コミックマーケット61 椎名高志作品関連サークル情報
CD-ROM版のカタログを「美神」「ジパング」「椎名高志」で検索し、ヒットしたものを掲載しています。
1日目 (12/29)
- 東ニ30b バージン大名(ひでのぶ本、女性向け)
- 東ニ31a 男の20号(道三×光秀、女性向け)
- 東ニ31b 蛍月(MISTERジパング、他)
- 東ニ32a カカロッ闘(横島くん中心、女性向け)
- 東ニ32b 風色通り(雪之丞×ピート[健全]。葦谷弥生さんのサークル)
- 東ニ33a 美神神社(マリア本)
- 東ニ33b あざらしあざらしあざらしぃ(おキヌちゃん本?)
- 東ネ20a トノマニア(信長受け、女性向け)
- 東ネ20b SHR(信長受け、女性向け。播磨屋本舗さんの本も委託販売)
- 東ネ21a リップバンパー(信長×日吉、女性向け)
- 東ネ21b 天使のしっぽ(信長×日吉、女性向け)
- 東ネ22a 人参少年(日吉受け、女性向け)
- 東ノ03b 朝の魔法 (犬夜叉オンリー。カタログに「GS美神も好き」とのコメントあり。愛鬼みさとさんのサークル)
- 西あ60a ス堂(チーフアシ・須藤氏のサークル。美神/ジパング本はなさそう)
2日目 (12/30)
参考情報
※29日夜は、今のところヒマです。
誰か飯に誘って下さい(わがまま)
メリークリ−スマース!(懐に出刃包丁を隠し持っているような人特有の作り笑顔っぽく挨拶)
という訳で、クリスマス連休に愛しい彼氏彼女と甘く切ない一時を過ごすことができた人生ゲームのプチ勝利者の皆様、こんにちは。
こちらは、人生における罰ゲームというよりも、むしろ人生ゲームから除外されたような毎日でした。
より具体的には、男同士で鍋食って酒(←言わなくていいです)。
極楽大作戦外伝感想
先週19日に発売された「月刊サンデーGX」1月号に、「GS美神」の外伝にあたる『GSホームズ極楽大作戦!!』が掲載されました。掲載されたので、ファンサイトらしく感想を少し。
感想:
一言で言えば「よくできていて面白い」。いやマジで。
一般的な日本人がイメージする「名探偵ホームズ」の姿(イギリス・グラナダテレビ制作「シャーロック・ホームズの冒険」。昔NHK で放送された)を大きく崩すことなく、作者オリジナルの「GS美神・極楽大作戦!!」の世界設定に組み込むことに成功している。ホームズ、ワトソン、マリア、カオスの4名の登場キャラの使い方についても、読んでいて「無駄」と思えるようなものがほとんどなく、個々のキャラの特徴や性格を練り上げた上でプロットして作られた作品であると思う。
外伝における物語のテーマは、言ってしまえば「ロボットと人の間の恋愛」という、それこそ「To Heart」のマルチから「ちょびっツ」のちぃに至る、現代メイドロボ系作品ではよく見られるものではあるのだが、それを椎名氏はマリアとホームズというキャラを使い、かなり密度の濃いエピソードを作り上げた。
この外伝は、「GS美神極楽大作戦!!」「MISTERジパング」の経験を経た現段階での椎名氏が作ることが出来る、考えらえる中ではほぼ最良に近い面白さを持ったマンガなのではないのだろうか? と書いたら誉めすぎか(多分誉めすぎ)。
ただ、この「既に広く知られている既存のキャラとオリジナルのキャラを融合させたパロディマンガ」の形態は、おそらく「MISTERジパング」が最初に目指していたものだったと思う。「極楽」を終了させてまで新しく連載を始めた「MISTERジパング」が狙っていた面白さが、「ジパング」の連載終了後に作られた「極楽」の外伝で具体化される、というのは、ある意味皮肉かも。
また、この作品が連載当時の「極楽大作戦」から大きく乖離しておらず、「極楽大作戦」の中の一エピソードとしても普通に楽しめるものになっているのも良い点だ。
以前にサンデー超増刊に掲載された「エミ外伝」は、単発のエピソードとしては十分に楽しめるものであったのだが、「外伝のエミと本編のエミ(特に連載初期)の間に、物語的な関連性が薄い」(シリアスだった外伝のエミの数年後の姿が、本編の『霊体撃滅波ッ!』と半裸で叫ぶキャラになってしまう過程が想像できない)という、外伝モノとしてはややマズイ点が見受けられた。
しかし、今回の「ホームズ」では、マリアとカオスがこの物語を経験した結果として得られた結末(「表情を失う」ことを自ら選択したマリア、自分の行動の結果として知識を古き神に吸われてヘボくなったカオス)が、そのまま「極楽」に初めて登場した時の二人の姿に繋がるように出来ており、そういう面でもきちんと「外伝」として機能している。この点は、素直に評価して良いと思う。
作品世界の拡張に寄与し、読者の想像の余地を広げる力を持つエピソードの追加は、昔からのファンにとっては嬉しいものではないのだろうか。
――とか長々と描いては来ましたが、ぶっちゃけた話、このマンガを判りやすく要約すると
「ホームズやワトソンがマリアに萌え狂う話」
ってことになっちゃうんですけどね!
