うー!(P.42の薫っぽく唸りながら挨拶)
というかこんにちは。
週刊少年チャンピオン連載の「樹海少年Z001」で、漫$画太郎先生がオチも何も成立させないものすごい投げっぱなしな最終回をやらかしてビックリな今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
もし他の漫画家がチャンピオン以外の雑誌でこんなマンガを描いたら、ネームの段階で突っ返されるどころか、その場で契約をうち切られるに違いないと思いました。画太郎先生は巨匠だなぁ。チャンピオンは偉大だなぁ。こんなことやってるから「チャンピオンは少年誌じゃなくて青年誌だ
」とか言われるんだろうなぁ。
■絶対可憐チルドレン(別名:エスパーマスオの海洋大冒険【最終回】)
そういう世間の流れ(世間?)はともかくとしても、今このサイト的に一番熱いのは、サンデー超増刊7月号に掲載された「絶対可憐チルドレン」な訳です。おかげさまで設置した専用掲示板も盛況で、ありがたい限りであります。うーやーたー。
最初に読んでから何日か経ちましたが、いまだ興奮冷めやりません。「絶対可憐」を読むと己のマンガ読みたい欲が満足しちゃうので、まだ超増刊に載ってる他の読み切りマンガの方を全然読んでないくらいです。おかげでアンケートハガキを出そうにも設問に答えられません(ダメ)。
何というかこう、こういうのが読みたかった! と漠然と思っていたのが、思ってもいなかった形で具現化されたものを読んだような、そんな感じがします。
それはつまり、オレは椎名キャラの幼女が大活躍するマンガを読みたかったんだろうなぁと思うのですが。ここの掲示板や2ちゃんねるの該当スレッドが盛り上がっているところから推測すると、みんなも多分そうだったんじゃないのでしょうか。ホントみんな好きなのな。
ヽ(´ー`)ノ
思えば前作の「パンドラ」では、予告の段階でブリブリな美少女キャラが箱から出てくるというキャッチー極まりない絵が提示されており、そういうのが大好きな読者の期待を集めていたのですが、実際に蓋を開けてみたら作者自ら「いざ描き始めてみると、なんだかそんなアホらしい設定のヒロインに一生懸命髪型だのコスチュームだのをデザインする行為自体がサイテーに恥ずかしい行為のように思えてきて(笑)
」と幼女に否定的な見解を提示。ロリパンドラはお流れになってしまいました。
それからわずか三ヵ月後に、それを言ったのと同じ漫画家が描いた小学生の女の子が大活躍するマンガを読むことになろうとは、さすがに予想できませんでしたね。いったい「パンドラ」を描いていたこの三ヶ月の間に、椎名に何が起こったのか! もういい歳なのに!(余計なお世話です)
ただ「パンドラ」の場合も、第一話〜第二話までと最終話とではかなりノリが異なるというか、最終話では作者が言うところの「アホらしい設定のヒロイン」に対する入れ込み方が加速して相当おかしくなって来ているのは確かです。もし何かがあったとするならば、この間でしょう。
私が思うに、おそらく「パンドラ」の最終話を描いている最中に、何かのきっかけで作者の中にあった、ちょっと恥ずかしくてこんなのマンガにできないよ! とか思っていた気持ちが詰まった、自分自身のパンドラの箱を開けてしまったのでしょう。
そのパンドラの箱が開いたことによって、その箱の中に氏が自らしまい込んでいたはずの「空から降ってきた人間以外の女の子サイコー!」という名の厄災が飛び出し、氏の心にそれが宿ってしまった結果、「パンドラ」最終話はあんなことになっちゃったに違いありません。
そう考えれば、今回の「絶対可憐チルドレン」は、同じくその箱の中にしまい込まれていた「幼女」という名の厄災が飛び出てきた! と解釈するのが妥当でしょう。「一番湯のカナタ」の連載末期に登場して人気を博した天沼ゆかりにもその鱗片をかいま見ることができますが、ここに来て「幼女」という名の厄災に本格的にヤられた作品が出てきてしまったようです。
勿論、我々は大歓迎です。
……いやなんかこう書くと著しい誤解を受けてしまいそうなのでフォローしておきますが、この「絶対可憐チルドレン」は、そういうことを抜きにしても、読み切り短編作品としての完成度は非常に高いです。
