近況:
新しい自作パソコンに「パンドラ」と名付けました。
ご無沙汰してます。こちらは椎名高志ファンのためのホームページ C-WWW です。
「パンドラ」が掲載されたサンデーGXが発売されてから2週間近くも更新ほったらかして何をやっていたかと言うと、仕事や何やで溜まったストレスを発散するため、秋葉原に行って新しいDOS/Vパソコンを組み立てるためのパーツを買い漁ってました。丸の内のOLがストレス発散の為に銀座でブランド物を買いあさるような勢いです。
集めたバラバラのパーツから自分が現在必要としているスペックの新しいPCを組み立てて行く工程は、まるで理想の恋人を自分自身で組み立てているような、奇妙な感覚を味わうことができました。PCの自作に癒しの効果があったなんて…(単に自作機マニアなだけという意見は却下)
しかし、マシン名を勢いでうっかり「PANDORA」にしてしまったため、おそらく数ヵ月後にこのマシンはあらゆる厄災をネット上にばら撒いたりすることになると思います。ハードディスクに溜め込んだ同人誌のスキャン画像が流出するとか、そういう厄災の方向で(最低)。
その後に残された最後の希望も同人誌のスキャン画像になりそうですが(最低)。
今更ですがパンドラ感想
サンデーGX4月号 P.20 で「空から落ちてきた人間じゃない美少女が俺のものに! ヤッホー!
」と正直なことを言っておきながら、その次のページで「なんて反応はありえないから! 現実的には!
」とあっけなく態度を変えた主人公の海老名君に対して、
「バカーッ! 何で君はそこで自分の気持ちに対して素直になれないんだー!」
と思ってしまった人?(挨拶)
そんな感じで、すっかり遅れてしまいましたが「パンドラ」の感想を少し。
「GS美神」のおキヌちゃんから「一番湯のカナタ」のセイリュートに至るまで、椎名マンガの男性ファンは人間以外のキャラが大好きというのが定説になっていますが、今回の椎名氏の新連載「パンドラ」は、明らかにそんなアレな感じの読者に狙いを定め、かつ彼らの趣向に対してアンチテーゼめいたものを提示するような、そんなマンガなのではないかと思いました。
このマンガの基本プロットは、もはや神話の時代から作り続けられて来た「押しかけ美少女」モノのフォーマットに沿ったものなのですが、
- パンドラは「神」によって主人公のダメ男の好み通りに作られた存在であり、
- そんな彼女と1年間仲良く暮らすことを強制される
という制約が主人公に課せられているところが、この作品が普通の押しかけ美少女マンガと差別化されている点と言えます。
もっとも、これらは確かにストーリー的には「神から課せられた制約」なのですが、実際は主人公(および読者)の側からすれば、「人間以外の女の子と付き合う」ことに対する倫理的な抵抗感さえ払拭できればもはや制約でも何でもなくなり、逆に「人間以外の女の子に萌え狂っても良い」という大義名分を与えることになります。
実際、主人公は最初のうちこそ「〜なんて反応はありえないから! 現実的には!」とあくまで理性的に振る舞ってはいますが、いざその非現実的な女性と付き合っても良いことをカタストロフィから言われた途端、「本当は俺だってちょっと嬉しかったのにー!」とその本心をあっけなく暴露してしまいます。この、「非現実的な女性に萌えても良い」と認識したところを境にして彼の態度が豹変するところをコメディタッチで描いているのが今回のエピソードにおける肝の部分であり、また笑えるところになっています。
つまりこの設定は、一般的には顔文字で表現するところの「(;´Д`)」な後ろ向きのイメージで捉えられがちな「人間以外の女の子と付き合う」行為をこのマンガの中では合法なものであると主人公に納得させ、主人公にパンドラとマンガみたいな生活を送っても良いという、非現実的ではあるけど男なら誰もが憧れるシチュエーションに己を埋没させる覚悟を完了させる役割を果たしているのです(この点については、パンドラ感想掲示板の葦さんの書き込みが詳しい)。
