今週の(ある意味)おすすめサイト:オイダキ.コム
株式会社日立空調システムが販売している、電気温水器の紹介サイト。
ただし、商品のイメージキャラクターとなっている30歳の人妻・湯神リリコさんを始めとした湯神一家の人々が、みんな四コママンガの登場人物になれるくらいキャラが立っている(それもほのぼのファミリーものではなく「あずまんが大王」系統のソレにノリが近い)のがポイント。
キャラクターデザインは、「Find Out」誌でコミックを連載している岩崎つばさ氏。
このサイトは今年の1月に「ちゆ12歳」のちゆメモで紹介されたことがあるので知っている方もおられると思いますが、この6月には湯神一家専門ドメイン・30girl.comを立ち上げてFlashをバリバリ使ったキャラ紹介ページを開設するなど、なんか妙にやる気マンマンなご様子。今後の展開に注目です。
果たしてリリコさんは、いまや伝説となったエコアイスを越えることはできるか?
というか、こんな三十歳代の主婦をターゲットにした商品の宣伝サイトにグッと来てしまう時点で、なんか私も歳をとったもんだと思ってしまう今日この頃。
そんな感じで椎名高志ファンホームページ C-WWW の管理運営を行っている深沢です。こんにちは。
もう若くないんです……
若くないんですよ……(遠い目)
ふしぎの国のARMS
それはともかく、18日に発売された「ARMS」最終巻となる22巻を購入しました。
「ここはオレに任せて、お前は先に行け!」パターンで主人公を庇いながら決死の覚悟で強敵に挑んで行く仲間達、「オレ達が今すべき事は、戦うことじゃなくて愛しあうことだ!」という『さらば宇宙戦艦ヤマト』みたいな展開(比喩間違い)でカタルシスが大爆発した主人公最後の戦い、そして定番ながらもグッと来る『10年後の主人公達の平和な姿』を描くキレイなまとめ方で締めくくられた最終回と、如何にもこう「作者がやりたかったことを全てをやり遂げられた、幸せな連載マンガの最終巻」っぽい雰囲気に包まれており、読んでいてちょっと幸せな気分になれました。
コミックスの最終巻を読んでこんな気持ちになれたのは、「ラブひな」の最終巻以来の快挙です(よりによって)。
正直、バンダースナッチ編が始まった時は「これって蛇足的なエピソードじゃないの?」とか思っていたのですけど、でもこうしてコミックスの形で最後までまとめて読んでみると、「ああ、でもなんかこれはこれでキレイにまとまっているからいいじゃん……」と思えて来るのが不思議というか何というか。そう読者に思わせるだけの厚みがある物語をここまで積み重ねて来られたのが、このマンガの魅力なのかも。
サンデー連載マンガは、よく「雑誌で1回づつ読むとあんまり面白くないが、コミックスでまとめて読むと面白い」と良くも悪くも評されることが多いのですが、「ARMS」はそういう典型的なサンデーマンガの一つと言えるタイプのマンガなのではないかと思います(このタイプの作品の代表格はおそらく「モンキーターン」でしょう)。
そんなこのマンガにあえてミソをつけるとすると、新しい敵キャラ達が登場する度に「ふっ、前の奴らなど所詮はエグリゴリの中では小物に過ぎん! 我々こそが最強なのだ!
」と魁!男塾みたいな台詞を必ず言うので、読んでいて「またそのパターンかよ!」とツッコミを入れたくて仕方がない衝動に駆られていたたまれなくなってしまうことと、まるでギャルゲーの攻略可能キャラみたいな性格(言い過ぎ)っぷりを発揮してこのマンガ最強の萌えキャラとして君臨していたユーゴーが、物語途中であえなく死んでしまったことくらいでしょうか。
特にユーゴーは、もし「ARMS」がアニメ化されたアオリで連載期間が必要以上に伸びたりしなければ(妄想)、ユーゴーの死はもっと物語の中で価値あるものになっていたのに! とか思うと残念です。
つうか、アニメ版「ARMS」の最終回がよりによって総集編ってのはどういうことなのよキー! 総集編ばっかりで有名だった「彼氏彼女の事情」のアニメ版だって、最終回はもっとマトモだったYO!