さすがは、マルチを「自分の漫画のキャラのバッタモン」と切り捨てるだけの資格を有する漫画家の描くロボっ娘マンガ! 一味も二味も違いますな!(台無し)
クリスマス特別企画:アニメキャラとの Christmas Story
ところで、みんなはアニメキャラと素敵なクリスマスを過ごしたいと思ったことはないかな〜?(いきなり)
以前、GS美神の同人誌を作られていた愛鬼みさとさんから縁あってGS美神グッズを譲り受けたのですが、その中に「GS美神」アニメ放送当時(1993年)に作られたと思しき、アニメ情報誌のクリスマス特集のグラビア記事の切り抜き(雑誌名は不明。アニメディアかニュータイプ辺りじゃないッスか?←投げやり)がありましたので、せっかくだからクリスマス特集としてご紹介致します。
その記事の写真(スキャナがないのでデジカメで適当に撮影)
その記事のタイトルは、「アニメキャラとの Christmas Story」。どうやら、当時放送されていたアニメに登場するキャラクターを対象に「あなたがもしアニメキャラとクリスマスにデートできるとしたら、どのキャラと、どんな場所で、どんな風に過ごしたいか?」を読者アンケートで集め、その結果から男性女性キャラそれぞれのトップ10を決定、それを元にライターが記事を起こして作成したと思しきコーナーです。
なんかこう、「アニメキャラとの Christmas Story」という題名だけでもちょっとアイタタな感じがしてくるんですけど、当時(1993年)のアニメ雑誌の記事は基本的に「ティーン向けアイドル系グラビア雑誌」の延長っぽいノリで作られており、それ故にこういう主旨のアンケートや記事も存在していたのではないのかなー、と推測されます(昔も今もあんまり頻繁にそういう雑誌読んでなかったのでよくは判りませんけど)。
ただ、アニメを「批評的な視点で作品を鑑賞する」スタンスで捉えていた生真面目なアニメマニアな方にとっては、この手の企画モノはちょっと辛いモノとして感じられたに違いありません。当時の大きなお友達の皆さんの苦労が忍ばれます。
――と、ちょっとソレっぽいことを前置きしたところで、記事の内容を引用します。
記事からにじみ出る、何とも言えないムズムズした感覚をお楽しみ下さい(嫌がらせか?)。
ランキング
デートしたい女性キャラ No.9
美神令子
令子と行きたい場所BEST3
1.ホテルのバー 2.中華街 3.ディスコ
令子に着て欲しいファッションBEST3
1. チャイナドレス 2.ロングドレス 3.ミニのボディコン
デートしたい女性キャラ No.6
おキヌちゃん
おキヌちゃんと行きたい場所BEST3
1.雪山のロッジ 2.遊園地 3.墓地
おキヌちゃんに着て欲しいファッションBEST3
1.セーター&ミニスカート 2.スキーウェア 3.ひらひらのワンピース
『令子と行きたい場所』の「ディスコ」は90年代前半という時代を感じさせてくれる意味ではナイスワードですが、『おキヌちゃんと行きたい場所』の「墓地」というのは、いくら彼女が幽霊だったという設定を差し引いても、ちょっとどうかと思いますがどうか。「幽霊→墓地」なんて貧困な発想しかできないなんてこれだから(以下略)
あとファッションについてはどれも作品で出てきたものですが、「ミニのボディコン」って、美神令子にとってはデートコスチュームというよりもむしろ単なる仕事着じゃ?
クリスマスカードの文章
X'mas も忙しいんだから、時間厳守よ!
デート代はよろしくネ
令子
くりすますってどんなマス?
よくわかんない…
おキヌ
「ソーセージ好きの人と法律を尊ぶ人は、その作成過程を決して見てはいけない
」と申しますが、私としては、このおキヌのクリスマスカードの文章を考えている時のライター氏の表情をぜひ見てみたいです。絶対「オレって何でこんな事を考えているんだろう」という絶望感を、「これは仕事だ! 仕事なんだ!」と理性で締め付け続ける苦悩の表情を浮かべているに違いありません(決めつけ)。
そして、人類の英知とは、得てしてこういう一見くだらないことを考える時にこそ発揮されるものなのです。「くりすますってどんなマス?」も、また人類の英知が生み出したものなのです。
やはり人類は一度滅んだ方がいいのかも。
グラビア記事の本文
令子とおキヌちゃん、本編では二本もクリスマスの話がある。35話はサンタクロースのお手伝い。36話は1日だけ肉体を持ったおキヌちゃんの話。横島への淡い想いが可愛い。メルヘンチック&ロマンチックな設定なのだ。
でも、読者のデートプランはチョーッと違う。令子には「チャイナドレスが気に入っています。あれを着て、中華街でにぎやかに過ごしましょう」(神奈川県/剛)「大人の令子にはホテルのバーが似合います」(東京都/小室和之)と、光ものクリスマスを期待しているし、おキヌちゃんには、「普通の女の子姿で会いたい」(新潟県/渡辺繁樹)という声がある一方、「幽霊とのデートって、どこ行けばいいの?」(岡山県/合元)と、戸惑うファンも多いのだ。おキヌちゃんには西洋の習慣はミスマッチかな。で、今回は令子さんのデートにご一緒させて頂きました。
中華街、それもゴージャス・令子は香港で待っているのです! 声優の鶴さんのメッセージにもあるけど、ギャラ次第では仕事を選ぶ令子。クリスマスの夜、独り占めすると高くつきますよ!
