倒すための手駒に過ぎない」という点だ。
 プレイヤーは、犬夜叉が桔梗に対して持っている複雑な感情を利用し、かごめと仲良くしている犬夜叉に対して、あの手この手でアプローチすることになる。愛情と嫉妬を巧みに使い分けて、犬夜叉をかごめに対して優柔不断な態度を取らせるように振る舞わせるのだ。そして最終的には、自分と一緒に奈落を倒すようにし向ける。
 ただ、あまりにプレッシャーをかけすぎると犬夜叉がキレて妖怪化してしまって使い物にならなくなるし、逆にラブラブし過ぎると「四魂の玉」を集めるのに必要な人材であるかごめが犬夜叉にフられて現代に帰ってしまう。あくまで犬夜叉と桔梗は、こちらに気があるそぶりを見せながらも決して心を触れさせない、高橋留美子の恋愛マンガチックなつかず離れずの絶妙な間合いを保った関係を維持しなければならないのだ。
 勿論、対抗勢力である奈落も、こちら同様犬夜叉を操り、桔梗を殺そうと画策している。奈落の仕掛けた狡猾な罠を見抜いて対処する頭脳戦も、プレイヤーには要求される。

(以下、宣伝文句)
生きていれば、この私が犬夜叉の心を癒すはずだった……

 業界初! 「地雷女」が主人公の恋愛シミュレーションゲームが、今ここに参上!

 嫉妬! 抑圧! 愛憎! 怨怒!
 あなたは現世に黄泉返った桔梗となり、様々な恋の駆け引きのテクニックを駆使し、犬夜叉の心を惑わせよ!
 奈落を倒して自らの怨念を晴らすため、犬夜叉の心をあなたの魅力で縛り上げるのだ!

 犬夜叉を血みどろの怨念の世界に引きずり込んで共に朽ちるのも、戦いの後に犬夜叉をかごめに託して平穏なラブロマンスの世界へ返してやるのも、全ては桔梗であるあなたの心次第!
 犬夜叉の運命は、あなたの手の中にある!

愛することも、憎むことも……
 私の魂は、あの頃よりずっと自由だ

 つまり、私にとって「犬夜叉」とはこういうマンガです。
 桔梗さいこう!ヽ(*´Д`*)ノ


 というか、ここはホントは「犬夜叉」のファンページではなく、椎名高志ファンホームページこと C-WWW なのです。
 先週は、椎名高志先生が個人ホームページ「(有)椎名百貨店 The Web」を開設したり、その影響で当サイトのトップページビュー回数が20%以上増加したり(リンクありがとうございます>椎名センセ)、掲示板や Cna-BBS が活況を呈するようになったりと、色々と驚かされることが沢山起こりました。椎名センセがネット上に登場したことに対するインパクトがそれだけ強かった、って事なのでしょう。

 特に、ここの C-WWW 掲示板への書き込みの量については、おそらくこのサイトを開設して以来初めてじゃないかというくらいのレベルです。この活況を目の当たりにしたら、とても椎名先生がこのサイト宛のメールの中で

 「会議室とかはたまに覗くくらいなのですが

 と書かれていた(=早い話が、掲示板は読んでない)なんて事をバラしてこの活況っぷりを冷ましてしまう訳にはいかない! と強く感じました。ですので、この事は、ボクが死ぬときに墓場まで持っていく秘密にしたいと思います。

 墓場へようこそ。(挨拶)


 それで「犬夜叉」ついでに最近のサンデーのマンガについての話なのですが、なんか最近のサンデーって、妙に「女子が今まで意識していなかった男子の存在を急に意識し出してDOKI! DOKI! しちゃう☆彡(←80年代ポップカルチャー風に)」みたいな展開をするマンガが増えてはいませんか?
 思いつく範囲でも、「ファンタジスタ」の福田しおり、「リベロ革命!」の篠原舞子、「MAJOR」の清水薫、そして「DAN DOH!! Xi」のラミアと、(一部性別不明者が混じっていますが)まるで狙ったかのように同じ時期に「女子が今まで意識していなかった男子の存在を急に意識し出だす」というパターンを使い始めました。更に、これに「モンキーターン」で同期の青島に告白した洞口雄大を加えると、なんかこうかなりサンデーのラブ度が高まっているような気がします。
 好きとか嫌いとかの切った張ったの恋のやり取りは確かに少年マンガの基本要素なのではありますが、しかしよりによってここまで同じ時期に一斉にラブにひなったような展開をするってのは、ちょっと珍しいんじゃないか? とか思います。これが、俗に言うところの「シンクロニティ」って奴ですか?(違うと思う)

