P57の布団の中で拗ねてる歩美に気を取られて油断していたサンデー40号神知る感想

神のみぞ知るセカイ

 今週の「神のみぞ知るセカイ」を読んだ人が、みんなTwitterで「今週の『神知る』は神汁だった」と言い出すので何事かと思ってサンデーを読んだら、本当に『神知る』が神汁だったので驚きました。
 「歩美は汗っかきなので、桂馬の布団にずっと潜っていたら汗をかいてしまった」という理屈で彼女を汗だくにさせて服をスケスケにするとか、ちょっとこの発想は凄すぎます。さすが若木先生は違う

 今回の話は、基本的には桂馬が「歩美とちひろの鉢合わせ」なる危機敵状況をどのように切り抜けるのか? というスリルとサスペンスだけで十分に盛り上がって面白くなるシチュエーションですし、更にラストにおけるちひろの思わぬ告白というサプライズイベントがあったおかげで普通のラブコメマンガとしても十二分に面白いエピソードに仕上がっていると思うのですが、しかし作者の若木先生はそれだけに飽きたらず、「桂馬の布団の中に隠れる歩美に汗をかかせ、スケスケにすると同時に彼女の感情が如何に昂っていたのかを表現する」ことで、スリルとサスペンスに満ちた今回のお話に更にエロスの要素を投入してきました。エロス。スリルとサスペンスとエロス。これでお話が面白くならないはずがありません。
 実際、歩美がのぼせるほど汗をかいてしまったのは、単に布団の中が暑かったからだけでは絶対ないですよね。汗以外の汁も間違いなく出てますよね(ダメ発想)。

 とはいえ、今回の歩美は、ちひろが桂馬のことをどのように想っているのかについて、ちひろが桂馬に聴かせるために奏でた新曲を布団の中で隠れて聴きながら「察して」しまったのも確か。布団から出た彼女が怒っていたのは、それに感づいてしまったからに他ならないでしょう。
 それに、ちひろが桂馬に対して真っ直ぐに向い合い、曲を奏でて桂馬に「この曲は好きだ」と言われ、それを聞いて自分の気持ちを確認した上で告白したのとは対照的に、自分はそれを隠れて見ているだけだった上に桂馬に対して嫉妬してしまった、という後ろめたさもあったのかも知れませんね。

 何にしろ、ちひろが桂馬に告白したことで、この三者の関係は一気に動き出すことは必至。嗚呼、桂馬を巡る歩美とちひろの泥沼の争いが、ついに切って落とされてしまうのか。私としては、ついに来るべき展開が来てしまったのかとガクブルしてます。もはや女神がどうこういう次元は自分の中で超越してしまいましたよ。
 ああもう、この恋の行方はどうなっちゃうの?(乙女チックに) 続く。

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ハヤテの映画が評判良さそうで何より記念・サンデー39号感想

ハヤテのごとく!

 「自分で選んで手に入れた力で、特別な何かになりたいの
 「私は…! 特別な何かに…! なりたいのだ!

 「きっと何者にもなれないお前達に告げる」という言葉がいちいち心に突き刺さる系の人生を歩む我々からすれば、そもそもルカもナギももう十分「特別な何か」を持っている人間なんじゃないの? と思ってしまうのですが、まあ何はともあれ彼女たちのような年頃の若者が自分の可能性を限界まで突き詰めて「特別な何か」を目指すのはいい意味での中二病の症状なので、更にこの世に一つだけの存在である私を特別な何かにするための努力を惜しまないこの二人に対しては、素直に「がんばれ」と言うべきなのでしょう。
 まあナギの方は明らかに頑張る方向性が間違っているのですが、仮にここで挫折してもへこたれるようなタマではないはずなので、お嬢様らしく華麗に復活して欲しいです(既に負けること前提)。

ムシブギョー

 「ウザかわいい」なる新概念もすっかり定着した感がありますが、今回の話を読んで仁兵衛殿は間違いなくウザかわキャラであると確信しました。仁兵衛がウザいのは今回のエピソードを読めばよく判りますが、それ以上に仁兵衛がカワイイのです。特に「私は知っていますよ。蜜月殿が、どんなにお優しい方なのか…」と目をキラキラさせながら著しい勘違いを語りだす辺りは、ンもう仁兵衛が可愛くて仕方ありません。ちなみにここで言う可愛いは、「馬鹿な子ほど可愛い」という意味での可愛いです。
 こんなのにうっかり絡んでしまった蜜月が仁兵衛をウザがるのは致し方ないところですが、その一方でお春はそんな仁兵衛を見て目をキラキラ輝かしているところからして、彼女は仁兵衛と同じ感性の持ち主であることは間違いないと思われます。今回の話を要約すると、この二人がお似合いのカップルであることを蜜月がはからずも証明してしまったエピソードであると言えるのではないのでしょうか。