「GS美神」アニメ版の35話、および36話についてはこちらを参照。36話はコミックス4巻「ブラインド・デート!」を元にした話として評価が高かった模様ですが、個人的には35話に出てきた冥子の無駄な使われ方に対して「出す意味ないじゃん!」と憤慨した記憶の方が強いです。ホントダメな!(当時のオレが)
あとこのテキストの特徴としては、このページの背景になっている令子のチャイナドレス姿のイラストに読者の興味を誘導するためか、「おキヌちゃんには西洋の習慣はミスマッチかな
」と、あっけなく令子よりもランキング上位のおキヌをポイ捨てしているのが気になります。
てか、ミスマッチなのがいいんだっての! 判ってねぇよな! 新潟県在住の渡辺クンも怒れ!
声優からのメッセージ
美神令子は、「クリスマスと言えども、ギャラのいい仕事があれば、当然、除霊に行くわよ」と、私は思います。そうでなければ、イヴの日にはおキヌちゃんと、令子の家でクリスマス・ケーキをおいしくいただくのではないのでしょうか?
「エッ、横島? …それ、誰!?」
鶴ひろみ(美神令子役)
え!? おキヌちゃんのクリスマスですか? 神道にはクリスマスはないけれど、きっと、大好きな横島さんと美神さん、そして、その他もろもろの方達と、大騒ぎだったりして…(笑)。
本当は横島さんと二人で、ドキドキしながら過ごさせてあげたいですね。だって横島さん、おキヌちゃんにはとっても優しいから。メリー・クリスマス♥
國府田マリ子(おキヌ役)
当時、清純派声優アイドル路線をムリムリ邁進していた國府田マリ子嬢のコメントが良い味出してます。
色々な意味で純朴なファンの夢やキャラのイメージを壊さないコメントを要求される職業であるところの声優はいつの時代だって大変と思いました(結論)。
更新情報:
-
「煩悩の部屋」の創作文集ページに、まきしゃさんの新作、「ブラドーお宝鑑定団」を掲載しました。今回の主役はピート。ついに彼が美神の奴隷の仲間入りに! という話です(ミスリード)。
なお、まきしゃさんは今後、来年初頭に公開予定のホームページに主活動の場を移すそうです。勿論、正式公開の折りには、こちらからもリンクを張らせて頂きます。今後ともよろしくお願いします〜>まきしゃさん
お知らせ
年内は、コミケの前辺りにもう一度更新する予定です。
来年の最初の更新は、1/5 〜 1/7 くらいになりそう。
今週の発見:
「GS美神」の時代から椎名先生のチーフアシスタントを勤めている、須藤氏のサイトを発見(情報源:コミケのCD-ROMカタログ)。冬のコミケにサークル参加するそうです。
すごい! 須藤さんは本当に実在したんだ!(失礼)
というか、皆様こんにちは。
こちらは、椎名高志ファンサイトを標榜している C-WWW です。
それで、そろそろ椎名氏の新作読み切り「GSホームズ極楽大作戦!!」が掲載されている「サンデーGX」1月号が書店に出回り始める頃ですが、皆様方におかれましてはもう入手なされたでしょうか?
今回の外伝がコミックスに掲載される保証は全くありませんし、それより何より「極楽大作戦!!」と銘打った作品を雑誌で読めるのは今度が最後の機会となるやも知れませんので、この機会に是非。今読まないと後で後悔することにもなりかねませんぜHEHEHE!
あと、できたら読んだ感想を「妙神山・裏門」(19日までのネタバレ感想はこちらへ)や「感想掲示板」(20日以降)に書き込んでくれると嬉しいな!