 で、まぁこの手の女子キャラの常として、男子を意識し出して照れてるシーンが可愛らしく描写されていたりしており、我々のような男性読者はそんな女子キャラを前にして「ああ、萌え萌えですな!」「萌え萌えですな!」と唸らざるを得なくなるような状況に陥る訳なのですけど、しかし個人的にはむしろ、「男子を意識し出して急にしおらしくなった女子キャラの描写」よりも、逆に「普段つまらなそうに日常を送っている女子キャラ」の方が好きなのです。いやマジでマジで。
 例えば、「ファンタジスタ」の福田しおり嬢が主人公のテッペイ君を意識する描写が初めて出たサンデー43号では、

 という、まったく対極的な描写がなされていました。
 勿論、このマンガを作っている側の狙いは「ラストシーンのカワイイしおりの姿を見て萌え萌えになって頂きたい!」であり、確かにこのカットのしおりん(愛称)は一般読者が萌えるに十分な魅力を持っていると、私も思います。

 だがしかし!(注意ここから屁理屈が始まります) 「恋に落ちた女性がカワイクなる」ってのは、あえて言ってしまえばマンガ的には極めて当たり前な描写である訳であり、即ち昔から言うところの「髪の長きは七難隠す」と同意義なのです。髪の長い女性はそれだけでキレイに見えてしまうのと同様、ラブにひなった女子キャラがカワイク見えてしまうのも、男性読者心理としては致し方ないところなのです。
 でも、果たして「致し方ない」で済ませてしまって良いのでありましょうか? 否! 断じて否なのです!
 「髪の長きは七難隠す」は確かに女性の美しさに関する真理を突いた指摘であることは確かなのですけど、この論理を逆転させることによって「ロングだけじゃなくてショートカットにしてもカワイイ女の子は、本当にカワイイ女の子である」という定義が導出されるのです。即ち、ショートカット女子とは「長い髪」という男性共通の萌え誘発因子を取り除いた極めてジェネリックな存在であり、ショートカットこそがその女性本来の魅力を隠すことなく表現するモノであるのです! ショートカット万歳!

 そして、ショートカット女子が「その女性本来の魅力を隠すことなく表現するモノ」であるのと同様、日常生活を不機嫌そうに送る女子キャラも、また「その女性本来の魅力を隠すことなく表現するモノ」であるのです。ですので、あくまで論理的な思考にこだわりを持ちたいホンモノなマンガ読みを目指す方は、あえて「愛とか恋とか言い出した女子キャラなんか、もうダメだよね! むしろ、女子キャラの不機嫌そうな普段の仕草に萌えてこそ!」と宣言してみることをオススメする次第です。
 ここに来てラブ方面に走って魅力を上げた女子キャラがわんさか出てきて大変なことになっているサンデー誌上において、このような冷静な視点から女子キャラをウォッチしてみるのは、極めて重要なのです。もし、このような視点を持てず、恋に走った女子キャラに対していちいち「萌えー! 萌えー!」とかダメなことを叫んでいては、心どころか身体や頭まで悪くしてしまいますよ!(もうダメになっている人を除く)


 ……えーと、ナニを書いているのか全然判らなくなって来たので話を戻しますが、今回の結論はつまり「『なんかマネージャーってパシリと変わんないな』ってブツブツ言ってる福田しおりをカワイイと思うこの気持ちを判って頂きたい」という事なのです(判りません)。
 「GS美神」においても、おキヌちゃんが生き返って横島を意識したような事を言うようになった頃よりも、幽霊時代の横島に対する自分の好意に無自覚だったボケキャラ時代の方が好きだった、という意見を結構見かけますけど、要はソレに似た感覚です。つまり、キャラの普段のなにげない仕草に好感を覚える、って感覚です。

