What's Old

03/03/30  (更新情報へ)

近況
 新しい自作パソコンに「パンドラ」と名付けました。

 ご無沙汰してます。こちらは椎名高志ファンのためのホームページ C-WWW です。

 「パンドラ」が掲載されたサンデーGXが発売されてから2週間近くも更新ほったらかして何をやっていたかと言うと、仕事や何やで溜まったストレスを発散するため、秋葉原に行って新しいDOS/Vパソコンを組み立てるためのパーツを買い漁ってました。丸の内のOLがストレス発散の為に銀座でブランド物を買いあさるような勢いです。
 集めたバラバラのパーツから自分が現在必要としているスペックの新しいPCを組み立てて行く工程は、まるで理想の恋人を自分自身で組み立てているような、奇妙な感覚を味わうことができました。PCの自作に癒しの効果があったなんて…(単に自作機マニアなだけという意見は却下)

 しかし、マシン名を勢いでうっかり「PANDORA」にしてしまったため、おそらく数ヵ月後にこのマシンはあらゆる厄災をネット上にばら撒いたりすることになると思います。ハードディスクに溜め込んだ同人誌のスキャン画像が流出するとか、そういう厄災の方向で(最低)。
 その後に残された最後の希望も同人誌のスキャン画像になりそうですが(最低)。


今更ですがパンドラ感想

 サンデーGX4月号 P.20 で「空から落ちてきた人間じゃない美少女が俺のものに! ヤッホー!」と正直なことを言っておきながら、その次のページで「なんて反応はありえないから! 現実的には!」とあっけなく態度を変えた主人公の海老名君に対して、

バカーッ! 何で君はそこで自分の気持ちに対して素直になれないんだー!

 と思ってしまった人?(挨拶)

そんな感じで、すっかり遅れてしまいましたが「パンドラ」の感想を少し。

 「GS美神」のおキヌちゃんから「一番湯のカナタ」のセイリュートに至るまで、椎名マンガの男性ファンは人間以外のキャラが大好きというのが定説になっていますが、今回の椎名氏の新連載「パンドラ」は、明らかにそんなアレな感じの読者に狙いを定め、かつ彼らの趣向に対してアンチテーゼめいたものを提示するような、そんなマンガなのではないかと思いました。

 このマンガの基本プロットは、もはや神話の時代から作り続けられて来た「押しかけ美少女」モノのフォーマットに沿ったものなのですが、

  • パンドラは「神」によって主人公のダメ男の好み通りに作られた存在であり、
  • そんな彼女と1年間仲良く暮らすことを強制される

 という制約が主人公に課せられているところが、この作品が普通の押しかけ美少女マンガと差別化されている点と言えます。

 もっとも、これらは確かにストーリー的には「神から課せられた制約」なのですが、実際は主人公(および読者)の側からすれば、「人間以外の女の子と付き合う」ことに対する倫理的な抵抗感さえ払拭できればもはや制約でも何でもなくなり、逆に「人間以外の女の子に萌え狂っても良い」という大義名分を与えることになります。
 実際、主人公は最初のうちこそ「〜なんて反応はありえないから! 現実的には!」とあくまで理性的に振る舞ってはいますが、いざその非現実的な女性と付き合っても良いことをカタストロフィから言われた途端、「本当は俺だってちょっと嬉しかったのにー!」とその本心をあっけなく暴露してしまいます。この、「非現実的な女性に萌えても良い」と認識したところを境にして彼の態度が豹変するところをコメディタッチで描いているのが今回のエピソードにおける肝の部分であり、また笑えるところになっています。

 つまりこの設定は、一般的には顔文字で表現するところの「(;´Д`)」な後ろ向きのイメージで捉えられがちな「人間以外の女の子と付き合う」行為をこのマンガの中では合法なものであると主人公に納得させ、主人公にパンドラとマンガみたいな生活を送っても良いという、非現実的ではあるけど男なら誰もが憧れるシチュエーションに己を埋没させる覚悟を完了させる役割を果たしているのです(この点については、パンドラ感想掲示板の葦さんの書き込みが詳しい)。