というか、一応ここはファンサイトなのに、読者の不安を煽るのはどうかと思いました。
もうすぐ年末スペシャル(いきなり)
2001年オレ購入コミックス大賞
主旨:
そろそろ色々な趣味系サイトで「2001年のベストを決定!」みたいな企画で盛り上がり始める頃だと思うので、私もベストを決定したくなりました。
決定してみたくなったので、私が今年購入したコミックスや雑誌掲載マンガの中から「これはこれで! これはこれで!」と燃えたり萌えたりしたコミックスを列挙してみました。
- 青年向け部門:
- プラネテス(幸村 誠、講談社モーニングKC)
- 少年向け部門:
- 魁! クロマティ高校(野中英次、講談社コミックス)
- 成人コミック部門:
- 猫飯[ねこまんま](逢魔刻壱、フランス書院Xコミックス)
- 審査員特別賞:
- こさめちゃん(小田 扉、講談社KCデラックス)
- なつのロケット(あさりよしとお、白泉社ジェッツコミックス)
- ゆめのかよいじ(大野安之、角川書店ニュータイプ100%コミックス)
- ラズベリー賞:
- ライジングサン(画:松浦聡彦/作:武論尊、小学館サンデーコミックス[発売予定])
- 話題賞:
- エイケン(松山せいじ、秋田書店少年チャンピオンコミックス)
- 東京ミュウミュウ(絵:征海未亜/シナリオ:吉田玲子、講談社コミックスなかよし)
部門別各賞:
「プラネテス」は、『宇宙開発系ハードSF』という一般的には受けが取りにくいと言われているジャンルで、説得力のある舞台設定と美しいビジュアルを背景に「宇宙への憧憬」を高らかに謳い上げた傑作として大健闘(オレのハートに)。個人的には間違いなく今年買ったコミックスの中ではナンバーワンのヒット作品です。「モーニング」で隔月連載も始まるそうですし、今後も更に期待と言うことで。
なお、本年度のセールス面での青年向けナンバーワンヒットコミックは、おそらく「バガボンド」(井上雄彦)で決まりでしょう。コミックス11巻分までで発行部数が2200万部という売れ方はただ事じゃないです。
「魁! クロマティ高校」は、最近はややパワーダウン気味ですけど、今年の少年誌界隈ではスマッシュヒットを飛ばしたマンガと言って良いでしょう。特にコミックス1巻の売れ方には、書店関係者も「何故こんな売れる要素がないマンガか?」と唸った(らしい)程。
「ラブひな」とか「エイケン」とかそういうキャラ萌えマンガが売れ筋マンガとして跋扈し、その一方では「ヒカルの碁」や「遊戯王」を(子供とはちょっと違った視点から)愛読している女性の皆さんをもマーケティングの対象にする時代に突入した週刊少年誌界において、「小学生から大学生に至るまで、あらゆる年齢層の男子読者が読んで笑える」正統派ギャグマンガがこれだけ売れたというのは、少年マンガがまだまだ健全であることの証なのではないか? とか大げさなことを考えてしまう今日この頃。
そして、成人向けの「猫飯」は、単に私の趣味です。
感情の揺れ模様をキッチリ描写している美少女レズエロマンガは萌えですな!(ハキハキと)
あと、少女/女性向けマンガについてはあまり数をチェックしていないですし、基本的にこのサイトの範疇外にあるので論評は避けますが、個人的に気に入ったマンガを強いて上げるとすると、少女コミック連載の「ガ・マ・ンできない♥」(しがの夷織)でしょうか(よりによって)。少女マンガの世界には、同棲セックスロリショタゲイ何でもアリで脳天気に楽しめ、それでいて要所で乙女チックな恋愛感情を描写をするのも忘れない、いわば「馬鹿少女マンガ」と呼ぶべきタイプの作品が存在していたのか! と私に知らしめてくれた一作です。
内容は基本的に「ヒロインとその彼氏がイチャつくだけ」という言葉で説明できるマンガですが、「お兄ちゃんのことが大好きでたまらないロリっ娘の妹」とか「レズっぽい雰囲気でヒロインに迫るバイセクシャルな女家庭教師」などの男性向け成人マンガではお馴染みのアーキタイプに属するキャラも出て来ますので、そういうのが好きな人なら読めるかも。
とりあえず、第一話を読んだ後に本を床に叩き付けたくなる衝動に駆られなければ、この戦いは我々の勝ちだ!(戦い?)
審査員特別賞:
というか、単に個人的に気に入ったマンガの名前を挙げただけなのですが!
小田扉氏の作品集「こさめちゃん」は、表題作を始めとして、ちょっと泣かせる話からナンセンスなギャグまで、実に様々なタイプの作品が収録されている、氏の作風の集大成とも言えるコミックです。
氏は活動の場が基本的に「コミティア」などの創作系同人誌即売会なので、一般読者への露出度はそれほど高くはないのですが、一度この人の作品の味を知ると「新作を読みたいからコミティアへ行きてぇ!」と思ってしまうくらいの面白さがある人だと思います。というか私がまさにソレ。氏のサイトに載っているイラストのセンスにグッと来れる人なら是非。
「なつのロケット」は、SFマンガの大家・あさりよしとお氏のロケットマンガ。小学生が夏休みにロケット(それも積載物を衛星軌道に乗せることを目的とした、本当の意味でのロケット)を作るという趣向の話ですが、「小学生が現実的に作ることが可能な技術のみでロケットを作る」というリアリティを持たせつつも、「少年の夏の思い出」を描いたジュヴナイル作品としても質が高い物語になっているのが素晴らしいです。
あと、解説として「作品内に出てきたロケットがホントに作れるか?」を検証しているところも、読者の科学マインドを刺激すること間違いなし。理系男子なら読んで損なしと言えましょう。
そして「ゆめのかよいじ」は、元々は1988年にヤングキングで掲載されたマンガの再録コミックなので「今年のコミック」という意味からはちょっと外れてはいるのですが、それでもこのマンガの魅力は現代でも(むしろ、現代だからこそ?)十分に通用すると思います。