 この方面の感覚に特化したマンガとして最近静かな人気を集めているのが、月刊コミック電撃大王連載の「あずまんが大王」(あずまきよひこ)です。このマンガ、基本的には女子高校生の日常を描いた4コママンガなのですけど、学園ドラマにありがちな事件はほとんど起きず、ましてや「好きとか嫌いとかの切った張ったの恋のやり取り」などの要素は微塵も出て来ません。ホントに、ただ日常をおもしろおかしく過ごす少女達の行動を、ほのぼのと楽しむマンガなのです。
 このタイプのマンガが流行するってことは、今のマンガ読者の嗜好は「恋をしてカワイクなった女子キャラ」だけでなく「日常を不機嫌に送る女子キャラ」を嗜むようになって来たって事であり、つまり時代は「マネージャーの仕事を押しつけられてブツブツ言ってる福田しおり」に萌える方向になって来ている、という訳ですよね! ボクの嗜好は間違っていないんですよ! 先輩!(←誰?)


 そして、福田しおりを越える「ファンタジスタ」屈指の萌え女子キャラと言えば、勿論徹平君の姉である坂本琴音(通称琴音姉ちゃん)に決まってますが、ここ最近の彼女は自分自身がロベルト・バッジョ萌えなキャラクターっぷりをアピールするなど、より日常性を重視した「萌えキャラ」っぽい行動を取るようになって来ており、個人的にはかなり好感が持てます。
 しおりちゃんはこのままてっぺい君に恋する典型的ヒロインキャラに昇華していく可能性が高くなった今、「ファンタジスタ」を代表する萌えキキャラである琴音姉ちゃんには、「ロベルト・バッジョが登場したJOMOカップを観戦して、『バッジョ! バッジョ!』と叫びながらヨダレを垂らす」ような、普段着のままのキャラであって欲しい! と願っております。
 いつまでも等身大のキミでいて!(迷惑)


更新情報:

お知らせ:
 ホントは、この後「今まで意識していなかった男子の存在を意識し出す女子キャラ」格好の例として、サンデー45号における日吉と信長の再会をネタにしたかったのですが、例によって眠くて死にそうですので、これに関してはまた別の機会に取り上げたい所存です。


00/10/ 3  (更新情報へ)

 ちょびっツ!(挨拶)

 というか、「魔法騎士レイアース」や「カードキャプターさくら」といった、『本来の対象読者は「なかよし」を楽しく読んでる健全な女のコ達であるにも関わらず、「女のコだけじゃなくて、(エロいパロディ同人誌が大好きな)男のコにも読んで欲しいナ!」的なピンクのオーラを発生させている内容のアレっぷりが災いして、俗に「大きなお友達」と呼ばれる青年男性ファンが大量に存在している』ことが公然の秘密となっている魅惑の少女マンガを制作して来た少女マンガ家集団・CLAMPが、ついに満を持してというか何というか、本来「公然の秘密」な存在であった、少女マンガ大好きな男性読者のハートを徹底的に狙い撃ち! にしたキャラ萌えマンガ「ちょびっツ」の連載が講談社ヤングマガジン誌上で開始され、ターゲットにされた大きなお友達が「ヤベエ! 狙われてるよオレ達!」と大騒ぎしながら壮絶なる萌え死(美少女ロボに)を遂げている今日この頃なのですが、皆様方におかれましては如何お過ごしでしょうか?

 こちらは、椎名高志先生の作品のファンであるところの私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンのためのホームページ C-WWW です。
 勿論、椎名高志先生の作品のファンである私としては、「魔法騎士レイアース」も「カードキャプターさくら」も全巻初版で買いましたよ? 当たり前じゃないですか!(←笑うところ)