 ダメ男に「本当は俺だってちょっと嬉しかったのにー!」と心の叫びをさせてギャグにする手法は、かつて「GS美神」の横島クンがその身をもって表現していた「『男』であるが故に持つ弱さ」を描いてギャグにする物語の作り方に通じるものがありますが、今回はシチュエーションがシチュエーションなだけに、「美神」よりも生臭さ度がはるかに高いです。掲載誌がサンデーよりも読者年齢が高く、またこの手のマンガを読み慣れているであろう読者がターゲットであるサンデーGXだということもあるでしょうが、今回は相当容赦がありませんね。
 タダの「落ちモノ美少女」マンガの椎名風パロディで切り捨ててしまうには惜しい展開になりそうなマンガだと思いました。

 とりあえず、人間以外の女性に萌えてしまったためにオレ達の仲間となった(決め付け)ダメ男の海老名君が、どんな運命を歩むのか注目です。
 ギリシャ神話の「パンドラ」は、『彼女が箱を開けたために世界はメタメタになったけど、でも二人は幸せに暮らしました』みたいな、まるで周囲を散々トラブルに巻き込んだ挙げ句に自分達だけ勝手に幸せになるドタバタラブコメディの最終回みたいな顛末になったらしいのですが、果たしてこのマンガにおける二人はどうなるのか。
 二人の行き着く先は「ふたりエッチ」か! それとも「最終兵器彼女」か!

 そして、物語の鍵を握ることになるであろうパンドラの別人格・カタストロフィですが、個人的には嫁にするならこっちだよな! と思いましたがどうか。
 性格はキツそうだけど、うっかりダンプに轢かれてミンチになっちゃう辺り、彼女にはちょっとドジっ娘要素が混ざっていると見ました。何だかカタストロたんにも萌えられそうです。メイド服を着せてはわはわ言わせたいです(病気)。

 あと、このマンガのヒロインのパンドラは初期段階ではロリっ子だったということなのですが、もしこんなロリな娘さんがいきなり「だんな様〜!」(釘宮理恵@りぜるまいんの声で)とか言いながら空から降って来るようなマンガになっていたら、余程のロリ萌えなツワモノの読者でなければ、海老名君とシンクロして「ヤッホー!」と喜ぶどころではなく、倫理的な意味での危機を察知して「助けて! オレはまだ何もしてないよ!」と泣いて謝ってヒいてしまうのではないかと思うので、まあこれはこれで良かったのかもとか思いました。
 というか、あのロリっ子がヒロインだったら、このマンガは今とはまったく違った形になっていたでしょうけどねー。

 まぁ、掲載誌が「サンデーGX」じゃなくて「電撃大王」とかだったら、話は変わったかも知れませんが。
 次回作はぜひそっちの方向で(結局)。


葵DESTRUCTION!!2

 そして、25日に発売されたサンデー超増刊4月号に、世に「井上和郎」の名を知らしめたと同時に、氏の漫画家としての今後の運命を決めてしまった感がある名作「葵DESTRUCTION!!」の続編が掲載されました。

 Google で「葵DESTRUCTION」と検索すると何故か上位に名前が出てしまうこのサイトとしては、やはりチェックしなければ! と思って読んで見たのですが、相変わらずの常識はずれな破壊力っぷりを発揮しており、期待通りの面白さでした。読むと脳細胞がイイ感じに削られること必至ですので、ロリショタマンガの読みすぎで既に脳が減っている方ばかりでなく、脳みそが有り余っていて素直にこの手のマンガを楽しめないような方にもオススメしたいです。
 みんなも脳を減らして、葵たんに萌えて幸せになろうぜー!ヽ(*´д`*)ノ

 今回特に強烈だったのは、相変わらず能天気な主人公の葵父さんのウェイトレス姿と、そのウェイトレスが実は「38歳のロリショタ親父」だということに気付かず、萌え萌えな姿に騙されて惚れ込んでしまう文学眼鏡青年の間の勘違いっぷりでしょう。眼鏡青年が葵に対して淡いラブロマンスを一方的に繰り広げる冒頭4ページを読んだだけで、もう死ぬほど笑えます。
 更に、前回ロリショタ親父に心底萌え切った空手ヤンキー連中が「デストローイ! デストローイ!」とロックな掛け声で気合を入れるシーンも相当ツボでした。「人間じゃない美少女」と比べればはるかに萌えるためのスレッショルド(閾値)が高い「38歳のロリショタ親父」に心底萌えきった連中がやることは、やっぱりレベルが全然違うなぁ! このシチュエーションでわざわざ「デストローイ!」を持ってくるとは流石です井上和郎先生(神)!
 それに、こんなアレなキャラばっかり出てくるマンガなのにも関わらず、最後はちゃんと「ちょっとイイ話」としてオチがついて締められているので、意外と爽やかな読後感を得られるのも忘れてはなりません。