元々作品のテーマが「『過去』を体現する精霊と化した少女と、『現在』そして『未来』を生きる現代の少女との心の交流
」なので時代を超えて普遍的に通じるものを持っていますし、更に作品が発表されてから10年以上が経過したことで『時間』をモチーフにしているこの作品の赴きが更に増しているのも、プラス材料として作用していると言えます。万人向けではないですが、ちょっと切ない物語が好きな人ならオススメかと。
それに、「少女同士の心の交流」ってテーマは、もうそのまんま美少女レズエロマンガのロジックですしね! 感情の揺れ模様をキッチリ描写している美少女レズエロマンガは萌え萌えですな!(ハキハキと)
ラズベリー賞:
もし日本のマンガ界にラズベリー賞(その年に作られた映画で最もダメな映画に与えられる賞のこと)があったら、個人的には少年マンガ部門に「ライジングサン」を推薦したい気分です。
原作として武論尊氏という大物を招き、90年代のサンデーが育てた期待の中堅作家・松浦聡彦氏をわざわざサンデーGXから(連載中であるにも関わらず)引っこ抜き、「日本はこのままでいいのか?」と派手なキャッチコピーをひっさげて鳴り物入りで連載を開始したにも関わらず、結果は惨敗。
更に、アメリカで同時多発テロ事件が発生したためにコミックスの発売まで延期されるという副作用まで招いてしまいました。ツキにまで見放された感があります。
前にも書いたような気がしますが、このマンガを企画した編集者は、とりあえず「愛国戦隊大日本」や「国防挺身隊」といった右翼ノリのギャグムービーを鑑賞し、「思想的な要素を含んだストーリーをエンターテイメントとして見せるにはどうすればいいのか」を研究し直した方が良いのではないか? と思いました。ホント、なんでこんなマンガがサンデーに載ったんだろ。
話題賞:
「エイケン」にしろ「東京ミュウミュウ」にしろ、マンガとして読むとちょっと問題があるんだけれど、とりあえず話題性を狙った作品が狙い通り話題になって良かったねー、というところで一つ。私も色々な意味で楽しませて頂いていますし、感謝の意を込めて。いやホントに感謝してますよ?(ネタにしやすいから)
ネットでマンガ評論サイトをやってる人なら、これらの作品には今後も注目し続ける義務があります。基本的にこれらのマンガは「読者がその内容に面白おかしくツッコミを入れて愉しむ」ことを前提に作られているので(決めつけ)、ちゃんと思惑通りにツッコミを入れてあげるのも、また愛の形の一つなのです。例えそれが歪んだ愛であっても!
あと、なかよし連載中の「東京ミュウミュウ」が、現在NHK-BS2 で放送している「だぁ!だぁ!だぁ!」の後番組としてアニメ化される、という話を見かけたのですが、これってホントですか? 「ご奉仕するにゃん!」って叫ばされる可哀想な声優の座は誰に? やっぱり、主題歌を歌うのはあのミュウファイブ?
もしこれが本当なら、2002年はコッチ方面でも激動の年になりそうですな! 超期待!(するのか)
もはやマンガとはまったく関係ないオレ日記
Che-ez! SPYZ(チーズ・スパイシーと読む)という名前のデジタルカメラを購入しました。
これまではデジタル/アナログに関わらずカメラというものを所有したことがなかった私ですが、冬コミも近いことですし、せっかくだからカメラの一つでも買ってみようと色気が出ちゃったのでつい。
ちなみに価格は新品で8,000円程度でした。
それでこのカメラ、実物を見れば判りますが非常に小さいのが特徴です。ジッポのライターよりも小さく、掌で包み隠せる程の大きさしかありません。「歩きながら人の流れにあわせてシャッターを切る」なんてことも慣れればできる辺りは、一昔前のスパイ映画や探偵映画によく出て来た、タバコの箱やネクタイピンにカメラを仕込んだ秘密道具に通じるモノがあります。"SPYZ" という商品名も、きっとその辺から来ているに違いありません(勝手に断定)。
オモチャみたいな小ささにもかかわらず高級感があるフォルムと合わせ、小さいモノ好きな私としてはかなり愛せます。というか、むしろ萌えます。
また、こんなサイズでも35万画素・640x480サイズの解像度の写真なら26枚撮れる性能を持っており、画質もこのクラスのデジカメにしてはよく頑張っている方だと思われます。とりあえず、散歩途中でスナップ写真を撮り歩く程度の使用であれば十分実用的です。
何よりサイズが小さいので、「デジカメを持ち歩いている」という意識をせずに気楽にポケットに突っ込んで持ち運べるところが良いですね。
で、せっかくデジカメ買ったので、さっそく子供や奥さんやペットをデジカメで撮って写真を自分のホムペ☆彡にアップして悦に浸るマイホームダディの如き愚かしくも微笑ましい行為に走りたかったのですが、私には子供も奥さんもペットもいないし、だからといって他人のカワイイ子供やステキな奥さんやはにゃ〜んなペットを勝手に撮影して公開したら色々な意味で犯罪行為になりかねないので、妥協して違うモノを撮ってみることにしました。
以下、テスト公開:
カメラ買って一番最初に撮った「ねじ式」ゼンマイ人形(よりによって最初がコレかよ)
解像度が低い上にピントが合ってないので怖さ倍増
小さい頃、コレを抱いてないと眠れなかったの☆彡(堀江由衣の声で)
「突然周囲が暗くなったかと思ったら、雲の合間から光が漏れ、そこから謎の飛行物体が降りて来たんです。
でも、眩しくてどんな形のUFOかは判りませんでした」
こんな感じで Che-ez! SPYZ はとっても楽しい(オレだけが)カメラなのですが、これを持っていて一番困るのが、周りから「で、そのカメラ、盗撮以外の何に使うの?