 それでこの「ちょびっツ」ですけど、この広告に書かれている『あなた好みにプログラム(はぁと)』っていう扇情的なアオリ文句が全てを示すように、ジャンルとしてはいわゆる美少女ロボットもの、専門用語で言うところの「美ロボ系」に分類されます。
 美少女ロボットが主人公の作品は、「メカ」と「美少女」という男子にウケる要素を兼ね備えた定番モノとして、ジャンルを問わず昔から人気を博して来ました。ここ数年の国内美ロボブームの引き金を引いたのは、勿論 Leaf 制作のメガヒットギャルゲー「To Heart」に登場するメイドロボ・マルチに間違いないところですけど、それ以前――例えば、女性型巨大ロボット・アフロダイA(特徴:おっぱいミサイル)が登場した「マジンガーZ」の時代――から、みんな美ロボが大好きだったのです。当時の少年達は、アフロダイAがやられるシーンを見て胸をときめかせていたに違いないのです(断定)。
 また、椎名高志氏の名を(メカ美少女が大好きなソレっぽい人達の間で)一気に知らしめた「電化製品に乾杯!」もこのジャンルのマンガでしたし、ここ最近ではスピリッツで連載している高橋しん氏の「最終兵器彼女」が(メカ美少女が大好きで、かつ兵器も大好きな、もうどうしようもなくソレっぽい人達の間で)スマッシュヒットを記録したのは記憶に新しいところでしょう。
 今回の「ちょびっツ」も、基本的には安定して人気のある定番ジャンルで手堅く攻めてきたなぁ、というのが、今のところの感想です。

 ……ただこのマンガ、さすがCLAMPというか何というか、かなりあざとい作りをしているのが特徴であり、そのマンガ世界に存在しているパソコンは全て美少女型であり、かつそのパソコンの起動スイッチが股間に存在するという、異様な(というか、明らかに頭がおかしい)設定が盛り込まれています。
 このあまりのあざとさっぷりに対しては、「流石にこれはヤリスギだろう」という意見がネットで多く見られましたが、しかし逆に言えば、こういう風にこのマンガが話題になることそのものがこのマンガを作った側の狙いであるとも言える訳です。

 これはつまり、「美少女戦士セーラームーン」がレオタードとセーラー服のあいの子みたいなコスチュームを着た美少女キャラが沢山出てくるという設定を作った時点で勝ちであり、「ラブひな」が元温泉宿の女子寮が舞台なのでそこに住む女子キャラを合法的に脱がせ放題という設定を作った時点で勝ちであったのと同様、「ちょびっツ」もまた「パソコンの起動スイッチが股間に存在する」という設定を思い付いた時点で既に勝利は決定していたと言えましょう。
 この前までやっていたオリンピックでは、よく「記録に残る競技よりも、記憶に残る競技を!」とかいう美しい言葉がテレビで語られていましたが、マンガもまたテレビと同じくメディアの一つである以上、「記録に残るマンガよりも、記憶に残るマンガの方が偉い」というのは絶対の真実である訳であります。毎週何百万部も刷られて世に出る雑誌なら尚更!
 即ち、週刊少年ジャンプにおいては、もはや「続いていることだけに価値がある」と言わんばかりに連載記録を更新し続けている「こち亀」よりも、かつて『夢オチ』を使って壮絶な死を遂げ、当時のジャンプ読者に拭い去れないトラウマを残した「ハイスクール奇面組!」や、何の脈絡もなくいきなり大団円となって読者をビビらせた「幽遊白書」の方が、読者の記憶に残っているだけエラい! という事になるのです!(色々な意味で危険な例え)

 つうか、「平凡な日常を送る冴えない男の部屋に美少女が転がり込んで来る」というマンガの導入部は、それこそ「うる星やつら」や「ああっ女神さまっ」が流行った80〜90年代に既に消費し尽くされたネタであり、それだけに企画を立てる側にとっては逆に「如何にインパクトのある導入を作れるのかの腕が問われる訳です。今回の「ちょびっツ」は、そういう意味においては間違いなく「勝った」部類に入るでしょう。少なくとも、私は「ちょびっツ」のあざとさに勝つことができず、止むに止まれない心境に陥って帰りの電車の中でヤンマガ拾って帰りました(セコい)。
 でもまぁ、「ちょびっツ」はその内容がどうこう言うよりも、「あのCLAMPが青年誌でマンガを連載する」という話題性がある時点で、既に勝ちは確定していたも言えますけどね。