 そして、最終ページにオマケとして掲載されている「葵3」の予告編も、「館長を狙う謎の女空手家30人!」とか(「魔法先生ネギま!」の女子中学生30人のパロディですねコレ)、「美鳥の日々」のセイジの乱入とか、誰もが妄想したに違いない禁断の親子の愛とかやりたい放題やっており、こちらも非常に笑わせてもらいました。このネタがあまりに面白かったためか、超増刊発売直後には早速この予告ページのスキャン画像があちこちの画像掲示板に出回ってましたよ(ヤバい)。
 この、全編から感じる作者の「こちら側」な感覚は、間違いなくサンデーの読者層にも深い影響を与えているに違いありません。

 思えば、この「葵DESTRUCTION!!」と「焼きたて! ジャぱん」がサンデーに掲載された頃から、サンデーという雑誌のこちら側っぽいネタに対するスレッショルドが下がって来た感じがします。

 最近のサンデーでは、「いでじゅう!」で美少年同士が立ち技勝負(ダブルミーニング)で喘ぎ声を上げていたり、「ワイルドライフ」で主人公とメガネ君が粘液をぶっかけられたりと、読んでいるこちら側のほうが不安になって来るくらいのこちら側っぷりを発揮していますが、その礎を築いたのが、こちら側要素満載だった「葵」の大ヒットだったのではないのか? と思う次第です。
 まぁ、「葵」の作者の井上和郎先生(神)は、「美鳥の日々」でも美鳥に粘液をぶっかけたり、コータ君の乳首が服の上から透けて見えたり、コータ君の指をセイジが愛撫したり(まちがい)と、今もサンデーのスレッショルドをガッツンガッツン下げまくる大活躍をしているのですが。井上先生はホントに神だと思いました。


 

更新情報:

お知らせ:

 「一番湯のカナタ '2002 Conventional Wisdom」の発表は、できれば 4/1 頃に行いたいと思います。
 最近はPC以外にもお仕事や健康面で色々アレでナニな状況になってまして、サイトの方の面倒が見れずにご迷惑をおかけしております。多分しばらくはこんな調子ですので、今後ともよろしくお願いします(何を言いたいのか)。


03/03/19 

お知らせ:

 期待の新連載「パンドラ」の感想掲示板を設置しました。
 感想とか何とかはこちらの方にお願いします。

 http://cwww.pos.to/cgi-bin/pandora/index.html


03/03/15  (更新情報へ)

 いちご100%!(挨拶)

 今週の週刊少年ジャンプを読みながら『いちご100%の掲載誌がヤンジャンだったら…』と妄想した方こんにちは。
 こちらは椎名高志ファンのためのホームページ C-WWW です。
 最近のジャンプは情け容赦がないなぁ(発言に脈絡がありません)。

 つうか、もしオレが北大路さつきだったら、今ごろ「やっぱりアタシじゃダメ? アタシの体ってそんなに魅力ないの? それともこのパンツがまずかったの?」と意気消沈しながら、部屋で一人パンツを脱いだり履いたり脱いだり履いたりしていると思いました(意味不明)。今回の事件は彼女にとってはもう一生モノのトラウマになるのは確実であり、果たして今後彼女がマトモに男の子と恋愛できるのか不安になって来る程です。
 個人的にはやっぱり北大路エンド希望なのですけど(東城エンドは普通過ぎるので)、なんかもう猛烈に望み薄なような。なんか最後には適当な男キャラとつがわされる運命を歩みそうな彼女に幸あれ。そして真中に呪いあれ。

 と思いながらも、もし自分があのマンガの登場人物だったら絶対真中じゃなくて外村のポジションに位置しているので、もはやあのマンガで愛とか恋とかを語ることそのものがどうでもいいことなのではないかと思いました。というか、外村格好良すぎます。オレが女なら惚れてます。今頃ファンサイト作ってます。あれこそが男の中の男のあるべき姿!
 誰が好きとか嫌いとか言い出してときめきメモリアるキャラなんか、もう女だろうが男だろうかもう魅力ゼロだよな! ギー!(←何かあったの?)