」と言われることでしょうか。ボクはそんなつもりでこのカメラ買ったんじゃないのに! ホント、みんなそういうの好きな!
実際、その辺はメーカーも承知しているらしく、既に「ちょっとでも暗いところではシャッターを押しても撮影できない」「撮影時には音が鳴って前面のLEDが点滅して知らせる」といった対策が取られています。しかし、これらの弱点(弱点?)を克服する方法は既にネット内で研究されているらしいですし(詳しくは知りませんが←強調)、それより何よりあまりにコレが小さくて持っていることが他の人に気付かれにくいので、
- 通勤通学客で混み合う駅のホーム!
- 思わず後を尾いて行きたくなりそうな、ステキ後ろ姿の女性を発見!
- 胸ポケットの中にはスナップ撮影用のデジカメが!
- そして、誰もオレがカメラを持っていることに気付いていない!
という夢のようなシチュエーションに万が一自分が立たされた時に、例えその気がなくてもうっかりカメラを取り出してアッチの世界に一歩踏み込んでしまいそうな精神的な葛藤を味わう危険性があるので、そういう意味では大変に危険と言えます。揺れるなオレの心! 恋は覚悟を鈍らせる!(そういうのは恋とは呼びません)
1万円もしないおもちゃデジカメ如きで己との戦いを強いられるなんて、まるで「くろうみそ」を食べた挙げ句に大理不尽な艱難辛苦に立ち向かわざるを得なくなったのび太のパパ並に余計な苦労をしていると思いました。
――とかいう話を面白おかしく友人にしたところ、真面目な顔で『電車の中で痴漢行為を働こうとした男が、張り込んでいた屈強な警察官達に現行犯逮捕されたシーンを目撃した時』の話を延々と聞かされた挙げ句、「盗撮はマズイぜ?
」と、まるで私が既にそういう行為をしたかのようなことを言われてしまって鬱に。
はい、気を付けます……
迷探偵史郎シリーズ:
このままだとタダのデジカメ日記なので、SPYZ にちなんで(何がだ)探偵マンガの話を。
ここ最近の週刊少年チャンピオン誌上における新連載攻勢(短期連載・新連載合わせて約一ヶ月間に6本のマンガを開始)には、マニアならずとも目を見張るものがあります。その新連載の内容も、バイオレンス/ホラー系が3つ、萌え/エロ/ラブコメ系が3つという具合であり、「萌え」と「バイオレンス」を雑誌の両輪にして突き進むぜー! という編集部の意図がよく判るものになっていて好感が持てます。これでこそ、オレが大好きな週刊少年チャンピオン!
オレ、例えサンデーやジャンプを読まなくなっても、チャンピオンだけは読み続けるよ!(マガジンは「ラブひな」が終わったので存在価値が急低下)
そんなコロッサルでマッシヴかつモエモエなノリのチャンピオンの中で、先週一つのマンガが静かに連載を終わりました。その名は「迷探偵史郎シリーズ」(作者は芹沢直樹氏)。
その名の通り、かつてはどの雑誌にも存在していた、いわゆる「探偵」モノジャンルのチャンピオン版です。ただ、このマンガは近年流行した「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」のようなミステリー小説風味の探偵モノではなく、「東京の小さな探偵事務所」を舞台に、探偵とその助手の活躍(?)を描いたコメディ風味になっているのがその特徴と言えます。
上述した通り、今のチャンピオンは萌えとバイオレンスに彩られているのですが、このマンガは(そういった属性は多少持ちながらも)そのどちらにも属さない、スタンダードなポジションにあるマンガでした。個人的には、この前終わった「ゲッチューまごころ便」と共に、派手な作品が多いチャンピオンをしっかりと支えていた中堅的な作品と評価しております。実は結構好きな作品だっただけに、ここで終わってしまうのはちょっと残念ですね。
それでこのマンガ、どの辺が個人的に(というよりはむしろ、このサイト的に)注目だったのかと言えば、主要キャラクター達のモデリングというかポジショニングが、往年の「GS美神・極楽大作戦!!」(←既に往年の名作扱い)に似ているところがあったりしたからです。例えば:
- 物語の舞台となる探偵事務所の所長は、長髪で巨乳の美人名探偵。
名前は椎名玲子
- その玲子さんの助手にして本編の主人公・史郎は無類の女好き。
玲子に対して彼なりの尊敬と憧れを抱いており、常に玲子を「れいこすゎん」と呼ぶ
- その史郎君のことを密かに想う、「GS美神」で言うところのおキヌちゃんに相当するキャラもレギュラーで登場。
ただし、そのキャラが真性ゲイのメガネ君な辺りが、ちょっとオルタナティヴ
- 史郎のライバルとして、西条という名前の探偵も登場。
ただし、「GS美神」の西条とは違い、面構えも立派なオヤジな辺りが、ちょっとオルタナティヴ
まぁ勿論、基本的に似ているのはここまでで、例えば主役である二人はそれぞれ「玲子はかつて『名探偵』と称されていた父親を敬愛しており、探偵稼業をしているのもその為」「史郎は女好きとは言えその対象は年上に限定されており、年下の女の子には例え玲子の妹と言えどもまったく興味を示さない」等の根底的なレベルでの相違があり、かつその設定を活かした話作りがされているので、マンガとしては全然別モノなのですけどね。