ダメ男に「本当は俺だってちょっと嬉しかったのにー!」と心の叫びをさせてギャグにする手法は、かつて「GS美神」の横島クンがその身をもって表現していた「『男』であるが故に持つ弱さ」を描いてギャグにする物語の作り方に通じるものがありますが、今回はシチュエーションがシチュエーションなだけに、「美神」よりも生臭さ度がはるかに高いです。掲載誌がサンデーよりも読者年齢が高く、またこの手のマンガを読み慣れているであろう読者がターゲットであるサンデーGXだということもあるでしょうが、今回は相当容赦がありませんね。
タダの「落ちモノ美少女」マンガの椎名風パロディで切り捨ててしまうには惜しい展開になりそうなマンガだと思いました。
とりあえず、人間以外の女性に萌えてしまったためにオレ達の仲間となった(決め付け)ダメ男の海老名君が、どんな運命を歩むのか注目です。
ギリシャ神話の「パンドラ」は、『彼女が箱を開けたために世界はメタメタになったけど、でも二人は幸せに暮らしました』みたいな、まるで周囲を散々トラブルに巻き込んだ挙げ句に自分達だけ勝手に幸せになるドタバタラブコメディの最終回みたいな顛末になったらしいのですが、果たしてこのマンガにおける二人はどうなるのか。
二人の行き着く先は「ふたりエッチ」か! それとも「最終兵器彼女」か!
そして、物語の鍵を握ることになるであろうパンドラの別人格・カタストロフィですが、個人的には嫁にするならこっちだよな! と思いましたがどうか。
性格はキツそうだけど、うっかりダンプに轢かれてミンチになっちゃう辺り、彼女にはちょっとドジっ娘要素が混ざっていると見ました。何だかカタストロたんにも萌えられそうです。メイド服を着せてはわはわ言わせたいです(病気)。
あと、このマンガのヒロインのパンドラは初期段階ではロリっ子だったということなのですが、もしこんなロリな娘さんがいきなり「だんな様〜!
」(釘宮理恵@りぜるまいんの声で)とか言いながら空から降って来るようなマンガになっていたら、余程のロリ萌えなツワモノの読者でなければ、海老名君とシンクロして「ヤッホー!」と喜ぶどころではなく、倫理的な意味での危機を察知して「助けて! オレはまだ何もしてないよ!
」と泣いて謝ってヒいてしまうのではないかと思うので、まあこれはこれで良かったのかもとか思いました。
というか、あのロリっ子がヒロインだったら、このマンガは今とはまったく違った形になっていたでしょうけどねー。
まぁ、掲載誌が「サンデーGX」じゃなくて「電撃大王」とかだったら、話は変わったかも知れませんが。
次回作はぜひそっちの方向で(結局)。
葵DESTRUCTION!!2
そして、25日に発売されたサンデー超増刊4月号に、世に「井上和郎」の名を知らしめたと同時に、氏の漫画家としての今後の運命を決めてしまった感がある名作「葵DESTRUCTION!!」の続編が掲載されました。
Google で「葵DESTRUCTION」と検索すると何故か上位に名前が出てしまうこのサイトとしては、やはりチェックしなければ! と思って読んで見たのですが、相変わらずの常識はずれな破壊力っぷりを発揮しており、期待通りの面白さでした。読むと脳細胞がイイ感じに削られること必至ですので、ロリショタマンガの読みすぎで既に脳が減っている方ばかりでなく、脳みそが有り余っていて素直にこの手のマンガを楽しめないような方にもオススメしたいです。
みんなも脳を減らして、葵たんに萌えて幸せになろうぜー!ヽ(*´д`*)ノ
今回特に強烈だったのは、相変わらず能天気な主人公の葵父さんのウェイトレス姿と、そのウェイトレスが実は「38歳のロリショタ親父」だということに気付かず、萌え萌えな姿に騙されて惚れ込んでしまう文学眼鏡青年の間の勘違いっぷりでしょう。眼鏡青年が葵に対して淡いラブロマンスを一方的に繰り広げる冒頭4ページを読んだだけで、もう死ぬほど笑えます。
更に、前回ロリショタ親父に心底萌え切った空手ヤンキー連中が「デストローイ! デストローイ!」とロックな掛け声で気合を入れるシーンも相当ツボでした。「人間じゃない美少女」と比べればはるかに萌えるためのスレッショルド(閾値)が高い「38歳のロリショタ親父」に心底萌えきった連中がやることは、やっぱりレベルが全然違うなぁ! このシチュエーションでわざわざ「デストローイ!」を持ってくるとは流石です井上和郎先生(神)!