(;´Д`)

からくりサーカス

 そして一応ここはサンデー系のマンガサイトということになっているので(椎名センセがジャンプに移籍とかしない限り)、サンデーの話題もしなくてはいけません。

 今週はお休みですが、先週のサンデーに掲載された「からくりサーカス」は、ンもう自分史に残るくらい凄かったです。
 とにかく名台詞出過ぎ

  • 「僕が心を寄せた女性は必ず僕を嫌うんだ!」
  • 「僕の運命を支配しているのは、地獄の大きな機械だってね。
    僕のどんな恋も成就させまいと、地獄の誰かが僕の為に動かしているのさ」
  • 「だって僕は自分を信じているもん。
    自分を信じて夢を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!」
  • 「僕は夢追い人だよ。怖いものなどないさ」
  • 「この人は、自分が悪いことをしているつもりは全くない。
    自分の為になることは全ていい事なんだ!
    この人はまるで…どす黒く燃える太陽だ!」

 真性ダメ人間のフェイスレスは己のモテなさっぷりを情緒たっぷりに切々と謳い上げ、そして勝がそんなダメ人間な彼を「どす黒く燃える太陽だ!」という最高級のダメ賛辞で表現する前半の会話部分だけで、もうおなか一杯な気分にさせて頂きました。
 あまりに二人の会話がディープなので、本来の見せ場であるはずの後半の格闘シーンが余興に見えてくる程でしたよ。

 マンガというメディアの中には、作者の卓越した言語センスによって繰り出される台詞の迫力で読ませる作品というものも存在しますが(近年では「覚悟のススメ」や「スクライド」の終盤がそれ系の代表作でしょう)、まさかあのサンデーで! しかも「からくりサーカス」で! そういう面白さが味わえるだなんて! つう感じで合掌。

 特に痺れたのが、フェイスレス貞義が後光を輝かせながら「自分を信じて夢を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!」と嬉しそうに言うコマです。このフレーズはいわゆるポジティブシンキング志向のメッセージソングによく使われる言葉ですけど、その言葉を彼が語るととたんにずず黒い欲望が丸出しになるネガティブイメージなフレーズに早変わり。

 つまり我らが藤田先生は、「自分を信じれば、夢は必ず叶う」というポジティブシンキングなメッセージに潜む欺瞞をたった一コマで暴露し、この甘美な言葉の裏に隠された「たとえ夢があっても、ダメな奴は結局何をやってもダメ」という逃れようのない揺ぎ無き真実をさらけ出すことに成功したのです。
 蜂蜜のように甘いメッセージソングに、後足でタバスコをぶちまけるが如き行いを! 藤田先生は覚悟が完了してるなぁ!(誉めてます)

 これまでの私にとっての藤田和日郎氏のイメージは、氏とほぼ同期にデビューした椎名・河合・久米田氏と同列の「マンガ家」という括りの中に納まる存在でしたが、今回このエピソードを発表したことによって、藤田氏はその「マンガ家」という括りを越えた「それ以外の『何か』」という別ジャンルの存在に一歩足を踏み入れたような気がします。その「何か」が具体的に何なのかは、私にも判りませんが。
 そしてそれに伴い、私の中での氏のビジュアルイメージは、「GS美神」の唐巣神父(唐巣神父のモデルは若き日の藤田先生です)から、サンデーGX連載の「吼えよペン」に登場する富士鷹ジュビロ先生(富士鷹ジュビロのモデルは現在の藤田先生です)のソレに変わりました。そう、口から煙のような変なモノを吐いて撒き散らし、その変なモノを吸い込んだファンを扇動して意のままに操る、アンタちょっとそれはいくら何でも漫画家の能力じゃないだろうみたいなド迫力で毎回暴れ回って大変だったアレですアレ。そんな感じ。

 芸のためなら疫病も吐く希代のエンターテナー・富士鷹ジュビロ先生の「からぶりサービス」の今後に期待です。
 今の「サンデーGX」は実はかなり面白い雑誌になってるのでみんな読めばいいと思った(←結論)。