スクール水着とか、「震度」からそのまんまコピペしたような「超度」とか、超能力でスカートめくりするとか、自称「普通の人々」のそのまんまっぷりだとか、そういう細かいレベルでのツッコミ要素はたくさん持ち合わせているのですが、それらの全てが、ちゃんと作品世界の雰囲気作りやキャラクター達の性格や特性を活かす手段として使われています。作品内部にほとんど「無駄」と思えるものがないと感じました。この辺の短編の作り方は流石です。
また、この手の作品のお約束であるところの、「他人よりも優れた力を持つが故に疎外や差別を生んでしまう苦悩」もキッチリとお話の中に盛り込まれています。少女達の個々の超能力(と、それが周囲に及ぼす結果が彼女たちにもたらすフィードバック)がそのまま性格に反映されており、キャラクター造形に役立っています。
このマンガでは、その「超能力が持つが故の差別」が彼女たち(および、彼女たちの周囲にいる大人達)が乗り越えるべき問題となって提示されているのですが、そんな彼女たちを能力抜きで人(年相応の子供)として接することができ、彼女たちと社会との間を結ぶことができるのが、本編の(実質的な)主人公であるところの水元なのだ、という描かれ方をしていると感じました。
そういう意味において、水元と三人娘との関係は、(椎名氏が例として上げていた)「パワーパフガールズ」のユートニウム博士とガールズよりも、むしろ「サクラ大戦」シリーズの大神一郎と帝国歌劇団メンバーとのものに近いかも知れません。
そんな感じで、「絶対可憐チルドレン」は一見すると性格の悪いお子さま達がサイキック能力で大暴れするだけが売りなマンガに見えてしまいがちですけど、実際には細かいところまでちゃんと考えて作り込まれている良作だと思います。今年に入って超増刊に掲載されたサンデー連載陣による読み切りマンガの中でも、藤田和日郎先生の伝説の読み切り「美食王の到着」に比類するくらいなんじゃないかと。
総じて言えば、「『絶対可憐チルドレン』を週刊連載で読みたい!」というコメントが出てくるのも納得の面白さでした。この調子で来月以降も突っ走って欲しいと思います。
そして予告によれば、来月は読み切りで「ハートフル動物コメディー」を描くそうなのですが、作者自ら「ただし、予告と本編は多少異なる場合があることをご了承下さい
」と言ってるくらいなので、多分この予告を作った段階ではまだ何も決まってないんじゃないかと思います。
確かに椎名氏には「ポケットナイト」という割とウェットかつハートフルな作品を作った実績があるので、それ系統の作品を素直に作ることも可能でしょう。しかし椎名氏は、かつて『「ポケットナイト」の続編エピソードの構想を考えたんだけど、それがあまりにも暗くて救いがない話だったので、それを家族に話したら「なんでそんなヒドイ話考えつくの!?」と罵られた
』という経歴の持ち主(実話)。既にパンドラの箱を自分で開けちゃった氏にとって、「ハートフルコメディー」という枠を突破した作品を作ることは容易です。その点に留意しなければなりません。
今回はいきなり凄い小学生女子をぶつけられたのでビックリさせられましたが、ゆめゆめ侮ることなく、来月号に備えたいものですね。
とりあえず、今月の超増刊に載ってる残りのマンガ読まないとなぁー(ダメ)
■おまけ:サンデー系マンガサイトらしいコンテンツ・先週のサンデー30号のダメ系萌えシーンベスト5
- 「消えるときはVの体勢で消えさせてくれー!」(金色のガッシュ)
- 「お互いの体を触りあったり肌あわせたりしてさ、なにが楽しいの?」(暗号名はBF)
- 「アキハバラを女連れで歩くのは、重大な紳士協定違反!」(かってに改蔵)
- 「美鳥の日々」の高見沢君
- 「ゲーダネ!」のナカムー
解説
1. 三週間、他を寄せ付けない唯我独尊っぷりをアピールし、常にオレ的ビクトリーにこだわり続けるおかしな言動で僕達を楽しませてくれたビクトリ−ム様も、ついに主人公チームのコンビプレイの前にあえなく敗退。ありがとうビクトリ−ム様。アニメで再会する時までさようならビクトリ−ム様。雷句先生は、この手のダメなヒーローを作らせると無類の才能を発揮するなぁと思いました。
それにしても、ビクトリ−ム様のテンションの高さの前では、「千年間石の中に封じられていた、かわいそうな魔物」というしんみり来る設定もまったくの無意味でしたね。というかむしろ設定台無し?