ただ、このサイト的にはそう見えるだけで(意地悪い)。
あと個人的に(マンガのストーリー以外の部分で)面白かったのが、主役たる史郎君の成長度合いの扱いでしょうか。
この手のマンガの常として、主人公は様々な事件を経て経験を積み、時折成長の兆しを見せつつ、更なる新しい事件に挑む――というサイクルが物語の基幹になっていたりするのですが(キャラが成長しないと読後のカタルシスに欠けるので)、このマンガは基本的にコメディなので、あんまり主人公が成長しちゃうとコメディの枠をはみ出しちゃって、更にそれを突き詰めると全然違うノリのマンガになってしまう、という問題を内包しています。「GS美神」ファンなら身に覚えがありますよね?(トラウマ)
この問題を解決するためにこのマンガが取った方法は、「定期的に主人公にバカなことをやらせ、『こいつイケるかも?』という作品内での主人公に対する期待をリセットし、(成長そのものは失われないけど)場の雰囲気を再びコメディ空間に戻すこと」だったような気がします。特に、せっかく大事件を解決して憧れの玲子さんの史郎を見る目が変わったエピソードの次の話として、わざわざ「史郎が山師に騙されて佐渡の金山で一攫千金を狙いに行く
」なんてエピソードを2週連続で繰り返した展開なんかは、その最たるものだったんじゃないかと(←もはやチャンピオンを読んでいない人を切り捨てた話題)。
「強い奴のインフレ」の逆バージョンとも言える「成長し過ぎちゃった主人公」の制御は、どんなマンガでも大変なんだなぁ、とか思いました。
そして、最終回を飾るエピソードは「――アメリカに旅立つことになった史郎。それを知った玲子は、『彼との別れ』を自覚したその時、彼の存在が自分の中で如何に大きいものであったかを知る。果たして彼女は史郎を笑顔でアメリカに送り出すのか? それとも、彼を引き留めようとするのか?」という、「GS美神」で言うところのグランドマザー襲来編とシチュエーション的に等価なお話だったりしたのも、個人的にはツボでした。
オレにとっての「GS美神・ラブコメ編」の最終回はコミックス29巻のグランマ編なので、「うわーい最終回っぽい展開だー懐かしいなー」とか一人で勝手に盛り上がったりしてましたよ(ヘボ)。
ただ、こっちの玲子さんは、最後まで「何で私が彼を引き留めなきゃならないのよ」とプライドが邪魔してなかなか決断できずにいた彼女に対して、「自分の本心はどうなのか考えて行動しろ」と決断を促す優しい仲間達に恵まれていたのが幸いし、結果として空港で史郎の本心を図らずも聞くことができた、という点は、あっちの美神令子さんよりも恵まれていたと言えましょう。良かったですね玲子さん。
作者の芹沢直樹氏のサイトの情報によれば、コミックス最終巻にはおまけとして「真エンディング」が追加されるとのことですので、ちょっとコミックスの方もチェックしてみようかなー、と思ってます。
あと、個人的に「しいなれいこ」という名前はかなり気に入ったので、全国の椎名さんは、娘が生まれたらすべからくその名前を「れいこ」にするべきだと思いました。どう?(と言われても)
お知らせ:
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「MISTER ジパング Convensional Wisdom」の投票期限ですが、コミックス最終巻が来年 1/18 に発売されることが決定した模様なので、1/21 まで投票期限を延長します。コミックス派な皆さんも、全部読んだ上で投票して頂けるとありがたいです。
なお、現段階で既に15票の投票を頂きました。感謝。
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また、来る 12/19 発売の「月刊サンデーGX」に掲載される「GSホームズ極楽大作戦!!」の感想を投稿される場合は、
- 12/19 の 23:59 までは「妙神山・裏門」へ
- それ以降は「今週の MISTER ジパング掲示板」に新しいベースノート(今風に言うところのスレッド)を作成して、あるいは軽めの感想なら「C-WWW 掲示板」へ
書き込むようにして頂けるとありがたいです。
もし日本に女性の天皇が誕生したら、
現実が「朝霧の巫女」の世界設定に一歩近付くので、とても良いことだと思います(挨拶)。
とか、現実と虚構の区別が曖昧な時事ネタ(なのか)を織り交ぜながらこんにちは。
こちらは椎名高志ファンホームページ C-WWW です。
そして、「朝霧の巫女」における色々な意味で最強の萌えキャラと言えば日瑠子陛下で決まりですが、現在サンデーで最強の萌えキャラと言えば「かってに改蔵」の名取羽美で決定です。こちらも色々な意味で。
- リストラによる一家離散という不幸な境遇!