 あとサンデー関係で気になる情報としては、「きみのカケラ」の高橋しん氏が、連載や単行本出版等の活動を無期限に停止すると発表したことがあけられます。
 世間的には評判イマイチっぽい「きみのカケラ」ですが、この前のセンターカラー以後の回はまるで開き直ったかのようにストーリー(と美少女キャラ)を急速展開させ、物語が一気に締まって面白くなってきた矢先だけに、個人的にはとても残念です。気長に待ってますので存分に静養なさって下さい、としか申し上げようがありません。

 マンガ家って大変な職業なのね(今更)。


パンドラ基礎知識

 そしてこのサイト的には最も重要な椎名高志氏新連載「パンドラ」の情報ですが、サンデーGXのサイトにおいて発表された今月号の表紙を飾るカバーイラストに、主人公のパンドラ(と思われる女性)の姿が載っています。

 ……えー、この女の人のおっぱいから下を隠している黒いモノはですか? それとも体毛
 なんか「一番湯のカナタ」のユウリが毛深い魔族になったみたいな印象を受けましたがどうか(多分大間違い)。果たして、彼女がどんなエロい活躍をしてくれるのか期待していきたいところ。
 「カナタ」じゃ本当はヒロインのはずだったのに、バカな弟やわがままな義妹の世話に振り回された挙げ句、ロマンスの「ロ」の字も出せすに連載が打ち切られて嫁かず後家になってしまった無念を、見事GXで晴らして頂きたいです。

 あと、せっかく「パンドラ」つうタイトルで椎名氏がマンガ描くんだから〜、と思って色々と調べてみようと思ったのですが、今は検索サイトという便利なモノがあるので、「ギリシャ神話 パンドラ」で検索するだけでもう十分な情報を得られるのがありがたいですね。
 個人的には、「Art of Dorian」という絵画紹介サイトの「パンドラ」のページが、ギリシャ神話の物語を簡潔にまとめている上に過去の芸術家達が描いたパンドラの絵も鑑賞できるので良いと思いました。

 以下は余談になりますが、私のギリシャ神話の原体験は、昔姉の部屋に忍び込んで読んでいた月刊少女プリンセスに載っていた「オリンポスのポロン」(吾妻ひでお)なので、私の脳内でのギリシャ神話の登場人物のビジュアルイメージは、全て吾妻ひでおデザインに変換されています。これって幼少期のトラウマの一つ?

 あと、これまで読んだギリシャ神話関係の本の中では、阿刀田高氏の「ギリシャ神話を知っていますか」(新潮文庫)が入門書としてオススメです。神話の世界をユーモラスな語り口調で判りやすく表現しているので気軽に読めますし、ちゃんと神話のエロい部分もそれなりに描写してあるので、そういう意味でもグッと来ること請け合い。
 私なんかはこの本を血気盛んな高校生の頃に読んだので、もう当時はこれ読んでハァハァしっぱなしでした。吾妻ひでおデザインのロリっぽいデザインの美少女達が、もうあんなことやそんなことを! とか妄想して楽しんでましたよ(´Д`;)。

 で、この「ギリシャ神話を知っていますか」にも、勿論パンドラのエピソードは登場します。
 この本によれば、パンドラは一人暮らしのエピメテウス(人類に火を与えたとされるプロメテウスの弟)の家にいきなり押し掛けて居着いた挙げ句にふたりエッチ」みたいな生活を送ってすっかりラブラブになり、パンドラが箱(この本では壺ですが)を開けて厄災を世界にばらまいちゃってもその愛は途切れることなく二人はめでたく結婚、彼女は(後のギリシャ人の祖の一人となる)ピュラという女の子を出産して幸せに暮らしたそうな。

 パンドラがエピメテウスの家を訪ねてきた時のことを、この本では「独身アパートに天下の美女が訪ねてきたようなもの」と比喩していますが、これって早い話が「ああっ女神さまっ」や「うる星やつら」みたいな押し掛け美少女マンガと同じ構造ですよね。
 また、元々パンドラは神々が智恵を付けた人間を懲らしめる為に創造した、という設定になっていますが、これは「神々は男共を萌え狂わせてダメ人間にするため、萌え萌えな美少女キャラを作った」と解釈することができます。つまり『パンドラの箱』のエピソードは、そのまんま現代のラブコメマンガのストーリーに転用することが可能な訳です。
 最も古い物語の一つであるギリシャ神話が、現代ラブコメマンガを先取りしていた――というこの事実。時を越えた人類の英知の奥深さ、およびいつの時代でも人は萌えキャラが好きという業の深さを感じずにはいられません。

 神話は『神は「智恵」を手に入れた人類に罰を与える為にパンドラを遣わした』と言っておりますが、その罰が萌えることだとしたら、日頃から萌え萌え言ってる我々のような人間は、甘んじてその罰を受けている殉教者ということになりますまいか。
 人の原罪が萌えることであるなら、我々は喜んでその罰を受けよう! なのであります!