それに、こんなアレなキャラばっかり出てくるマンガなのにも関わらず、最後はちゃんと「ちょっとイイ話」としてオチがついて締められているので、意外と爽やかな読後感を得られるのも忘れてはなりません。
そして、最終ページにオマケとして掲載されている「葵3」の予告編も、「館長を狙う謎の女空手家30人!
」とか(「魔法先生ネギま!」の女子中学生30人のパロディですねコレ)、「美鳥の日々」のセイジの乱入とか、誰もが妄想したに違いない禁断の親子の愛とかやりたい放題やっており、こちらも非常に笑わせてもらいました。このネタがあまりに面白かったためか、超増刊発売直後には早速この予告ページのスキャン画像があちこちの画像掲示板に出回ってましたよ(ヤバい)。
この、全編から感じる作者の「こちら側」な感覚は、間違いなくサンデーの読者層にも深い影響を与えているに違いありません。
思えば、この「葵DESTRUCTION!!」と「焼きたて! ジャぱん」がサンデーに掲載された頃から、サンデーという雑誌のこちら側っぽいネタに対するスレッショルドが下がって来た感じがします。
最近のサンデーでは、「いでじゅう!」で美少年同士が立ち技勝負(ダブルミーニング)で喘ぎ声を上げていたり、「ワイルドライフ」で主人公とメガネ君が粘液をぶっかけられたりと、読んでいるこちら側のほうが不安になって来るくらいのこちら側っぷりを発揮していますが、その礎を築いたのが、こちら側要素満載だった「葵」の大ヒットだったのではないのか? と思う次第です。
まぁ、「葵」の作者の井上和郎先生(神)は、「美鳥の日々」でも美鳥に粘液をぶっかけたり、コータ君の乳首が服の上から透けて見えたり、コータ君の指をセイジが愛撫したり(まちがい)と、今もサンデーのスレッショルドをガッツンガッツン下げまくる大活躍をしているのですが。井上先生はホントに神だと思いました。
更新情報:
- 「煩悩の部屋」の創作文集のページに、狐の尾さんの作品「きつねレポート」の第15話「牙と思いの幻影 −仮面の女−」を掲載しました。
- 同じく「煩悩の部屋」の創作文集のページに、人狼さんの作品「GS美神 NEW事件ファイルシリーズ」の第五話 「初夏のシロ捜索隊・出発編」、および第六話「初夏のシロ捜索隊・到着〜混迷編」を掲載しました。
今回は前後編の構成です。人狼さんの解説によれば、「シロを探しに行く前夜に旅館でいろんなことが起きました・・・横島とおキヌちゃんの今後にも関ってくる話です。」とのこと。 - 「煩悩の部屋」のイラストのページに、M-FIELDさんの作品「私を・・・」を掲載しました。ウィディングドレス姿のおキヌちゃんのイラストです。今回はカラー。
「何かおキヌちゃんについてご意見ありましたら聞かせて頂きたいと思います」とのことですので、ご意見ご感想がありましたら、ぜひ感想掲示板の方にお願いします。
また、M-FIELDさんから送られた二つのおまけ画像も、一緒に掲載しました。 - キャラ活躍度評価投票企画「一番湯のカナタ '2002 Conventional Wisdom」ですが、現在までに16票の投票を頂きました。ありがとうございます。
投票の締め切りは3/30です。ご協力をよろしくお願いします。
お知らせ:
「一番湯のカナタ '2002 Conventional Wisdom」の発表は、できれば 4/1 頃に行いたいと思います。
最近はPC以外にもお仕事や健康面で色々アレでナニな状況になってまして、サイトの方の面倒が見れずにご迷惑をおかけしております。多分しばらくはこんな調子ですので、今後ともよろしくお願いします(何を言いたいのか)。