 とりあえず蜜月はこれ以上このバカップルに関わるのを止め、さっさと次の悪巧みを画策する方がいいんじゃないかと思うのですが、でもきっと腹の虫が収まらない彼女はこれからも仁兵衛を執拗に追い掛け回してしまう(そしてまた仁兵衛のウザさにやられて酷い目に遭う)んでしょうね。お気の毒です。

はじめてのあく

 エーコさんと清里先生はこのまま結婚してしまうがいいと思いました。いやマジで。
 でも、「職がない」とか「彼氏がいない」とか、お年頃の現代女性にとってクリティカルなネタを肴に酒を呑んでケンカしてしまうのはこの二人の悪い癖だと思うので、お互いその点は直すべきでしょう。犬も食わない夫婦喧嘩と言えども、持ちだしてはいけない話題というのはあるものなのですよ(エラそう)。

神のみぞ知るセカイ

 『このダブルお見舞いイベント…ボクなら…うまくやれるぞ!
 どう見ても修羅場寸前の状況です。本当にありがとうございました。

 歩美が初回ヒロインの貫禄とも言える可愛らしさと健全なエロスを披露し、その上おっぱいまで大きくなった(via ヤマカム)、という意味でとても盛り上がった今回のエピソードでしたが、歩美程には舞い上がっていなさそうなちひろがこの状況に気づいてしまえば、好感度を上げるどころか爆弾が爆発してしまう(=初代ときメモ的表現)のは必至の有様。果たして桂馬の運命や如何に。
 個人的には、こんなにイイ目に遭ったんだから、今度はちょっとくらい痛い目に遭ってもいいんじゃないかと思います(狭い)。

ARAGO

 「一緒にやるぞセス!
 全てをアラゴに託してその身を犠牲にしたセスの想いは、アラゴのこの台詞によって報われたと思います。この台詞を読んだ時は、本当に背筋がゾクゾク来ましたよ。
 ジョーのおっさんとオズウェルもセスの犠牲を目の当たりにして文字通り燃え上がってますし、あのベガーですらその身を犠牲にして皆を助けるというらしくない形で活躍したりと、まさにクライマックスに相応しい盛り上がり。
 このマンガはもはや、アラゴ総受けとかそういう認識を超えた盛り上がりを見せていると思いました(←思ってたのか)。

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胸を甘やかな痛みで締め付けられる無邪気な京介(*´д`*) サンデー39号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 過去編こと絶対可憐兵部京介編も今回で事実上の第一部完。

 サプリメントでは相変わらずいい歳して素直に人に頭を下げられないひねくれ者っぷりを披露している兵部ですが、彼も少年時代はあんなに素直で可愛かったというのが、今回の過去編において作者が基本的に主張したかったことに違いないと思いました。特に、嬉しさのあまり隊長に飛びつくところなんて、ンもうまるで飼い主に甘える子犬のような破格の可愛さであり、あまりに可愛すぎるので逆に「後の兵部京介である。」とキャプションを入れたくなる衝動に駆られる程です(当時も兵部京介です)。
 いやまあ、ナイのために必死になって賢木に頭を下げようと葛藤してる今の兵部も可愛いといえば可愛いのですが、ちょっと可愛いの種類が違うのが残念です。

 今回の物語で、兵部や不二子は「超能力で自分達の未来を勝ち取ることができる」希望を手に入れましたが、しかし今回救ったイルカの009番(後の伊-9号と思われる)が示唆したように、彼らの将来は「(兵部と不二子以外は)みんな死ぬ」「しかも最後は未来を視た隊長自ら『超能力者は人類の敵』と明示して兵部を含めたメンバーを抹殺する」ことが判っているだけに(今のところ提示されている彼らの末路についてはコミックス10巻を参照)、何というかとても切ない気分になります。

 もしこのマンガの人気が今後も続くのであれば、いつか彼らが戦いの中で次第に希望を失い、あの優しかった隊長が超能力者の抹殺を決意するに至るまでの物語が描かれることがあるかも知れません。というか、兵部の抱えている心の闇を描き、物語の中で彼を「救う」ためには、いずれこの部分に(兵部のみならず、皆本やチルドレン達も)再び踏み込まなければならないのではないかと思われます。
 もし実際にこれが描かれたら何か非常に辛く悲しいお話になりそうなんですけど、でも今回の超能部隊の死に様カットにおけるイヌガミ×ヤドリギの「死んだヤドリギを抱きかかえて咆哮しながら撃たれるイヌガミ」というシチュエーションが死に様萌え的な意味合いでとてもグッと来てしまうのもまた事実であり、せめて彼らの死を我々は見届けるべきなのではないか? という気にされられました。どうでしょうか(と言われても)。

 あと、個人的には戦時中のエピソードを見ると、やっぱり「Mr.ジパング」を思い出してしまいます。
 「Mr.ジパング」は、端的に言えば日本が第二次世界大戦の敗戦によって「滅亡」する運命の歴史を書き換えようとして戦国時代に戻った人間と、その時代にあっても自らの意思によって未来を創ろうとする人間が相克する物語であると言えますが、「絶対可憐チルドレン」もまたそのテーマを受け継いでいるんだなー、と改めて思う次第です。

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