 ……自分でも何書いているのか判らなくなったのでおわり(投げやり)。


 

更新情報:


お知らせ:

 次回更新も多分土曜日くらいになると思います。
 また、「パンドラ」専用の掲示板も19日までには用意する予定ですが、用意できなかったら(´Д`;)「一番湯のカナタ」掲示板をそのままご利用下さい。
 19日より前にネタバレ発言したい方は「妙神山・裏門」にお願いします。


03/03/08  (更新情報へ)

今週のおすすめマンガ

セツナカナイカナ(こがわみさき/エニックス)

 「魅惑のビーム」「しあわせインベーダー」に続く、こがわみさきのステンシルコミックス第三弾。
 ジャンルとしては『オムニバス形式の恋愛マンガ』というよくあるタイプのコミックスに分類されるのですが、ベタなラブコメ感は極力抑え、ちょっとだけ非日常的な出来事に遭遇した登場人物達の中に恋心が芽生えていく様子を上品なタッチで描くのが、この人の作品の最大の特徴でしょう。
 ファンタジー要素を織り交ぜたジュブナイル風味の世界観の中で繰り広げられる日常の感覚が心地よい、とても爽やかな作品を描ける人だと思います。

 このコミックスに掲載された話のうち、他人の思考を『聞き取る』ことができる少女が主人公の表題作「セツナカナイカナ」も良い話ですが、個人的には記憶を失った少女が自分の恋を見つけ直す物語「マチコの心のへそ」が最大のヒットでした。特に、94ページの「何でふっちゃったんだ! あたしのバカチン!」というカットのコミカルさと見た目の「軽さ」に反比例した情報量の多さ、そしてそこから一気に終局へと繋がるダイナミックな展開は、ンもう「素晴らしい」の一言。
 この話は作者がステンシルで発表したこれまでのマンガの中の最高傑作じゃ? と思ってしまう程でした。いやマジで。

 読んだ後は「オレもアタシも恋をしてぇー!」と思ってしまうこと必至の珠玉の一冊。
 初恋適齢期の多感な少年少女は勿論、「からくりサーカス」で言うところの『地獄の機械』に運命を操られて適齢期は逃したけど、己の体に乙女心をダウンロードしてカワイイ気分になりたい大きなお友達な方々にもお勧めします。

 自分を信じて夢を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!(後光を輝かせながら挨拶)

 そんな感じで(どんな?)、前回に引き続いて普通のマンガサイトのフリをしながらこんにちは。
 こちらは、前回買い逃した「シャーリー」を無事本屋で購入できたのでご満悦な私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンのためのホームページ C-WWW です。

 先週は「『シャーリー』は同人誌を持ってるので、入手できなくても別にくやしくなんかない」とか言ってた私ですが、あれは本当は嘘です。とても悔しかったです。「からくりサーカス」に例えて言うなら、エレオノールに愛されず「僕が心を寄せた女性は必ず僕を嫌うんだ!」と叫ぶフェイスレス並に悔しかったです。僕は実にあわれむべき男なのです。
 でも今は嬉しいです。カバーの丁寧な装丁を見ただけで涙モノです。「からくりサーカス」に例えて言うなら、エレオノールに愛される妄想をしてハァハァしているフェイスレス並に嬉しいです。僕は夢追人だよ! 怖いものなどないさ! なのです!

 なので、次に生まれ変わったら、「メアリ・バンクス」に登場する大旦那様のようなユーモアと貫禄に溢れる立派なジェントルマンになりたいと思いました。割と本気です。立派なジェントルマンになって勝ち気なメイドさんをいぢめて余生を過ごす、これこそが真の人生の勝利者のあるべき姿なのです。「からくりサーカス」のフェイスレスも見習って欲しい生き様です。
 まずは立派な髭を生やせるように、一生懸命髭を伸ばす訓練から実施したいと思います。目指せ英国紳士!(来世で)

ヽ(´ー`)ノ

 そして、当サイト的に最も重要な椎名高志マンガの情報としては、椎名氏のサイトに「パンドラ」絡みの最新の情報が掲載されているので、まだご覧になっていない方はご参照を。
 トップ絵もよりエロいものにすり替わってますので注目。今度のイラストはパンツが普通ですよ!