- 幼なじみの改蔵の家に、一つ屋根の下で同居開始!
- フリフリなメイド服でたっぷりご奉仕にゃん!
- でも、結局はドジでマヌケで役立たず!
電波気質が災いし、誰にも愛されず同情もされない悲劇のヒロイン・羽美の運命や如何に!
どうよ! この萌え要素の過剰っぷりは!
彼女に萌えずして、いったい何に萌えればいいと言うのか!
(↑石渡治先生のマンガのキャラみたいなまっすぐな瞳で)
元々「かってに改蔵」は、心に闇を持つ読者の比率が競合他誌より遥かに高いと推測される週刊少年サンデーにおける裏看板マンガとして既に絶大なる人気を確保していましたが(ただし、あくまで人気が表に出てこない裏看板マンガの性質上、その人気っぷりは読者アンケート等には反映されていないと思われる)、ここに来てついに禁断の「一つ屋根の下で同居」ネタを持ち出して来たことにより、このマンガもいよいよ展開の面でも人気の面でも新たな局面に踏み込んだと言えましょう。
「一つ屋根の下」系ラブコメについては、以前に「改蔵」の中でネタにしたことはありましたが、それはあくまで作品内でのメタストーリーというパロディの枠に納まっていた、ギャグの一環に過ぎないものでした。しかし今回は、ストーリー上の展開の結果として始まった「一つ屋根の下」であり、もはや「これはパロディだ」という言い逃れができない状況になりつつあります。
それにしても、これまで「サラダデイズ」や「ラブひな」などの典型的なラブコメマンガを散々ネタにして来た「かってに改蔵」が、(肝心のヒロインの羽美が多少アレでナニだとは言え)自らラブコメネタに手を出すなんて、これまでの「ネタに対して一歩引いた視点から観察し、意地悪くツッコミを入れる」というスタンスからすれば、真っ向から相反する行動です。一体、久米田先生に何が起こったのでしょうか。
まさか久米田氏は、「『サラダデイズ』も『ラブひな』も終わった今、週刊少年マンガ誌上にラブコメと呼べるマンガは『エイケン』くらいしか存在していない! 萌えるラブコメをやるなら、今が好機だ!」と大英断を下したのでしょうか?
もし、作者が『「サラダデイズ」が抜けたラブコメの穴を埋められるのは、「育ってダーリン!」で正統派ラブコメをやった経験もあるこのオレしかいねぇ! コミックス2巻がいつまでたっても発売されない「育ってダーリン!」の復讐を果たす時が、ついに来たゼ!』とか本気で考えているのであれば、私としても「ラブコメ上等ー! 羽美たん萌えー! 萌えー!」とか薄汚いことを叫びながら諸手を挙げて大歓迎致したい所存なのですが、でも結局今の展開は、行き当たりばったりな展開が生み出した偶然の産物に過ぎないに違いない気がしてならないのが残念です(自己完結)。
ただ、以前「デビデビ」の学園トーナメント編の時にここで指摘した通り、「作ってる側でさえ来週の展開が判らないような、行き当たりばったりな展開」に入った時の週刊連載マンガは、時として奇跡としか言えない程の思いもよらない面白さを生み出すことがある、という可能性が存在することを忘れてはいけません。先が読めないまま一話単位でダイナミックに展開が突き進んでいく様をリアルタイムで読んでマンガに振り回される楽しさは、週刊連載マンガをコミックスではなく週刊誌で読んでいる者にしか味わえない、マンガの醍醐味の一つであると思っています。
例えば、「GS美神」のアシュタロス編においても、ただのオカチメンコなタラコ唇女に過ぎなかったルシオラが大化けしていく様をリアルタイムで読んた時の興奮は、ストーリーやキャラクターの整合性がどうだとかいう評論的な視点を度外視したレベルでの面白さがあったことは確かでしょう。
そして「かってに改蔵」も、今その行き当たりばったりな展開の奔流の中にあえて身を投げ出してしまったのではないか、とか思ってしまいます。
このマンガは、本来なら一応ヒロイン格であったはずの羽美をどんどんいぢめて壊していくことによって面白くなって行った経緯を持つ、従来の少年マンガのフォーマットに納まらないニュータイプな作品として分類することができますが、今のこの状況は、そんなマンガの連載を開始した時の作者ですら想像していなかったに違いありません。ああ、このマンガの行き着く先は何処に!
新年号から新連載が一気に3本も始まる誌面改革の波に、我らが「かってに改蔵」は耐えることができるのか!
――とかウッカリ考えてしまった程、先週の「改蔵」は私にとって面白かったです。どのくらい面白かったかと言えば、もしかしたらこのマンガはこのまま羽美が暴走して電波系ラブコメをやった挙げ句にそのまま終わってしまうのではないか? と余計な心配をしてしまうくらいでしたよ。
心に闇を持つ読者の一人であるところの私としても、今後の「かってに改蔵」の展開には要注目です。