 今回のCLAMPの青年誌進出は、今までNHK−BS2の衛星アニメ劇場を観ながら「さくらにゃんではにゃーん! さくらにゃんではにゃーん!」とか言ってた青年男子をターゲットにしている事は明らかなのですが、その層をどこまで新規読者として取り込めるのかが、掲載誌のヤンマガとしては勝負になるでしょう。
 そして、そのためには、「ちょびっツ」が今後もマンガとして安定した面白さを保ち続ける必要があるのは勿論のことです。

 例えば、(「ちょびっツ」と同じように)扇情的な第一話で話題になった「ラブひな」の人気が本格的に出てきたのは、結局は(エロだけではなく)主題のラブコメ要素の設定が固まってマンガとして普通に読めるようになるコミックス3〜4巻以降からでしたし、同じく連載開始第一話が「主人公が幽霊の女の子を追いかけて押し倒そうとする」という、扇情的なアレっぷりでは決して負けてない「GS美神」が、小学館漫画賞を取った頃には(エロだけではなく)SFやオカルトをベースにしたコメディマンガとしての基盤を確立したコミックス8〜9巻の頃だったと記憶しております。
 これと同様に、「ちょびっツ」もいわゆる美ロボ系SFが扱わなければならないテーマ――「本来プログラムされた存在に過ぎないロボットに対して恋愛感情を抱く人間心理」「自立した意識を持つようになる人工知能」など――をキチンと描きつつ、かつ読者のエロ妄想もキッチリ満たせるようにできるか否か、が勝負の分かれ目になるんじゃないかと思います。

 つまりは、青年誌に掲載されるマンガとして普通に読めるクオリティを保てるかどうか、っつう事ですね。
 オレらだって、伊達や酔狂だけで傍目から見ると明らかにダメっぽいこと(「さくらにゃんではにゃーん!」とか)を日夜叫んでいる訳じゃないのよ!(いばるなよ)


 あと、「ちょびっツ」第一話の冒頭に「美少女型パソコンが店頭で陳列されて売られている」ってシーンがあったためか、同じく家電屋でアンドロイドが陳列されて売られているという設定の「電化製品に乾杯!」を連想した例を、ネット上では現在の時点で2件程確認しています(細かい)。
 しかし、基本的にミソッカスのイメージは(「電化製品に乾杯!」ってタイトルが示す通り)あくまでソレ単体で動作が可能な完結した家電製品であり、OSやソフトウェアを別途インストールしないと動かない、正に『あなた好みにプログラム(はぁと)』な操作を強要するパソコンという設定の「ちょびっツ」とは、方向性が明らかに異なるものです。
 ミソッカスも二作目の「家電少女MISSOCUS!!」になると各種拡張オプションを装備できるようになるなど、多少 Mac っぽくなっていますが(というか Mac そのものなんだけど)、それでもプログラマブルな要素は微塵も出てきません。この辺は思想の違いというか、作者の「ロボット」に対する考え方の違いが色濃く出ているような気がします。

 椎名氏のいわゆる「美ロボ」に対する考え方は、以前紹介したSFオンラインのインタビュー記事に詳しく述べられているので、ここを読んでもらうのが一番てっとり早いかと思います。つまり、ロボットというのはあくまで人間とは違った思考回路で動くからこそ魅力のあるモノであり、決して『あなた好みにプログラム(はぁと)』な究極の「都合のいい女」になっちゃならねぇ! というのが、椎名美少女ロボの思想の根幹にあるんじゃないかと思われます。多分。
 そして、そんな椎名ロボの理想に最も近いのが、「GS美神」のマリアでしょう。マリアが活躍するエピソードをいくつか読めば、椎名氏の理想とするロボット像は、決して「ちょびっツ」みたいなタイプではなく、あくまで「独自の思考パターンで動く、愚鈍ながらも命令に忠実な、おっぱいの大きい老人介護ロボット」であることがお判り頂けると思いますがどうか?(勘違い)


 という訳で、大変に回りくどくなりましたが、椎名美ロボ三人組が目印の椎名高志オフィシャルサイト「(有) 椎名百貨店 The Web」の開設おめでとうございます。
 斯様にサービス精神に溢れたサイトを公開して下さったことに対し、一ファンとして心から感謝致します(祝辞)。


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 まだ更新するべきネタ(投稿作品の掲載とか What's New の更正とか)はあるのですけど、今夜はもう眠くて死にそうなので、明日以降に回します。


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