 特に注意して頂きたいのは、主人公の少女の風貌がサンデーGXで告知されているものとはまったく変わってしまってしまい、見た目(だけ)は普通っぽい女性になった点です。GXの予告からは「一人暮らしの男の部屋に生意気だけどかわいいロリ少女が転がり込んで来て(以下略)!」みたいなベッタベタなマンガをイメージしてしまいがちですが、でもそういうのを期待していると相当ヒドイ目に遭いそうな予感がします。
 例えて言うなら、「円盤皇女ワるきゅ〜レ」を読もうとしてコミックスを開いたら、いつの間にか中身が「ハネムーンサラダ」にすり替わってたよ! うわーい! みたいな?(どんなだ)

 サンデーGX4月号の発売日は3/19。
 実際にフタを開けると何が出てくるのか、期待して待ちたいです。


バトルゲージ

 あと、せっかく久しぶりにサンデー超増刊を買ったンだから! つうことでバリバリ読んでいたのですが、今月から連載が開始された鉄道模型バトルマンガ「バトルゲージ」が面白かったので、今更ですがご紹介。
 このマンガの作者は桜河貞宗氏。マンガ家というよりは「Mac フォント大図鑑」を運営するDTPデザイナーとして知られている方の様です。

 それでこのマンガ、『鉄道模型同士で技と力をぶつけあう新感覚ホビー"バトルゲージ"! 島本竜之介は愛機D51"黒龍号"といっしょに戦いに挑む!』という宣伝文句から想像できるように、基本的には「爆走兄弟レッツ&ゴー」のようなコロコロコミック型バトルマンガ(通称:ジャリコロ漫画)のバリエーションに分類される作品です。ミニ四駆の代わりに鉄道模型がバトルをする、そういうマンガをイメージして頂くのが判りやすいかと。
 しかしこの作品は、その『鉄道模型』という題材、および登場するキャラクター達の異様なノリが相まって、何とも言えない微妙な読後感を味わえるマンガになっていると思いました。

 まずこの手のマンガは、現実のプラモじゃ絶対できないようなマンガチックなハッタリ感に溢れた秘密兵器や必殺技で難局を打開し、如何に読者をビビらせるか? が肝になるのですが、このマンガでもその例に漏れず:

  • 脱線しても車輪幅を自動的に修正してバトルに復帰!
  • 車体からケーブルを発射して急斜面を強引に登坂!
  • 模型の中に催涙スプレーを仕込み、推進剤として利用!

 など、「こんな機能を最初から仕込んでおいたら車体重量が増えるから不利になるんじゃ?」「こんな仕掛けが入るスペースが鉄道模型のどこにあるの?」などといった無粋なツッコミを許さないギミックが次々とテンポ良く登場し、読者を飽きさせません。この点はちゃんと基本を押さえた作りになっててよくできてると思います。

 しかし、それ以上にこのマンガの不思議さを特徴付けているのは、どっかしら奇妙な登場人物達にあります。

 まずは主人公である島本竜之介。一見すると特にアクもクセもない優等生的な外見で好感が持てそうなのですが、しかし彼の実体は相当のボケキャラです。ライバルや周囲の野次をとぼけた台詞で飄々と受け流すところは頼もしいんですけど、あまりに飄々とし過ぎているため、次第に「こいつマジでボケててるんじゃ?」と心配になってきます。
 また、「鉄道勝負の時には白い手袋をしてポーズを決める」ところからは形(コスプレ)から入ろうとする鉄オタっぷりが伺えますし、開始わずか2ページ目でヒロインのおっぱいを後ろから鷲掴みにする(しかも無表情で)辺りからは、彼がかなり侮れないレベルのむっつりスケベであることを予感させます。「100メートル18秒のペースで走っても(中略)4秒前には校門に到着するよ」という台詞からは、時間にやたら几帳面な性格であることが判ります。
 総じて、見た目は爽やかそうなのに、中身はもの凄い堅そうな奴だと思いました。ゲイバーでモテるタイプと見ましたがどうか(と言われても)。