ユユユユユユーゴーたんを返せ!(逆ギレ)
あと、「ARMS」の連載終了を機会に、マンガの中でARMS達のデザインのモチーフとして使われていた「ふしぎの国のアリス」を、ガラにもなく読み始めております。
著作権フリーな翻訳テキストが公開されている「プロジェクト杉田玄白」というサイトで、山形浩生氏が翻訳したフリーで読める版を見付けたので、それをPalm(最近買いました)に突っ込んで通勤電車の中でチビチビ読んでる今日この頃です。
「ふしぎの国のアリス」は、私が説明するまでもなく世界的にとてもよく知られたメジャーな児童文学であり、その「エプロンドレスのかわいい女の子が不思議の国で大冒険!」というキャッチーな内容故に、少女向けアニメから成人向けエロマンガに至るまで、様々な作品でモチーフとして使われて来ています(勿論「ARMS」もその一つ)。
でも、その「アリス」のオリジナルの小説を読んだ経験がある人は、実は(少なくとも日本では)そんなにいないのではないかと思うのですが、その辺どうでしょうか。児童文学に触れる機会が少ない男性なんかは特に。
私の場合、「小説」というメディアの面白さに本格的に目覚めた中学生の時に、「今度は古典に挑戦してみよう」とかエラそうなことを思いながら文庫版を購入して(安かったから)チャレンジしたことがあったのですが、児童文学特有の甘ったるい翻訳文、および内容のあまりの支離滅裂さが当時の私に強烈なライバルとなって立ちはだかった結果、途中で読むのを挫折してしまった経験があります。
読破に失敗した本を持っているのも悔しかったので、当時仲が良かった友達に100円で売りつけてやりましたよ(セコい)。
という訳で、それから十年以上経った現在、少年の頃の復讐の意味も込めて「アリス」を改めて読み始めているのですが、やっぱりどう考えても支離滅裂ですこの物語。章ごとに話の舞台が何の脈絡もなくいきなりガラリと変わる上、個々の章同士が物語的に繋がっていないこともよくあるので、普通の小説を読むみたいな感じでストーリーを追って行こうとすると、確実に頭が疲れます。
というか、「ふしぎの国のアリス」って、最後はいきなり夢オチで終わってしまうので、元々そういう要素を要求する方が間違っていると言えるのですが。
また、登場人物もそれに輪をかけて支離滅裂というか、控え目に申し上げても「こいつらおかしいよ!(頭が)
」としか表現しようがない連中ばかりであり、どいつもこいつも英語圏特有の言葉遊び(というかダジャレ)を多用した不思議かつ不条理なトークや歌でこちらを惑わせようとして来ます。「ARMS」では理知的に描かれていた『審判者』ハートの女王も、「アリス」の中では「こやつの首をちょん切れ!
」とダメ採決しか下さない、ヒステリックな性格破綻者に過ぎません。
もちろん、我らがアリスは子供特有の旺盛な好奇心と順応性の高さと機転の速さを発揮して、そんなおかしい彼らと互角に渡りあっているのですが、そこまで順応性がない私なんかはもう翻弄されっぱなし。この物語特有の不条理感を楽しめる順応性を身に付けられるようになるまでは、とりあえず頭の中でアリスの声を丹下桜にアテレコさせてアリスたんに萌えることで耐性を付け、読破を試みている最中であります。
「アリス」は、基本的にはそんな世界やキャラクター達の不条理さを楽しむ物語だ、というのを実感している次第。子供の頃の私には、そこまで考えが至らなかったのですねー。
元々「ふしぎの国のアリス」は、作者のルイス・キャロル(真性のロリコンであることで歴史的に有名)が、近所に住む女の子達を面白がらせようとして即興で作ったお話である、と言われていますが、確かにこの物語は小さな子供達に読んで聞かせて面白がらせるにはとても適していると思います。愉快でおかしい(頭が)登場人物達は聞き手の子供達の歓心を引くのに十分な魅力を持っていますし、また一度歓心を引き込んでしまえば、聞き手にとっては論理的な場面の繋がりなどのストーリー要素はそれほど重要なことではなくなります。
かつて「ゴジラ」のプロデューサーをしていた田中友幸氏は、「ゴジラ」映画のシナリオで守らなければいけないことの一つとして『10分間に一度必ず見所を作ること。そのためには、ストーリーの破綻は考えてはいけない
』と語っていた、という話を読んだことがあるのですが(「回収」/音楽専科社)、この「ふしぎの国のアリス」にも似たようなセンスを感じます。気まぐれで飽きっぽい子供にウケるためには、そういう工夫が大切なのでしょう。
しかし「ふしぎの国のアリス」は、子供達だけではなく、何故か大人達の間にも人気があることで有名です。何故この支離滅裂なストーリーの児童文学が大人達の間でも妙な人気を博し、世紀を越えたベストセラーになることができたのか? というのは当然疑問として挙げられるのですが(フリーテキスト版でも後書きでこの件に触れています)、これは多分みんなきっと挿絵に出てくるエプロンドレスでロリロリではにゃーんなアリスたんに萌え萌えになってしまったからなのではないのでしょうか?