2. 「絶対可憐」の薫みたいに大人の世界のことを判っているつもりになってるマセガキもむかつきますが、オトナの夢をぶち壊すことを平気で言う世間知らずのガキも逆にむかつきますよね! ギー!(←今週も大人げなくて申し訳ない)
「暗号名はBF」の作者の田中保左奈氏は、もはや次期連載枠でデビューできる資格を有しているくらいの実力はあると思っていますが、近いうちに実際に週刊で連載を持てるかどうかは、今回の「BF」の人気次第でしょう。以前超増刊で連載されていた「プレイヤー」は結構好きなマンガだっただけに(ヒロイン役のメガネっ娘とか)、がんばって欲しいものです。同じく超増刊連載組だった雷句・井上両氏に続くことができるか?
3. 「鬼の哭く街」と恐れられ、紳士すら身震いしてしまう趣味の都・アキハバラ。
しかし、私はかつて秋葉原ガチャポン会館(コスプレメイドカフェのあるビルの1F)の前で、いかにもオタクな風貌の男女のカップルが「ごめーん、待ったぁ〜?」「ううん、大丈夫〜。今来たとこだから〜」「そっかー良かったー、アハハハ〜」「ウフフフ〜」みたいな、マンガそのまんまのベッタベタな待ち合わせシーンの会話を楽しげに交わしていたところを目撃したことがあります。この時のこの二人は、アキハバラだからこそその存在が許される、この街に相応しい淑女と紳士でした。
スパイスボーイズが集う秋葉原では「女連れで歩くのは、重大な紳士協定違反」であるのもある意味真実なのですが、しかしアキバならではの淑女のエスコートの仕方もある、ということを紳士諸君は知っておくべきでしょう。男性諸君よ、アキバでも紳士たれ!(←せつない)
4. 登場するたびにアイタタな言動を繰り返し、我々のような軟弱なオタク読者の心をヤスリがけしてくれる我らが高見沢君ですが、今回は素直に彼の才能に対して素直に萌えました。つうか君、フィギィアや服を作るだけじゃなくて、Flash で ActionScript を使ったゲームまで作れるんか! 何でもデキスギ君だ! 「美鳥」というキャラの魅力を引き出すコンテンツを製作してサイトのアクセス数を稼ぎ出すプロデュース能力も、ページビューが広告収入に繋がる商用サイトを運営する上では立派な才能になりますしね! この天才オタクめ!(誉めてます)
もしオレが Web デザイン関係の会社の人事担当だったら、今すぐスカウトしたいくらいの逸材だと思いました。現場で一緒に仕事は絶対にしたくないタイプだけど(ドクロ)。
5. ナカムーは、かつて2ちゃんねるの少年漫画板に抹殺依頼スレッドが立った(けどすぐ落ちた)程の人気者です。善良な紳士たるサンデー読者にケンカを売っているに等しいダメ人間然としたあの風貌にあの態度、もはや存在自体が罪と呼んでも差し支えないでしょう。今週のサンデーの裏表紙に「みんなー萌えてるかぁ?
」なんて書かれたブロッコリーにょの広告が載ったのも、おそらく彼の差し金に違いありません。もしまだサンデーで「トガリ」が連載されていたら、真っ先にトーベエに狩られるタイプだと思いました。お前の罪をよこせ!
しかしサンデーって、自分の雑誌の購買層がどんな人種なのか、ホントによく判ってますね……(鏡を見ながら)