 また、第一話での彼のライバルとなるバトルゲージ部の部長・陣内は、自分に絶対的に有利なコースを作って入部希望者にバトルを強要したり、負けたら相手の模型を落として壊して悦に浸ったりなど、コロコロコミックに登場する悪役そのまんまな大人げなさを披露。ジャリコロ漫画の悪役はこうでなくてはいけません。でも、絶対負けないコースを作った上で「負けたら入部させない」という条件で入部希望者と対戦していたら、誰も入部できないんじゃないかと思うのですが(無粋)。
 あと、「全国中学ベスト8」という微妙なバトルゲージ部の強さ加減も気になります。バトルゲージ部がある学校とセクシーコマンドー部がある学校、どっちの数の方が多いでしょうか。

 しかし、個人的にこのマンガの中で一番面白いと思うのは、本編のヒロイン(というか唯一の女性キャラ)であり、ツッコミ役でもある桑田夏実の存在です。
 この手の『現実には存在しない架空の競技』を題材にした作品の場合、その世界独自の用語や概念に対して、読者の視点から「それは何?」と突っ込む役を配置するのが常道です(サンデーでは「焼きたて!ジャぱん」の河内が代表例)。
 彼女もマンガの中では一応そういう役回りをしているのですが、その突っ込み具合が何とも絶妙。例えば:

  • (バトルゲージ部に入ろうとしている弟に向かって)ところで、バトルゲージって何?
     自分の弟が熱中している趣味を知らないのは、姉としてやや問題があるような気がします姉さん。
     あと、ちょっと前に「バトルゲージ部には変人の陣内がいる」とか言ってたじゃないですか姉さん。その変人に言い寄られてるじゃないですか姉さん。変人に興味はあっても、変人の部活の内容は知らないのですか姉さん。
  • フライホイールって、宇宙戦艦ヤマトに付いてたアレ?
     むしろ、現役女子中学生が「フライホイール」という単語から真っ先に宇宙戦艦ヤマトを思い浮かべるところに突っ込んで行きたい。
     徳川機関長もビックリです。

 彼女のこの傾向は後半になると更に拍車がかかり、主人公がパンツ一枚になった姿を妄想してハァハァしたり、開始後2ページで主人公に乳を揉まれたことも忘れて「この出会いって恋の予感?」と一人で盛り上がって怖いものなしの夢追い人モードに入るなど、どんどんボケキャラ化して行きます。この人、一見突っ込み担当に見えて、実は相当のボケキャラなのですね。
 主人公もボケならヒロインもライバルもボケですし、そしてコロコロコミック並の無茶な展開すら許容してしまう「バトルゲージ」という競技そのものもかなりボケ。つまりこのマンガは、作品内に真っ当なツッコミ役が誰一人として存在していないマンガなのです。
 このマンガを読んだ後に感じる不可思議な感覚は、おそらくその辺から来ているのではないかと推測しています。

 もっとも、絵柄自体はとてもすっきりしていて読みやすいですし、何よりちゃんと主人公やヒロインのキャラが立っているところは評価できます。他ではあまり味わえないタイプのこのマンガ、単に「新人が描いた超増刊に載ってるおかしなマンガ」で流すにはちょっと惜しいかなと思いました。
 「葵DESTRUCTION!!2」目当てで次号の超増刊を立ち読みする際は、「バトルゲージ」もご一緒に、とか言ってみたい所存。

 果たして「バトルゲージ」は、鉄道を題材にしたバトルマンガの最高峰「電車でD」にどこまで迫れるか!(迫るのか?)


 

更新情報:


03/03/03 

 掲示板の方にも書きましたが、2/5 から 2/28 の間 cwww@pos.to 宛のメールが受信できない状態になっており、「煩悩の部屋」への投稿作品も受信できていませんでした。
 こちらのミスで掲載が遅れてしまったことをお詫びします。

 一ヶ月分の投稿の編集が終わりましたので、まとめて掲載させて頂きます:


 

更新情報:

 その他の更新はもうしばらくお待ちを。

 


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12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2
'98
12, 1 | 10, 11 | 8, 9 | 6, 7 | 4, 5 | 2, 3
'97
12, 1 | 10, 11 | 8, 9 | 5, 6, 7 | 1, 2, 3, 4
- '96
96/10 - 96/12 | 95/ 9 - 96/ 9

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