「アリス」のキャラクターイメージが決定づけられたのはジョン・テニエル氏の挿絵が出版時に挿入された時からだそうですが、きっと当時の男性達はその挿絵を見て「このキャラは萌えるよ! これの原画を描いた絵師(専門用語)はスゲエな!」と、まるで新作のギャルゲーを前にしたギャルゲーマーのような反応を示したに違いありません。
更に本編を読んだ後は、「オレ、小さくなったアリスたんに激萌えー!」「オレはシェシャ猫萌えだね! 『どいつもこいつもキチガイ
』とか冷静に言うところなんかサイコー!」「アニメ化されたら、アリスの声優は倉田雅世がやっても面白いかもですな!」と己の萌えポイントを自慢しあったり、思わずファンサイトを立ち上げてしまったりしていたのでしょう。
――そう、18世紀のイギリスにはきっと既に「萌え」の概念が存在しており、大人も子供もアリスたんにハァハァしてしまったのです! 萌えているからこそ、アリスに出てくる「棒」とか「きのこ」とか「ぐんぐん膨らんだ」とかの単語を性的なメタファーと解釈して作品を分析して喜ぶような、今でいうところのエロ同人誌のハシリみたいなことをする人も登場してしまうのです!
さすが英国は紳士の国だ!(←用法間違い)
……と、このような「勝手な思いこみによる作品分析のくだらなさ」については、山形浩生氏の後書きに色々と書かれていますので、興味のある方はぜひ一読を。
私には「『ふしぎの国のアリス』に出てくる棒の数は78本だ!
」とどうでもいいことを調査して一人でハァハァしている人の気持ちが痛い程よく判るので、その辺これから自重して行きたい所存。
なお、私が100円で「ふしぎの国のアリス」を売り付けた友達に「アリス読んだ?」と聞いてみたところ、「読んだ読んだ。面白かったよーん」と笑って答えました。当時の私は、こいつはスゲエ奴だ! と素直に感心したものです。
しかし彼はその後、失業中にウルティマオンラインをまっ昼間から延々とプレイし続けるような、立派なダメ人間に成長してしまったと聞いています。
これって、私が売りつけた「ふしぎの国のアリス」が、彼に何らかのトラウマを与えてしまったのでしょうか……?
ああ、オレはたった100円のために何て取り返しのつかないことを……
更新情報
- ここでの報告が遅れましたが、「ザ・グレート展開予想ショー」(もはや「極楽大作戦二次創作発表ショー」に改名した方が良いような気もしますが)の参加者の交流を目的とした掲示板を、天乃斑駒さんが設置して下さいましたので、そちらの掲示板へのリンクを追加しました。ご活用下さい。
ご協力どうもありがとうございました>斑駒さん - 「煩悩の部屋」の創作文集のページに、ヒッターさんの作品「HAND RED FUTURE」の第二話を掲載しました。
ヒッターさんによる作品解説を載せるスペースがなかったので、ここで紹介します:
お待たせしました!やっと第2章です!中間テストも何とか無事(?)に終わりました。
第1章ではみなさんのたくさんの感想ありがとうございました! こうやって感想をいただくのは初めてなもので(感動・・・)。第2章もがんばって書かせていただきました。
しかしながら第2章は、第1章と第3章以降の話の”つなぎ”の役割なので、少々理屈っぽくなってしまったかもしれません。それでも楽しく読んでいただければ幸いです。次も精一杯頑張るのでこれからもよろしくおねがいしまっす☆
お知らせ
昔 Nifty-Serve の「GS美神」会議室に出入りしていた人向けのお知らせ(推定対象人数=5名以下):
かつて Nifty-Serve に存在したGS美神会議室などでアクティブな発言を行っていた天野裕之さん(このサイトで掲載している「TVアニメ版GS美神レビュー」は、天野さんの発言を転載したものです)と、「週刊少年チャンピオン」誌上で映画レビューを行っている尾崎一男氏がユニットを組んで作成している映画評論系サイト(多分)・映画ガチンコ兄弟の『夜の四番打者』が、この度リニューアルオープンした模様です。メールでお知らせが届きました。
あの天野さんが、なんかすっかりオタク系ライターに!(←失礼)
これからのご活躍を期待しております。
このサイトをご覧になっている人向けのお知らせ:
こちらの都合(「紙の砦」さんとこの同人誌に寄稿する原稿の作成)により、次週の更新はお休みさせて頂きます。